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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1.6.0)
B72085-01
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A WebCenter Portalの構成

WebCenter Portalアプリケーションのための主な構成ファイルは、adf-config.xmlおよびconnections.xmlです。この付録では、これらの両方のファイルとその検索方法について説明します。また、これらのファイルをいつ構成し、どのツールを使用するかについても説明します。web.xmlwebcenter-config.xmlなどの他の構成ファイルについてもここで説明します。第1.3.5項「WebCenter Portalの構成に関する考慮事項」も参照してください。

また、この付録では、WebCenter Portalアプリケーションをインストールするオペレーティング・システムの構成プロパティ、およびWebCenter Portalアプリケーションとそのバックエンド・コンポーネントを調整する方法についての概要も示します。

この付録の内容は次のとおりです。

A.1 構成ファイル

adf-config.xmlconnections.xmlおよびweb.xmlは、すべてのWebCenter Portalアプリケーション(Spacesを含む)およびそのバックエンド・サービスの構成に使用します。また、Spacesアプリケーションに固有のwebcenter-config.xml構成ファイルは、アプリケーション全体の設定の構成に使用します。

この項では、WebCenter Portalアプリケーションでの各ファイルの使用方法およびこれらのファイルのデプロイ後の場所について説明します。この項の内容は次のとおりです。

A.1.1 adf-config.xmlおよびconnections.xml

adf-config.xmlおよびconnections.xmlは両方とも、開発環境でWebCenter Portalアプリケーションにより使用されるディスカッション・サーバー、メール・サーバーまたはコンテンツ・サーバーなどの設計時構成情報を格納します。

  • adf-config.xml: アプリケーションレベルの設定(WebCenter Portalアプリケーションが現在使用しているディスカッション・サーバーやメール・サーバーなど)が格納されます。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』も参照してください。

  • connections.xml: WebCenter Portalサービスの接続の詳細が格納されます。

    『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』も参照してください。

WebCenter Portalアプリケーションを本番環境にデプロイした後で、Fusion Middleware ControlまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドを使用して、これらのファイルのプロパティを再構成することをお薦めします。たとえば、本番サーバー・インスタンスをポイントするように接続の詳細を変更する必要がある場合があります。付録A「構成ツール」も参照してください。

Fusion Middleware ControlおよびWLSTコマンドを使用する主な利点は、デプロイ後に加えた構成の変更が、WebCenter PortalアプリケーションのOracle Metadata Services (MDS)リポジトリにカスタマイズとして格納されることです。MDSは、デプロイされた元のバージョンのadf-config.xmlおよびconnections.xmlをベース・ドキュメントとして使用し、単一のカスタマイズ・レイヤーを使用して後続のすべてのカスタマイズを別個にMDSに格納します。将来、アプリケーションが再デプロイされる場合、以前の構成の変更がすべて保持されます。

WebCenter Portalアプリケーションが起動すると、MDSに格納されたアプリケーション・カスタマイズが適切なベース・ドキュメントに適用され、WebCenter Portalアプリケーションは、マージされたドキュメント(カスタマイズされているベース・ドキュメント)を構成プロパティの最終セットとして使用します。

MDSカスタマイズの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のMDSリポジトリの概要に関する項を参照してください。

MDSのデプロイ後のカスタマイズの確認

デプロイ後、常にFusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、最新の構成を確認するか、または構成を変更します。Fusion Middleware Controlでは、多くの場合、WebCenter Portalアプリケーション構成画面を使用しますが、役立つシステムMBeanブラウザは、構成設定の確認にも使用できます。これらのツールは常に現在の構成を示すため、通常、ベース・ドキュメントのコンテンツや、adf-config.xmlおよびconnections.xmlなどのファイルのMDSカスタマイズ・データを調べたり変更したりする必要はありません。

MDSの情報を参照することは役立つ場合があります。なんらかの理由で、MDSに格納される構成ファイルのカスタマイズを抽出するか調べる必要がある場合は、WLSTコマンドexportMetadataを使用してください。


関連項目:

構文の詳細と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のexportMetadataに関する項を参照してください。


