Oracle VMでは、CPU固定とも呼ばれる、ハード・パーティショニングの高度な機能が提供されています。ハード・パーティショニングとは、仮想マシンのCPUを物理CPUまたはコアにバインドし、指定したコア以外の他の物理コア上で仮想マシンが動作するのを防ぐものです。これは、Oracle VMはCPUごとにライセンスが供与されるために、Oracle CPUライセンスの目的で行われます。
ハード・パーティショニングは、仮想マシン構成ファイルの手動での変更が許可される唯一の状況です。その他すべての仮想マシンへの変更では、Oracle VM Managerのユーザー・インタフェースを使用します。
Oracleの特別なライセンス・ポリシーの詳細は、Oracle Technology Networkで、次の場所にあるパーティショニングに関する説明のPDFドキュメントを参照してください。
http://www.oracle.com/us/corporate/pricing/specialty-topics/index.html
仮想マシンのハード・パーティショニングを設定するには、次の手順を実行します。
仮想マシンの「Configuration」情報タブを表示して、仮想マシンのIDおよび構成ファイルのリポジトリを見つけて書き留めます。このタブの表示方法の詳細は、7.9.1項「仮想マシンの情報およびイベントの表示」を参照してください。
Repositoriesタブをクリックし、ナビゲーション・ツリーで前述の手順で書き留めたリポジトリを選択して、管理ペインのPerspectiveドロップダウン・リストから「Info」を選択します。仮想マシン構成ファイルを含む記憶域リポジトリへのファイル・システム・パスを書き留めます。
記憶域リポジトリをホスティングしているサーバーにログインします。
テキスト・エディタを使用して、次のディレクトリにある仮想マシン構成ファイル(vm.cfg)を開きます。
/
repository_file_system_path
/VirtualMachines/virtual_machine_ID
/
たとえば、viエディタを使用して、次のようにvm.cfg
ファイルを開きます。
# vi /repository_file_system_path
/VirtualMachines/virtual_machine_ID
/vm.cfg disk = ['file:/OVS/Repositories/0004fb0000030000a3ff6bbfe68511a6/VirtualDisks/ 0004fb0000120000dbafadb0e1e4115f.img,xvda,w'] vif = ['mac=00:21:f6:00:00:00'] uuid = '0004fb00-0006-0000-ebed-b32c30706fad' OVM_description = 'Oracle Linux 5 64bit quad-core 8GB' guest_os_type = 'Oracle Linux 5' OVM_simple_name = 'MyOL5VM' on_poweroff = 'destroy' vfb = ['type=vnc,vncunused=1,vnclisten=127.0.0.1'] on_crash = 'restart' on_reboot = 'restart' vcpus = 4 cpu_weight = 27500 OVM_os_type = 'Oracle Linux 5' memory = 8192 cpu_cap = 0 OVM_high_availability = False bootloader = '/usr/bin/pygrub' maxmem = 2048 name = '0004fb0000060000ebedb32c30706fad'
仮想CPUをホストOracle VM Serverの特定の物理コアに固定するには、vm.cfg
ファイルに、パラメータcpus = 'value'
を含む行が含まれていることを確認してください。次に例を示します。
cpus = '0-3' -- or -- cpus = '0,1'
最初のケースでは、CPUまたはコア0、1、2および3のみが仮想マシンで使用できます。2番目のケースではコア0および1です。仮想マシンに仮想CPUが4つあり、vm.cfg
ファイルにcpus = '0'
を入力した場合、4つの仮想CPUすべてが同じ物理コアでスケジュールされます。
vm.cfg
ファイルを保存します。仮想マシンがハード・パーティショニングを使用するように設定されました。
CPUが固定された仮想マシンの別のOracle VM Serverへのライブ・マイグレーションは、ライセンス条件では認められていません。そのため、CPU固定されたゲストを含むサーバー・プールでは、DRSおよびDPMポリシーを有効化することはできません。
Oracle VM ServerでNUMA (不均一メモリー・アクセス)がサポートされている場合は、システムがNUMAモードで正常に動作していることを確認してください。クラスタ化の設定では、CPUは、ローカル以外のメモリーおよび共有メモリーよりも高速にローカル・メモリーにアクセスできます。NUMAの性能の利点を十分に活用するには、仮想CPUを単一のOracle VM Serverの物理CPUに固定してください。NUMAの詳細は、サーバー・ハードウェアのドキュメントを参照してください。