4.1 記憶域の概要

Oracle VMが記憶域にアクセスする特定の方法では、プラグインが使用されますが、オラクル社では、記憶域の異なるカテゴリおよびタイプごとにStorage Connectプラグインを作成することによって、記憶域の構成および統合をできるだけ柔軟性が高くモジュール化されたものとしています。これらのプラグインの詳細は、4.3項「Storage Connectプラグイン」を参照してください。

Oracle VMの記憶域は、2つの異なるタイプのディスク記憶域、つまりテンプレートやISOファイルなどの環境リソースが使用可能な領域と、仮想マシンが使用する論理ディスクまたは物理ディスクを指します。

注意

また、クラスタ化されたサーバー・プールのプール・ファイル・システムに使用されるディスク領域もありますが、これについてはこの項で説明しません。

仮想マシン・ディスクの場合、Oracle VMでは2つの選択肢が提供されます。

仮想記憶域のアクセスと物理記憶域のアクセスの設計上の要件は、サーバー仮想化のユースケースおよび使用できる既存の記憶域ハードウェアによって異なります。仮想記憶域では迅速かつ容易なオンザフライの構成が可能ですが、抽象化のレベルが高くなります。物理記憶域のアクセスは、物理記憶域ハードウェアで構成されているLUNに仮想マシンのディスク記憶域が直接マップされることを意味し、これは、物理サーバーが記憶域にアクセスする方法とまったく同様です。この場合の利点は、既存のプロシージャおよびストレージ管理の手法を保持できることです。

記憶域は、ローカルで構成でき、具体的にはOracle VM Serverのローカル・ディスクのOCFS2ファイル・システムを使用して構成できます。ただし、サーバー・プール内のすべてのOracle VM Serverでアドレス指定でき、これらのOracle VM Serverに接続できるように、記憶域リポジトリの別の場所を使用する方がはるかに効率的で信頼性が高くなります。これは、ライブ・マイグレーションおよびHA構成においても重要です。記憶域は、次のいずれかのテクノロジを使用して構成します。

注意

記憶域構成でOCFS2(Oracle Cluster File System)が使用されますが、NFSには基づいていません。

HAまたはライブ・マイグレーションを有効にするには、すべてのOracle VM Serverが同じ記憶域リソースにアクセスできることを確認する必要があります。特にライブ・マイグレーションの場合、Oracle VM Serverが同じサーバー・プールに含まれている必要もあります。クラスタ化されたサーバー・プールは、失敗や後続のサーバー・ロールの変更などの場合に、サーバー・プール情報が格納および取得される共有ファイル・システムへのアクセスが必要となることにも注意してください。サーバー・プールのファイル・システムは、NFS共有上、またはSANサーバーのLUN上に配置できます。ファイル・サーバーおよびSANサーバーの設定の詳細は、4.6項「記憶域の準備および構成」を参照してください。