たとえば、常にアプリケーション名がwebcenterで、WC_Spaces管理対象サーバーにデプロイされるSpacesアプリケーションのconnections.xmlのMDSカスタマイズを決定するには、ファイル名および場所は常に/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/connections.xml.xmlであり、次のように指定できます。

exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/connections.xml.xml')

同様に、adf-config.xmlのMDSカスタマイズを決定するには、次のように指定できます。

exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/adf-config.xml.xml')

toLocationを指定することにより、ファイル・カスタマイズの保存先を選択します。たとえば、toLocation/tmp/mydataに設定され、要求されたファイルは/tmp/mydata/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshareに保存されます。

要求されたファイルに対してカスタマイズが存在しない場合、指定された場所には何も保存されず、同じ場所に以前に抽出されたカスタマイズは上書きされません。

構成の競合の処理

MDSカスタマイズは、挿入/削除/置換えが必要な要素およびその場所をコールするために、ベース・ドキュメントの要素への参照を使用します。要素が誤って今後の再デプロイから削除され、MDSにその要素への参照が含まれる場合、WebCenter Portalアプリケーションの構成は破損している可能性があります。

たとえば、myconnectionという設計時に作成された接続で、MyPortalAppというJDeveloperを使用して構築されたWebCenter Portalアプリケーションについて考えてみます。アプリケーションは、管理対象サーバーにデプロイされ、myconnectionのURLは変更されました。この変更は、新しいURLを使用するためにmyconnectionを更新する目的で、カスタマイズ手順としてMDSに格納されます。将来、myconnectionが設計時に、および同じMDS詳細を使用して再デプロイされたアプリケーションで削除される場合は、構成の競合が発生します。つまり、MDSのカスタマイズ手順がmyconnectionを検出しようとしますが、このような構成は存在しません。

この問題に直面しない可能性がありますが、adf-config.xmlまたはconnections.xmlに変更を行った後で、以前にデプロイされたアプリケーションが破損している可能性がある場合は、次のオプションを使用します。

  • 競合の原因となっているMDSカスタマイズを手動で削除します。

    1. adf-config.xmlまたはconnections.xmlのMDSカスタマイズ情報を抽出します。

      exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/adf-config.xml.xml')

      exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/connections.xml.xml')

    2. ドキュメントから競合の原因となっているカスタマイズ手順を削除します。

    3. 変更されたドキュメントをMDSにインポートします。

      次に例を示します。

      importMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', fromLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/connections.xml.xml')

      importMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', fromLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/adf-config.xml.xml')

    4. 管理対象サーバーを再起動します。

  • adf-config.xmlまたはconnections.xmlのMDSカスタマイズを削除し、新しいEARファイルをデプロイして、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して最初からアプリケーションを再構成します。

    詳細な手順は下の「adf-config.xmlまたはconnections.xmlのMDSカスタマイズの削除」を参照してください。

  • 新しいパーティションまたはより古いカスタマイズが削除されるパーティションでEARファイルを再デプロイします。どちらの場合でも、adf-config.xmlまたはconnections.xmlのアプリケーション・カスタマイズ、およびすべてのユーザー・カスタマイズを含む、アプリケーションに対してMDSに以前に格納されたすべてのデータが失われます。Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、最初からアプリケーションを再構成する必要もあります。

    『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のdeleteMetadataに関する項も参照してください。

adf-config.xmlまたはconnections.xmlのMDSカスタマイズの削除

この項では、connections.xmlまたはadf-config.xmlすべてのデプロイ後の構成を削除する方法について説明します。この操作は元に戻せません。カスタマイズは永久に削除されます。

MDSカスタマイズを削除する場合、次に示す手順を実行する前に、exportMetadataコマンドを使用して、既存のファイルのコピーを保存することをお薦めします。

  1. exportMetadataコマンドを使用して、connections.xmlおよびadf-config.xmlをバックアップします。

    次に例を示します。

    exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/connections.xml.xml')

    exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/adf-config.xml.xml')

  2. WLSTを使用して、connections.xmlのカスタマイズを削除します。次に例を示します。

    deleteMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/connections.xml.xml')
  3. WLSTを使用して、adf-config.xmlのカスタマイズを削除します。次に例を示します。

    deleteMetadata (application='webcenter', server='WC_Spaces', docs='/META-INF/mdssys/cust/adfshare/adfshare/adf-config.xml.xml')
  4. WebCenter Portalアプリケーションを再起動します。

