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Oracle Solaris 11.1 での一般的な問題のトラブルシューティング     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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はじめに

1.  システムクラッシュ情報の管理 (タスク)

システムクラッシュ情報の管理に関する新機能

savecore の動作の変更点

システムクラッシュ (概要)

システムクラッシュダンプファイル

クラッシュダンプの保存

dumpadm コマンドを使用したシステムクラッシュダンプ情報の管理

dumpadm コマンドの動作

システムクラッシュダンプ情報の管理

システムクラッシュダンプ情報の管理 (タスクマップ)

現在のクラッシュダンプ構成を表示する方法

クラッシュダンプ構成を変更する方法

クラッシュダンプ情報を検査する方法

クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (オプション)

クラッシュダンプの保存を無効または有効にする方法

2.  コアファイルの管理 (タスク)

3.  システムおよびソフトウェアのトラブルシューティング (タスク)

4.  その他各種のシステムおよびソフトウェアの トラブルシューティング (タスク)

索引

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システムクラッシュダンプ情報の管理

このセクションでは、システムクラッシュダンプ情報を管理するためのタスクについて説明します。

システムクラッシュダンプ情報の管理 (タスクマップ)

タスク
説明
参照先
1. 現在のクラッシュダンプ構成を表示する
dumpadm コマンドを使用して、現在のクラッシュダンプ構成を表示する
2. クラッシュダンプ構成を変更する
dumpadm コマンドを使用して、ダンプするデータの種類、システムが専用のダンプデバイスを使用するかどうか、クラッシュダンプファイルを保存するディレクトリ、およびクラッシュダンプファイルが書き込まれた後に残っていなければならない容量を指定する
3. クラッシュダンプファイルを調べる
mdb コマンドを使用して、クラッシュダンプファイルを表示する
4.(オプション) クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する
システムがクラッシュした際、 savecore ディレクトリに十分な空き容量がなくても、一部の重要なシステムクラッシュダンプ情報を保存したい場合
5.(オプション) クラッシュダンプファイルの保存を有効または無効にする
dumpadm コマンドを使用して、クラッシュダンプファイルの保存を有効または無効にする。デフォルトでは、クラッシュダンプファイルは保存される

現在のクラッシュダンプ構成を表示する方法

  1. root 役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. 現在のクラッシュダンプ構成を表示します。
    # dumpadm
     Dump content: kernel pages
           Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
    Savecore directory: /var/crash
      Savecore enabled: yes
       Save compressed: on

    上記の出力例の意味は次のとおりです。

    • ダンプの内容は、カーネルメモリーページである

    • カーネルメモリーは、専用のダンプデバイス /dev/zvol/dsk/rpool/dump にダンプされます。

    • システムクラッシュダンプファイルは /var/crash/ ディレクトリに保存される

    • システムクラッシュダンプファイルの保存は有効に設定されている

    • クラッシュダンプを圧縮した形式で保存する

クラッシュダンプ構成を変更する方法

  1. root 役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. 現在のクラッシュダンプ構成を確認します。
    # dumpadm
     Dump content: kernel pages
           Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
    Savecore directory: /var/crash
      Savecore enabled: yes
       Save compressed: on

    この出力は、Oracle Solaris 11 リリースを実行するシステムのデフォルトダンプ構成を表しています。

  3. クラッシュダンプ構成を変更します。
    #  /usr/sbin/dumpadm  [-nuy] [-c content-type] [-d dump-device] [-m mink | minm | min%]
    [-s savecore-dir] [-r root-dir] [-z on | off]
    -c content

    ダンプするデータの種類を指定する。すべてのカーネルメモリーをダンプするには kernel を、すべてのメモリーをダンプするには all を、カーネルメモリーとクラッシュ時に実行中だったスレッドを持つプロセスのメモリーページとをダンプするには curproc を使用する。デフォルトはカーネルメモリー

    -d dump-device

    システムがクラッシュしたときに、ダンプデータを一時的に保存するデバイスを指定する。デフォルトのダンプデバイスはプライマリダンプデバイスです。

    -m nnnk | nnnm | nnn%

    現在の savecore ディレクトリに minfree ファイルを作成することにより、クラッシュダンプファイルを保存する最小限の空き容量を指定する。このパラメータは K バイト (nnnk)、M バイト (nnnm)、またはファイルシステムサイズのパーセント (nnn%) で指定できる。savecore コマンドは、クラッシュダンプファイルを書き込む前にこのファイルを調べる。クラッシュダンプファイルを書き込むと空き容量が minfree の値より少なくなる場合、ダンプファイルは書き込まれず、エラーメッセージが記録される。このような問題を解決するには、「クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (オプション)」を参照してください。

    -n

    システムがリブートするときに、savecore を実行しないように指定する。このダンプ構成は推奨できない。システムクラッシュ情報がスワップデバイスに書き込まれているときに、savecore が有効でないと、クラッシュダンプ情報はシステムがスワップを開始すると上書きされる

