| Oracle® Enterprise Manager Ops Center管理ガイド 12c リリース1 (12.1.3.0.0) B71914-02 |
|
 前 |
 次 |
Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、製品データを格納するためにOracle Database 11g Enterprise Editionインスタンスを使用します。このデータベースを管理できます。
この章では次の機能とトピックについて説明します。
エンタープライズ・コントローラは、Oracle Database 11g Enterprise Editionデータベースを使用して、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのデータを格納します。エンタープライズ・コントローラと一緒にインストールされた埋込みデータベース、あるいは新規または既存のユーザー管理データベースのいずれかを使用できます。既存のデータベースの管理、データベース・スキーマの変更、バックアップまたはリカバリ、ユーザー管理データベースへのデータの移行を行うことができます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerのバックアップとリカバリのアクションを使用して、エンタープライズ・コントローラを埋込みデータベースまたはユーザー管理データベースと一緒にバックアップすることができます。これらのオプションには、データベース管理者権限は必要ありません。これらのオプションについては第8章「バックアップおよびリカバリ」で説明します。
この項で説明する手順の一部では、ecadmコマンドが使用されます。このコマンドの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド』を参照してください。
Oracle Solarisシステムでは、このコマンドは/opt/SUNWxvmoc/bin/ディレクトリにあります。
Linuxシステムでは、このコマンドは/opt/sun/xvmoc/bin/ディレクトリにあります。
ユーザー管理データベースを使用する場合は、データベースをインストールしてOracle Enterprise Manager Ops Centerと連動するように構成する必要があります。
ユーザー管理データベースをインストールおよび構成する手順
Oracle Database 11g Enterprise Editionのインストレーション・ガイドに従ってデータベースをインストールします。
エンタープライズ・コントローラからデータベースにcreateOCschema_remote.sqlスクリプトをコピーします。
Oracle Solaris for x86システムでは、このスクリプトは/var/tmp/OC/dvd/SunOS_i386/Product/installer/scriptsディレクトリにあります。
Oracle Solaris for SPARCシステムでは、このスクリプトは/var/tmp/OC/dvd/SunOS_SPARC/Product/installer/scriptsディレクトリにあります。
Linuxシステムでは、このスクリプトは/var/tmp/OC/dvd/Linux_i686/Product/installer/scriptsディレクトリにあります。
例:
# scp root@EnterpriseController:/var/tmp/OC/dvd/SunOS_i386/Product/installer/scripts/createOCschema_remote.sql . Password: createOCschema_remote.sql 100% |*********************| 1486 00:00
データベース管理者としてcreateOCschema_remote.sqlスクリプトを実行し、次の情報を入力します。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerのユーザー名: これはスクリプトによって作成されるデータベース・ユーザーで、Oracle Enterprise Manager Ops Centerではこれを使用してデータベースにアクセスします。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerのパスワード: これはデータベース・ユーザーのパスワードです。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerの読取り専用ユーザー名: これは読取り専用データベース・ユーザーです。Oracle Enterprise Manager Ops Centerがデータベースを表示するために使用されます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerの読取り専用パスワード: これは読取り専用データベース・ユーザーのパスワードです。
デフォルト表領域: これはOracle Enterprise Manager Ops Centerユーザーのデフォルト表領域です。
一時表領域: これはOracle Enterprise Manager Ops Centerユーザーの一時表領域です。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerのダンプ・ディレクトリ: このディレクトリは存在し、oracleユーザーが所有する必要があります。
例:
$ sqlplus / as sysdba @createOCSchema_remote.sql SQL*Plus: Release 11.2.0.3.0 Production on Thu Dec 15 16:55:34 2011 Copyright (c) 1982, 2011, Oracle. All rights reserved. Connected to: Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.3.0 - 64bit Production With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options Enter username for Ops Center database login: TESTSCHEMA Enter password for Ops Center database login: Enter username for read only Ops Center database login: TESTSCHEMA_RO Enter password for read only Ops Center database login: Enter default tablespace for Ops Center user: USERS Enter temporary tablespace for Ops Center user: TEMP Enter Oracle Data Pump destination directory: /var/tmp/ocdumpdir "Done creating OC_SYSTEM_ROLE and OC_RO_ROLE" "Done creating Schema 'TESTSCHEMA'. Roles and privileges have been granted." "Done creating Schema 'TESTSCHEMA_RO'. Roles and privileges have been granted." "Done creating OC_DUMP_DIR at /var/tmp/ocdumpdir" "Done granting privs to users and profiles" "Testing connectivity to the new schema: 'TESTSCHEMA'" Connected. "Testing connectivity to the new read only schema: 'TESTSCHEMA_RO'" Connected. "Create is Complete. OC can now be used with the new schema: 'TESTSCHEMA'" Disconnected from Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.3.0 - 64bit Production With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options $
