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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール Oracle Solaris Cluster 4.1 (日本語) |
1. Oracle Solaris Cluster 構成の計画
2. グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール
このセクションでは、ゾーンクラスタを作成および構成するための次の情報および手順について説明します。
このセクションでは、clsetup ユーティリティーを使用して、ゾーンクラスタを作成したり、ネットワークアドレス、ファイルシステム、ZFS ストレージプール、およびストレージデバイスを新しいゾーンクラスタに追加したりする方法について説明します。
いずれかのノードが非クラスタモードであった場合でも、行なった変更は、そのノードがクラスタモードに復帰した際に伝播されます。そのため、一部のグローバルクラスタノードが非クラスタモードであった場合でも、ゾーンクラスタを作成できます。これらのノードがクラスタモードに復帰すると、それらのノード上でゾーンクラスタ作成手順が自動的に実行されます。
または、clzonecluster ユーティリティーを使用してクラスタを作成および構成することもできます。詳細については、clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。
ここでは、次の手順について説明します。
この手順では、ゾーンクラスタで Oracle Solaris の Trusted Extensions 機能を使用するようにグローバルクラスタを準備します。Trusted Extensions を有効にしない場合は、「ゾーンクラスタの作成」に進みます。
グローバルクラスタ内の各ノード上で次の手順を実行します。
始める前に
次のタスクを実行します。
Oracle Solaris Cluster および Trusted Extensions ソフトウェアをサポートするように Oracle Solaris OS がインストールされているか確認します。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの要件を満たすように Oracle Solaris ソフトウェアをインストールする方法の詳細については、「Oracle Solaris ソフトウェアをインストールする方法」を参照してください。
外部のネームサービスを使用する場合は、LDAP ネームサービスが Trusted Extensions によって使用されるように構成されていることを確認します。『Trusted Extensions 構成と管理』の第 5 章「Trusted Extensions のための LDAP の構成 (タスク)」を参照してください。
ゾーンクラスタにおける Trusted Extensions の要件およびガイドラインを確認します。「ゾーンクラスタにおける Trusted Extensions のガイドライン」を参照してください。
『Trusted Extensions 構成と管理』の第 3 章「Oracle Solaris への Trusted Extensions 機能の追加 (タスク)」の手順に従います。
Trusted Extensions の zoneshare および zoneunshare スクリプトは、システム上のホームディレクトリをエクスポートする機能をサポートします。Oracle Solaris Cluster 構成はこの機能をサポートしません。
この機能を無効にするには、各スクリプトを /bin/true ユーティリティーへのシンボリックリンクに置き換えます。
phys-schost# ln -s /usr/lib/zones/zoneshare /bin/true phys-schost# ln -s /usr/lib/zones/zoneunshare /bin/true
『Trusted Extensions 構成と管理』の「デフォルトの Trusted Extensions システムを作成する」を参照してください。
phys-schost# svcadm enable rlogin
次に示すように、Tab を追加し、allow_remote または allow_unlabeled をそれぞれ入力することで、アカウント管理エントリを変更します。
other account requisite pam_roles.so.1 Tab allow_remote other account required pam_unix_account.so.1 Tab allow_unlabeled
# tncfg -t cipso tncfg:cipso> add host=ip-address1 tncfg:cipso> add host=ip-address2 … tncfg:cipso> exit
すべてのグローバルクラスタノードですべての手順が完了したら、グローバルクラスタの各ノードでこの手順の残りのステップを実行します。
LDAP サーバーは、グローバルゾーン、およびゾーンクラスタのノードによって使用されます。
『Trusted Extensions 構成と管理』の「Trusted Extensions で大域ゾーンを LDAP クライアントにする」を参照してください。
『Trusted Extensions 構成と管理』の「Trusted Extensions での役割とユーザーの作成」を参照してください。
次の手順
ゾーンクラスタを作成します。「ゾーンクラスタの作成」に進みます。
この手順を実行して、ゾーンクラスタを作成します。
ゾーンクラスタをインストールしたあとで変更するには、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「ゾーンクラスタ管理タスクの実行」および clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。
始める前に
グローバルクラスタを作成します。第 3 章グローバルクラスタの確立を参照してください。
ゾーンクラスタを作成するためのガイドラインと要件を確認します。「ゾーンクラスタ」を参照してください。
ゾーンクラスタが Trusted Extensions を使用する場合は、Trusted Extensions を 「Trusted Extensions をインストールおよび構成する方法」の説明に従ってインストールし、構成し、有効にしていることを確認します。
