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Oracle VM Server for SPARC 3.0 管理ガイド Oracle VM Server for SPARC (日本語) |
パート I Oracle VM Server for SPARC 3.0 ソフトウェア
1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
3. Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー
PCIe エンドポイントデバイスを割り当てることによって I/O ドメインを作成する方法
I/O ドメインを作成するための SR-IOV 仮想機能の使用
SR-IOV 仮想機能を割り当てることによって I/O ドメインを作成する方法
パート II オプションの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア
13. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
14. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (Oracle Solaris 10)
16. Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (MIB) ソフトウェアの使用
17. Logical Domains Manager の検出
Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアを使用して、PCIe バス全体 (別名「ルートコンプレックス」) をドメインに割り当てることができます。PCIe バス全体は、PCIe バス自体と、すべての PCI スイッチとデバイスで構成されます。サーバーに存在する PCIe バスは、pci@400 (pci_0) などの名前により識別されます。PCIe バス全体で構成された I/O ドメインは、「ルートドメイン」とも呼ばれます。
次の図は、2 つの PCIe バス (pci_0 と pci_1) が存在するシステムを示しています。個々のバスが、別々のドメインに割り当てられています。このため、システムには 2 つの I/O ドメインが構成されます。
図 6-1 PCIe バスの I/O ドメインへの割り当て
PCIe バスで作成できる I/O ドメインの最大数は、サーバー上で使用できる PCIe バスの数に依存します。たとえば、Oracle Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーを使用している場合、使用できる I/O ドメインは最大 4 つです。
注 - 一部の UltraSPARC サーバーには、PCIe バスは 1 つしか存在しません。このような場合、PCIe エンドポイントデバイス (または直接 I/O を割り当てが可能なデバイス) をドメインに割り当てることで、I/O ドメインを作成できます。「PCIe エンドポイントデバイスの割り当て」を参照してください。システムにネットワークインタフェースユニット (NIU) が存在する場合、NIU をドメインに割り当てて I/O ドメインを作成することもできます。
PCIe バスを I/O ドメインに割り当てると、そのバス上のすべてのデバイスはその I/O ドメインに所有されます。そのバス上の PCIe エンドポイントデバイスを他のドメインに割り当てることはできません。primary ドメインに割り当てられている PCIe バス上の PCIe エンドポイントデバイスのみが、他のドメインに割り当て可能です。
Logical Domains 環境でサーバーが最初に構成されるとき、または factory-default 構成を使用しているとき、primary ドメインはすべての物理デバイスリソースにアクセスできます。つまり、システムに構成されている I/O ドメインは primary ドメインのみであり、このドメインがすべての PCIe バスを所有します。
このプロシージャー例は、複数のバスが primary ドメインに所有されている初期構成から、新しい I/O ドメインを作成する方法を示しています。デフォルトでは、システム上に存在するすべてのバスを primary ドメインが所有しています。この例は、SPARC T4-2 サーバーを対象としています。この手順は、ほかのサーバーにも使用できます。別のサーバーではこれらの手順と若干異なる場合がありますが、この例では基本的な方針について理解できます。
最初に、primary ドメインのブートディスクを持つバスを保持する必要があります。それから、その他のバスを primary ドメインから削除してほかのドメインに割り当てます。
注意 - サポートされているサーバーの内部ディスクはすべて、単一の PCIe バスに接続されている場合があります。ドメインが内部ディスクからブートする場合は、ドメインからそのバスを削除しないでください。また、ドメインで使用されているネットワークポートなどのデバイスが接続されたバスを削除していないことを確認してください。誤ったバスを削除すると、ドメインは必要なデバイスにアクセスできず、使用できなくなることがあります。ドメインで使用されているデバイスが接続されたバスを削除する場合は、ほかのバスのデバイスを使用するよう、そのドメインを再構成してください。たとえば、別のオンボードネットワークポートや、別の PCIe スロットの PCIe カードを使用するよう、ドメインを再構成する必要がある場合があります。 |
この例では、primary ドメインは 1 つの ZFS プール (rpool (c0t1d0s0)) と 1 つのネットワークインタフェース (igb0) のみを使用します。primary ドメインで複数のデバイスを使用する場合は、デバイスごとに手順 2 - 4 を繰り返して、削除するバスにそれらのデバイスがないことを確認します。
primary# ldm list-io NAME TYPE BUS DOMAIN STATUS ---- ---- --- ------ ------ niu_0 NIU niu_0 primary niu_1 NIU niu_1 primary pci_0 BUS pci_0 primary pci_1 BUS pci_1 primary /SYS/MB/PCIE0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE2 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE4 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE6 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/PCIE8 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/SASHBA PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/NET0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE1 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/PCIE3 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/PCIE5 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/PCIE7 PCIE pci_1 primary EMP /SYS/MB/PCIE9 PCIE pci_1 primary EMP /SYS/MB/NET2 PCIE pci_1 primary OCC /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 PF pci_0 primary /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF1 PF pci_0 primary /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF0 PF pci_1 primary /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF1 PF pci_1 primary /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF0 PF pci_1 primary /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 PF pci_1 primary
