2.1 Oracle VMの概要

2.1.1 Xen(tm)テクノロジ
2.1.2 Oracle VM Server for SPARC

Oracle VMは、仮想化テクノロジの最新の利点をすべて持つ環境を完備したプラットフォームです。Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境に、オペレーティング・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアをデプロイできます。Oracle VMは、基礎となる仮想化テクノロジからユーザーと管理者を隔離して、毎日の操作が目標指向GUIインタフェースを使用して実行されるようにします。図2.1「Oracle VMのアーキテクチャ」に、Oracle VMのコンポーネントを示します。

図2.1 Oracle VMのアーキテクチャ

Oracle VMのアーキテクチャ。あるコンピュータ上にあるOracle VM Managerのユーザー・インタフェース、管理サーバーおよびデータベースを示しています。また、別のコンピュータ上にあるOracle VM Server、ハイパーバイザおよびホスト・コンピュータ・ハードウェアも示しています。

2.1.1 Xen(tm)テクノロジ

Oracle VMは、x86サーバーで実行している場合は、Xenハイパーバイザを利用して、Xenテクノロジを使用します。 Xenハイパーバイザは、x86互換コンピュータ向けの小型で軽量のベア・メタル・ハイパーバイザです。Xenハイパーバイザは、1台のホスト・コンピュータで複数の仮想マシンを安全に実行します。各仮想マシンは、ほぼネイティブ・パフォーマンスの独自のゲスト・オペレーティング・システムを使用します。Xenハイパーバイザはケンブリッジ大学の研究者によって作成され、Linuxカーネルの作業から派生したものです。

2.1.2 Oracle VM Server for SPARC

SPARCシステムでは、SPARCハイパーバイザがSPARCファームウェアに組み込まれており、通常、Logical Domains Manager (LDOM)と呼ばれています。Xenハイパーバイザと同様に、個々の仮想マシンは単一のコンピュータ上で安全に実行され、それぞれが所有するゲストOracle Solarisオペレーティング・システムを実行します。SPARCハイパーバイザは、SPARCハードウェアの特性と設計により、Xenハイパーバイザよりも幅広い仮想化機能を持っています。