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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの新機能
12c リリース1 (12.1.1)
B65935-02
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Oracle® Fusion Middleware

Oracle WebLogic Serverの新機能

12c リリース1 (12.1.1)

B65935-02(原本部品番号:E24494-04)

2012年3月

Oracle WebLogic Serverへようこそ。本リリースは、Java Enterprise Edition 6 (Java EE 6)に準拠したWebLogic Serverの最初のリリースであり、今までで最も重要なWebLogic Serverのリリースです。

以下の節では、このリリースのWebLogic Serverの新機能と変更点について説明します。

JDK 7の認証

2012年3月15日に、Oracle WebLogic Server 12.1.1の更新バージョンの配布が開始されました。この配布には、Java SE Development Kit (JDK) 7の認証を有効にするパッチが含まれ、他の製品の最適化機能もあります。JDK 6およびJDK 7では、このパッチを適用してWebLogic Server 12.1.1を使用することをお薦めします。このパッチは、次のいずれかの方法で入手できます。

入手しているWebLogic Server 12.1.1の配布にパッチが含まれているか定かでない場合は、Smart Updateを起動して既存のインストールに適用されているパッチを表示するか、MW_HOME/patch_wls1211/patch_jarsディレクトリ(MW_HOMEはMiddlewareホーム・ディレクトリを表します)の内容を確認してください。


注意:

更新されたWebLogic Server 12.1.1の配布またはJDK 7認証パッチをインストールする前に、JDK 7を最初にインストールすることをお薦めします。詳細は、『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のJDK 7でのWebLogic Serverの使用に関する項を参照してください。


WebLogic Server 12.1.1で使用可能なパッチ

表1に、WebLogic Server 12.1.1の更新された配布に含まれているパッチのカテゴリの一覧を示します。この表には、パッチで修正された固有の問題について記載されている、『Oracle WebLogic Serverリリース・ノート』内の各項についても示されています。

表1 WebLogic Server 12.1.1で使用可能なパッチで修正された問題

各問題の修正パッチ リリース・ノート内の該当する項

JDK 7認証パッチ

「JDK 7の認証」

Contexts and Dependency Injectionパッチ

「Contexts and Dependency Injection」

デプロイメント・パフォーマンス最適化パッチ

「デプロイメント・パフォーマンス」

開発者エクスペリエンス・パッチ(開発者専用の配布に適用)

「開発者エクスペリエンス」


2012年3月15日から入手可能なWebLogic Server 12.1.1の更新された配布を使用する場合:

  • パッチはコンピュータ上のMW_HOME/patch_wls1211/patch_jarsディレクトリ(MW_HOMEはMiddlewareホーム・ディレクトリを表します)に配置されます。

  • このパッチ・ディレクトリに含まれているパッチは、標準のWebLogic Server起動スクリプトを使用してシステム・クラスパスに含まれるため、WebLogic Serverの起動時に自動的に有効になります。

  • 標準のWebLogic Server起動スクリプトを使用しない場合は、前述したパッチ・ディレクトリ内にあるパッチが、使用する起動スクリプトによって確実に適用されるようにする必要があります。

2012年3月15日より前に入手したWebLogic Server 12.1.1のインストール環境があるときは、WebLogic Server 12.1.1を再インストールするのではなく、パッチを各自でダウンロードして適用する場合があります。パッチを自分で適用することを選択した場合は、パッチが入手可能なMy Oracle Supportへのリンクについて、表1に示されている各項のバグの説明を参照できます。

パッチを自分でダウンロードして適用することを選択した場合は、次の点に注意してください。

  • パッケージ・インストーラ(『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のインストーラの種類に関する項を参照)で作成されたインストールにパッチを適用する場合は、『Oracle Smart Updateパッチおよびメンテナンス・パックのインストール』に記述された手順に従います。

  • WebLogic Server Smart Updateは、WebLogic Serverの開発者専用のZIPファイル配布には含まれていません。このZIPファイル配布で作成されたインストールにパッチを適用する場合は、次の手順に従います。

    1. 表1で示された『Oracle WebLogic Serverリリース・ノート』の各項に記載されているOracleパッチ番号を使用して、My Oracle SupportからパッチZIPファイルをダウンロードします。

    2. ダウンロードした各パッチZIPファイルから、パッチJARファイルを抽出して、既知のパッチ・ディレクトリ(MW_HOME/patch_wls1211/patch_jarsなど)にコピーします。

      特にコピーが必要なパッチJARファイルは通常、パッチZIPファイルの上位のJARファイル内に埋め込まれています。

      たとえば、ダウンロードされたp13019800_12110_Generic.zipというパッチZIPには、8PE3.jarというJARファイルが含まれる場合があります。8PE3.jarを解凍すると、これによってBUGnnnn_1211.jarのような名前の内部JARファイルが生成されます。(この内部JARファイルは一般的にdirsサブフォルダ内にあります。)この内部JARファイル、つまりBUGnnnn_1211.jarは、既知のパッチ・ディレクトリ内にコピーする必要があるパッチJARです。

    この既知のパッチ・ディレクトリに含まれているパッチは、標準のWebLogic Server起動スクリプトを使用してシステム・クラスパスに含まれるため、WebLogic Serverの起動時に自動的に有効になります。

    標準のWebLogic Server起動スクリプトを使用しない場合は、パッチを保存しておいた既知の場所にあるパッチが、使用する起動スクリプトによって確実に適用されるようにする必要があります。

Java EE 6のサポート

このリリースのWebLogic ServerはJava EE 6をサポートしています。この項では、WebLogic Server 12.1.1環境でアプリケーション開発者が活用できるJava EE 6の主要な機能について説明します。内容は以下のとおりです。