次の情報を用意します。
ゾーンクラスタに割り当てる固有名。
注 - Trusted Extensions が有効な場合、ゾーンクラスタ名はゾーンクラスタに割り当てるセキュリティーレベルを持つ Trusted Extensions セキュリティーラベルと同じ名前である必要があります。使用する Trusted Extensions セキュリティーラベルごとに、別々のゾーンクラスタを作成します。
ゾーンクラスタのノードが使用するゾーンパス。詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「リソースタイプとプロパティー」の zonepath プロパティーに関する説明を参照してください。デフォルトでは、完全ルートゾーンが作成されます。
ゾーンクラスタノードを作成するグローバルクラスタ内の各ノードの名前。
各ゾーンクラスタノードに割り当てる、ゾーンの公開ホスト名またはホストエイリアス。
適用可能な場合、各ゾーンクラスタノードが使用する、パブリックネットワークの IP アドレス。各ゾーンクラスタノードの IP アドレスおよび NIC の指定はオプションです。
適用可能な場合、各ゾーンクラスタノードがパブリックネットワークに接続するために使用するパブリックネットワーク IPMP グループの名前。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
phys-schost# clnode status === Cluster Nodes === --- Node Status --- Node Name Status --------- ------ phys-schost-2 Online phys-schost-1 Online
phys-schost# clsetup
メインメニューが表示されます。
ゾーンクラスタ名には、ASCII 文字 (a-z および A-Z)、数字、ダッシュ、またはアンダースコアを含めることができます。名前の最大長は 20 文字です。
次のプロパティーを設定できます。
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solaris10 ブランドゾーンの場合は、root アカウントのパスワードが必要です。
次のプロパティーを設定できます。
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次のプロパティーを設定できます。
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次のプロパティーを設定できます。
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使用可能な物理ノード (またはホスト) のうちいずれかまたはすべてを選択し、一度に 1 つのゾーンクラスタノードを構成できます。
次のプロパティーを設定できます。
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ネットワークアドレスは、ゾーンクラスタ内の論理ホスト名または共有 IP クラスタリソースを構成するために使用できます。ネットワークアドレスは、ゾーンクラスタのグローバルスコープ内にあります。
構成の変更の結果がたとえば次のように表示されます。
>>> Result of the Creation for the Zone Cluster(sczone) <<< The zone cluster is being created with the following configuration /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone create set brand=solaris set zonepath=/zones/sczone set ip-type=shared set enable_priv_net=true add capped-memory set physical=2G end add node set physical-host=phys-schost-1 set hostname=zc-host-1 add net set address=172.1.1.1 set physical=net0 end end add net set address=172.1.1.2 end Zone cluster, zc2 has been created and configured successfully. Continue to install the zone cluster(yes/no) ?
clsetup ユーティリティーはゾーンクラスタの標準インストールを実行するため、オプションは指定できません。
verify サブコマンドが、指定されたリソースが使用可能かどうかをチェックします。clzonecluster verify コマンドが成功した場合は、出力は一切表示されません。
phys-schost-1# clzonecluster verify zone-cluster-name phys-schost-1# clzonecluster status zone-cluster-name === Zone Clusters === --- Zone Cluster Status --- Name Node Name Zone HostName Status Zone Status ---- --------- ------------- ------ ----------- zone basenode1 zone-1 Offline Configured basenode2 zone-2 Offline Configured
大域ゾーンから、txzonemgr GUI を起動します。
phys-schost# txzonemgr
大域ゾーンを選択し、項目を選択し、ゾーン単位のネームサービスを構成します。
phys-schost-1# clzonecluster install options zone-cluster-name Waiting for zone install commands to complete on all the nodes of the zone cluster "zone-cluster-name"...
