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Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
プロファイルにどのプロパティーを含めるべきかなど、VSI プロファイルの定義に関して定義済みの標準は現在存在しません。また、VSI タイプの定義は VSI マネージャー ID と密接に関連していますが、多くの場合 VSI マネージャー ID はベンダー固有です。
Oracle Solaris では、VSI マネージャーは 3 バイトエンコーディング oracle_v1 を使用して定義されます。この VSI マネージャーは次のデータリンクプロパティーをサポートします。
帯域幅の制限
ベースとなるリンクのリンク速度
トラフィッククラス
VNIC の最大転送単位 (MTU)
oracle_v1 エンコーディングは次のように定義されています。
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この 3 バイトエンコードは、Oracle Solaris で VSI タイプ ID として直接使用されます
したがって、Oracle Solaris では、Oracle VSI マネージャーおよび組み合わされた VSI タイプ ID-VSI バージョン ID ペアが、ブリッジに通知されるタプルになります。VSI 情報の交換メカニズムは、「VSI 情報交換のための EVB コンポーネント」で説明されているものと同じプロセスに従います。ブリッジは Oracle VSI マネージャーを認識するように構成されます。ブリッジは次に、Oracle VSI マネージャー ID および組み合わされた VSI タイプ ID-VSI バージョン ID ペアを使用して、VSI プロファイルに関連付けられているプロパティーセットを取得します。ブリッジは、プロパティー情報を取得したあと、そのプロパティー構成をその VNIC 宛てのパケットに適用できます。
VSI マネージャー ID TLV の送信後、Oracle 組織固有の OUI TLV ユニットが送信されます。OUI TLV は、それに先行する VSI マネージャー ID にいずれかのエンコーディングが使用されていれば、それを示します。ブリッジは、この Oracle 定義の VSI マネージャー ID を認識した場合、リクエスト側のステーションに応答するときにその TLV ユニットを含めます。ブリッジの応答に Oracle 固有の TLV ユニットが含まれていない場合、そのスイッチでは Oracle VSI マネージャーが認識もサポートもされていないことを意味します。
次は、EVB に関連する構成可能なデータリンクプロパティーのリストです。
vsi-mgrid は、物理リンクまたは VNIC のどちらかに設定される VSI マネージャー ID を指定します。Oracle Solaris では、このプロパティーはデフォルトの VSI マネージャー ID ORACLE_VSIMGR_V1 に関連付けられます。
IPv6 アドレスを使用する場合は、VSI タイプ ID と VSI バージョン ID も定義する必要があります。それ以外の場合、タプルは Oracle Solaris で認識されません。さらに、VSI タイプ ID-VSI バージョン ID/VSI マネージャー ID タプルに対応する適切なデータリンクプロパティーを手動で構成する必要があります。
できれば、EVB を使用するときはデフォルトの Oracle VSI マネージャー ID を使用するようにしてください。そうすれば、ステーションの VSI プロファイルの VSI タイプ ID と VSI バージョン ID を Oracle VSI マネージャーで自動的に生成できます。
vsi-mgrid-enc は、VSI マネージャー ID に関連付けられているエンコーディングを示します。デフォルトでは、このプロパティーは oracle_v1 に設定されます。VSI マネージャー ID に oracle_v1 を関連付けない場合は、このプロパティーを値 none に設定してください。
vsi-typeid は VSI タイプ ID を指定します。VSI タイプ ID は、VSI バージョン ID とのペアで VSI プロファイルに関連付けられます。vsi-mgrid と vsi-mgrid-enc にデフォルト値を使用している場合、この 3 バイト値は自動的に生成されます。それ以外の場合は、このプロパティーの値を明示的に指定する必要があります。
vsi-vers は VSI バージョン ID を指定します。VSI バージョン ID は、VSI タイプ ID とのペアで VSI プロファイルに関連付けられます。vsi-mgrid と vsi-mgrid-enc にデフォルト値を使用している場合、この 1 バイト値は自動的に生成されます。それ以外の場合は、このプロパティーの値を明示的に指定する必要があります。
注 - これらすべてのプロパティーは、すべての VNIC に手動で構成できますが、物理リンクに構成できるのは vsi-mgrid および vsi-mgrid-enc プロパティーだけです。