Java EE 6プラットフォームのハイライト

Java EE 6プラットフォームの最も重要な目標は、Java EEプラットフォームの様々な種類のコンポーネントに共通の基盤を提供して、開発を容易にすることです。開発者は、アノテーションの増加およびXML構成の減少、Plain Old Java Object (POJO)の増加、パッケージの簡易化により、生産性を向上することができます。Java EE 6プラットフォームには、次の新機能があります。

  • 新しいテクノロジ

    • Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)

    • マネージドBean

    • Contexts and Dependency Injection for the Java EE Platform (JSR 299)

    • Dependency Injection for Java (JSR 330)

    • Bean Validation (JSR 303)

    • Java Authentication Service Provider Interface for Containers (JASPIC)

  • Enterprise JavaBeans (EJB)コンポーネントの新機能

  • サーブレットの新機能

  • JavaServer Facesコンポーネントの新機能

Enterprise JavaBeans (EJB) 3.1

Enterprise JavaBeans (EJB)コンポーネント(エンタープライズBean)は、ビジネス・ロジックのモジュールを実装するフィールドとメソッドを持つ一連のコードです。エンタープライズBeanは、Java EEサーバー上でビジネス・ロジックを実行するために、単独でまたは他のエンタープライズBeanとともに使用できる構成要素と考えることができます。

エンタープライズBeanは、セッションBeanまたはメッセージドリブンBeanのいずれかです。

  • セッションBeanは、クライアントとの一時的な対話です。クライアントが実行を終了すると、セッションBeanとそのデータは失われます。

  • メッセージドリブンBeanは、セッションBeanとメッセージ・リスナーの機能を統合して、ビジネス・コンポーネントがメッセージを非同期で受信できるようにします。一般に、これらはJava Message Service (JMS)メッセージです。

Java EE 6プラットフォームには、次の新しいエンタープライズBean機能があります。

  • ローカル・エンタープライズBeanをWARファイルにパッケージ可能

  • 共有状態に容易にアクセスできる、シングルトン・セッションBean

  • 別個のローカル・ビジネス・インタフェースなしでセッションBeanアクセスできる、簡易化されたインタフェースのないクライアント・ビュー

  • 非同期セッションBean呼出し

  • EJBコンポーネントを検索するためのポータブルなグローバルJNDI名構文

  • 自動的に作成されるEJBタイマーおよびカレンダベースのEJBタイマー式

  • Java SE環境内でEJBコンポーネントを実行するための埋込み可能API

これらの機能の詳細は、「Enterprise Java Bean (EJB)」を参照してください。

EJB 3.1仕様の一部であるインターセプタ仕様により、元々はEJB 3.0仕様の一部として定義されたインターセプタ機能を、より一般的に使用できるようになりました。

EJB 3.1をサポートするためにこのリリースで提供されるWebLogic Serverの機能は、次のとおりです。

  • EJB 3.1のアノテーションのサポート

  • WARのEJBに関する管理コンソールのサポート

Java Servlet 3.0のテクノロジ

Javaサーブレット・テクノロジにより、HTTP固有のサーブレット・クラスを定義できます。サーブレット・クラスは、リクエスト/レスポンス・プログラミング・モデルによってアクセスされるアプリケーションをホストするサーバーの機能を拡張します。サーブレットはすべてのタイプのリクエストに応答できますが、一般に、Webサーバーによってホストされるアプリケーションの拡張に使用されます。

Java EE 6プラットフォームには、次の新しいJavaサーブレット・テクノロジの機能があります。

  • アノテーションのサポート

  • 非同期のサポート

  • 構成が容易

  • 既存のAPIの拡張

  • プラガビリティ

JavaServer Faces (JSF) 2.xおよびJavaServer Pages Standard Tag Library (JSTL) 1.2

このリリースのWebLogic Serverでは、JSF 2.xとJSTL 1.2をサポートしています。JSF 2.x とJSTL 1.2は、サーバーのクラスパスに直接組み込まれています。WebLogic Serverにデプロイされたアプリケーションでは、開発者は別個の共有ライブラリをデプロイして参照しなくても、JSF 2.xとJSTL 1.2をシームレスに利用することができます。

JSFテクノロジは、Webアプリケーションを構築するためのユーザー・インタフェース・フレームワークです。JSFテクノロジの主要なコンポーネントは、次のとおりです。

  • GUIコンポーネント・フレームワーク。

  • 様々な種類のHTMLまたは様々なマークアップ言語およびテクノロジのコンポーネントをレンダリングするための柔軟なモデル。レンダラ・オブジェクトはマークアップを生成してコンポーネントをレンダリングし、モデル・オブジェクトに格納されているデータをビューで表示できるタイプに変換します。

  • HTML/4.0マークアップを生成するための、標準的なRenderKit。

次の機能は、GUIコンポーネントをサポートします。

  • 入力検証

  • イベント処理

  • モデル・オブジェクトとコンポーネント間のデータ変換

  • 管理対象モデル・オブジェクト作成

  • ページ・ナビゲーション構成

  • 式言語(EL)

これらの機能はすべて、標準Java APIおよび XMLベースの構成ファイルを使用して利用できます。

Java EE 6プラットフォームには、次の新しいJSF機能があります。

  • 構成ファイルではなくアノテーションを使用して、マネージドBeanを指定可能

  • Facelets。XHTMLファイルを使用する、JavaServer Pages (JSP)テクノロジに取ってかわる表示テクノロジ

  • Ajaxのサポート

  • コンポジット・コンポーネント

  • 暗黙的ナビゲーション

JSTLは、多くのJSPアプリケーションに共通するコア機能をカプセル化します。JSPアプリケーションで多数のベンダーのタグを混在させるかわりに、単一の標準タグ・セットを使用できます。この標準化により、JSTLをサポートするJSPコンテナにアプリケーションをデプロイして、タグの実装を最適化することができます。