  5. Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、最初からアプリケーションを再構成します。

A.1.2 web.xml

web.xmlは、標準のJ2EEアプリケーション・デプロイメント記述子ファイルで、アプリケーションの/META-INFディレクトリにあります。通常、web.xmlの実行時設定には、初期化パラメータ、カスタム・タグ・ライブラリの場所およびセキュリティ設定が含まれます。

多くのweb.xmlプロパティは静的であるため、設計時にアプリケーションに対して指定されます。デプロイされた環境で一部のプロパティを変更する必要がある場合は、「デプロイメント設定」ページの「Webモジュールの構成」画面からほとんどのプロパティを編集できます。第7.1.6.4項「Fusion Middleware Controlを使用したアプリケーションのデプロイ」図7-12も参照してください。

たとえば、次を変更する必要がある場合に、web.xmlを変更する必要があるインスタンスはほとんどありません。

connections.xmlおよびadf-config.xmlとは異なり、web.xmlはMDSにデプロイ後のカスタマイズを格納しません。また、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、既存のWebCenter Portalアプリケーションのデプロイでweb.xmlを変更することはできません。

web.xmlの設定を変更する必要がある場合は、ご使用のアプリケーションの適切な手順に従ってください。

A.1.2.1 Spacesのweb.xmlプロパティの編集

特定のweb.xmlプロパティを更新する必要がある場合は、次のようにSpaces EARファイルを開いて、web.xmlを編集し、EARを再パッケージします。

  1. WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリに移動します。

  2. Spaces EARファイルを開きます。

    mkdir -p /tmp/my_ear
    cd /tmp/my_ear
    jar -xvf $WEBCENTER_HOME/archives/applications/webcenter.ear
    
    mkdir war
    cd war
    jar -xvf ../spaces.war
    
  3. WEB-INF/web.xmlを編集して、変更内容を保存します。

  4. 必要なweb.xmlプロパティを持つ変更された.EARファイルを作成します。

    cd /tmp/my_ear/war
    jar -cvf ../spaces.war *
    cd ..
    rm -rf war
    
    jar -cvf ../webcenter.ear *
    
  5. /tmp/webcenter.ear$WEBCENTER_HOME/archives/applications/webcenter.earにコピーします。

  6. WC_Spaces管理対象サーバーを再起動します。

    起動時に、これにより、変更されたweb.xmlを使用してより新しいアプリケーションが自動的にデプロイされます。


注意:

今後は、Spacesパッチによってこの構成の変更が上書きされるため、パッチを適用後にこのような構成の変更を繰り返し行ってください。すなわち、最新のwebcenter.earファイルを取得して、これらの手順を繰り返す必要があります。


A.1.2.2 WebCenter Portalアプリケーションのweb.xmlプロパティの編集

通常、特定のweb.xmlプロパティを変更する必要がある場合、開発者は設計時にweb.xmlを編集し、新しい値を含むようにアプリケーションのEARファイルを再生成します。

これが実行可能なオプションではない場合、現在のアプリケーションのEARファイルを開いて、web.xmlを編集し、Spacesアプリケーションに対して上記のようにEARを再パッケージ/再デプロイすることができます。第A.1.2.1項「Spacesのweb.xmlプロパティの編集」を参照してください。

A.1.3 webcenter-config.xml

webcenter-config.xmlは、Spaces構成ファイルで、アプリケーション名やロゴなどのアプリケーションレベルの設定を含みます。このファイルのプロパティのほとんどは、Spaces管理画面から管理されるため、webcenter-config.xmlを直接編集する必要はありません。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのSpaces管理ページへのアクセスおよびグローバル・デフォルトの構成に関する項を参照してください。

たとえば、次の変更を行う場合は、webcenter-config.xmlで設定を手動で変更する必要があるインスタンスはほとんどありません。

これらの設定を変更する場合は、次のように、MDSからwebcenter-config.xmlの最新バージョンをエクスポートし、uploadedFileMaxDiskSpaceおよびwcSessionTimeoutPeriodの値を変更する必要があります。