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-a または -d オプションを使用して、ゾーンクラスタでサポートされる Geographic Edition ソフトウェア、コアパッケージ、およびエージェントをインストールします。
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詳細は、clzonecluster(1CL) のマニュアルページを参照してください。
それ以外の場合は、手順 21 に進みます。
注 - 次の手順では、非大域ゾーン zcnode および zone-cluster-name が同じ名前を共有します。
ゾーンクラスタを一度に 1 つのみ構成します。
phys-schost# zoneadm -z zcnode boot
phys-schost# zlogin zcnode zcnode# sysconfig unconfigure zcnode# reboot
zlogin セッションはリブート中に終了します。
phys-schost# zlogin -C zcnode
非大域ゾーンから終了する方法については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「非大域ゾーンから抜ける方法」を参照してください。
phys-schost# zoneadm -z zcnode halt
phys-schost# clzonecluster boot zone-cluster-name
phys-schost# zlogin zcnode zcnode# sysconfig unconfigure zcnode# reboot
zlogin セッションはリブート中に終了します。
phys-schost# zlogin -C zcnode
非大域ゾーンから終了する方法については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「非大域ゾーンから抜ける方法」を参照してください。
phys-schost# clzonecluster boot zone-cluster-name
phys-schost# zlogin -C zcnode
非大域ゾーンから終了する方法については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: Oracle Solaris ゾーン、Oracle Solaris 10 ゾーン、およびリソース管理』の「非大域ゾーンから抜ける方法」を参照してください。
ゾーンクラスタのインストールには数分かかる場合があります。
phys-schost# clzonecluster boot zone-cluster-name
clsetup ユーティリティーは、IPMP グループを排他的 IP ゾーンクラスタ用に自動的に構成しません。論理ホスト名または共有アドレスリソースを作成する前に、IPMP グループを手動で作成する必要があります。
phys-schost# ipadm create-ipmp -i interface sc_ipmp0 phys-schost# ipadm delete-addr interface/name phys-schost# ipadm create-addr -T static -a IPaddress/prefix sc_ipmp0/name
次の手順
solaris10 ブランドゾーンクラスタにインストールした Oracle Solaris Cluster 3.3 データサービスを構成するには、該当するデータサービスのマニュアルでゾーンクラスタに関する手順に従ってください。Oracle Solaris Cluster 3.3 のドキュメントを参照してください。
Trusted Extensions の構成を完了するには、「Trusted Extensions を使用するようにゾーンクラスタを構成する方法」に進みます。
それ以外の場合は、ファイルシステムまたはストレージデバイスをゾーンクラスタに追加します。次のセクションを参照してください。
labeled ブランドゾーンクラスタを作成したあと、次の手順を実行して Trusted Extensions を使用するための構成を完了します。
ゾーンクラスタのノードごとに、この手順を実行します。
phys-schost# cat /etc/cluster/nodeid N
ログインする前に、SMF サービスがインポートされていて、すべてのサービスが起動していることを確認します。
クラスタソフトウェアがゾーンクラスタを構成するときに、クラスタソフトウェアはこれらの IP アドレスを自動的に割り当てます。
ifconfig -a の出力で、ゾーンクラスタに属している clprivnet0 論理インタフェースを探します。inet の値は、クラスタのプライベートインターコネクトの使用をこのゾーンクラスタでサポートするために割り当てられた IP アドレスです。
zc1# ifconfig -a lo0:3: flags=20010008c9<UP,LOOPBACK,RUNNING,NOARP,MULTICAST,IPv4,VIRTUAL> mtu 8232 index 1 zone zc1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 net0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 10.11.166.105 netmask ffffff00 broadcast 10.11.166.255 groupname sc_ipmp0 ether 0:3:ba:19:fa:b7 ce0: flags=9040843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DEPRECATED,IPv4,NOFAILOVER> mtu 1500 index 4 inet 10.11.166.109 netmask ffffff00 broadcast 10.11.166.255 groupname sc_ipmp0 ether 0:14:4f:24:74:d8 ce0:3: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 4 zone zc1 inet 10.11.166.160 netmask ffffff00 broadcast 10.11.166.255 clprivnet0: flags=1009843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,MULTI_BCAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 7 inet 172.16.0.18 netmask fffffff8 broadcast 172.16.0.23 ether 0:0:0:0:0:2 clprivnet0:3: flags=1009843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,MULTI_BCAST,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 7 zone zc1 inet 172.16.0.22 netmask fffffffc broadcast 172.16.0.23