JSTLには、フロー制御を処理するためのイテレータ・タグおよび条件分岐タグ、XMLドキュメントを操作するためのタグ、国際化タグ、SQLおよびよく使用される機能を使用してデータベースにアクセスするタグがあります。

Java永続性API (JPA) 2.0

JPAは、永続性のためのJava標準ベースのソリューションです。永続性では、オブジェクト/リレーション・マッピング・アプローチを使用して、オブジェクト指向モデルとリレーショナル・データベース間のギャップを埋めます。Java永続性APIは、Java EE環境外部のJava SEアプリケーションでも使用できます。Java永続性は、次の領域で構成されます。

  • Java永続性API

  • 問合せ言語

  • オブジェクト/リレーショナル・マッピング・メタデータ

JavaトランザクションAPI (JTA)

JTAは、トランザクションの境界を示すための標準インタフェースを提供します。Java EEアーキテクチャは、トランザクションのコミットとロールバックを処理するデフォルトの自動コミットを提供します。自動コミットでは、データを表示しているその他のアプリケーションに、データベースの読取りまたは書込みの各操作後に、更新済のデータが表示されます。ただし、アプリケーションが互いに依存しあう2つの別個のデータベース・アクセス操作を実行する場合、JTA APIを使用して、両方の操作、開始、ロールバック、コミットなど、トランザクション全体の境界を示すことができます。

Java API for RESTful Web Services 1.0

このリリースのWebLogic Serverは、Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)を完全にサポートしています。

Webサービスを開発するためのJAX-RSは、Representational State Transfer (REST)アーキテクチャ・スタイルに従って構築されています。JAX-RSアプリケーションは、WARファイル内にサーブレットとしてパッケージされたクラス、および必要なライブラリで構成されるWebアプリケーションです。

JAX-RS APIは、Java EE 6プラットフォームで新しく追加されました。

マネージドBean1.0

マネージドBeanは軽量なコンテナ管理オブジェクト(POJO)であり、最小限の要件で、リソース・インジェクション、ライフルタイル・コールバック、インターセプタなどの小規模な基本サービスをサポートします。マネージドBeanはJavaServer Facesテクノロジで指定されたマネージドBeanを一般化したもので、Webモジュールだけでなく、Java EEアプリケーションの任意の場所で使用できます。

マネージドBean仕様は、Java EE 6プラットフォーム仕様(JSR 316)の一部です。

マネージドBeanは、Java EE 6プラットフォームで新しく追加されました。

Contexts and Dependency Injection for the Java EE Platform 1.0

Java EEプラットフォームのContexts and Dependency Injection (CDI)では、インジェクションを使用してアプリケーションの依存関係を指定する一連のサービスを定義します。CDIは、Beanのコンテキスト・ライフ・サイクル管理、タイプセーフなインジェクション・ポイント、疎結合されたイベント・フレームワーク、疎結合されたインターセプタおよびデコレータ、Beanの代替実装、Unified ELを介したBeanナビゲーション、およびCDI拡張を有効にしてサードパーティ・フレームワークまたは将来のJava EEコンポーネントをサポートするService Provider Interface (SPI)を提供します。CDIは、Java EEの主要コンポーネントのテクノロジに統合されています。

CDIは、Java EE 6プラットフォームで新しく追加されました。

Dependency Injection for Java 1.0

Javaの依存関係インジェクション(DI)では、インジェクション可能なクラスで使用する標準的なアノテーションのセット(および1つのインタフェース)を定義します。

Java EEプラットフォームでは、CDIはDIをサポートします。特に、DIインジェクション・ポイントはCDI対応アプリケーションでのみ使用できます。

JavaのDIは、Java EE 6プラットフォームで新しく追加されました。

Bean Validation

Bean Validation仕様(JSR 316)では、JavaBeansコンポーネントでデータを検証するためのメタデータ・モデルとAPIを定義しています。サーバーとJava EE 6クライアントの両方でサポートされるため、ブラウザやサーバー・サイドなど複数のレイヤーにデータ検証を配布するかわりに、1箇所で検証制約を定義して、それを様々なレイヤーで共有することができます。また、Bean検証はBeanを検証するだけではありません。任意のJavaオブジェクトの検証にも使用できます。

Bean検証は、Java EE 6プラットフォームで新しく追加されました。

Java EE Connector Architecture (JCA) 1.6

ツール・ベンダーおよびシステム・インテグレータは、JCAを使用して、任意のJava EE製品にプラグイン可能なエンタープライズ情報システムへのアクセスをサポートするリソース・アダプタを作成します。リソース・アダプタは、Java EEコンポーネントがEISの基になるリソース・マネージャにアクセスして相互作用するための、ソフトウェア・コンポーネントです。リソース・アダプタはそのリソース・マネージャに固有であるため、一般に、データベースまたはエンタープライズ情報システムのタイプごとに別個のリソース・アダプタが存在します。

JCAはまた、Java EEベースのWebサービスと既存のEISとの、パフォーマンスを重視したセキュアでスケーラブルなメッセージベースの、同期または非同期のトランザクション統合を提供します。Java EE Connector Architectureを介してJava EEプラットフォームに統合された既存のアプリケーションおよびEISは、JAX-WSおよびJava EEコンポーネント・モデルを使用して、XMLベースのWebサービスとして公開できます。JAX-WSおよびJava EE Connector Architectureは、Enterprise Application Integration (EAI)およびエンドツーエンドのビジネス統合を補完するテクノロジです。

