この章では、JDeveloperのビルド、実行およびデバッグ機能の概要を説明します。これらの機能は、このガイドの後続の章で詳細に説明されています。
この章では、次の項目について説明します。
アプリケーション設計時の各段階を完了すると、プロジェクトのビルド、実行、デバッグが可能になります。
JDeveloperでプロジェクトをビルドするには、メイクと再ビルド、Apache Ant、Mavenの3通りの方法があります。
プロジェクトを実行すると、実行、デバッグまたはプロファイリングされるプロセスをRun Managerが管理します。このような複数のプロセスが同時にアクティブになると、Run Managerウィンドウが自動的に表示されます。プロセスが完了すると、そのプロセスはRun Managerから自動的に削除されます。
デバッガを使用すると、コードを調べて問題のある領域を特定し修正できます。ローカルとリモートの2種類のデバッグが可能です。
アプリケーションをビルドするには、次の3通りの方法があります。
また、アプリケーションをクリーンしてからそのJavadocを生成することもできます。
「メイク」コマンドおよび「再ビルド」コマンドは、JDeveloperでプロジェクトをコンパイルするための標準操作を実行します。
「メイク」操作によって、最後にコンパイルされてから変更されたソース・ファイルや依存性が変更されたソース・ファイルをコンパイルします。一方、「再ビルド」操作の場合、ソース・ファイルを無条件にコンパイルします。「メイク」は、個々のソース・ファイル、作業セット、またはパッケージ、プロジェクトおよびワークスペースなどのコンテナに対してメイクを起動できます。
Apache Antは、Unixのmake
ユーティリティと似た機能を持つビルド・ツールです。Antは、XML形式のビルドファイルを使用して、アプリケーションとそのコンポーネントを構築するためのプロセスを記述および制御します。Antはクロス・プラットフォームのコンパイルをサポートしており、簡単に拡張できます。Apache Antは、Apache Software Foundationの製品です。詳細は、Webサイト(http://ant.apache.org/index.html
)を参照してください。
Apache Antの詳細は、第18.6.5項「Apache Antによるビルド」を参照してください。
Apache Mavenは、ソフトウェア・プロジェクトの管理と検査のためのツールです。Mavenはプロジェクトのビルド、レポート、中心的な情報からのドキュメンテーション、プロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)を管理できます。プロジェクトのビルドにはこのPOMと、Mavenによって全プロジェクトで共有される一連のプラグインを使用するため、統一的なビルド・システムとなります。Mavenをプラグインで拡張すれば、レポートやプロセスのビルドに様々な開発ツールを使用できます。Mavenの詳細は、http://maven.apache.org/index.html
を参照してください。
Apache Mavenの詳細は、第18.6.6項「Apache Mavenによるビルドと実行」を参照してください。
JDeveloperには、アプリケーションの実行方法を監視および制御するいくつかの方法があります。実行中のプロセスはすべて、Run Managerで管理できます。
Run Managerは、実行、デバッグ、プロファイリングが行われるプロセスを追跡します。このような複数のプロセスが同時にアクティブになっている場合、「Run Manager」ウィンドウが自動的に表示されます。プロセスが完了すると、そのプロセスはRun Managerから自動的に削除されます。
Run Managerの詳細は、第19.2項「Run Managerの理解」を参照してください。
JDeveloperには、コードを評価および修正するための包括的なデバッガが用意されています。デバッグには、ローカルとリモートの2種類があります。
ローカル・デバッグ・セッションを開始するには、ソース・ファイルにブレークポイントを設定し、デバッガを開始します。JDeveloperでサーブレットなどのアプリケーションをデバッグする際は、実行フローを完全に制御して、変数の値を表示および変更できます。また、クラス・インスタンスのカウント数とメモリー使用量を監視することによって、アプリケーションのパフォーマンスを調べることができます。JDeveloperは、アプリケーションから他のソース・ファイルへのコールに従うか、またはソース・ファイルが使用できない場合はスタブ・クラスを生成します。
リモート・デバッグでは、2つのJDeveloperプロセスが必要です。1つはデバッガ・プロセス、もう1つはデバッグ対象プロセスです。デバッグ対象プロセスは異なるプラットフォームに存在している場合があります。デバッグ対象プロセスが開始し、デバッガ・プロセスがそのデバッグ対象プロセスにアタッチされた後は、リモート・デバッグとローカル・デバッグの動作は似ています。
デバッガでは、コード内で問題のある領域を効率的に特定できるようにする特殊な目的のデバッグ・ウィンドウが、次のように数多く提供されます。
各デバッガ・ウィンドウに表示する情報のタイプを制御できます。表示する列など、各ウィンドウで使用できるオプションを確認するには、ウィンドウを右クリックして、ポップアップ・メニューから「設定」を選択します。またはメイン・メニューから「ツール」→「設定」を選択し、「デバッガ」ノードを展開して、各デバッガ・ウィンドウの設定ページを表示することもできます。また、デバッグ情報をテキスト出力ファイルまたはHTML出力ファイルとして保存することもできます。
デバッガの使用方法の詳細は、第19.7項「デバッガ・ウィンドウの使用方法」を参照してください。
JDeveloperのデバッグ機能は、いくつものテクノロジによって使用されます。次の表では、これらのテクノロジと、そのデバッグに関するドキュメントへのリンクを示します。
表7-1 デバッグを使用するテクノロジ
テクノロジ | ドキュメントのリンク |
---|---|
ADFコンポーネント |
|
Javaサーブレット |
|
JSPページ |
|
Javaプログラム |
|
JavaScript |
第19.6.21項「Javascriptプログラムのデバッグ方法」 |
Webサービス |
|
統合WebLogic Server |
第9.2.3.2項「統合アプリケーション・サーバーでの実行とデバッグの方法」 |
PL/SQLプログラムおよびJavaストアド・プロシージャ |
第29.3.3項「PL/SQLおよびJavaストアド・プロシージャのデバッグの前提条件」 |
拡張機能 |
Oracle Fusion Middleware Oracle JDeveloper Extensions開発者ガイド |