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Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
次の図は、VRRP の動作を示しています。図で使用されている VRRP コンポーネントについては、図に続くテキストで説明します。
図 13-1 VRRP の動作
前の図で、VRRP は次のコンポーネントを使用しています。
ルーター rA は、仮想ルーター VRID 1 のマスタールーターであり、VRID 3 のバックアップルーターです。ルーター rA は、VRID 1 の VIP にアドレス指定されたパケットのルーティングを処理し、VRID 3 のルーティングの役割を担う準備が整っています。
ルーター rB は、仮想ルーター VRID 3 のマスタールーターであり、VRID 1 のバックアップルーターです。ルーター rB は、VRID 3 の VIP にアドレス指定されたパケットのルーティングを処理し、VRID 1 のルーティングの役割を担う準備が整っています。
ルーター rC は、VRRP 機能を持っていませんが、VRID 3 の VIP を使用してクライアント LAN のサブネットに到達します。
ルーター rD は VRID 2 のマスタールーターです。ルーター rF は VRID 5 のマスタールーターです。ルーター rE は、これらの VRID の両方に対するバックアップルーターです。rD または rF で障害が発生すると、rE がその VRID のマスタールーターになります。rD と rF の両方で同時に障害が発生する可能性があります。VRRP ルーターが、ある VRID のマスタールーターであっても、別の VRID のマスタールーターになることができます。
ルーター rG は、バックボーン LAN の広域ネットワーク (WAN) ゲートウェイです。バックボーンに接続されているルーターはすべて、OSPF (Open Shortest Path First) などの動的ルーティングプロトコルを使用して WAN 上のルーターとルーティング情報を共有しています。VRRP はこの点に関与しませんが、ルーター rC は、クライアント LAN のサブネットへのパスが VRID 3 の VIP 経由であることを通知します。
ルーター rH は、VRID 10 のマスタールーターであり、VRID 11 のバックアップルーターです。同様に、ルーター rJ は VRID 11 のマスタールーターであり、VRID 10 のバックアップルーターです。この VRRP 負荷共有構成は、単一のルーターインタフェース上に複数の VRID が存在できることを示しています。
VRRP は、ネットワーク上のすべてのシステムに対してほぼ完全なルーティング冗長性を提供するネットワーク設計の一部として使用できます。