プライベートインターコネクトのホスト名 clusternodeN-priv (N はグローバルクラスタノード ID)
172.16.0.22 clusternodeN-priv
各 net リソース (ゾーンクラスタを作成したときに clzonecluster コマンドに指定したもの)
ゾーンクラスタコンポーネントによって使用される IP アドレス用に新しいエントリを作成し、各エントリを CIPSO テンプレートに割り当てます。ゾーンクラスタノードの /etc/inet/hosts ファイル内に存在するこれらの IP アドレスは次のとおりです。
ゾーンクラスタノードの各プライベート IP アドレス
ゾーンクラスタ内のすべての cl_privnet IP アドレス
ゾーンクラスタの論理ホスト名の各パブリック IP アドレス
ゾーンクラスタの共有 IP アドレスの各パブリック IP アドレス
phys-schost# tncfg -t cipso tncfg:cipso> add host=ipaddress1 tncfg:cipso> add host=ipaddress2 … tncfg:cipso> exit
CIPSO テンプレートの詳細については、『Trusted Extensions 構成と管理』の「異なる解釈ドメインを構成する方法」を参照してください。
ゾーンクラスタの各ノードで次のコマンドを実行します。
phys-schost# ipadm set-prop -p hostmodel=weak ipv4 phys-schost# ipadm set-prop -p hostmodel=weak ipv6
hostmodel プロパティーの詳細については、『Oracle Solaris 11.1 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』の「hostmodel (ipv4 または ipv6)」を参照してください。
次の手順
ファイルシステムまたはストレージデバイスをゾーンクラスタに追加します。次のセクションを参照してください。
参照
ゾーンクラスタでソフトウェアを更新する場合は、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の第 11 章「ソフトウェアの更新」の手順に従ってください。次の手順では、必要に応じてゾーンクラスタに固有の手順も記載されています。
ファイルシステムをゾーンクラスタに追加し、オンラインにしたら、ファイルシステムはそのゾーンクラスタ内からの使用を承認されます。使用するファイルシステムをマウントするには、SUNW.HAStoragePlus または SUNW.ScalMountPoint といったクラスタリソースを使用することでファイルシステムを構成します。
このセクションでは、ゾーンクラスタで使用するファイルシステムを追加するための次の手順について説明します。
この手順を実行して、グローバルクラスタで高可用性ローカルファイルシステムをゾーンクラスタによって使用されるように構成します。ファイルシステムがゾーンクラスタに追加され、HAStoragePlus リソースを使用してローカルファイルシステムが高可用性になるように構成されます。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
ファイルシステムが共有ディスクに作成されていることを確認します。
phys-schost# clsetup
メインメニューが表示されます。
ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。
ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。
「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。
「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。
「ゾーンクラスタに対するファイルシステムの選択」メニューが表示されます。
リストにあるファイルシステムは、共有ディスク上に構成されるファイルシステムであり、ゾーンクラスタが構成されているノードからアクセスできます。e を入力して、ファイルシステムのすべてのプロパティーを手動で指定することもできます。
「マウントの種類の選択」メニューが表示されます。
「ゾーンクラスタに対するファイルシステムのプロパティー」メニューが表示されます。
完了したら、d と入力し、Return キーを押します。
構成の変更の結果が表示されます。
phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name
例 6-1 ゾーンクラスタへの高可用性ローカルファイルシステムの追加
この例では、sczone ゾーンクラスタで使用できるようにローカルのファイルシステム /global/oracle/d1 を追加します。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> add fs clzc:sczone:fs> set dir=/global/oracle/d1 clzc:sczone:fs> set special=/dev/md/oracle/dsk/d1 clzc:sczone:fs> set raw=/dev/md/oracle/rdsk/d1 clzc:sczone:fs> set type=ufs clzc:sczone:fs> add options [logging] clzc:sczone:fs> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … Resource Name: fs dir: /global/oracle/d1 special: /dev/md/oracle/dsk/d1 raw: /dev/md/oracle/rdsk/d1 type: ufs options: [logging] cluster-control: [true] …
次の手順
HAStoragePlus リソースを使用して、高可用性のファイルシステムを構成します。HAStoragePlus リソースは、ファイルシステムを使用するよう構成されているアプリケーションを現在ホストするゾーンクラスタノードへのファイルシステムのマウントを管理します。 『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Enabling Highly Available Local File Systems」を参照してください。
ゾーンクラスタに ZFS ストレージプールを追加するには、この手順を実行してください。プールは、単一のゾーンクラスタノードに対してローカルにすることも、HAStoragePlus を使用して高可用性に構成することもできます。
