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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1.6.0)
B72085-01
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37 複数言語ポータルの管理

ポータルで異なる言語をサポートする必要がある場合、ローカライズされたコンテンツをユーザーが選択した言語とロケールに基づいて表示するように、ポータルを構成できます。たとえば、イタリア語を話すユーザーがページを表示する場合、イタリア語が(ブラウザ、ユーザー・プリファレンス、スペースまたはアプリケーション設定で)選択されたときにページ内のテキスト文字列をイタリア語で表示するように、ページをローカライズできます。

また、ロケールを選択する際は、選択したロケールに適用される、特殊な書式について考慮する必要があります。たとえば、通常の情報の表示方向が左から右、右から左のどちらであるか、数字をどのように表記するか(通貨情報など)などがあります。

この章の内容は次のとおりです。

Spacesで提供される言語構成オプションについては、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドを参照してください。

37.1 Spacesアプリケーションの言語に関する必要な知識

Spacesアプリケーション内に表示される主な情報のタイプは、次の3つです。

変更に関する処理は、情報のタイプごとに異なります。

37.1.1 Spacesによってデフォルトでサポートされる言語

Spacesでは、27の言語と100の異なるロケールに対応した翻訳が実行時に提供されます。

表37-1 Spacesで提供される言語

AからFi FrからNo PからT

アラビア語

フランス語

ポーランド語

ポルトガル語(ブラジル)

ドイツ語

ポルトガル語

中国語(簡体字)

ギリシャ語

ルーマニア語

中国語(繁体字)

ヘブライ語

ロシア語

チェコ語

ハンガリー語

スロバキア語

デンマーク語

イタリア語

スペイン語

オランダ語

日本語

スウェーデン語

英語

韓国語

タイ語

フィンランド語

ノルウェー語

トルコ語


表37-1のリストには、デフォルトでSpacesに提供されるすべての言語が含まれています。ユーザーは、特定の言語に関連付けられたロケールを選択することもできます。たとえば、ユーザーは言語をアラビア語に変更し、その言語グループの中で、アルジェリア、バーレーン、ジブチなど、20の異なるロケールを選択できます。


注意:

Oracle Enterprise Managerをはじめとするツールなど、Spacesにサービスを提供する管理層では、Spacesで使用可能な言語のサブセットが提供されます。それらを次に示します。

  • 英語

  • ポルトガル語(ブラジル)

  • 中国語(簡体字)

  • 中国語(繁体字)

  • フランス語

  • ドイツ語

  • イタリア語

  • 日本語

  • 韓国語

  • スペイン語

ディスカッション・サービスでは、WebCenter Portalのディスカッション・サーバーが使用されます。デフォルトのディスカッション・サーバー・アプリケーションでは、英語とスペイン語がサポートされます。表37-1にリストされているその他の言語はサポートされません。ただし、アプリケーションでは独自の翻訳ファイルを使用できます。詳細は、http://www.jivesoftware.com/builds/docs/latest/documentation/developer-guide.html#i18nを参照してください。この情報は、ディスカッション・サーバー・アプリケーションのユーザー・インタフェースを対象としています。


37.2 特定の文字列またはスペースへの編集の制限

特定の文字列や特定のスペースの文字列のみを編集することが必要になる場合があります。その場合、該当する文字列やスペースに関連付けられた値を確認する必要があります。

37.2.1 文字列のリソース・キーの確認

特定の文字列を編集する場合、その文字列を文字列ファイル内で見つけるために、文字列のリソース・キーが必要になります。

文字列のリソース・キーを確認する手順は、次のとおりです。

  1. Composerでページまたはリソースを開きます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイドのComposerでのページ・テンプレートの編集に関する項、スペース内のページの編集に関する項またはタスク・フローの編集に関する項を参照してください。

  2. 編集する文字列を含むコンポーネントの編集アイコン(レンチ)をクリックします。

  3. 「コンポーネント・プロパティ」ダイアログ・ボックスで、「表示オプション」タブをクリックします。

  4. リソース・キーは、「テキスト」ボックス内のテキストの最後の部分です。

    たとえば、図37-1は、Announcementsコンポーネントのリソース・キーを示しています。Announcementsという文字列を編集する場合は、リソース・キーANNOUNCEMENTS.TITLEを記録します。