Java Authorization Contract for Containers (JACC) 1.3

JACC仕様では、Java EEアプリケーション・サーバーと認可ポリシー・プロバイダとの間の規約を定義しています。すべてのJava EEコンテナが、この規約をサポートしています。

JACC仕様では、Java EE認可モデルを満たすjava.security.Permissionクラスが定義されます。この仕様では、これらの権限クラスのインスタンスに対する操作への、コンテナのアクセス決定のバインディングが定義されます。新しい権限クラスを使用して、ロールの定義および使用を含む、Java EEプラットフォームの認可要件に対処する、ポリシー・プロバイダのセマンティクスが定義されます。

Java Authentication Service Provider Interface for Containers (JASPIC) 1.0

このリリースのWebLogic Serverは、JASPIC仕様をサポートしています。

JASPIC仕様では、メッセージ認証メカニズムを実装する認証プロバイダをクライアントまたはサーバーのメッセージ処理コンテナまたはランタイムに統合できる、サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)を定義しています。このインタフェースを介して統合された認証プロバイダは、呼出し側コンテナによって提供されたネットワーク・メッセージに対して操作を実行します。認証プロバイダは、受信コンテナがメッセージのソースを認証できるように、およびメッセージ送信者がメッセージの受信者を認証できるように、送信メッセージを変換します。認証プロバイダは受信メッセージを認証し、それを呼出し側コンテナに戻すと、メッセージ認証の結果としてIDが確立されます。

JASPICは、Java EE 6プラットフォームで新しく追加されました。

詳細は、「Java Authentication Service Provider Interface for Containers (JASPIC)のサポート」を参照してください。

Java Platform 1.1の共通アノテーション

Java EE 6では、アプリケーションとモジュールのネーミングをサポートしています。WebLogic Server 12.1.1では、アプリケーション・コンテナが変更され、application.xmlでJava EE 6 <application_name要素がサポートされるようになりました。詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のデフォルト・デプロイメント名に関する項を参照してください。

Java Architecture for XML Binding (JAXB) 2.2

JAXBを使用すると、XMLスキーマをJava言語プログラム表現に、簡単にバインドできます。JAXBは単独で、またはJAX-WSと組み合わせて使用可能で、Webサービス・メッセージの標準データ・バインディングを提供します。すべてのJava EEアプリケーション・クライアント・コンテナ、Webコンテナ、EJBコンテナがJAXB APIをサポートしています。

Java API for XML Web Services (JAX-WS) 2.2

JAX-WS仕様は、XMLデータのJavaオブジェクトへのバインディングにJAXB APIを使用するWebサービスをサポートします。JAX-WS仕様では、WebサービスにアクセスするためのクライアントAPI、およびWebサービスのエンドポイントを実装するための技術を定義しています。Implementing Enterprise Web Services仕様は、JAX-WSベースのサービスおよびクライアントのデプロイメントについて説明しています。EJBおよびJavaサーブレットの仕様でも、これらのデプロイメントについて説明されています。JAX-WSベース・アプリケーションは、これらのいずれかのデプロイメント・モデルを使用してデプロイできます。

JAX-WS仕様では、メッセージのリクエストおよびレスポンスを処理できるメッセージ・ハンドラのサポートについて説明されています。一般に、これらのメッセージ・ハンドラは、関連するJAX-WSクライアントまたはエンドポイント・コンポーネントと同じコンテナ内で、同じ権限および実行コンテキストで実行されます。これらのメッセージ・ハンドラは、関連するコンポーネントと同じJNDI java:comp/envネームスペースにアクセスできます。カスタム・シリアライザおよびデシリアライザは(サポートされている場合)、メッセージ・ハンドラと同じように扱われます。

Interceptors 1.1

このリリースのWebLogic Serverでは、インターセプタに対する一般的なサポートが提供されます。EJBコンテナで使用できる一般的なインターセプタ・レイヤーに対するサポートが追加されました。

インターセプタをJava EEの管理クラスとともに使用することで、開発者は関連するターゲット・クラスで、メソッド呼出しまたはライフスタイル・イベントとともにインターセプタ・メソッドを呼び出すことができます。インターセプタは一般に、ロギング、監査、プロファイリングに使用されます。

インターセプタは、ターゲット・クラス内でインターセプト・メソッドとして、またはインターセプタ・クラスと呼ばれる関連クラスで定義できます。インターセプタ・クラスには、ターゲット・クラスのメソッドまたはライフサイクル・イベントとともに呼び出されたメソッドが含まれます。

インターセプト・クラスおよびメソッドは、メタデータ・アノテーションを使用して、またはインターセプトおよびターゲット・クラスを含むアプリケーションのデプロイメント・ディスクリプタで定義されます。

管理コンソール

この項では、このリリースのWebLogic Serverの管理コンソールの新機能について説明します。

WARファイルのEJBモジュールのサポート

Webアプリケーション・アーカイブ(WAR)ファイル内に直接配置されているEJBモジュールを管理コンソールで管理するためのサポートが追加されました。詳細は、「EJBをWARファイル内に直接パッケージおよびデプロイする」を参照してください。

Java EE 6をサポートするためのコンソールの変更

Java EE 6の実装をサポートするために、管理コンソールに様々な変更が加えられました。

  • デプロイメント

  • アプリケーション・コンテナ

  • SCAコンテナ

  • ソースの分割

  • アプリケーションおよびモジュールのネーミング

コア・サーバー

WebLogic Server 12.1.1にWebLogic Server用の新しいMavenプラグイン(wls-maven-plugin)が組み込まれ、サーバーのインストール、起動および停止、ドメインの作成、WLSTスクリプトの実行、Maven環境でのアプリケーションのコンパイルとデプロイを行うための機能が拡張されました。詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic Development Mavenプラグインの使用に関する項を参照してください。

