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Oracle Solaris 11.1 での印刷の構成と管理     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  CUPS を使用したプリンタの設定と管理 (概要)

CUPS の概要

CUPS のプロセス

CUPS のサービス

CUPS を使用したプリンタと印刷待ち行列の設定

CUPS を使用した印刷待ち行列の管理

2.  CUPS を使用したプリンタの設定 (タスク)

3.  CUPS 印刷マネージャーを使用したプリンタの管理 (タスク)

索引

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CUPS の概要

CUPS は、モジュール化されたオープンソースの印刷システムであり、プリンタ、印刷要求、および印刷待ち行列を管理するための基準としてインターネット印刷プロトコル (IPP) を使用します。CUPS は、ネットワークプリンタのブラウズおよび PostScript Printer Description ベースの印刷オプションもサポートします。CUPS は、ローカルネットワークの共通印刷インタフェースも提供します。

IPP は、ネットワーク上での印刷に関する標準プロトコルです。ほかの IP ベースのプロトコルと同じように、IPP はローカルまたはインターネット経由でリモートプリンタと通信するために使用できます。ほかのプロトコルと異なり、IPP はアクセス制御、認証、および暗号化もサポートするため、ほかのプロトコルよりはるかに高機能で安全な印刷ソリューションです。IPP は、ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP) の上位層に位置付けられます。HTTP は、インターネット上に存在する Web サーバーの基盤です。IPP を使用すると、ブラウザを介してプリンタやサーバーのステータス情報を確認したり、プリンタや印刷ジョブを管理したりできます。CUPS は、完全な IPP/1.1 ベースの印刷システムです。基本、ダイジェスト、およびローカル証明書の各認証と、ユーザー、ドメイン、または IP ベースのアクセス制御を提供します。

CUPS では、動的なプリンタ検出とグループ化がサポートされます。CUPS は、lpr コマンドを独自のコマンドに置き換え、LPD プリンタドライバを独自の印刷ドライバに置き換えます。CUPS は、ページ記述のベースとなる言語として PostScript 形式を使用する点で LP 印刷サービスと似ています。CUPS は System V と Berkeley の両方の印刷コマンドを提供するため、ユーザーおよびアプリケーションは今まで使用していたオプションをほとんどまたはまったく変更せずに CUPS の待ち行列に印刷できます。

最後に、CUPS には多くのオープンソースアプリケーションおよびツールキットによって使用されているアプリケーションレベルのインタフェースが含まれています。CUPS のバックエンドには、注釈付きのラスタイメージ形式 (RIP) を処理するのに必要なインタフェースが含まれています。この形式とこれらのインタフェースのサポートは、ほかの重要なオープンソースの印刷ドライバ技術に統合されています。

CUPS は、LP 印刷サービスに代わる Oracle Solaris リリースのデフォルトで唯一の印刷サービスです。Oracle Solaris オペレーティングシステム (OS) での CUPS を使用した印刷は、次を使用して管理します。

CUPS のプロセス

CUPS で印刷環境を管理するには、最初に CUPS の下で印刷待ち行列を作成する必要があります。印刷待ち行列は、USB ポートやパラレルポートを介してシステムに直接接続されているプリンタを指している場合もあります。しかし、アプリケーションの構成方法によっては、待ち行列がネットワーク上のプリンタ、インターネット上のプリンタ、または複数のプリンタを指している場合もあります。印刷待ち行列は、どこを指しているかに関係なく、ほかのプリンタと同じように扱われます。

CUPS のサービス

CUPS のサービスは、次の 2 つの新しいサービス管理機能 (SMF) サービスによって提供されます。

プリンタ管理プロファイルと solaris.smf.manage.cups の承認によって、root アカウントがないユーザーもこれらの SMF サービスを管理できます。

CUPS を使用したプリンタと印刷待ち行列の設定

CUPS で印刷環境を管理するには、最初に CUPS の下で印刷待ち行列を作成する必要があります。

新しい印刷待ち行列は、次のいずれかの方法で作成できます。

CUPS を使用した印刷待ち行列の管理

ユーザーによって印刷要求が送信されるたびに、CUPS は、要求の送信先の印刷待ち行列、ドキュメントの名前、およびページ記述に関する情報を含む印刷ジョブを作成します。印刷ジョブには queue-1queue-2 のような番号が付けられているため、必要に応じて印刷される個々の印刷ジョブを監視したり、印刷ジョブを取り消したりできます。

印刷要求が送信されると、CUPS は次を実行します。

  1. 使用するプログラム (フィルタ、印刷ドライバ、ポートモニター、およびバックエンドプログラム) を決定します。

  2. これらのプログラムを実行して印刷ジョブを完了します。

  3. 印刷ジョブが完了したら、印刷待ち行列からジョブを削除し、送信された次の印刷ジョブを印刷します。印刷ジョブが完了したとき、または印刷中にエラーが発生したときに通知するように CUPS を構成できます。