    -s

    クラッシュダンプファイルを保存する別のディレクトリを指定する。Oracle Solaris 11 では、デフォルトのディレクトリは /var/crash です。

    -u

    /etc/dumpadm.conf ファイルの内容に基づいてカーネルダンプ構成を強制的に更新します。

    -y

    リブート時に自動的に savecore コマンドを実行するようにダンプ構成を変更します。このダンプ設定では、このコマンドの自動実行がデフォルトです。

    -z on | off

    リブート時の savecore コマンドの動作を制御するために、ダンプ構成を変更します。on 設定では、圧縮した形式でのコアファイルの保存が有効になります。off 設定では、クラッシュダンプファイルを自動的に圧縮解除します。クラッシュダンプファイルはサイズが非常に大きくなる場合があり、圧縮した形式で保存すれば必要なシステム領域が小さくなるため、デフォルトは on です。

例 1-1 クラッシュダンプ構成を変更する

次の例は、すべてのメモリーを専用のダンプデバイス /dev/zvol/dsk/rpool/dump にダンプします。また、クラッシュダンプファイルを保存したあとに残っていなければならない最小空き容量は、ファイルシステム容量の 10% です。

# dumpadm
      Dump content: kernel pages
       Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
Savecore directory: /var/crash
  Savecore enabled: yes
   Save compressed: on

# dumpadm -c all -d /dev/zvol/dsk/rpool/dump -m 10%
       Dump content: all pages
       Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
Savecore directory: /var/crash (minfree = 5697105KB)
  Savecore enabled: yes
   Save compressed: on

クラッシュダンプ情報を検査する方法

  1. root 役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. クラッシュダンプ情報が保存されているディレクトリに移動します。例:
    # cd /var/crash

    クラッシュダンプの場所が不明な場合は、dumpadm コマンドを使用して、システムがカーネルクラッシュダンプファイルを格納するように構成されている場所を特定します。例:

    # /usr/sbin/dumpadm
          Dump content: kernel pages
           Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
    Savecore directory: /var/crash
      Savecore enabled: yes
       Save compressed: on
  3. クラッシュダンプを検査するには、モジュラーデバッガユーティリティー (mdb) を使用します。
    # /usr/bin/mdb [-k] crashdump-file
    -k

    オペレーティングシステムのクラッシュダンプファイルの場合のカーネルデバッグモードを指定します。

    crashdump-file

    オペレーティングシステムのクラッシュダンプファイルを指定します。

    例:

    # /usr/bin/mdb -K vmcore.0

    または、コマンドを次のように指定することもできます。

    # /usr/bin/mdb -k 0
  4. システムクラッシュのステータスを次のように表示します。
    > ::status
       .
       .
       .
    > ::system
       .
       .
       .

    カーネルクラッシュダンプを検査するときに ::system dcmd コマンドを使用するには、コアファイルはカーネルクラッシュダンプである必要がありかつmdb ユーティリティーの起動時に -k オプションを指定しておく必要があります。

  5. mdb ユーティリティーを終了します。
    > $quit

例 1-2 クラッシュダンプ情報を検査する

次の例は、mdb ユーティリティーの出力例を示します。このシステムのシステム情報と /etc/system ファイルに設定されている調整可能パラメータが含まれています。

# cd /var/crash
# /usr/bin/mdb -k unix.0 
Loading modules: [ unix krtld genunix ip nfs ipc ptm ]
> ::status
debugging crash dump /dev/mem (64-bit) from ozlo
operating system: 5.10 Generic sun4v
> ::system
set ufs_ninode=0x9c40 [0t40000]
set ncsize=0x4e20 [0t20000]
set pt_cnt=0x400 [0t1024]
> $q

クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (オプション)

ここでは、システムがクラッシュしたが、十分な空き容量が savecore ディレクトリに残っておらず、それでも、一部の重要なシステムクラッシュダンプ情報を保存したい場合を考えます。

  1. システムのリブート後、root 役割としてログインします。
  2. すでにサービスプロバイダに送ってある既存のクラッシュダンプファイルを削除して、savecore ディレクトリ (通常は /var/crash/) を整理します。
    • 別の方法として、savecore コマンドを手作業で実行し、十分なディスク容量がある代替ディレクトリを指定することができます。
      # savecore [ directory ]

クラッシュダンプの保存を無効または有効にする方法

  1. root 役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. システム上のクラッシュダンプの保存を有効または無効にします。
    # dumpadm -n | -y

例 1-3 クラッシュダンプの保存を無効にする

次の例は、システムでのクラッシュダンプの保存を無効にします。

# Dump content: all pages
       Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
Savecore directory: /var/crash (minfree = 5697105KB)
  Savecore enabled: no
   Save compressed: on

例 1-4 クラッシュダンプの保存を有効にする

次の例は、システムでのクラッシュダンプの保存を有効にします。

# dumpadm -y
      Dump content: all pages
       Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated)
Savecore directory: /var/crash (minfree = 5697105KB)
  Savecore enabled: yes
   Save compressed: on