Enterprise Java Beans (EJB)

この項では、このリリースのWebLogic ServerのEJB 3.1の新機能について説明します。

EJBをWARファイル内に直接パッケージおよびデプロイする

EJB 3.1では、EJBモジュールをWebアプリケーション・アーカイブ(WAR)ファイル内に直接配置できます。アーカイブを作成してWebおよびEJBコンポーネントを保存し、これらをエンタープライズ・アプリケーション・アーカイブ(EAR)ファイルに結合する必要はありません。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』のWARでのEJBのパッケージングに関する項を参照してください。

シングルトン・セッションBean

シングルトン・セッションBeanが提供する正式なプログラミング構成により、特定のJava仮想マシン(JVM)内のアプリケーションごとにセッションBeanがインスタンス化され、そのアプリケーションのライフサイクルに存在することが保証されます。シングルトンにより、エンタープライズBeanコンポーネントの複数のインスタンス間、またはアプリケーション内の複数のエンタープライズBeanコンポーネント間で、容易に状態を共有することができます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のシングルトン・セッションBeanに関する項を参照してください。

EJBタイマーの拡張

EJB 3.1は、次のTimerService機能を提供します。

  • カレンダベースEJBタイマー – EJB 3.1では、カレンダベースのEJB TimerService式をサポートします。スケジューリング機能は、定義されたスケジュールに従って自動的にメソッドを呼び出せるように、EJBメソッドに設定可能なCRONスタイルのスケジュール定義の形式をとっています。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』のカレンダベース・タイマーに関する項を参照してください。

  • 自動作成EJBタイマー – EJB 3.1では、Beanクラスまたはデプロイメント記述子のメタデータに基づくタイマーの自動作成をサポートします。これによりBean開発者は、Bean呼出しに依存せずにタイマーをスケジューリングし、プログラムでいずれかのTimer Serviceタイマー作成メソッドを呼び出すことができます。自動作成されるタイマーは、アプリケーション・デプロイメントの結果としてコンテナで作成されます。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』の自動作成EJBタイマーに関する項を参照してください。

ポータブルなグローバルJNDI名

EJB 3.1のポータブルなグローバルJNDIネーミング・オプションは、多数の一般的なネームスペースを提供します。ここにEJBコンポーネントを登録し、パターンjava:global[/<app-name]/<module-name/<bean-nameを使用して検索できます。これにより、EJBコンポーネントをJNDIに登録する方法および場所、およびEJBコンポーネントをアプリケーションで検索して使用する方法が標準化されます。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』のEJBクライアントへのプログラミング・アクセスに関する項を参照してください。

非同期セッションBean呼出し

EJB 3.1セッションBeanは、非同期クライアント呼出しセマンティクスでメソッドを公開できます。EJBクラスまたは特定メソッドで@Asynchronousアノテーションを使用すると、EJBコンテナはメソッドの呼出し時にただちにクライアントに制御を返します。メソッドは、クライアントがメソッド呼出しのステータスを確認し、非同期的に生成された結果の値を取得できるように、futureオブジェクトを返すことができます。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』の非同期ビジネス・メソッドのプログラミングに関する項を参照してください。

簡易化されたインタフェースのないクライアント・ビュー

インタフェースのないローカル・クライアント・ビュー・タイプにより、別個のローカル・ビジネス・インタフェースなしでローカル・セッションBeanにアクセスできるようになり、コンポーネントはEJB Beanクラス・インスタンスを直接注入できるため、EJB開発が簡易化されました。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』のインタフェースのないクライアント・ビューを使用したEJBへのアクセスに関する項を参照してください。

埋込み可能EJB API

EJB 3.1では、Java SE環境内でEJBコンポーネントを実行するための埋込み可能APIをサポートしています。従来のJava EEサーバーベースの実行とは異なり、組込み可能なものを使用することで、クライアント・コードとそれに対応するエンタープライズBeanを同じ仮想マシンおよびクラス・ローダー内で実行できます。これにより、テスト、オフライン処理(バッチ・ジョブなど)、およびデスクトップ・アプリケーションのEJBプログラミング・モデルの使用に対するサポートが向上します。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』のOracle WebLogic Serverの埋込みEJBコンテナの使用に関する項を参照してください。

デフォルトのTopLink永続性プロバイダを使用したJPA 2.0のサポート

Oracle TopLink (JPA 2.0永続性プロバイダ)は、前のリリースのデフォルト・プロバイダのKodoに取ってかわり、現在デフォルトのJPAプロバイダになっています。persistence.xmlでJPAプロバイダが指定されていないアプリケーションでは、デフォルトでTopLinkが使用されます。persistence.xmlでKodo/OpenJPAを永続性プロバイダとして明示的に指定することで、アプリケーションでは引き続きKodo (PA 1.0プロバイダ)を使用できます。また、必要に応じて、デフォルトでKodoを使用するようにWeblogic Serverドメインを構成できます。

詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』のWebLogic Serverでの永続性プロバイダの構成に関する項を参照してください。

Kodoを永続性プロバイダとして使用するアプリケーション

WebLogic ServerはサーバーのクラスパスのJPA 2.0 JARで実行されます。JPA 2.0はJPA 1.0と上位互換性がありますが、JPA 2.0では、OpenJPAインタフェース内の既存のシグネチャと競合するいくつかのメソッドが、既存のJPAインタフェースに導入されました。このため、WebLogic Server 12.1.1でKodo/JPAを引き続き永続性プロバイダとして使用するアプリケーションは、リコンパイルする必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング』の競合を解決するためのアプリケーションの更新に関する項を参照してください。