    図37-1 Announcementsコンポーネントの表示オプション: リソース・キー

    図37-1の説明が続きます
    「図37-1 Announcementsコンポーネントの表示オプション: リソース・キー」の説明

37.2.2 スペースのGUIDの確認

特定のスペースのUIテキストやユーザー入力メタデータを編集する場合、スペースのGUIDを確認する必要があります。

スペースのGUIDを確認する手順は、次のとおりです。

  1. 編集する文字列を含むスペースに移動します。

  2. 「アクション」メニューをクリックし、「情報」を選択して、「このスペース」を選択します。

  3. 「このスペース」ダイアログ・ボックスの「内部ID」の値を記録します。

    図37-2 スペースのGUID

    図37-2の説明が続きます
    「図37-2 スペースのGUID」の説明

37.3 文字列の変更

変更対象が、サイト全体のUIテキスト、特定のスペースのUIテキスト、またはスペース内のユーザー入力メタデータのいずれであっても、その変更プロセスは基本的に同じで、該当するファイルをそれぞれ変更するだけです。サイト全体のUIテキストを変更するには、オーバーライド・バンドル(SpacesSeedDataOverrideBundle.xlf)を編集します。特定のスペースのUIテキストやユーザー入力メタデータを変更するには、スペース固有のリソース・バンドル(scope-resource-bundle.xlf)を編集します。

文字列を変更する手順は、次のとおりです。

  1. WLSTコマンドのexportMetadataを使用して、文字列ファイルをエクスポートします。

    • すべての文字列をエクスポートする場合は、docs属性を含めません。次に例を示します。

      exportMetadata(application='webcenter',server='WC_Spaces',toLocation='/tmp/metadata')
      

      この例では、WC_Spacesサーバー上のwebcenterアプリケーションから、すべての文字列ファイルを/tmp/metadataフォルダにエクスポートしています。アプリケーション名には、常にwebcenterを使用してください。Spacesのインストールをホストするサーバーと一致するようにサーバー名を変更します。toLocationを、文字列ファイルのエクスポート先となる場所に変更します。

    • 特定の文字列ファイルのみをエクスポートする場合は、docs属性を含めます。次に例を示します。

      exportMetadata(application='webcenter',server='WC_Spaces',toLocation='/tmp/metadata',docs='/xliffBundles/SpacesSeedDataOverrideBundle.xlf,/oracle/webcenter/translations/scopedMD/SPACE_GUID/scope-resource-bundle.xlf')
      

      この例の結果は1つ目の例と似ていますが、サイト全体のオーバーライド・バンドルとスペース固有のリソース・バンドルのみがエクスポートされます。

      • サイト全体のUI文字列を編集するには、SpacesSeedDataOverrideBundle.xlfを指す、1つ目のdocsの値を使用します。

      • スペース固有のUI文字列とユーザー入力メタデータを編集するには、scope-resource-bundle.xlfを指す、2つ目のdocsの値を使用し、SPACE_GUIDを文字列の変更対象となるスペースのGUIDに置換します。


      注意:

      複数のファイルをエクスポートするには、ファイルの場所をカンマで区切ります。


    詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のexportMetadataに関する項も参照してください。

  2. エクスポートした文字列ファイルが格納されているフォルダに移動し、文字列ファイルをテキスト・エディタで開きます。


    注意:

    編集したファイルを正しくエンコードしないと、翻訳をインポートする際にエラーが発生する場合があります。Oracle JDeveloperは特殊文字を自動的に正しくエンコードするため、Oracle JDeveloperを使用することをお薦めします。


    • サイト全体のUIテキストを編集するには、/xliffBundles/SpacesSeedDataOverrideBundle.xlfを開きます。

    • スペース固有のUIテキストまたはユーザー入力メタデータを編集するには、/oracle/webcenter/translations/scopedMD/SPACE_ GUID/scope-resource-bundle.xlfを開き、SPACE_GUIDを文字列の変更対象となるスペースのGUIDに置換します。

