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Oracle® Fusion Middleware Oracle JDeveloperユーザーズ・ガイド
11gリリース2(11.1.2.3.0)
B66717-03
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21 ダイアグラムを使用したアプリケーションのモデル化に関するスタート・ガイド

この章では、Oracle JDeveloperに含まれるダイアグラム、関連するダイアグラム・ツールおよびテクノロジを使用してアプリケーション、様々なアプリケーションのサブシステム、およびデータベースのモデル化を開始する方法について説明します。

この章では、次の項目について説明します。

21.1 ダイアグラムを使用したモデル化について

JDeveloperは、アプリケーション用のソフトウェアおよびシステム開発をモデル化およびコラボレートするために4つの標準UMLダイアグラム・タイプと4つの追加ダイアグラム・タイプをサポートしています。JDeveloperのダイアグラムを使用して、カスタム・アプリケーションを含む通常のビジネス・アプリケーションをモデル化できます。

21.2 ダイアグラム・タイプ

JDeveloperには、モデル化プロジェクト用のダイアグラムを作成するために新規ギャラリ・ウィザードが用意されています。新規ギャラリ・ウィザードを使用すると、これらのダイアグラムや関連するUMLおよび非UMLコンポーネントを簡単に作成できます。メニュー・バーから「ファイル」→「新規」「一般」「ダイアグラム」を選択します。

ダイアグラム・タイプを選択し、ダブルクリックするか、「OK」をクリックし、ウィザードを起動します。ウィザードでは、新規ダイアグラムのパッケージを選択したり、そのダイアグラムで使用可能なオプションのコンポーネントを選択できます。コンポーネント選択機能を使用すると、ダイアグラムの編集時にコンポーネント・パレットに表示するダイアグラム関連のコンポーネントを選択できます。図21-1は、クラス図用のダイアグラムの作成ダイアログの例を示しています。

ダイアグラムでアプリケーション・システムをモデル化するための様々なツール、要素、およびUML対応オブジェクトを選択します。たとえば、図21-2に示すように、通常のクラス図用としてコンポーネント・パレットで使用可能なものを選択します。

図21-1 クラス図の作成例

クラス図の作成

図21-2 クラス図のコンポーネント・パレット

クラス図のコンポーネント・パレット

21.2.1 UMLダイアグラム

JDeveloperには、Javaクラスをモデル化するために4つの標準UMLダイアグラム・タイプが用意されています。すべての標準UMLオブジェクト、およびUMLのクラスとダイアグラムの変換機能を使用して、クラスをオンラインまたはオフラインのデータベース・オブジェクト(またはこの逆)に簡単に変換できます。詳細は、第22章の「UMLとオフライン・データベースの変換方法」を参照してください。

使用可能なUMLダイアグラム・タイプは、次のとおりです。

  • アクティビティ図。調整されたアクションとしてシステム動作をモデル化します。アクティビティを使用して、出荷や注文処理などの特定のビジネス目標を達成するタスクなどのビジネス・プロセスをモデル化できます。

  • クラス図。システムの構造をモデル化します。新規作成するか、既存のクラス・モデル、インタフェース、属性、操作、アソシエーション、汎化およびインタフェース実現のアーキテクチャをインスペクトします。

  • シーケンス図。イベント・オカレンスのシーケンスをモデル化します。シーケンス図は、時間に基づいて編成され、シーケンス内の異なるオブジェクト間のコールを示します。このダイアグラムを使用して、イベント、ライフライン、メッセージおよび結合フラグメント間の相互作用を作成またはインスペクトします。

  • ユースケース図。システムに想定される動作を視覚的にモデル化します。ユースケース図は、アクター、ユースケース、およびそれらの通信をまとめたものです。

21.2.2 ビジネス・サービス図

正規オブジェクトとUMLオブジェクトの両方を使用して、アプリケーション内のビジネス・サービス、エンティティおよびその関係をモデル化できます。UMLオブジェクト用のJDeveloperの変換機能を使用して、オンラインまたはオフラインのデータベース表をクラスに、またはクラスをデータベース表に変換できます。これらすべてのオブジェクトは、次の4つのいずれのダイアグラムでもモデル化できます。

  • ビジネス・コンポーネント・ダイアグラム。ビジネス・コンポーネントの相互関係、エンティティ・クラス、インタラクション、およびパブリック・インタフェースをダイアグラム化します。

  • データベース・ダイアグラム。オンラインおよびオフラインのデータベース表とその関係をモデル化します。変換機能を使用して、データベース・スキーマを表すダイアグラム・モデルを作成したり、クラスをオンラインまたはオフラインのデータベース表に変換します。

  • EJBダイアグラム。システム内のエンティティ・オブジェクト、セッションBean、メッセージドリブンBeanおよびその関係を作成、編集およびモデル化します。

  • Javaクラス図。Javaクラス間の関係および依存性をモデル化します。Javaクラス図を使用して、インタフェース、列挙、フィールド、メソッド、参照、継承関係、および実装関係などのオブジェクトを視覚的に作成または検証します。

21.3 モデル化プロジェクトに対するパスの設定方法

JDeveloperプロジェクトの設定を構成して、プロジェクトから使用する、モデル化された要素のパッケージ階層のルート位置を指定できます。モデル・パスはデフォルトでは構成されています。別の場所に格納されるモデル要素ファイルをモデルにインクルードする場合や、新規モデル要素ファイルを別の場所に格納する場合は、これを変更します。

プロジェクトのモデル・パスにファイル・システム上のパスを追加すると、モデル化された要素を複数のプロジェクト間で共有できます。

プロジェクトのモデル・パスを設定するには、次のようにします。

  1. モデル・パスを指定するプロジェクトを右クリックします。

  2. 「プロジェクト・プロパティ」を選択します。

  3. 「プロジェクトのソース・パス」ノードを開き、「モデラー」ノードを選択します。

  4. 「モデル・パス」領域で、「追加」を使用して、プロジェクトのモデル要素を格納するファイル・システム上のパスを入力します。モデル要素を検索する際は、「モデル・パス」に入力したファイル・システム上のパスの順序でフォルダが検索されます。これらのフォルダは、モデルで使用されるパッケージ階層のルートです。モデル・パスに指定された最初の場所は、新規のモデル要素が格納される場所でもあります。

  5. モデル・パスの設定を完了するには、「OK」をクリックします。