上記のリストのプロパティーに加え、次の読み取り専用プロパティーにより、システムで有効になっている実際の EVB 構成に関する情報が提供されます。
vsi-mgrid-effective は、仮想リンクまたは VNIC 上の VSI マネージャー ID を指定します。
vsi-mgrid-enc-effective は、仮想リンクまたは VNIC に使用されている、VSI マネージャー ID の基となる VSI マネージャー ID エンコーディングを示します。
vsi-typeid-effective は、仮想リンクまたは VNIC 上で有効になっている VSI タイプ ID を指定します。
vsi-vers-effective は、リンク上で有効になっている VSI バージョンを指定します。
ステーションで EVB を使用するには、EVB パッケージをインストールする必要があります。次のコマンドを入力します。
# pkg install evb
できれば、パッケージのインストール後に自動的に有効になるデフォルトの EVB 構成を受け入れるようにしてください。EVB 構成では、EVB の有効化に Oracle VSI マネージャーを使用することを基にしています。デフォルトの EVB 構成を受け入れると、ステーションはただちに、ステーション上に構成されている VNIC に関する VSI 情報をブリッジと交換できるようになります。
次の例は、物理リンク上の EVB 関連のプロパティーを示しています。
# dladm show-linkprop -p vsi-mgrid,vsi-mgrid-enc LINK PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE net4 vsi-mgrid rw -- :: -- net4 vsi-mgrid-enc rw -- oracle_v1 none,oracle_v1
出力には、Oracle Solaris 11 でのデフォルトの EVB 構成が表示されています。oracle_v1 エンコーディングを使用すると、Oracle VSI マネージャーが認識できサポートしている VSI とそのデータリンクプロパティーが、Oracle VSI マネージャーで管理されます。
デフォルトの構成を使用しない場合は、エンコーディングを none に設定してください。
# dladm set-linkprop -p vsi-mgrid-enc=none net4
その後、VSI マネージャー ID として使用する IPv6 アドレスを手動で指定し、VSI タイプ ID とその他すべての EVB 関連コンポーネントおよびそれらのプロパティーを定義する必要があります。
次の例は、VSI または VNIC 上の EVB 関連のプロパティーを示しています。
# dladm show-linkprop vnic0 LINK PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE ... vnic0 vsi-typeid rw -- -- -- vnic0 vsi-typeid-effective r- 65684 -- -- vnic0 vsi-vers rw -- -- -- vnic0 vsi-vers-effective r- 0 -- -- vnic0 vsi-mgrid rw -- -- -- vnic0 vsi-mgrid-effective r- :: -- -- vnic0 vsi-mgrid-enc-effective r- oracle_v1 -- -- ...
出力には、Oracle VSI マネージャーの使用に基づく値が表示されています。VSI の VSI マネージャー ID で有効になっているエンコーディングは oracle_v1 です。次に、vnic0 にはタイプ ID 65684 が自動的に生成され、有効になっています。
次の例は、ステーションで EVB が有効になっている場合の物理 Ethernet リンクの VDP 状態に関する情報を示しています。単一のリンクに関する情報だけを表示するには、そのリンクをコマンドで指定します。それ以外の場合、すべての Ethernet リンクに関する VDP 情報が表示されます。
# dladm show-ether -P vdb VSI LINK VSIID VSI-TYPEID VSI-STATE CMD-PENDING vnic0 net4 2:8:20:2c:ed:f3 65684/0 TIMEDOUT NONE vnic1 net4 2:8:20:df:73:77 65684/0 TIMEDOUT NONE
出力は、リンク net4 上に 2 つの VSI が構成されていることを示しています。それぞれ固有の VSI ID は、それぞれに対応する MAC アドレスを示しています。vsi-mgrid のデフォルト値に基づき、どちらの VSI も同じ VSI タイプ ID、すなわち 65684 になっています。
発信または着信 VDP パケットに関する統計を取得するには、次のコマンドを使用します。
# dlstat show-ether -P vdb