  3. 変更する<trans-unit>ブロックを見つけます。

    ID属性(SpacesSeedDataOverrideBundle.xlf)とOBJECTGUID属性(scope-resource-bundle.xlf)は、Composerのコンポーネントを確認した際に記録したリソース・キーと一致します。

    たとえば、サイト全体のSpacesSeedDataOverrideBundle.xlfファイルに含まれるAnnouncementsタイトルの<trans-unit>ブロックは、次のとおりです。

    <trans-unit id="ANNOUNCEMENTS_TITLE">
    <source>Announcements</source>
    </trans-unit>
    

    スペース固有のscope-resource-bundle.xlfファイルに含まれるAnnouncementsタイトルの<trans-unit>ブロックは、次のとおりです。

    <trans-unit id="SCOPEGUID:s1a448c10_c9b8_429f_bf83_a481d5f9e4bc:SERVICEID:oracle.webcenter.peopleconn:OBJECTTYPE:profile:OBJECTGUID:ANNOUNCEMENTS_TITLE">
    <source>Announcements</source>
    </trans-unit>
    
  4. <source>ブロック内のテキストをビジネス要件に合わせて編集し、ファイルを保存します。

  5. WLSTコマンドのimportMetadataを使用して、更新された文字列ファイルをSpacesにインポートします。次に例を示します。

    • すべての文字列をインポートする場合は、docs属性を含めません。次に例を示します。

      importMetadata(application='webcenter',server='WC_Spaces',fromLocation='/tmp/metadata')
      

      この例では、/tmp/metadataフォルダから、すべての文字列ファイルをWC_Spacesサーバー上のwebcenterアプリケーションにインポートしています。fromLocationを、文字列ファイルのインポート元となる場所に変更します。アプリケーション名には、常にwebcenterを使用してください。Spacesのインストールをホストするサーバーと一致するようにサーバー名を変更します。

    • 特定の文字列ファイルのみをインポートする場合は、docs属性を含めます。

      importMetadata(application='webcenter',server='WC_Spaces',fromLocation='/tmp/metadata',docs='/xliffBundles/SpacesSeedDataOverrideBundle.xlf,/oracle/webcenter/translations/scopedMD/SPACE_GUID/scope-resource-bundle.xlf')
      

      この例の結果は1つ目の例と似ていますが、サイト全体のオーバーライド・バンドルとスペース固有のリソース・バンドルのみがインポートされます。

      • サイト全体のUI文字列をインポートするには、SpacesSeedDataOverrideBundle.xlfを指す、1つ目のdocsの値を使用します。

      • スペース固有のUI文字列とユーザー入力メタデータをインポートするには、scope-resource-bundle.xlfを指す、2つ目のdocsの値を使用し、SPACE_GUIDを文字列の変更対象となるスペースのGUIDに置換します。


      注意:

      複数のファイルをインポートするには、ファイルの場所をカンマで区切ります。


    詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のimportMetadataに関する項も参照してください。

  6. WC_Spaces管理対象サーバーを再起動し、変更がUIの表示に反映されていることを確認します。

37.4 Spacesへの新規言語のサポートの追加

デフォルトでサポートされていない言語をSpacesでサポートする必要がある場合、新規言語の文字列ファイルを提供し、supported-languages.xml構成ファイル内で、新規言語に対応する<language>タグを追加します。

新規言語のサポートを追加する手順は、次のとおりです。

  1. WLSTコマンドのexportMetadataを使用して、文字列ファイルをエクスポートします。次に例を示します。

    exportMetadata(application='webcenter',server='WC_Spaces',toLocation='/tmp/metadata')
    

    この例では、WC_SpacesサーバーにデプロイされたSpacesアプリケーション(webcenter)のすべての文字列ファイルを/tmp/metadataフォルダにエクスポートしています。必要に応じて、Spacesのインストールに一致するようにサーバー名を変更します。toLocationを、文字列ファイルのエクスポート先となる場所に変更する必要があります。

    詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のexportMetadataに関する項も参照してください。

  2. 翻訳する各文字列ファイルの言語またはロケール固有のバージョンを作成します。たとえば、サイト全体のUIテキストをカタロニア語に翻訳するには、SpacesSeedDataOverrideBundle_ca.xlfを作成します。