埋込みデータベースを使用している場合、ユーザー管理データベースに移行できます。この手順を開始する前に「ユーザー管理データベースのインストールおよび構成」の説明に従って、移行先の場所にユーザー管理データベースをインストールして構成する必要があります。
|
注意: 移行を正常に行うためには、エンタープライズ・コントローラ・システムがユーザー管理データベース・サーバーのホスト名によってルーティング可能であることが必要です。 |
ユーザー管理データベースに移行する手順
エンタープライズ・コントローラ・システムにユーザー管理データベースのプロパティ・ファイルを作成します。データベースのプロパティ・ファイルは、ユーザー管理データベースの場所およびデータベースにアクセスできるユーザー名とパスワードを含む必要があります。
例:
# vi /var/tmp/RemoteDBProps.txt mgmtdb.appuser=TESTSCHEMA mgmtdb.password=TESTSCHEMA_PWD mgmtdb.roappuser=TESTSCHEMA_RO mgmtdb.ropassword=TESTSCHEMA_RO_PWD mgmtdb.dburl=jdbc:oracle:thin:@<database host name>:<port>/<database service name>
ecadmコマンドとbackupサブコマンドを使用して、エンタープライズ・コントローラをバックアップします。この手順については第8章「バックアップおよびリカバリ」で説明します。
ecadmコマンド、migrateサブコマンド、--remoteDBprops <path to properties file>オプションおよび-l <log file>オプションを使用して、ユーザー管理データベースに移行します。ログ・ファイルは/var/opt/sun/xvm/logsディレクトリに作成されます。
例:
# ./ecadm migrate --remoteDBprops /var/tmp/RemoteDBProps.txt -l migrate.log
ユーザー管理データベースの場所を変更できます。この手順を開始する前に「ユーザー管理データベースのインストールおよび構成」項の説明に従って、移行先の場所にデータベースをインストールして構成する必要があります。
この手順を実行するには、エンタープライズ・コントローラ・システムへのルート・アクセス権、移行元データベースと移行先データベースへのデータベース管理者アクセス権が必要です。
ユーザー管理データベースの場所を変更する手順
rootとしてエンタープライズ・コントローラ・システムにログインします。
ecadmコマンド、stopサブコマンドおよび-wオプションを使用して、エンタープライズ・コントローラを停止します。
例:
./ecadm stop -w ecadm: Shutting down Enterprise Controller using SMF... ecadm: Enterprise Controller services have stopped #
データベースのプロパティ・ファイルを編集して新しいデータベースを指定します。
例:
# vi /var/opt/sun/xvm/db.properties ... mgmtdb.dburl=jdbc:oracle:thin:@<source database host name>:<port>/<source database service name>
mgmtdb.dburlの行が新しいデータベースのホスト名と名前を指定するように変更します。
例:
... mgmtdb.dburl=jdbc:oracle:thin:@<destination database host name>:<port>/<destination database service name>
データベース管理者権限を持つユーザーとして移行元データベースにログインします。
データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティを使用して、移行元データベースをエクスポートします。ユーザー名の入力を求められたら、/ as sysdbaと入力します。
例:
$ expdp DIRECTORY=oc_dump_dir DUMPFILE=OC_schema.dmp SCHEMAS=OC,OC_RO LOGFILE=expdp_OC_schema.log Export: Release 11.2.0.1.0 - Production on Mon May 23 10:14:33 2011 Copyright (c) 1982, 2009, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Username: / as sysdba <output omitted> Job "SYS"."SYS_EXPORT_SCHEMA.01" succesfully completed at <timestamp> $
ログ・ファイルを調べて、エラーがないことを確認します。
例:
$ cat expdp_OC_schema.log <output omitted> Job "SYS"."SYS_EXPORT_SCHEMA.01" succesfully completed at <timestamp>
移行元データベース・サーバーからダンプ・ファイルを移行先データベース・サーバーに移動します。
例:
$ scp OC_schema.dmp <destination database host name> Password: OC_schema.dmp 100% |***************************| 18192 KB 00:01
移行元データベース・システムのダンプ・ファイルを削除します。
例:
$ rm OC_schema.dmp
データベース管理者権限を持つユーザーとして移行先データベースにログインします。
ダンプ・ファイルの場所を指すデータベース・ディレクトリを作成し、終了します。
例:
SQL> create or replace directory oc_dump_dir as '/var/tmp/ocdumpdir'; SQL> exit;
インポート・ユーティリティを使用して、データベース・ダンプ・ファイルを移行元データベースにインポートします。
例:
$ impdp DIRECTORY=oc_dump_dir DUMPFILE=OC_schema.dmp LOGFILE=impdp_OC_schema.log Import: Release 11.2.0.1.0 - Production on Mon May 23 10:14:33 2011 Copyright (c) 1982, 2009, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Username: / as sysdba <output omitted> Job "SYS"."SYS_IMPORT_SCHEMA.01" succesfully completed at <timestamp>