primary# df / / (/dev/dsk/c0t5000CCA03C138904d0s0):22755742 blocks 2225374 files
primary# zpool status rpool pool: rpool state: ONLINE scan: none requested config: NAME STATE READ WRITE CKSUM rpool ONLINE 0 0 0 c0t5000CCA03C138904d0s0 ONLINE 0 0 0
primary# mpathadm show lu /dev/rdsk/c0t5000CCA03C138904d0s0 Logical Unit: /dev/rdsk/c0t5000CCA03C138904d0s2 mpath-support: libmpscsi_vhci.so Vendor: HITACHI Product: H106030SDSUN300G Revision: A2B0 Name Type: unknown type Name: 5000cca03c138904 Asymmetric: no Current Load Balance: round-robin Logical Unit Group ID: NA Auto Failback: on Auto Probing: NA Paths: Initiator Port Name: w50800200014100c8 Target Port Name: w5000cca03c138905 Override Path: NA Path State: OK Disabled: no Target Ports: Name: w5000cca03c138905 Relative ID: 0
primary# mpathadm show initiator-port w50800200014100c8 Initiator Port: w50800200014100c8 Transport Type: unknown OS Device File: /devices/pci@400/pci@2/pci@0/pci@e/scsi@0/iport@1
ifconfig コマンドを使用して、「plumb」されているプライマリネットワークインタフェースを確認します。
primary# ifconfig -a lo0: flags=2001000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4,VIRTUAL> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 igb0: flags=1004843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DHCP,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 10.129.241.135 netmask ffffff00 broadcast 10.129.241.255 ether 0:10:e0:e:f1:78
primary# ifconfig -a lo0: flags=2001000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4,VIRTUAL> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 net0: flags=1004843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,DHCP,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 10.129.241.135 netmask ffffff00 broadcast 10.129.241.255 ether 0:10:e0:e:f1:78 primary# dladm show-phys net0 LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net0 Ethernet up 1000 full igb0
次のコマンドでは、igb0 ネットワークインタフェースを使用します。
primary# ls -l /dev/igb0 lrwxrwxrwx 1 root root 46 Oct 1 10:39 /dev/igb0 -> ../devices/pci@500/pci@0/pci@c/network@0:igb0
この例では、primary ドメインによって使用されるネットワークインタフェースの物理デバイスは、前述の一覧の pci_1 に対応するバス pci@500 に接続しています。そのため、ほかの 2 つのバス pci_2 (pci@600) と pci_3 (pci@700) は primary ドメインでは使用されていないため、ほかのドメインに安全に割り当てることができます。
primary ドメインで使用されているネットワークインタフェースが、別のドメインに割り当てようとしているバス上にある場合は、別のネットワークインタフェースを使用するように primary ドメインを再構成する必要があります。
この例では、バス pci_1 が primary ドメインから削除されます。遅延再構成を開始する必要もあります。
primary# ldm start-reconf primary primary# ldm remove-io pci_1 primary
この例では、構成は io-domain です。
primary# ldm add-config io-domain
この構成 io-domain は、リブート後に使用される次の構成としても設定されます。
primary# shutdown -i6 -g0 -y
ここでは、例として ldg1 ドメインを停止します。
primary# ldm stop ldg1
利用可能なバスは pci_1、ドメインは ldg1 です。
primary# ldm add-io pci_1 ldg1
次のコマンドでは、ldg1 ドメインを再起動します。
primary# ldm start ldg1
primary# ldm list-io NAME TYPE BUS DOMAIN STATUS ---- ---- --- ------ ------ niu_0 NIU niu_0 primary niu_1 NIU niu_1 primary pci_0 BUS pci_0 primary pci_1 BUS pci_1 ldg1 /SYS/MB/PCIE0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE2 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE4 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE6 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/PCIE8 PCIE pci_0 primary EMP /SYS/MB/SASHBA PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/NET0 PCIE pci_0 primary OCC /SYS/MB/PCIE1 PCIE pci_1 ldg1 OCC /SYS/MB/PCIE3 PCIE pci_1 ldg1 OCC /SYS/MB/PCIE5 PCIE pci_1 ldg1 OCC /SYS/MB/PCIE7 PCIE pci_1 ldg1 EMP /SYS/MB/PCIE9 PCIE pci_1 ldg1 EMP /SYS/MB/NET2 PCIE pci_1 ldg1 OCC /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF0 PF pci_0 primary /SYS/MB/NET0/IOVNET.PF1 PF pci_0 primary /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF0 PF pci_1 ldg1 /SYS/MB/PCIE5/IOVNET.PF1 PF pci_1 ldg1 /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF0 PF pci_1 ldg1 /SYS/MB/NET2/IOVNET.PF1 PF pci_1 ldg1
この出力では、PCIe バス pci_0 とそのデバイスが primary ドメインに割り当てられていることが確認されます。また、PCIe バス pci_1 とそのデバイスが ldg1 ドメインに割り当てられていることも確認されます。