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Oracle Solaris 11.1 でのリアクティブネットワーク構成を使用したシステムの接続 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
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Oracle Solaris 11.1 でのリアクティブネットワーク構成を使用したシステムの接続 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
Automatic NCP とユーザー定義の NCP の説明
リアクティブネットワークとその他の Oracle Solaris ネットワーク技術の連携動作
2. リアクティブネットワークプロファイルの作成と構成 (タスク)
リアクティブネットワーク構成では、リアクティブ NCP の NCP アクティブ化ポリシーを指定できます。このポリシーは、NCU を有効にするタイミングを記述します。個々の場所プロファイルにも、アクティブ化の条件を定義したプロパティーが含まれています。
NCU、場所プロファイル、および ENM には activation-mode プロパティーがあります。許容される値は、プロファイルタイプごとに異なります。さらに、activation-mode プロパティーを検証する方法も、各プロファイルが有効になる条件と同様に、プロファイルごとに異なります。
注 - NCU の activation-mode プロパティーは、manual と prioritized のどちらかに設定できます。場所プロファイルの activation-mode プロパティーは、manual、conditional-any、conditional-all、または system に設定できます。
NCP アクティブ化ポリシーは、NCU ごとに指定可能なプロパティーと条件を使用することで適用されます。指定されるポリシーの例として、「無線接続よりも有線接続を優先する」や「一度に 1 つのインタフェースをアクティブにする」などがあります。NCP を有効にする方法とタイミングは、NCU タイプごとに設定されたプロパティーで定義されます。
注 - 常にインタフェース NCU は、ベースとなるリンク NCU に関連付ける必要があります。各インタフェース NCU は、関連付けられたリンク NCU を有効にするとアクティブになります。netadm コマンドを使用すると、NCU のデフォルト動作をオーバーライドできます。ただし、ベースとなるリンク NCU との依存性は削除できません。たとえば、関連付けられたリンク NCU を有効化せずにインタフェース NCU を有効化する場合は、そのインタフェースのベースとなる NCU が有効になるまで、インタフェースは実際にオンラインになりません。
ネットワーク接続を有効にする方法は、リンク NCU のプロパティーで設定されます。NCP のアクティブ化ポリシーを定義する際には、次のプロパティーが使用されます。
このプロパティーには、manual と prioritized のどちらかを設定できます。
manual – NCU のアクティブ化が管理者によって管理されます。netadm コマンドまたはネットワーク管理 GUI を使用すると、NCU を有効または無効にできます。NCU の activation-mode プロパティーが manual に設定されている場合は、priority-group と priority-mode NCU プロパティーに設定された値はどちらも無視されます。
prioritized – 指定された NCU の priority-group と priority-mode プロパティーで設定された値に従って、NCU が有効になります。優先順位が付けられた NCU では、有効なプロパティーは常に true です。
優先順位が付けられたアクティブ化によって、リンクのグループを同時に有効にできます。この起動モードでは、1 つ以上のリンクをその他のリンクよりも優先させることもできます。priority-group プロパティーは、指定されたリンクに数値の優先度を割り当てます。優先度が同じリンクはすべて、1 つのグループとして検査されます。priority-mode プロパティーは、有効にするグループで使用可能になる可能性がある、または使用可能にする必要があるグループメンバーの数を定義します。
enabled プロパティー (activation-mode は manual に設定される)
このプロパティーに指定可能な値は true または false です。このプロパティーの値は設定できません。より正確には、この値は手動で有効にした NCU の現在の状態を反映しており、netadm コマンドまたはネットワーク管理 GUI を使用して変更できます。
priority-group プロパティー (activation-mode が prioritized に設定されている)
値は数値です。ゼロ (0) は優先度がもっとも高いことを示します。負の値は無効です。
使用可能なすべての優先グループの中で、使用可能なもっとも高い優先度のグループの NCU のみが有効になります。複数の同じ優先度の NCU が使用可能である場合、アクティブ化動作は priority-mode プロパティーで定義されます。優先度番号は絶対値ではありません。NCP リポジトリが更新されると、値が変更される可能性があります。
注 - 優先度の順序は厳格に適用されます。
priority-mode プロパティー (activation-mode が prioritized に設定されている)
このプロパティーは、priority-group プロパティーの値が指定されている場合に設定されます。
このプロパティーの値は次のとおりです。
exclusive – 常に優先グループ内で 1 つの NCU のみをアクティブにできることを指定します。優先グループ内で 1 番目に使用可能な NCU が有効になり、グループ内のほかの NCU は無視されます。
shared – 優先グループ内の複数の NCU を同時にアクティブにできることを指定します。優先グループ内で使用可能な任意の NCU が有効になります。
all – 優先グループが使用可能であり、したがってアクティブにできるとみなされるには、優先グループ内のすべての NCU が使用可能でなければならないことを指定します。
