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mount_smbfs

, umount_smbfs

- 共有リソースを SMB ファイルサーバーからマウントおよびマウント解除する

形式

/usr/sbin/mount [-F smbfs] [generic-options] [-o name=value]
     [-O] resource

/usr/sbin/mount [-F smbfs] [generic-options] [-o name=value]
     [-O] mount-point

/usr/sbin/mount [-F smbfs] [generic-options] [-o name=value] 
     [-O] resource mount-point

/usr/sbin/umount [-F smbfs] [generic-options] mount-point

機能説明

mount ユーティリティーは、指定されたリソース resource をファイルシステム階層内のパス名 mount-point の場所に接続します。このパス名は、すでに存在している場所でなければなりません。

mount 操作の実行前の時点で mount-point に内容が含まれる場合、これらの内容はリソースがマウント解除されるまで非表示のままになります。SYS_MOUNT 特権を持つ承認されたユーザーが mount 操作を実行できます。また、ユーザーは、自身の所有するディレクトリ上で SMBFS マウント操作を実行できます。

/etc/vfstab ファイルにリソースの一覧が記述されている場合、resource と mount-point のいずれかを指定できます。これは、mount コマンドが /etc/vfstab ファイルで詳細情報を参照するためです。-F オプションを省略すると、mount は /etc/vfstab ファイル内のエントリからファイルシステムのタイプを取得します。

リソースの一覧が /etc/vfstab ファイルに記述されていない場合は、コマンド行に resource と mount-point の両方を指定する必要があります。

umount ユーティリティーは、マウントしたファイルシステムをファイルシステム階層から切り離します。SYS_MOUNT 特権を持つ承認されたユーザーが umount 操作を実行できます。また、ユーザーは、自身の所有するディレクトリ上で SMBFS マウント解除操作を実行できます。

SMB 共有のマウントに成功するには、network/smb/client サービスが有効になっている必要があります。このサービスは、デフォルトで有効になっています。

サービスを有効にするには、次の svcadm(1M) コマンドを入力します。

# svcadm enable network/smb/client

オペランド

mount コマンドでは次のオペランドをサポートしています。

resource //server/share

マウントするリソースの名前。名前に加えて、リソースに関する次の情報も指定できます。

• server は、リモートコンピュータの DNS または NetBIOS 名です。

• share は、リモートサーバー上のリソース名です。

ユーザーアカウントも指定できます。「オプション」のセクションを参照してください。

mount コマンドは、ユーザーアカウントの標準入力からパスワードを読み取ることができます。パスワードが指定されない場合、mount は最初に、smbadm add-key コマンドによって格納されたパスワード (存在する場合) の使用を試みます。そのパスワードが認証に失敗した場合、標準入力が TTY であれば、mount_smbfs コマンドがパスワードの入力をユーザーに求めます。

mount-point

ファイルシステムをマウントまたはマウント解除する場所へのパス。mount コマンドは、マウントしたファイルシステムのテーブルを /etc/mnttab ファイル内で管理します。mnttab(4) のマニュアルページを参照してください。

オプション

サポートされる generic-options のリストについては、mount(1M) のマニュアルページを参照してください。

-o name=value または

-o name

ファイルシステム固有のプロパティーを設定します。複数の名前-値ペアを、コンマ区切りのリストで指定できます。リストにスペースを含めることはできません。プロパティーは次のとおりです。

acdirmax=n

キャッシュした属性を保持する時間は、ディレクトリの更新後 n 秒以内です。デフォルト値は 60 です。

acdirmin=n

キャッシュした属性を保持する時間は、ディレクトリの更新後 n 秒以上です。デフォルト値は 30 です。

acregmax=n

キャッシュした属性を保持する時間は、ファイルの変更後 n 秒以内です。デフォルト値は 60 です。

acregmin=n

キャッシュした属性を保持する時間は、ファイルの変更後 n 秒以上です。デフォルト値は 3 です。

actimeo=n

通常のファイルおよびディレクトリの最小と最大の時間値を n 秒に設定します。このオプションを 0 に設定した場合の効果については、後述の「ファイル属性」を参照してください。

mount コマンド行で acdirmax、acdirmin、acregmax、acregmin、および actimeo が解析される方法については、後述の「属性キャッシュ期間オプションの値の指定」を参照してください。

dirperms=octaltriplet

ディレクトリに割り当てるアクセス権を設定します。値は 3 つの 8 進数で指定する必要があります (例: 755)。ディレクトリモードのデフォルト値は fileperms 設定から取得され、fileperms が読み取り権を持つ場所に実行権が追加されます。

