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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理
12cリリース1 (12.1.1)
B65892-02
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11 WebLogic ServerでのOracle RACの使い方

この章では、WebLogic ServerでOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)を使用する場合の要件および構成タスクについて説明します。

Oracle WebLogic Serverは、Oracleデータベース11gのOracle Real Application Clusters (RAC)機能に関する強力なサポートを提供し、接続パフォーマンスと可用性の両方を最大化する豊富なプーリング管理機能への透過的アクセスを許可する一方で、データベース・アクセス時間を最小化します。

Oracle RACとWebLogic Serverはどちらも複雑なシステムです。これらを一緒に使用するには、クラスタリング・ソフトウェアおよび共有ストレージ・ソリューションに加え、両方のシステム上での固有の構成が必要になります。このドキュメントでは、要求される構成について概要レベルで説明します。Oracle RAC、使用しているクラスタリング・ソフトウェア、使用しているオペレーティング・システム、および使用しているストレージ・ソリューションの構成に関する詳細は、それぞれのベンダーが提供するドキュメントを参照してください。

Oracle Real Application Clustersの概要

Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)は、複数のマシンのユーザーが単一のデータベースに高いパフォーマンスでアクセスすることを可能にする高可用性ソリューションに追加できるソフトウェア・コンポーネントです。Oracle RACは、複数のクラスタ化マシン上で実行され、クラスタ技術によって共有ストレージ・デバイスにアクセスする複数のOracleデータベース・インスタンスで構成されます。このアーキテクチャをサポートするため、データベース・インスタンスをホストするマシンは高速のインターコネクトでリンクされて、クラスタを形成します。インターコネクトとは、クラスタのノード間の通信手段として使用される物理的なネットワークです。クラスタ機能は、オペレーティング・システムまたは互換性のあるサード・パーティのクラスタリング・ソフトウェアによって提供されます。

インストールされているOracle RACは、単一の標準的なOracleデータベースのように見え、同じツールと実行方法で管理されます。クラスタのすべてのノードは同じデータベースに対してトランザクションを実行し、Oracle RACにより各ノードから共有データへのアクセスが調整されて一貫性が維持され、整合性が確保されます。クラスタにはノードを簡単に追加でき、追加時にデータを分割する必要もありません。つまり、Oracle RACノード、ストレージ、またはその両方を追加することで、処理とリクエストの増加に伴い、データベース層を水平方向に拡張できます。

ソフトウェア要件

WebLogic ServerをOracle RACで使用するには、各Oracle RACノードに次のソフトウェアをインストールする必要があります。

JDBCドライバ要件

WebLogic ServerをOracle RACとともに使用するには、WebLogic JDBCデータ・ソースでOracle JDBC Thin Driver 11gを使用して、データベース接続を作成する必要があります。

ハードウェア要件

WebLogic ServerおよびOracle RACの標準的なシステムには、WebLogic Serverクラスタ、Oracle RACクラスタ、および共有ストレージ用のハードウェアが含まれます。

WebLogic Serverクラスタ

WebLogic Serverクラスタは、さまざまハードウェア・オプションを使用して多くの方法で構成できます。WebLogic Serverクラスタの構成については、『Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』を参照してください。

Oracle RACクラスタ

Oracle RACに関する最新のハードウェア要件については、Oracle RACのドキュメントを参照してください。ただし、WebLogic ServerでOracle RACを使用するには、堅牢な製品レベル品質のハードウェア上でOracle RACインスタンスを実行する必要があります。Oracle RACの構成では、アプリケーションの負荷要件を適切に予想し、それに見合ったデータベース処理性能を実現する必要があります。データベースのレスポンスが著しく遅れると、データベースのフェイルオーバー処理の間に予期しない動作が生じるおそれがあります。

共有ストレージ

Oracle RACの構成では、データ・ファイル、制御ファイル、およびパラメータ・ファイルはすべて、各Oracle RACインスタンスで共有されて使用されます。次のいずれかのアーキテクチャを使用するHAストレージ・ソリューションをお薦めします。

  • デュアル・ポート・ディスク配列などのダイレクト・アタッチド・ストレージ(DAS)またはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)

  • ネットワーク・アタッチド・ストレージ(NAS)

サポートされているストレージ・ソリューションの全リストについては、Oracleのドキュメントを参照してください。

WebLogic ServerでOracle RACを使用する場合の構成オプション

Oracle RACでWebLogic Serverを使用する場合、Oracle RACインスタンスと対話でき、期待どおりに動作するようにWebLogicドメインを構成する必要があります。次の項では、構成のオプションと要件について説明します。

Oracle RACと併用するためのWebLogic Server構成の選択

次の代替について考察します。

  • GridLinkデータ・ソースの使用に関しては、『Oracle® Fusion Middlewareライセンス情報』を参照してください。

以下の表を、特定のアプリケーションに適した構成を判断する際の指標としてご利用ください。

表11-1 Oracle RACと併用するための構成の選択

ロード・バランシングは必要? フェイルオーバーは必要? グローバル・トランザクション(XA)は必要? Oracle RACサービスを使用 次を参照

はい

はい

はい

はい

GridLinkデータ・ソースの使用


はい

はい

はい

いいえ

グローバル・トランザクションを利用する場合のマルチ・データ・ソースの使用


はい

はい

はい

はい

Oracle RACノード上のサービスに対する接続の構成


はい

はい

いいえ

はい

Oracle RACノード上のサービスに対する接続の構成


はい

はい

いいえ

いいえ

グローバル・トランザクションを利用しない場合のマルチ・データ・ソースの使用



Oracle RACでのWebLogic Server使用時の接続の検証

アプリケーションは、JDBC 4.0 Connection.isValid APIを使用して接続の実行可能性を検証できます。


注意:

WebLogic Serverはoracle.ucp.jdbc.ValidConnection.isValid or oracle.ucp.jdbc.ValidConnection.setInvalidをサポートしません。


Oracle RACでのWebLogic Server使用時の追加検討事項

Oracle RACでのGridLinkデータ・ソースまたはマルチ・データ・ソース使用時にトランザクションを調整する場合、分散トランザクション処理(DTP)はサポートされていません。