次の例では、複数の有線リンクが同時に有効になることを指定する NCP ポリシーに従って NCU のプロパティーが設定されています。
すべての物理リンク用:
NCU タイプ: link
NCU クラス: phys
activation-mode: prioritized
priority-group: 0 (有線の場合)
priority-mode: shared (有線の場合)
次の例では、アクティブなリンクがシステムに常に 1 つだけ存在する可能性があることを指定する NCP ポリシーに従って NCU のプロパティーが設定されています。
すべての物理リンク用:
NCU タイプ: link
NCU クラス: phys
activation-mode: prioritized
priority-group: 0 (有線の場合)
priority-mode: exclusive
アクティブ化の条件を定義するプロパティーは、場所プロファイルが有効になる条件に関する情報を指定します。netadm コマンドまたはネットワーク管理 GUI を使用すると、場所プロファイルを手動で有効にできます。場所を明示的に有効にしない場合は、ネットワーク管理デーモン nwamd によって、条件付きで有効化およびシステムで有効化されたすべての場所プロファイルのアクティブ化規則がチェックされたあとに、現在のネットワーク環境に最適な場所が選択されます。
nwamd デーモンは、構成されたすべての場所に対する選択条件を継続的に再評価し、そのたびに現在のネットワーク環境に最適な条件を持つ場所を判定するアルゴリズムを使用します。場所に適した一致がない場合は、場所 Automatic が有効になります。
ネットワーク環境を変更すると、nwamd デーモンが場所の選択を継続的に再評価して、新しい環境に最適な一致を決定します。ただし、netadm コマンドを使用して場所プロファイル (手動で有効化した場所または条件付きで有効化した場所) を明示的に有効にする場合は、その場所を明示的に無効にするか、別の場所を有効にするまで、場所はアクティブなままです。この状況では、より適切な一致があるかどうかに関係なく、ネットワーク環境を変更しても場所プロファイルは変更されません。現在の場所を明示的に指定することにより、実質的には最良の一致が決定されます。プロファイルを有効および無効にする手順については、「プロファイルを有効および無効にする」を参照してください。
ユーザー定義の場所を有効にするタイミングと方法の選択条件は、次のプロパティーで指定されます。
activation-mode
conditions
activation-mode プロパティーは、次の使用可能な値のいずれかに設定されます。
manual
conditional-any
conditional-all
system
注 - activation-mode プロパティーの値 system は、システムで提供される場所 Automatic、NoNet、および DefaultFixed にのみ割り当てることができます。値 system は、これらの場所がアクティブになる条件がシステムで決定されることを示します。
activation-mode プロパティーが conditional-any または conditional-all に設定されている場合は、conditions プロパティーにユーザー定義の条件式 (複数可) が含まれます。各式に含まれる条件には、ブール型の値を割り当てることができます (ncu ip:net0 is-not active など)。この例の条件は、場所または ENM のアクティブ化に使用できます。net0 の IP NCU がオンラインでない場合、この条件は true になります。この式により、場所または ENM が有効になるタイミングが決まり、条件が満たされない場合、場所または ENM は無効になります。
activation-mode プロパティーが conditional-any に設定されている場合は、条件のいずれかに該当すれば条件を満たすことになります。
activation-mode プロパティーが conditional-all に設定されている場合は、条件のすべてに該当しなければ条件を満たすことになりません。
場所と ENM は、ユーザー指定の条件セットに基づいてアクティブ化できます。条件は、プロファイルタイプとプロファイルプロパティーを含むオブジェクト型に対して設定できます。次の表では、条件文字列を作成する際に使用可能な条件および演算を定義します。
表 1-1 条件文字列を作成するための条件と演算
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注 - essid プロパティーは、無線 LAN (WLAN) のネットワーク名である Extended Server Set Identifier (ESSID) を表します。bssid プロパティーは、特定の無線アクセスポイント (WAP) または任意のアクセスポイント (AP) の MAC アドレスである Basic Service Set Identifier (BSSID) を表します。
advertised-domain プロファイルプロパティーと system-domain プロファイルプロパティーとの区別に注意してください。通知されたドメインは、外部通信によって検出されます。たとえば、DNSdmain や NISdmain ドメイン名は、DHCP サーバーによって通知されます。このプロファイルプロパティーは、場所の条件付きアクティブ化に役立ちます。たとえば、通知されたドメインが mycompany.com である場合、work という場所を有効にします。system-domain プロファイルプロパティーは、システムに現在割り当てられているドメインです。それは、domainname コマンドで返される値です。このプロファイルプロパティーは、場所が有効化されており、その特定のドメインに対してシステムが構成されてはじめて true になるので、ENM の条件付きのアクティブ化に役立ちます。詳細は、domainname(1M) のマニュアルページを参照してください。
場所のプロパティーの詳細は、「場所プロファイルの説明」を参照してください。
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