これらのアクセス権は、SMB サーバーにより許可される権限とは無関係です。

domain=value

ユーザー名が定義されているワークグループまたは Windows ドメインの名前を指定します。ドメイン名を指定しない場合、デフォルトのシステムの SMB ドメインが使用されます。

fileperms=octaltriplet

ファイルに割り当てるアクセス権を設定します。値は 3 つの 8 進数で指定する必要があります (例: 644)。デフォルト値は 700 です。

これらのアクセス権は、SMB サーバーにより許可される権限とは無関係です。

gid=groupid

指定したグループ ID をファイルに割り当てます。デフォルト値は、ボリュームがマウントされているディレクトリのグループ ID です。

intr|nointr

ユーザーが呼び出し元のスレッドに割り込みを行なった場合 (たとえば、操作の実行中に Ctrl-C キーを押した場合) に、smbfs(7FS) I/O 操作の取り消しを有効 (または無効) にします。デフォルトは intr (割り込み有効) で、通常は取り消しが許可されます。

noac

属性のキャッシュを抑制します。ローカルの stat(2) 呼び出しでは、常に SMB サーバーに属性を要求します。

noprompt

共有のマウント時でのパスワードの入力要求を抑制します。このプロパティーを指定すると、共有への匿名アクセスが可能になります。匿名アクセスでは、パスワードは不要です。

mount 操作が失敗するのは、パスワードが必須で、noprompt プロパティーが設定されており、smbadm add-key コマンドによって格納されたパスワードがない場合です。

uid=userid

指定したユーザー ID をファイルに割り当てます。デフォルト値は、ボリュームがマウントされているディレクトリの所有者 ID です。

user=value

リモートユーザー名を指定します。user を省略した場合、ログインしているユーザー ID が使用されます。

xattr|noxattr

このマウントポイントで Solaris 拡張属性を有効 (または無効) にします。このオプションのデフォルトは xattr (拡張属性の有効化) ですが、SMB サーバーが SMB の「名前付きストリーム」に対応していない場合、smbfs(7FS) はこのオプションを強制的に noxattr に設定します。mount コマンドに noxattr オプションが指定されている場合、Solaris 拡張属性の使用は EINVAL で失敗します。

-O

マウントをオーバーレイします。既存のマウントポイント上にファイルシステムをマウントできます。これより基礎となるファイルシステムにはアクセスできなくなります。このフラグを設定せずに既存のマウントポイント上にファイルシステムをマウントしようとすると、マウントは失敗して、device busy というエラーメッセージが表示されます。

ファイル属性

smbfs のパフォーマンスを改善するために、ファイル属性がキャッシュされます。ローカルで変更が行われると、常にファイルの変更時間が更新されます。ただし、ファイルのアクセス時間は、キャッシュがリフレッシュされるまで一時的に古いままになることがあります。

属性のキャッシュには、クライアント上のファイル属性が保持されます。ファイルの属性には、フラッシュされる時間が割り当てられます。フラッシュの時間より前にファイルが変更された場合、(最近変更されたファイルはまもなく変更されるだろうという仮定に基づき) 最終変更以降の時間だけフラッシュの時間が延長されます。通常ファイルおよびディレクトリの場合、フラッシュの延長時間には最小値と最大値があります。actimeo=n を設定すると、通常ファイルとディレクトリの両方で、フラッシュ時間が n 秒に設定されます。

actimeo=n を設定すると、クライアントでの属性のキャッシュが無効になります。これは、属性を参照すると、そのすべての情報がサーバーから直接送られることを意味します。これにより、クライアントが常にサーバーから最新のファイル属性を入手することが保証されますが、待ち時間、ネットワークの負荷、およびサーバーの負荷が増加するため、パフォーマンスが悪影響を受けます。

noac オプションを設定しても、属性のキャッシュが無効になります。smbfs を拡張して書き込みキャッシュをサポートしている場合、このオプションにより書き込みキャッシュも無効になります。