JDBCデータ・ソース

このリリースのWebLogic Serverは、Java EE 6仕様に準拠したデータ・ソースをサポートしています。

WebLogic Server 12.1.1は、拡張された一連のWebLogicデータ・ソース構成属性も提供しています。詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCのプログラミング』のデータ・ソース・リソース定義の使用に関する項を参照してください。

NodeManager

startScriptEnabledのデフォルト値はこのリリースからtrueに変更されました。旧リリースでは、デフォルトはfalseでした。

リソース・アダプタ

WebLogic Serverは、Java EE Connector Architecture仕様のバージョン1.6 (最終リリース)、およびJava EE Connector Architectureのバージョン1.0および1.5に基づくリソース・アダプタを完全にサポートしています。特に指定のないかぎり、次の項ではバージョン1.6のリソース・アダプタの新機能について説明します。

開発および構成の容易性

WebLogic Serverでは、Java EE Connector Architectureバージョン1.6で導入された開発および構成を容易にする機能をいくつかサポートしています。

  • メタデータ・アノテーション — リソース・アダプタ・クラス・ファイルでのアノテーションの使用をサポートすることで、開発の複雑さが低減されます。アノテーションでデプロイメント情報を指定することで、ra.xmlデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルを手動で作成する必要がなくなります。

  • ResourceAdapter、ManagedConnectionFactoryおよび管理オブジェクトBeanで定義できる動的構成プロパティ。

  • 実行時にリソース・アダプタで提供できるトランザクション・サポート・レベルを指定可能

一般的なワーク・コンテキスト

Connector Architectureバージョン1.6で新たに追加された一般的なワーク・コンテキストは、メッセージの配信および作業の送信中に、リソース・アダプタがエンタープライズ情報システム(EISes)からのトランザクション・インフローだけでなく、コンテキスト情報を伝播するためのメカニズムです。一般的なワーク・コンテキストは、WebLogic Server環境でのリソース・アダプタの開発、構成、実行に、次のような影響があります。

  • トランザクションのサポート - 新規のTransactionContextが、トランザクション・インフロー・コントラクトに取ってかわります。

  • セキュリティ - 新規のSecurityContextが、EISのかわりにリソース・アダプタによってWebLogic Serverに送信される作業のセキュリティ・コンテキストを定義します。

  • 長時間実行作業の管理 - リソース・アダプタはスレッドの監視および管理を容易にするために、実行するスレッドを含め、WebLogic Serverで長時間実行作業インスタンスを表わす定数を定義できます。

セキュリティ

WebLogic Serverでは管理コンソールでのセキュリティ・コンテキストの補足サポートが追加されます。EISからWebLogicへの着信プリンシパル・マッピングを作成する手段が提供されます。これにより、EISプリンシパル(EISセキュリティ・ドメインに定義されたユーザーやグループなど)がWebLogicドメインの対応するプリンシパルにマッピングされます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverリソース・アダプタのプログラミング』の「セキュリティ」を参照してください。

スキーマの変更

開発と構成を簡易化するためにConnector Architecture 1.6に追加された機能により、ra.xmlおよびweblogic-ra.xmlデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルのスキーマが変更されました。詳細は、『Oracle WebLogic Serverリソース・アダプタのプログラミング』の「weblogic-ra.xmlスキーマ」を参照してください。

Contexts and Dependency Injection (CDI)のサポート

WebLogic Serverコネクタ・コンテナは、埋込みおよびグローバル・リソース・アダプタにおける「JSR 299: Contexts and Dependency Injection for the Java EE Platform」(CDI)のサポートを追加します。CDIは、インジェクションを使用してアプリケーションに依存関係を指定するための一連のサービスを定義します。WebLogic Serverは、1.6リソース・アダプタで次のCDI機能をサポートしています。

  • Bean検出 — リソース・アダプタRAR、RAR内にパッケージされたすべてのJAR、およびRARによって参照されるすべてのBeanが、これらのJARにbeans.xml Beanアーカイブ・ディスクリプタ・ファイルが存在するかどうかに関係なく検索されます。

  • Beanマネージャ — ExtendedBootstrapContextクラスにgetBeanManagerメソッドが追加されました。このメソッドを使用して、リソース・アダプタからBeanインスタンスを取得する方法を提供する、リソース・アダプタのBeanマネージャを返すことができます。

  • Beanのインジェクション — WebLogic ServerのConnector Architecture 1.6実装には、BootstrapContext、WorkManager、XATerminatorおよびJTA TransactionSynchronizationRegistryオブジェクトなど現在のリソース・アダプタBeanの各種アーティファクトへの参照をインジェクション・ポイントに許可する、多数の組込みBeanが含まれます。

  • ResourceAdapter、ManagedConnectionFactory、ActivationSpecおよび管理オブジェクトBeanでの、javax.annotation.PostConstructおよびjavax.annotation.PreDestroyアノテーション・タイプのサポート。

リソース・アダプタのマネージドBeanへの参照の宣言に使用されるjavax.annotation.Resourceアノテーション・タイプの使用は、サポートされません。詳細は、『Oracle WebLogic Serverリソース・アダプタのプログラミング』のリソース・アダプタでのContexts and Dependency Injectionの使用に関する項を参照してください。

セキュリティ

この項では、WebLogic Server 12.1.1でのセキュリティの変更について説明します。内容は次のとおりです。

Java Authentication Service Provider Interface for Containers (JASPIC)のサポート

このリリースのWebLogic Serverは、「JSR 196: Java Authentication Service Provider Interface for Containers」(JASPIC)バージョン1.0をサポートします。JASPIC仕様では、メッセージ認証メカニズムを実装する認証プロバイダをサーバーのWebアプリケーション・メッセージ処理コンテナまたはランタイムに統合できる、サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)が定義されます。

