4.15 トラブルシューティング

4.15.1 一般的なMySQLのデバッグ
4.15.2 libaioがインストールされていない
4.15.3 MySQLをインストールできない
4.15.4 OVSデータベース・スキーマを作成できない
4.15.5 Oracle Databaseスキーマが存在する
4.15.6 英語以外のキャラクタ・セットでインストールに失敗する
4.15.7 NISベースのoracleユーザー・アカウントの使用にインストールが失敗する

この項では、Oracle VM Managerをインストールする際に発生する可能性のある既知の問題とその解決方法について説明します。その他の情報は、Oracleサポートの次のWebサイトを参照してください。

Oracle VM ManagerのインストールのサポートについてOracleサポートに問い合せる場合は、インストール・ログを含めてください。ログ・ファイル名および場所の詳細は、第4.4.5項「インストール・ログ」を参照してください。

4.15.1 一般的なMySQLのデバッグ

Oracle VM Managerのインストーラでは、MySQL RDBMS RPMまたはPKGが標準インストールされます。データベース・ファイルは、/u01/app/oracle/mysql/dataにあります。標準のinitスクリプトは、/etc/init.d/ovmm_mysqlに作成されます。このスクリプトを使用すると、MySQLサーバーを起動、停止、再起動したり、ステータスを取得することができます。

# /etc/init.d/ovmm_mysql restart 

OVMM MySQLインスタンスの構成は、/u01/app/oracle/mysql/data/my.cnfにあります。このファイルを編集すると、Oracle VM Managerのインストールが機能しなくなる場合があります。編集は、サポート担当者の指示なしには実行しないでください。

MySQLイベントは、/u01/app/oracle/mysql/data/mysqld.errにあるログ・ファイルに記録されます。

4.15.2 libaioがインストールされていない

前提条件であるlibaioパッケージがインストールされていない場合、インストール時に次のエラーが表示されます。

libaio is not installed...

回避策: libaioパッケージをインストールしてください。libaioのインストール方法の詳細は、第4.3.2.5項「前提条件パッケージ」を参照してください。

4.15.3 MySQLをインストールできない

Oracle VM ManagerのインストーラでMySQLのインストールに失敗し、次のメッセージが表示されます。

Failed: The database instance is not available.

詳細は、/tmp/ovmm-installer.selfextract_id/ovm-manager-3-install-date.logにあるログ・ファイルから確認できます。

回避策: この問題には2つの回避策があります。

  1. MySQLがインストールされていないこと、または、正しくインストールされていることを確認します。次のコマンドを使用して、ステータスを確認します。

    $ /etc/init.d/ovmm_mysql status

    MySQLが稼働している場合は、Oracle VM Managerのインストール・スクリプトを実行してアンインストールし、Oracle VM Managerを再インストールします。

  2. コンピュータのホスト名が/etc/hostsファイルのホスト名と一致していることを確認します。第4.3.2.2項「ネットワーク」を参照して、ホスト名を構成します。

4.15.4 OVSデータベース・スキーマを作成できない

次のメッセージが表示される場合があります。

Creating the Oracle VM Manager database schema ... Failed.

詳細は、/tmp/ovmm-installer.selfextract_id/ovm-manager-3-install-date.logにあるログ・ファイルから確認できます。

回避策: この問題について考えられる回避策は、次のとおりです。

  1. MySQLが正しくインストールされていることを確認します。次のコマンドを使用して、ステータスを確認します。

    $ /etc/init.d/ovmm_mysql status

    MySQLが稼働している場合は、Oracle VM Managerのインストール・スクリプトを実行してアンインストールし、Oracle VM Managerを再インストールします。

  2. 既存のOracleデータベースにインストールしている場合、SYSアカウントの正しいパスワードを入力したことを確認します。

  3. Oracle VM Managerを再インストールします。

4.15.5 Oracle Databaseスキーマが存在する

Oracle Database OVSスキーマを作成した後、インストール手順の完了前にインストーラが失敗した場合、インストールを再度実行しようとしたときに、上書きできないスキーマが残っている場合があります。この問題を解決するには、OVSスキーマを削除した後、インストールの問題が解決してから、もう一度、再インストールを続行します。

OVSスキーマを削除するには、sysまたはsystemユーザーとしてOracle Databaseにログインし、次のようにします。

$ sqlplus system/password
SQL> drop user OVS cascade;
SQL> drop profile OVMM_PROFILE cascade;
SQL> exit;

この例で使用するスキーマ名では、デフォルトのスキーマ名OVSを使用しています。インストール時にカスタム・スキーマ名を使用した場合は、OVSを自分のスキーマ名と置き換える必要があります。自分のスキーマ名は、次の場所にあるOracle VM Manager構成ファイル内にあります。

/u01/app/oracle/ovm-manager-3/.config

MySQLデータベースを使用して簡易インストールを実行する場合、Oracle VM Managerはアンインストールおよび再インストールします。

4.15.6 英語以外のキャラクタ・セットでインストールに失敗する

オペレーティング・システムが英語以外のキャラクタ・セットまたは言語の場合、Oracle VM Managerインストーラに次のエラーが表示される可能性があります。

Update default password failed.

Oracle VM Managerでは、英語と英語のキャラクタ・セットのみをサポートしています。

詳細は、/tmp/ovmm-installer.selfextract_id/ovm-manager-3-install-date.logにあるログ・ファイルから確認できます。

回避策: キャラクタ・セットをen_US.UTF-8に設定します。

  1. 次のコマンドを実行し、LANGの値がen_US.UTF-8かどうかを確認します。

    # env|grep LANG
  2. キャラクタ・セットがen_US.UTF-8でない場合、次のようにしてen_US.UTF-8に変更します。

    # export LC_CTYPE="en_US.UTF-8"
  3. Oracle VM Managerを再インストールします。

4.15.7 NISベースのoracleユーザー・アカウントの使用にインストールが失敗する

oracleユーザー・アカウントがNISベースの認証(ネットワーク・インフォメーション・サービス)を使用して作成されている場合、前提条件の確認時にOracle VM Managerのインストールが失敗し、次のエラーが表示されます。

Verifying installation prerequisites ...
hardnofiles should be set to 8192 but was 0
Configuration verification failed ...

または前提条件の確認に成功しても、後でApplication Development Frameworkのインストール中に失敗する場合があります。

Retrieving Oracle Application Development Framework (ADF) ...
Unzipping Oracle ADF ...
Installing Oracle ADF ...
Installing Oracle ADF Patch...

この問題を回避するには、ypbindサービスを無効にし、ホスト・コンピュータ上でcreateOracle.shを使用して、NISベースではないoracleユーザー・アカウントを作成し、インストーラを再実行します。

# /sbin/service ypbind stop
# service ypbind status
ypbind is stopped
# ./createOracle.sh
# ./runInstaller.sh