clsetup ユーティリティーは、選択されたゾーンクラスタが構成されているノードからアクセスできる共有ディスク上で構成されているすべての ZFS プールを検出して表示します。clsetup ユーティリティーを使用してクラスタスコープ内の ZFS ストレージプールを既存のゾーンクラスタに追加したら、clzonecluster コマンドを使用して、構成を変更したりノードスコープ内の ZFS ストレージプールを追加したりできます。
始める前に
ゾーンクラスタのすべてのノードに接続されている共有ディスク上で、この ZFS プールが接続されていることを確認します。ZFS プールを作成する手順については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: ZFS ファイルシステム』を参照してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
phys-schost# clsetup
メインメニューが表示されます。
ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。
ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。
「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。
「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。
「ゾーンクラスタに対する ZFS プールの選択」メニューが表示されます。
リストにある ZFS プールは、共有ディスク上に構成されているもので、ゾーンクラスタが構成されているノードからアクセスできます。e を入力して、ZFS プールのプロパティーを手動で指定することもできます。
「ゾーンクラスタに対する ZFS プールデータセットのプロパティー」メニューが表示されます。選択された ZFS プールは、name プロパティーに割り当てられます。
「ゾーンクラスタに対するファイルシステム/ストレージデバイスの確認」メニューが表示されます。
構成の変更の結果が表示されます。例:
>>> Result of Configuration Change to the Zone Cluster(sczone) <<< Adding file systems or storage devices to sczone zone cluster... The zone cluster is being created with the following configuration /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone add dataset set name=myzpool5 end Configuration change to sczone zone cluster succeeded.
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
HAStoragePlus リソースは、ファイルシステムを使用するよう構成されているアプリケーションを現在ホストするゾーンクラスタノードへのプール内のファイルシステムのマウントを管理します。『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Enabling Highly Available Local File Systems」を参照してください。
clsetup ユーティリティーは、選択されたゾーンクラスタが構成されているクラスタノードで構成されている使用可能なファイルシステムを検出して表示します。clsetup ユーティリティーを使用してファイルシステムを追加するときは、ファイルシステムはクラスタスコープで追加されます。
ゾーンクラスタに追加できるクラスタファイルシステムのタイプは次のとおりです。
UFS クラスタファイルシステム - /etc/vfstab ファイルで、global マウントオプションを使用して、ファイルシステムのタイプを指定します。このファイルシステムは、共有ディスク上または Solaris ボリュームマネージャー デバイス上に置くことができます。
始める前に
ゾーンクラスタに追加するクラスタファイルシステムが構成されていることを確認します。「クラスタファイルシステムの計画」 および第 5 章クラスタファイルシステムの作成を参照してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
phys-schost# vi /etc/vfstab
phys-schost# clsetup
メインメニューが表示されます。
ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。
ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。
「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。
「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。
「ゾーンクラスタに対するファイルシステムの選択」メニューが表示されます。
e を入力して、ファイルシステムのすべてのプロパティーを手動で指定することもできます。
「マウントの種類の選択」メニューが表示されます。
ループバックファイルシステムの作成については、『Oracle Solaris 11.1 Administration: Devices and File Systems』の「How to Create and Mount an LOFS File System」を参照してください。
「ゾーンクラスタに対するファイルシステムのプロパティー」メニューが表示されます。
dir プロパティーに番号を入力し、Return キーを押します。次に、LOFS のマウントポイントのディレクトリ名を「新しい値」フィールドに入力し、Return キーを押します。
完了したら、d と入力し、Return キーを押します。「ゾーンクラスタに対するファイルシステム/ストレージデバイスの確認」メニューが表示されます。
構成の変更の結果が表示されます。例:
>>> Result of Configuration Change to the Zone Cluster(sczone) <<< Adding file systems or storage devices to sczone zone cluster... The zone cluster is being created with the following configuration /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone add fs set dir=/dev/md/ddg/dsk/d9 set special=/dev/md/ddg/dsk/d10 set raw=/dev/md/ddg/rdsk/d10 set type=lofs end Configuration change to sczone zone cluster succeeded.