メッセージ処理ランタイムは、識別されたメッセージ処理ポイントでこのSPIを使用して、対応するメッセージ・セキュリティ処理を認証プロバイダに委任します。

JASPIC認証プロバイダは、ユーザー資格証明を認証してサブジェクトを戻す責任を負います。その後、WebLogic Serverはこのサブジェクトをその他すべてと同様に処理します。

このインタフェースを介して統合された認証プロバイダは、WLSコンテナによって提供されたネットワーク・メッセージに対して操作を実行します。受信Webアプリケーション・メッセージを認証し、それを呼出し側コンテナ(WLS)に戻すと、メッセージ認証の結果としてID (必要なサブジェクト)が確立されます。

Java Authorization Contract for Containers (JACC) 1.4のサポート

このリリースでは、WebLogic ServerにJACC 1.4のサポートが追加されました。JACCの使用の詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティのプログラミング』のJava Authorization Contract for Containersの使用に関する項を参照してください。

RSA JSSEプロバイダ

WebLogic Server 12.1.1には、RSA JSSEプロバイダのサポートが含まれます。RSA JSSEは、JVMを使用する場合、これに静的に登録できるサード・パーティのJSSEプロバイダです。RSA JSSEプロバイダのインストールおよび構成方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のWebLogic ServerでのRSA JSSEプロバイダの使用に関する項を参照してください。

SSL実装

CerticomはWebLogic Server 12.1.1から削除され、サポートされなくなりました。

JSSEは、WebLogic Server 12.1.1でサポートされる唯一のSSL実装です。このサポートとの整合性を持たせるために、次の構成変更が行われました。

  • JSSEEnabledのデフォルト値がtrueに変更されました。この値は、trueに設定したままにすることをお薦めします。

  • JSSEEnabledfalseに設定されている場合、無視されます。すなわち、MBean値はメモリでも永続的なconfig.xmlファイルでも変更されません。WebLogic ServerはJSSEを使用し続けますが、警告が発行されます。

Microsoftクライアントでのシングル・サインオンのサポートに対する拡張機能

このリリースのWebLogic Serverは、SPNEGO (Simple and Protected Negotiate)メカニズムとKerberosプロトコルに基づく統合Windows認証を使用して、Microsoftクライアントでのシングル・サインオン(SSO)のサポートに次の拡張機能を追加します。

  • WebLogic Serverホスト上のKerberosサービスにマッピングされているユーザー・アカウントを暗号化するための、AES-128、AES-256およびRC4の各暗号化アルゴリズムの使用

  • Java SEクライアントのサポート

スタンドアロン・クライアント

WebLogicシンT3クライアントのjar (wlthint3client.jar)では、GlassFishアプリケーション・サーバーのバージョン3.1以上をサポートしています。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントのプログラミング』のWebLogicシンT3クライアントの開発に関する項を参照してください。

Webサービス

この項では、このリリースのWebLogic ServerにおけるWebLogic Webサービスの新機能と変更点について説明します。内容は次のとおりです。

WebLogic WebサービスのJava EE 6への準拠

WebLogic Webサービスの機能と標準は、Java EE 6に準拠しています。WebLogic Webサービスに対して現在サポートされている標準のリストについては、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの紹介』のWebLogic Webサービスでサポートされている機能と標準に関する項を参照してください。

EJB 3.1でのWebサービスのサポートの強化

WebLogic Webサービスでは、EJB 3.1のサポートが強化されています。具体的には、WebLogic Webサービスを以下としてパッケージできます。

  • WARファイル内のEJB

  • シングルトンEJB

Jersey JAX-RS RIバージョン1.9のサポートの強化

WebLogic Serverでは、Jersey Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)参照実装(RI)バージョン1.9をサポートしています。これは、JSR-311 JAX-RS仕様の製品レベル品質の実装で、http://jcp.org/en/jsr/summary?id=311で定義されています。このリリースでは、JAX-RSアプリケーション環境はWebLogic Server共有ライブラリには依存しておらず、デプロイ後の管理性のためにWebLogic ServerランタイムMBeanが提供されています。必要に応じて、最新バージョンのJersey JAX-RS RIを使用できます。

Representational State Transfer (REST)アーキテクチャ・スタイルに準拠するWebLogic Webサービスの開発の詳細は、『Oracle WebLogic ServerにおけるRESTful管理サービスの使用』を参照してください。

新規RESTful Webサービス(JAX-RS)のサンプル

新しいサンプルとして、RESTful Web Services (JAX-RS)がWebLogic Serverサンプル・アプリケーションおよびサンプル・コードに追加されました。JAX-RSサンプルへのアクセスの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のサンプル・アプリケーションおよびサンプル・コードに関する項を参照してください。

EclipseLink MOXy (JAXB)のサポート

このリリースでは、EclipseLink MOXy (JAXB)がデフォルトのデータ・バインディングおよびJAXBプロバイダです。EclipseLink MOXy (JAXB)の詳細は、次を参照してください。

サーバーまたはアプリケーション・レベルで、Glassfish RI JAXBをデータ・バインディングおよびJAXBプロバイダとして有効化することもできます。詳細は、『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービス・スタート・ガイド』のGlassfish RI JAXBデータ・バインディングおよびJAXBプロバイダの使用に関する項を参照してください。