  1. 最新のwebcenter-config.xmlをMDSからエクスポートします。

    次に例を示します。

    exportMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', toLocation='/tmp/mydata', docs='/oracle/webcenter/webcenterapp/metadata/mdssys/cust/site/webcenter/webcenter-config.xml.xml')
    

    注意:

    webcenter-config.xmlファイルは、Spaces管理で「一般」設定を初めて構成したときに作成されます。ファイルがMDSに存在しない場合、webcenter-config.xmlを直接編集できます。ファイルは、/oracle/webcenter/webcenterapp/metadata/webcenter-config.xmlにあります。


  2. MDSからエクスポートされたwebcenter-config.xml.xmlをテキスト・エディタで開き、必要に応じて、次のスニペットを追加します。

    最大ファイル・アップロード・サイズを変更するには:

    <mds:replace node="webcenter(xmlns(webcenter=http://xmlns.oracle.com/webcenter/webcenterapp))/webcenter:uploadedFileMaxDiskSpace"/>
    <mds:insert after="webcenter(xmlns(webcenter=http://xmlns.oracle.com/webcenter/webcenterapp))/webcenter:custom-attributes" parent="webcenter">
    <uploadedFileMaxDiskSpace xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/webcenterapp">214748364800</uploadedFileMaxDiskSpace>
    </mds:insert>
    

    セッション・タイムアウトを変更するには:

    <mds:replace node="wcSessionTimeoutPeriod(xmlns(mds_ns1=http://xmlns.oracle.com/webcenter/webcenterapp))/mds_ns1:value"/>
    <mds:insert after="wcSessionTimeoutPeriod(xmlns(mds_ns1=http://xmlns.oracle.com/webcenter/webcenterapp))/mds_ns1:type" parent="wcSessionTimeoutPeriod">
    <value xmlns="http://xmlns.oracle.com/webcenter/webcenterapp">15</value>
    </mds:insert>
    
  3. webcenter-config.xml.xmlを保存して閉じます。

  4. 更新したwebcenter-config.xml.xmlファイルをMDSにインポートします。

    次に例を示します。

    importMetadata(application='webcenter', server='WC_Spaces', fromLocation='/tmp/mydata', docs='/oracle/webcenter/webcenterapp/metadata/mdssys/cust/site/webcenter/webcenter-config.xml.xml')
    

A.2 クラスタ構成

Fusion Middleware Control、WLSTまたはシステムMBeanブラウザを介したすべてのデプロイ後の構成は、MDSリポジトリにカスタマイズとして格納されます。クラスタ環境では、MDSリポジトリはすべてのノード間で共有されるため、あるノードで行われたすべてのWebCenter Portal構成の変更は、クラスタ内のすべてのノードに表示されます。動的ではない構成の変更を反映させるには、クラスタ内のすべてのノードを再起動する必要があります。第8.2項「WebCenter Portalアプリケーションをデプロイするための管理対象サーバーの起動および停止」も参照してください。

Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して行った、WebCenter Portalアプリケーションのほとんどの構成の変更は、動的ではありません。たとえば、WebCenter Portalのサービス(分析、アクティビティ・グラフ、お知らせ、ディスカッション、ドキュメント、イベント、メール、インスタント・メッセージおよびプレゼンス、検索、ワークリスト)の接続詳細を追加または変更する場合は、アプリケーションの対象管理サーバーを再起動する必要があります。ただし、2つの例外があり、ポートレット・プロデューサおよび外部アプリケーションの登録は動的です。登録した新規ポートレット・プロデューサや外部アプリケーションは、WebCenter Portalアプリケーションで即座に使用可能になります。既存の接続に対して行った変更も即座に有効になります。

クラスタ環境で構成ファイルを編集する場合、クラスタ構成全体で同期を維持できるように、各クラスタ・メンバーで同一の変更が行われていることを確認する必要があります。

A.3 構成ツール

Spacesおよび他のWebCenter Portalアプリケーション・デプロイメントを構成するための様々なツールがあります。この項では、利用可能なツールについて概説します。


注意:

WebCenter Portal構成パラメータのほとんどは不変であり、特に指定されないかぎり、実行時に変更できません。


デプロイ後、常にFusion Middleware ControlまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドを使用して、最新の構成を確認するか、または構成を変更します。Fusion Middleware Controlでは、多くの場合、WebCenter Portalアプリケーション構成画面を使用しますが、役立つシステムMBeanブラウザは、構成設定の確認および変更にも使用できます。

これらのツールの詳細は、下記を参照してください。

これらのツールは常に現在の構成を示すため、通常、構成ファイルのコンテンツやadf-config.xmlまたはconnections.xmlなどのファイルのMDSカスタマイズ・データを調べたり、手動で変更する必要はありません。アプリケーションを再デプロイする場合に同じMDS詳細を使用する場合は、これらのツールを使用して実行されるすべての構成が保持されます。

使用する構成ツール

デプロイ後の構成のための任意のツールを使用できます。ただし、より新しいインスタンスをプロビジョニングしたり、オートメーション用に構成手順を複数回繰り返す場合は、Fusion Middleware Controlなどのツールを使用したスクリーンベースの構成は効率的ではありません。このような場合は、WLSTスクリプトを記述して、必要な構成を実行することを強くお薦めします。

Fusion Middleware Controlを使用して行うことが可能なすべてのWebCenter Portal構成操作は、WebCenter PortalのWLSTコマンドを使用できます。WLSTスクリプトを使用して、たとえば、アプリケーションのデプロイ、管理対象サーバーの作成、アプリケーションのMDSプロパティの設定、データ・ソースの構成などの他のコンポーネントを構成することもできます。ドメイン構成を自動化する場合は、一連のWLSTコマンドとしてWLS管理コンソールで構成アクションを記録し、WLSTを使用してコマンドをリプレイすることができます。このトピックの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの概要のWLSTスクリプトの記録に関する項を参照してください。


ヒント:

OracleドキュメントでWLS管理コンソールの手順を記載している場合は、「レコード」オプションを使用して処理を自動化することを検討してください。


デプロイメント固有のプロパティを構成するための別の方法は、WebCenter Portalアプリケーションのデプロイ・プランを使用することです。デプロイメントで変更される一般的なプロパティには次のものがあります。

第7.1.6項「WebLogic管理対象サーバーへのアプリケーションのデプロイ」も参照してください。


注意:

このように再構成が可能な場合は、行ったメタデータ・リポジトリおよびADF接続構成の変更は、デプロイ・プランの一部として保存されません。すなわち、デプロイされるアーカイブで保存されます。したがって、構成の変更を後続の再デプロイで繰り返す必要があります。

アプリケーションを複数回、再デプロイする場合は、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドを使用して、デプロイ後の構成を実行することをお薦めします。こうすれば、構成の変更はMDSで保存され、再デプロイ時にそのまま維持されます。


A.4 Oracle WebCenter Portalのパフォーマンスのチューニング

表A-1に記載されているパラメータのチューニングの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパフォーマンスおよびチューニング・ガイド』のOracle WebCenter Portalのパフォーマンスのチューニングに関する章を参照してください。

表A-1 WebCenter Portalのパフォーマンスのチューニング

パフォーマンス・チューニング パラメータ ファイル

環境

システム制限



JDBCデータ・ソース(MDSDSおよびWebCenterDSの設定)



JRockit Virtual Machine (JVM)引数

setDomainEnv.sh

WebCenter Portalアプリケーション

HTTPセッション・タイムアウト

web.xml


JSPページ・タイムアウト

web.xml


ADFクライアントのStateトークン

web.xml


MDSキャッシュ・サイズおよびパージ・レート

adf-config.xml


同時実行性管理

adf-config.xml


CRUD API (作成、読取り、更新および削除)