phys-schost# clzonecluster show -v zone-cluster-name
次の手順
(オプション) HAStoragePlus リソースによって管理されるようにクラスタファイルシステムを構成します。HAStoragePlus リソースは、グローバルクラスタ内でのファイルシステムのマウントを管理し、あとで、そのファイルシステムを使用するように構成されたアプリケーションを現在ホストしているゾーンクラスタノードに対してループバックマウントを実行します。詳細は、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Configuring an HAStoragePlus Resource for Cluster File Systems」を参照してください。
このセクションでは、単一のゾーンクラスタノードに専用のファイルシステムを追加する方法について説明します。代わりにゾーンクラスタ全体で使用するようにファイルシステムを構成する場合は、「ゾーンクラスタにファイルシステムを追加する」に進みます。
ここでは、次の手順について説明します。
この手順を実行して、ローカルファイルシステムを特定のゾーンクラスタの特定の単一ゾーンクラスタノードに追加します。ファイルシステムは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されませんが、代わりに配下の Oracle Solaris ゾーンに渡されます。
注 - グローバルクラスタのノードから、次の手順のステップをすべて実行します。
目的のゾーンクラスタノードをホストするグローバルクラスタノードのローカルディスクを使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername clzc:zoneclustername> select node physical-host=baseclusternode clzc:zoneclustername:node> add fs clzc:zoneclustername:node:fs> set dir=mountpoint clzc:zoneclustername:node:fs> set special=disk-device-name clzc:zoneclustername:node:fs> set raw=raw-disk-device-name clzc:zoneclustername:node:fs> set type=FS-type clzc:zoneclustername:node:fs> end clzc:zoneclustername:node> end clzc:zoneclustername> verify clzc:zoneclustername> commit clzc:zoneclustername> exit
ファイルシステムのマウントポイントを指定します
ディスクデバイスの名前を指定する
raw ディスクデバイスの名前を指定します
ファイルシステムの種類を指定する
注 - UFS ファイルシステムのロギングを有効にします。
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
例 6-2 ローカルのファイルシステムをゾーンクラスタノードに追加する
この例では、sczone ゾーンクラスタのノードで使用するローカル UFS ファイルシステム /local/data を追加します。このゾーンクラスタノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-1 でホストされています。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> select node physical-host=phys-schost-1 clzc:sczone:node> add fs clzc:sczone:node:fs> set dir=/local/data clzc:sczone:node:fs> set special=/dev/md/localdg/dsk/d1 clzc:sczone:node:fs> set raw=/dev/md/localdg/rdsk/d1 clzc:sczone:node:fs> set type=ufs clzc:sczone:node:fs> add options [logging] clzc:sczone:node:fs> end clzc:sczone:node> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … --- Solaris Resources for phys-schost-1 --- … Resource Name: fs dir: /local/data special: /dev/md/localdg/dsk/d1 raw: /dev/md/localdg/rdsk/d1 type: ufs options: [logging] cluster-control: false ...