このリリースで削除されたUDDI v2.0レジストリおよびUDDIExplorer

このリリースでは、UDDI v2.0レジストリとUDDIExplorerアプリケーションは削除されました。カスタマに、SOAの表示と管理を提供するOracleエンタープライズ・リポジトリまたはOracleサービス・レジストリにアップグレードすることについて考慮することをお薦めします。詳細は、http://www.oracle.com/us/technologies/soa/soa-governance/index.htmlを参照してください。ページ下部の製品のリストから、「Oracle Service Registry」を選択します。右下の「Brochures and Data Sheets」セクションを開いて、「Oracle Enterprise Repository and Oracle Service Registry for SOA Governance」データ・シートにアクセスします。

削除されたWebLogic Webサービス8.1アプリケーション環境

このリリースでは、WebLogic Webサービス8.1アプリケーション環境は削除されました。このため、WebLogic Server8.1上に構築されたWebLogic Webサービス・アプリケーションはこのリリースではサポートされなくなりました。8.1 Webサービスを最新バージョンにアップグレードする必要があります。

非推奨になった機能(WebLogic Server 12c リリース1)

WebLogic Server 12c リリース1で非推奨になった機能に関する情報は、My Oracle Support (https://support.oracle.com/)で入手できます。「ナレッジ・ベースの検索」フィールドで「非推奨になった機能」を検索してください。

weblogic.management.usernameとweblogic.management.password

WebLogic Server 12.1.1以降、起動ユーザー名およびパスワード・システム・プロパティweblogic.management.usernameおよびweblogic.management.passwordは非推奨になっており、今後のリリースでは削除されます。WebLogic Serverを本番モードで起動するためのコマンドで、ユーザー名とパスワードを指定することはできなくなりました。

かわりに、boot.propertiesファイルを使用してWebLogic Serverの起動ユーザー名およびパスワードを指定することをお薦めします。boot.propertiesファイルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

ユーザー資格証明を指定するためのその他の方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止を行うためのユーザー資格証明の指定に関する項を参照を参照してください。

標準のサポート

このリリースのWebLogic Serverは以下の標準とバージョンをサポートしています。

Javaの標準

表2に、現在サポートされているJavaの標準を示します。

表2 Javaの標準のサポート

標準 バージョン

Contexts and Dependency Injection for Java EE

1.0

Dependency Injection for Java EE

1.0

式言語(EL)

2.2, 2.1, 2.0

JSP 2.0以上のみが式言語2.xをサポート

JAAS

1.0全体

JASPIC

1.0

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS)

2.2, 2.1, 2.0

Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)

1.1

JACC (Java Authorization Contract for Containers)

1.4

Java EE

6.0

Java EEアプリケーション・デプロイメント

1.2

Java EE Bean Validation

1.1

Jave EE共通アノテーション

1.0

Java EEコネクタ・アーキテクチャ

1.6

Java EE EJB

3.1

Java EEエンタープライズWebサービス

1.3, 1.2, 1.1

Jave EE Interceptors

1.1

Java EE JDBC

4.0, 3.0

Java EE JMS

1.1、1.0.2b

Java EE JNDI

1.2

Java EE JSF

2.1, 2.0, 1.2, 1.1

Java EE JSP

2.2、2.1、2.0、1.2および1.1

JSP 1.2.および1.1には式言語(EL)が含まれますが、EL 2.x以上はサポートされません

Java EE Managed Beans

1.0

Java EEサーブレット

3.0、2.5、2.4、2.3および2.2

Java RMI

1.0

JavaMail

1.4

JAX-B

2.2, 2.1, 2.0

JAX-P

1.3, 1.2, 1.1

JAX-R

1.0

JAX-RPC

1.1

JCE

1.4

JDK

6.0(別名1.6)、5.0(別名1.5、クライアントのみ)

JMX

1.2, 1.0

JPA

2.0, 1.0

JSR 77: Java EE管理

1.1

JSTL

1.2

マネージドBean

1.0

OTS/JTA

OTS 1.2およびJTA 1.1

RMI/IIOP

1.0

SOAP Attachments for Java (SAAJ)

1.3, 1.2

Streaming API for XML (StAX)

1.0

Javaプラットフォーム用Webサービス・メタデータ

2.0, 1.1


Webサービスの標準

WebLogic Webサービスに対して現在サポートされている標準のリストについては、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの紹介』のWebLogic Webサービスでサポートされている機能と標準に関する項を参照してください。

その他の標準

表3に、このリリースのWebLogic Serverでサポートされるその他の標準のリストを示します。

表3 その他の標準

標準 バージョン

SSL

v3

X.509

v3

LDAP

v3

TLS

v1.1、v1.2

HTTP

1.1

SNMP

SNMPv1、SNMPv2、SNMPv3

xTensible Access Control Markup Language (XACML)

2.0

Core and Hierarchical Role Based Access Control (RABC) Profile of XACMLの部分的な実装

2.0

インターネット・プロトコル(IP)

バージョン:

  • v6

  • v4


Fusion Middleware全製品におけるIPv6のサポートの詳細は、Oracle Fusion Middleware 11g リリース1(11.1.1.x)動作保証マトリックスの「IPv6 Certification」ワークシート(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html)を参照してください。

サポートされる構成

サポートされる構成の最新情報については、「Oracle Fusion Middlewareのサポートされる構成」の中心ページ(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html)を参照してください。

WebLogic Serverの互換性

WebLogic Serverの現行バージョンと旧リリースとの互換性については、『Oracle WebLogic Serverの理解』のWebLogic Serverの互換性に関する項を参照してください。

ドキュメントのアクセシビリティ

Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docaccを参照してください。

Oracleサポートへのアクセス

Oracleのお客様は、My Oracle Supportから電子サポートにアクセスできます。詳細情報はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=infoか、聴覚に障害のあるお客様はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trsを参照してください。


Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの新機能, 12c リリース1 (12.1.1)

B65935-02

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