adf-config.xml

Spacesアプリケーション

Spacesセッション・タイムアウト

webcenter-config.xml

バックエンド・コンポーネント脚注 1 



お知らせサービス

接続タイムアウト

connections.xml

ディスカッション・サービス

接続タイムアウト

connections.xml

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)サービス

接続タイムアウト

connections.xml

メール・サービス

接続タイムアウト

connections.xml

RSSニュース・フィード・サービス

リフレッシュ間隔

adf-config.xml

検索サービス

表示される保存済検索の数、表示される結果数、各種タイムアウト

adf-config.xml

WSRPプロデューサ

接続タイムアウト

connections.xml

Oracle PDK-Javaプロデューサ

接続タイムアウト

connections.xml

OmniPortlet

接続タイムアウト

connections.xml

ポートレット・サービス

ロケール・サポート、ポートレット・タイムアウト、ポートレット・キャッシュ・サイズ

adf-config.xml


脚注 1 ワークリスト、Oracle WebCenter Content Serverなどのバックエンド・サーバーのパフォーマンスは、これらのバックエンド用ガイドラインの説明に従ってチューニングする必要があります。

A.5 WebCenter Portalアプリケーションの構成に関する問題のトラブルシューティング

この項の内容は次のとおりです。

A.5.1 WebCenter PortalがFusion Middleware Controlの「アプリケーションのデプロイ」メニューに表示されない

問題

Fusion Middleware Controlにログインした後で、「アプリケーションのデプロイ」メニューの「WebCenter Portal」オプションを検索できません。

解決策

次のことを確認します。

  • デプロイ済アプリケーションがADFアプリケーションであること。

    「WebCenter Portal」オプションは、ADFを使用して開発されていないアプリケーションには表示されません。

  • デプロイ済アプリケーションが稼働中であること。

  • デプロイ済アプリケーションには、MDSリポジトリおよびパーティションに関する正確な情報が含まれ、MDSリポジトリがそのアプリケーションにアクセスできること。この情報を確認するには、adf-config.xmlファイルのmetadata-store-usagesセクションをチェックします。MDSの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のMDSリポジトリの概要に関する項を参照してください。

  • アプリケーションが次の構成をサポートするように、必要なアーティファクトと一緒にパッケージ化されていること。

    • adf-jndi-configネーム・スペースは、アプリケーションのadf-config.xmlファイルで構成されます。これは、設計時にプロビジョニングされます。次はadf-jndi-configネーム・スペースの例(太字のテキスト)です。

      <adf-config xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/config"
           xmlns:jndiC="http://xmlns.oracle.com/adf/jndi/config"
           xmlns:ns2="http://xmlns.oracle.com/mds/config"
           xmlns:ns3="http://xmlns.oracle.com/adf/mds/config">
        ...
        ... 
      </adf-config>
      
    • MBeansを登録するために、適切なリスナーがweb.xmlファイルに存在します。これは、設計時にプロビジョニングされます。たとえば、web.xmlファイルの次のスニペットで太字のテキストを表示します。

      <listener>
         <description>ADF Config MBeans</description>
         <display-name>ADF Config MBeans</display-name>
         <listener-class>oracle.adf.mbean.share.config.ADFConfigLifeCycleCallBack</listener-class>
      </listener>
      <listener>
          <description>ADF Connection MBeans</description>
          <display-name>ADF Connection MBeans</display-name>
          <listener-class>oracle.adf.mbean.share.connection.ADFConnectionLifeCycleCallBack</listener-class>
      </listener>
      
  • MBeansがWebCenter Portalアプリケーションに対して登録されていること。これを確認する手順は次のとおりです。

    1. Fusion Middleware Controlで、「アプリケーション・デプロイメント」メニューから、「システムMBeanブラウザ」を選択します。

    2. 「アプリケーション定義のMBean」「oracle.adf.mbean.share.connection」の下で、アプリケーションの接続MBeansを見つけます。

    3. 同様に、「アプリケーション定義のMBean」「oracle.adf.mbean.share.config」の下で、アプリケーションのadf-config MBeansを見つけます。図A-1は、Fusion Middleware Controlでの「アプリケーション定義のMBean」セクションの外観を示しています。

      アプリケーションがプロデューサを使用する場合は、プロデューサ・マネージャMbeanを検索してください。

      図A-1 アプリケーション定義のMBean

      図A-1の説明が続きます
      「図A-1 アプリケーション定義のMBean」の説明

  • アプリケーションの診断ログを確認して、oracle.adf.mbean.share.connectionおよびoracle.adf.mbean.share.configを分析し、実行するために必要な作業を判断します。

A.5.2 使用不可の構成オプション

問題

Fusion Middleware ControlからWebCenter Portalアプリケーションを構成する場合は、次のメッセージが表示されます。

Configuration options currently unavailable. The application application_name might be down, did not start-up properly, or is incorrectly packaged.
Check the log files for further details.