    • サイト全体のUIテキストを翻訳するには、/xliffBundles/SpacesSeedDataOverrideBundle.xlfをコピーします。

    • スペース固有のUIテキストまたはユーザー入力メタデータを翻訳するには、/oracle/webcenter/translations/scopedMD/SPACE_ GUID/scope-resource-bundle.xlfをコピーし、SPACE_GUIDをスペースのGUIDに置換します。


      注意:

      新規言語のサポートが必要なスペースは、おそらくごく少数です。ただし、スペースを新しくサポートされた言語に翻訳することが必要になる場合もあります(会社全体のスペースなど)。


  3. 言語またはロケールに固有の各文字列ファイルを、次のように翻訳します。

    1. コピーしたいずれかの文字列ファイルを、テキスト・エディタで開きます。


      注意:

      編集したファイルを正しくエンコードしないと、翻訳をインポートする際にエラーが発生する場合があります。Oracle JDeveloperは特殊文字を自動的に正しくエンコードするため、Oracle JDeveloperを使用することをお薦めします。


    2. <trans-unit>ブロックの<source>に含まれるテキストを翻訳します。

      サイト全体のSpacesSeedDataOverrideBundle.xlfファイルに含まれる<trans-unit>ブロックの例を次に示します。

      <trans-unit id="ANNOUNCEMENTS_TITLE">
      <source>Announcements</source>
      </trans-unit>
      

      スペース固有のscope-resource-bundle.xlfファイルに含まれる<trans-unit>ブロックの例を次に示します。

      <trans-unit id="SCOPEGUID:s1a448c10_c9b8_429f_bf83_a481d5f9e4bc:SERVICEID:oracle.webcenter.peopleconn:OBJECTTYPE:profile:OBJECTGUID:ANNOUNCEMENTS_TITLE">
      <source>Announcements</source>
      </trans-unit>
      
    3. ファイルを保存します。

    4. 翻訳する文字列ファイルごとに、上記の手順を繰り返します。

  4. WLSTコマンドのimportMetadataを使用して、更新された文字列ファイルをSpacesにインポートします。次に例を示します。

    importMetadata(application='webcenter',server='WC_Spaces',fromLocation='/tmp/metadata')
    

    この例では、/tmp/metadataフォルダから、すべての文字列ファイルをWC_SpacesサーバーにデプロイされたSpacesアプリケーション(webcenter)にインポートしています。必要に応じて、Spacesのインストールに一致するようにサーバー名を変更します。fromLocationを、文字列ファイルのインポート元となる場所に変更します。

    詳細は、第1.13.3.1項「Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)コマンドの実行」を参照してください。『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のimportMetadataに関する項も参照してください。

  5. 新規言語をsupported-languages.xmlファイルに追加します。

    1. Oracle JDeveloperで、supported-languages.xmlを開きます。

    2. 新規言語の<language>タグを追加します。たとえば、カタロニア語をサポートするには、次のコードを追加します。

      <language name="Catilina" id="ca" used="true" translated="true"/>
      

      name属性の値には、UIに表示する言語名を指定します。

      id属性の値には、翻訳された文字列ファイルの接尾辞として追加した言語IDを指定します。

  6. 更新された言語リストを、次のようにデプロイします。

    1. デプロイメント・プロファイルで、CustomLanguageAdditionsプロジェクトが選択されていることを確認します。

    2. カスタマイズされたSpaces .WARをビルドしてデプロイします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』のJDeveloperを使用したスペースの拡張に関する項を参照してください。

  7. WC_Spaces管理対象サーバーを再起動し、変更がユーザー・インタフェースに反映されたことを確認します。

37.5 コンテンツ・プレゼンタ・テンプレートによる翻訳済コンテンツの表示

翻訳されたコンテンツを表示するには、表示言語を参照するコンテンツ・プレゼンタ・テンプレートを作成した後、コンテンツを言語固有のフォルダから表示する必要があります。コンテンツ・プレゼンタ・テンプレートの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』のコンテンツ・プレゼンタ表示テンプレートの作成に関する項を参照してください。