2.6 ネットワーク

Oracle VM環境のネットワーク・インフラストラクチャは、Oracle VM Server間、Oracle VM ServerとOracle VM Manager間、およびOracle VM Serverとそれらの記憶域サブシステム間の接続に加えて、環境内にデプロイされている仮想マシン間の通信および仮想マシンと外部のプライベートまたはパブリック・ネットワーク間の通信で構成されます。

これらのネットワーク接続では、Oracle VMによってサポートされる機能(ネットワーク化されたファイル・システム、クラスタリング、冗長性とロード・バランシング、ブリッジングおよび仮想LAN (VLAN)のサポートなど)を使用できます。

Oracle VM Managerのネットワーク構成とは、1組の論理イーサネット・ネットワークへの使用可能なネットワーク・インタフェースのマッピングです。物理ネットワークとは、Oracle VM ManagerとすべてのOracle VM Serverの物理接続の集合、および宛先に情報を届けるスイッチおよびルーターです。Oracle VMの論理ネットワークはこれらの物理接続上に構築されます。Oracle VM Managerで論理ネットワークを定義する前に、VLANやサブネット使用など、使用する物理ネットワーク構成を確認する必要があります。また、Oracle VM Serverが利用できるネットワーク・インタフェースの数も考慮します。単一のOracle VM Serverで必要なポートの推奨される最小数は2つですが、テストまたはデモンストレーション用には1つで十分です。Oracle VM Server上に3つ以上のポートがある環境では、より多くの冗長性またはトラフィック分離を設計できます。

Oracle VMは、様々なネットワーク機能(サーバー管理、ライブ・マイグレーション、クラスタ・ハードビート、仮想マシンおよび記憶域)を識別します。すべてのネットワーク機能は、専用または共有物理ネットワーク上のいずれかで使用できます(仮想マシンのイントラ・サーバー・ネットワークを除く)。たとえば、物理ネットワークを仮想マシンまたは記憶域のみに割り当てることも、すべてのネットワーク機能に割り当てることもできます。ネットワーク機能の詳細は、5.2項「ネットワークの使用」を参照してください。

物理ネットワーク環境を確認し、論理的な配分を決定してこれらの物理オブジェクトをグループ化したら、Oracle VM Managerで論理構成を作成してネットワーク設計を実装します。これらの論理構成には、ネットワーク・ボンド、VLANグループ、ネットワークおよびブリッジが含まれます。ネットワーク設計にインタフェース・ボンディング(2つのポートの集約)を含める場合は、最初にこれらのネットワーク・ボンドを作成します。複数のVLANからのトラフィックで同じボンドの使用が許可されている場合、これらのボンドはVLANとともに使用されることがあります。ネットワーク環境がVLANで構成される場合、次の手順でVLANグループを作成し、各Oracle VM ServerのどのポートまたはボンドでどのVLANからのトラフィックを受け入れるかを決定します。

使用可能なネットワーク・ビルディング・ブロックおよび必要なネットワーク機能を十分に評価してから、次のいずれかのタイプを選択して必要な論理ネットワークを作成します。

詳細は、5.3項「ネットワーク環境の構築」およびこの章の以降の項を参照してください。