解決策

この問題の解決方法の詳細は、第A.5.1項「WebCenter PortalがFusion Middleware Controlの「アプリケーションのデプロイ」メニューに表示されない」を参照してください。

A.5.3 あるアプリケーションで実行された構成が別のアプリケーションに反映される

問題

WebCenter Portalアプリケーションを構成しましたが、これらの構成が別のアプリケーションでも表示されます。

解決策

これは複数のアプリケーションがMDSパーティションを同じスキーマで共有する場合に発生します。この問題を解決するには、これらのアプリケーションを再度デプロイして、各アプリケーションが独自のMDSスキーマとパーティションの組合せを使用していることを確認します。異なるMDSリポジトリまたはパーティションを使用するために、MDSリポジトリを作成するか、既存のWebCenter Portalアプリケーションを構成する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Metadataリポジトリの管理に関する項を参照してください。

A.5.4 Spacesアプリケーションのログはオープン・ファイルが多すぎることを示している

問題

Spacesにアクセスできないか、またはSpacesにエラー・メッセージが表示されていて、オープン・ファイルが多すぎるという問題があることを診断ログ・ファイルが示しています。

解決策

次の操作を実行します。

  • 各バックエンド・サーバー(主にデータベース)で構成されるファイル・ハンドル数を確認し、必要に応じて数を増やします。

  • ファイル・ハンドル数を増加した後でも問題が解決されない場合は、/etc/sysctl.confファイルのfs.file-maxの値を確認し、必要に応じて値を増やします。

A.6 WLSTコマンドの問題のトラブルシューティング

この項の内容は次のとおりです。

第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」も参照してください。

A.6.1 WebCenter Portal WLSTコマンドがいずれも機能しない

問題

WLSTコマンドをいずれも実行できません。

解決策

次のことを確認します。

  • WebCenter Portal WLSTコマンドは常に、WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリ(WC_ORACLE_HOME/common/bin)から実行してください。

    間違ったディレクトリからWebCenter Portal WLSTコマンドを起動しようとすると、NameErrorが表示されます。

  • Python以外のファイルは、WLSTソース・ディレクトリ: WC_ORACLE_HOME/common/bin/wlstには格納されません。このディレクトリには、.py拡張子のみを持つファイルが含まれる必要があります。

    この場所のファイルのデフォルト・セットには、Oracleからの適切なPythonファイルが含まれます。ユーザーは、このディレクトリに一部のPython以外のスクリプト、たとえばバックアップ・ファイルや構文エラーのあるテスト用Pythonファイルをコピーしておくことが可能です。

  • webcenter-wlst.jarは、WC_ORACLE_HOME/common/bin/wlst/libにあります。

A.6.2 WLSTコマンドが特定のサービスに対して機能しない

問題

WLSTコマンドが特定のサービスに対して実行できないため、そのサービスを構成できません。

解決策

最初に、listApplications()およびdisplayMetricTableNames()などの一般的なWebCenter Portal以外のコマンドを実行して、これらのコマンドが機能するかどうか確認します。一般的なコマンドが機能しない場合は、第A.6.1項「WebCenter Portal WLSTコマンドがいずれも機能しない」で説明される解決策を適用してください。

一般的なコマンドが機能する場合は、テスト・コマンドを実行して、WebCenter Portal固有のコマンドに構文エラーがないか確認します。適切なWSLTチェック・コマンドを実行してください(表A-2を参照)。

第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」も参照してください。

表A-2 WebCenter Portalサービスのファイル名とWLSTコマンド

サービス名 ファイル名 WLSTコマンド

アクティビティ・グラフ

ActivityGraph.py

metadataAdminCheck()

アクティビティ・ストリーム

ActivityStream.py

asCheck()

分析

Analytics.py

OpenUsage.py

analyticsCheck()

openusageCheck()

ディスカッションおよびお知らせ

Forum.py
JiveAdmin.py

fcpCheck()