この手順を実行して、ローカル ZFS ストレージプールを特定のゾーンクラスタノードに追加します。ローカル ZFS プールは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されませんが、代わりに配下の Oracle Solaris ゾーンに渡されます。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
目的のゾーンクラスタノードをホストするグローバルクラスタノードのローカルディスクを使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zoneclustername clzc:zoneclustername> select node physical-host=baseclusternode clzc:zoneclustername:node> add dataset clzc:zoneclustername:node:dataset> set name=localZFSpoolname clzc:zoneclustername:node:dataset> end clzc:zoneclustername:node> end clzc:zoneclustername> verify clzc:zoneclustername> commit clzc:zoneclustername> exit
ローカル ZFS プールの名前を指定します。
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
例 6-3 ローカルの ZFS プールをゾーンクラスタノードに追加する
この例では、sczone ゾーンクラスタのノードで使用するローカル ZFS プール local_pool を追加します。このゾーンクラスタノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-1 でホストされています。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> select node physical-host=phys-schost-1 clzc:sczone:node> add dataset clzc:sczone:node:dataset> set name=local_pool clzc:sczone:node:dataset> end clzc:sczone:node> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … --- Solaris Resources for phys-schost-1 --- … Resource Name: dataset name: local_pool
このセクションでは、ゾーンクラスタによるグローバルストレージデバイスの直接使用を追加する方法、または単一のゾーンクラスタノードに専用のストレージデバイスを追加する方法について説明します。グローバルデバイスは、クラスタ内の複数のノードが、一度に 1 つずつ、または同時にアクセスできるデバイスです。
デバイスをゾーンクラスタに追加すると、そのデバイスはそのゾーンクラスタの内部からのみ見えるようになります。
ここでは、次の手順について説明します。
この手順を実行して、クラスタスコープで次のいずれかのタイプのストレージデバイスを追加します。
raw ディスクデバイス
Solaris ボリュームマネージャー ディスクセット (複数所有者を含まない)
clsetup ユーティリティーは、選択されたゾーンクラスタが構成されているクラスタノードで構成されている使用可能なストレージデバイスを検出して表示します。clsetup ユーティリティーを使用してストレージデバイスを既存のゾーンクラスタに追加したら、clzonecluster コマンドを使用して、構成を変更します。clzonecluster コマンドを使用してストレージデバイスをゾーンクラスタから削除する手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「ゾーンクラスタからストレージデバイスを削除する」を参照してください。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
phys-schost# cldevicegroup status
phys-schost# cldevicegroup online device
phys-schost# clsetup
メインメニューが表示されます。
ヒント - 前の画面に戻るには、< キーを押して Return キーを押します。
ゾーンクラスタタスクメニューが表示されます。
「ゾーンクラスタの選択」メニューが表示されます。
「ストレージの種類の選択」メニューが表示されます。
使用可能なデバイスのリストが表示されます。
e を入力して、ストレージデバイスのすべてのプロパティーを手動で指定することもできます。
「ゾーンクラスタに対するストレージデバイスのプロパティー」メニューが表示されます。
注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。
完了したら、d と入力し、Return キーを押します。「ゾーンクラスタに対するファイルシステム/ストレージデバイスの確認」メニューが表示されます。
構成の変更の結果が表示されます。例:
>>> Result of Configuration Change to the Zone Cluster(sczone) <<< Adding file systems or storage devices to sczone zone cluster... The zone cluster is being created with the following configuration /usr/cluster/bin/clzonecluster configure sczone add device set match=/dev/md/ddg/*dsk/* end add device set match=/dev/md/shared/1/*dsk/* end Configuration change to sczone zone cluster succeeded. The change will become effective after the zone cluster reboots.
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
この手順を実行して、raw ディスクデバイスを特定のゾーンクラスタノードに追加します。このデバイスは、Oracle Solaris Cluster による制御下にありません。この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
この手順のすべてのステップは、グローバルクラスタの 1 つのノードから実行します。
注 - パス名には、ワイルドカード文字としてアスタリスク (*) を使用します。
phys-schost# clzonecluster configure zone-cluster-name clzc:zone-cluster-name> select node physical-host=baseclusternode clzc:zone-cluster-name:node> add device clzc:zone-cluster-name:node:device> set match=/dev/*dsk/cNtXdYs* clzc:zone-cluster-name:node:device> end clzc:zone-cluster-name:node> end clzc:zone-cluster-name> verify clzc:zone-cluster-name> commit clzc:zone-cluster-name> exit
raw ディスクデバイスのフルデバイスパスを指定する
phys-schost# clzonecluster show -v zoneclustername
例 6-4 特定のゾーンクラスタノードへの raw ディスクデバイスの追加
次の例では、sczone ゾーンクラスタのノードで使用する raw ディスクデバイス c1t1d0s0 を追加します。このゾーンクラスタノードは、グローバルクラスタノード phys-schost-1 でホストされています。
phys-schost-1# clzonecluster configure sczone clzc:sczone> select node physical-host=phys-schost-1 clzc:sczone:node> add device clzc:sczone:node:device> set match=/dev/*dsk/c1t1d0s0 clzc:sczone:node:device> end clzc:sczone:node> end clzc:sczone> verify clzc:sczone> commit clzc:sczone> exit phys-schost-1# clzonecluster show -v sczone … --- Solaris Resources for phys-schost-1 --- … Resource Name: device name: /dev/*dsk/c1t1d0s0