属性キャッシュ期間オプションの値の指定

前述の「オプション」で説明したように、属性キャッシュ期間オプションには acdirmax、acdirmin、acregmax、acregmin、および actimeo があります。actimeo に設定した値は、mount コマンド行の actimeo のあとに指定されたオプションを除き、すべての属性キャッシュ期間オプションに適用されます。たとえば、次のコマンドについて考えてみます。

# mount -F smbfs -o acdirmax=10,actimeo=1000 \
     //server/share  /mountpoint

actimeo はコマンド行の末尾に記述された期間オプションであるため、その値 (1000) が acdirmax を含む、すべての期間オプションの設定になります。次について考えてみます。

# mount -F smbfs -o actimeo=1000,acdirmax=10 \
     //server/share  /mountpoint

acdirmax オプションはコマンド行で actimeo のあとに配置されているため、このオプションには指定された値 (10) が割り当てられます。残りの期間オプションには、actimeo (1000) の値が設定されます。

使用例

例 1 SMBFS 共有をマウントする

次の例では、SALES ワークグループの nano サーバー上にある /tmp 共有を、ローカルの /mnt マウントポイントにマウントする方法を示します。マウント操作に成功するには、root ユーザーのパスワードを指定する必要があります。

# mount -F smbfs -o user=root,domain=SALES //nano.sfbay/tmp /mnt
Password:

例 2 SMBFS ファイルシステムがマウントされていることを確認する

次の例では、nano サーバーの /tmp 共有をローカルの /mnt マウントポイントにマウントする方法を示します。マウント操作に成功するには、root ユーザーのパスワードを指定する必要があります。

# mount -F smbfs -o user=root //nano.sfbay/tmp /mnt
Password:

次の方法で、共有がマウントされていることを確認できます。

• /etc/mnttab ファイルでファイルシステムのエントリを参照します。

  # grep mnt /etc/mnttab
  //nano.sfbay/tmp   /mnt    smbfs   dev=4900000     1177097833

• mount コマンドの出力を参照します。

  # mount | grep mnt
  mnt on //nano.sfbay/tmp read/write/setuid/devices/dev=4900000 on
  Tue Apr 20 13:37:13 2010

• df /mnt コマンドの出力を参照します。

  # df /mnt
  /mnt            (//nano.sfbay/tmp): 3635872 blocks     -1 files

df -k /mnt コマンドの出力を参照して、マウント済みの共有に関する情報を取得します。

# df -k /mnt
Filesystem            kbytes    used   avail capacity  Mounted on
//nano.sfbay/tmp
                      1882384   64448 1817936     4%    /mnt

例 3 SMB 共有をマウント解除する

この例では、SMB 共有が /mnt マウントポイントにマウントされているものとします。次のコマンド行により、共有がマウントポイントからマウント解除されます。

# umount /mnt

ファイル

/etc/mnttab

マウントされているファイルシステムのテーブル

/etc/dfs/fstypes

デフォルトの分散ファイルシステムタイプ。

/etc/vfstab

自動的にマウントされたリソースのテーブル。

/var/smb/smbfspasswd

Solaris SMB クライアントのユーザーごとの設定を格納します。

属性

次の属性についての詳細は、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。

関連項目

mount(1M), mountall(1M), smbadm(1M), svcadm(1M), acl(2), fcntl(2), link(2), mknod(2), mount(2), stat(2), symlink(2), umount(2), mnttab(4), smb(4), vfstab(4), attributes(5), pcfs(7FS), smbfs(7FS)

注意事項

Solaris SMB クライアントは、gethostbyname() を使用してホスト名を解決することを常に試みます。ホスト名を解決できない場合、SMB クライアントは NetBIOS 名前解決 (NBNS) を使用します。Solaris SMB クライアントでは、Windows 環境の Solaris SMB クライアントが追加の設定なしで動作できるように NBNS の使用を許可しています。

ファイルシステムがマウントされるディレクトリがシンボリックリンクの場合、ファイルシステムは、シンボリックリンク自身ではなく、シンボリックリンクが参照するディレクトリ上にマウントされます。