ドキュメント

Doclib.py

doclibCheck()

外部アプリケーション

ExtApp.py

extCheck()

スペース・イベント

CommunityWLST.py

ceCheck()

インスタント・メッセージおよびプレゼンス

Imp.py

rtcCheck()

メール

Mail.py

mailCheck()

通知

Notification.py

notificationCheck()

個人イベント

Personal.py

peCheck()

プロデューサ



PDK-Javaプロデューサ

Pdk.py

pdkCheck()

WSRPプロデューサ

Wsrp.py

wsrpCheck()

ページレット・プロデューサ

Ensemble.py

ensembleCheck()

プロデューサ・ヘルパー

Producer.py

producerHelperCheck()

RSSニュース・フィード

RSS.py

rssCheck()

検索

Ses.py

sesCheck()

ワークリスト

Bpel.py

bpelCheck()

エクスポート/インポート: WebCenter Portalアプリケーション

Lifecycle.py

lifecycleCheck()

エクスポート/インポート: スペースおよびテンプレート

ExtImp.py

expimpCheck()

WebCenter Portal: 一般



サービス・フレームワーク

WcServiceFwk.py

serviceFwkCheck()

一般設定

WebCenterGeneralSettings.py

generalSettingsCheck()

SpacesおよびSOA

WebCenterSpacesSOA.py

spaceCheck()


A.6.3 Connection_Nameという名前の接続がすでに存在している

問題

connection_nameという名前の接続を作成できません。次のメッセージが表示されます。

A connection with name Connection_Name already exists.

解決策

接続名はWebCenter Portalアプリケーション間で一意です。使用中の名前で接続を作成しようとするとエラーが発生します。接続に一意の名前を使用していることを確認してください。

A.6.4 WLSTシェルがOracle WebLogic管理対象サーバー・インスタンスに接続されない

問題

WLSTシェルはWLSTコマンドを実行する管理対象サーバーに接続されません。

解決策

WLSTシェルを管理対象サーバーに接続するには、次のコマンドを実行してください。

connect(username, password , serverhost:serverport)

第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」も参照してください。

A.6.5 同じ名前のアプリケーションがドメインにすでに存在している

問題

プロデューサ・アプリケーションを登録できません。次のメッセージが表示されます。

Another application named "YourApplicationName" exists. Specify the Server on which your application is deployed. Use: server="YourServerName".

解決策

アプリケーションを登録しようとしているドメインに同じ名前を持つ複数のアプリケーションがあります。これは通常、同じアプリケーションが複数の管理対象サーバーにデプロイされる、クラスタ環境で発生します。この場合、このアプリケーションを登録しようとしているサーバーの名前を指定します。たとえば、server引数を持つregisterWSRPProducer WLSTコマンドを実行してください。

registerWSRPProducer(appName='myApp', name='MyWSRPSamples',url='http://host:port/application_name/portlets/wsrp2?WSDL', server=server_name) 

コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のregisterWSRPProducerに関する項を参照してください。

第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」も参照してください。

A.6.6 同じ名前のアプリケーションが管理対象サーバーにすでに存在している

問題

プロデューサ・アプリケーションを登録できません。次のメッセージが表示されます。

Another application named "application_name" exists on the server managedServerName.

解決策

アプリケーションを登録しようとしている管理対象サーバーに同じ名前を持つ複数のアプリケーションがあります。これは通常、アプリケーションが別のバージョンを割り当てられている場合に発生します。この場合、登録するアプリケーションのバージョンを指定します。たとえば、serverおよびapplicationVersion引数を持つregisterWSRPProducer WLSTコマンドを実行してください。

registerWSRPProducer(appName='myApp', name='MyWSRPSamples',url='http://host:port/application_name/portlets/wsrp2?WSDL', 
server=server_name applicationVersion=version of the application) 

コマンドの構文と例は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のregisterWSRPProducerに関する項を参照してください。

第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」も参照してください。

A.6.7 ドメイン・ランタイム・ツリーにすでにメッセージが表示される

問題

WLSTコマンドの実行中に、次のメッセージが表示されます。

Already in Domain Runtime Tree

解決策

何も実行する必要がありません。これは情報のみを目的としています。