ログ・ファイルを調べて、エラーがないことを確認します。
例:
$ cat impdp_OC_schema.log <output omitted> Job "SYS"."SYS_IMPORT_SCHEMA.01" succesfully completed at <timestamp>
移行先データベース・システムのダンプ・ファイルを削除します。
例:
$ rm OC_schema.dmp
rootとしてエンタープライズ・コントローラ・システムにログインします。
ecadmコマンド、startサブコマンドおよび-wオプションを使用して、エンタープライズ・コントローラを開始します。
例:
# ./ecadm start -w ecadm: Starting Enterprise Controller with SMF... ecadm: Enterprise Controller services have started #
構成したデータベースが稼働でき、エンタープライズ・コントローラからアクセスできることを確認できます。
データベースを確認する手順
ecadmコマンドとverify-dbサブコマンドを使用してデータベースを確認します。
例:
./ecadm verify-db ecadm: --- Verified database #
データベース・ソフトウェアをアップグレードすることができます。このためにはエンタープライズ・コントローラを停止する必要があります。データベース・ソフトウェアをアップグレードする前に、アップグレード予定のバージョンがサポートされることを確認します。
ユーザー管理データベースをアップグレードする手順
ecadmコマンド、stopサブコマンドおよび-wオプションを使用して、エンタープライズ・コントローラを停止します。
例:
./ecadm stop -w ecadm: Shutting down Enterprise Controller using SMF... ecadm: Enterprise Controller services have stopped #
Oracle Database 11g Enterprise Editionのアップグレード・ガイドに従って、ユーザー管理データベースをアップグレードします。
ecadmコマンド、startサブコマンドおよび-wオプションを使用して、エンタープライズ・コントローラを開始します。
例:
# ./ecadm start -w ecadm: Starting Enterprise Controller with SMF... ecadm: Enterprise Controller services have started #
埋込みデータベースまたはユーザー管理データベースに対するOracle Enterprise Manager Ops Centerユーザーまたは読取り専用ユーザーのデータベース・パスワードを変更できます。
Ops Centerユーザーのデータベース資格証明を変更する手順
新しいパスワードを含む一時ファイルを作成し、権限600で保護します。
例:
# touch /tmp/password # chmod 600 /tmp/password # vi /tmp/password newpassword
ecadmコマンド、change-db-passwordサブコマンドおよび-p <password file>オプションを使用して、データベース・パスワードを変更します。プロンプトが表示されたら、エンタープライズ・コントローラの再起動を確認します。
例:
# ./ecadm change-db-password -p /tmp/password The Enterprise Controller will be restarted after the database password is changed. Continue? (y/n) y ecadm: --- Changed database password, restarting. ecadm: shutting down Enterprise Controller using SMF... ecadm: Enterprise Controller services have stopped ecadm: Starting Enterprise Controller with SMF... ecadm: Enterprise Controller services have started #
高可用性構成の場合、ecadmコマンドによって新しいデータベース・プロパティが各リモート・クラスタ・ノードにコピーされます。各リモート・クラスタ・ノードのルート・パスワードを入力します。
例:
ecadm: --- Changed database password, restarting. The DB configuration file must now be copied to each remote cluster node. You will be prompted for the root password for each node to perform the copy. Copying to node OC-secondary Password: password <output omitted> ecadm: --- Enterprise Controller successfully started HA #
新しいパスワードを含む一時ファイルを削除します。
例:
# rm /tmp/password
Ops Centerユーザーのデータベース資格証明を変更する手順
新しいパスワードを含む一時ファイルを作成します。
例:
# vi /tmp/password newpassword
ecadmコマンド、change-db-passwordサブコマンド、-p <password file>オプションおよび-rオプションを使用して、データベース・パスワードを変更します。プロンプトが表示されたら、エンタープライズ・コントローラの再起動を確認します。
例:
# ecadm change-db-password -r -p /tmp/password The Enterprise Controller will be restarted after the database password is changed. Continue? (y/n) y ecadm: --- Changed database password, restarting. ecadm: shutting down Enterprise Controller using SMF... ecadm: Enterprise Controller services have stopped ecadm: Starting Enterprise Controller with SMF... ecadm: Enterprise Controller services have started #
高可用性構成の場合、ecadmコマンドによって新しいデータベース・プロパティが各リモート・クラスタ・ノードにコピーされます。各リモート・クラスタ・ノードのルート・パスワードを入力します。
例:
ecadm: --- Changed database password, restarting. The DB configuration file must now be copied to each remote cluster node. You will be prompted for the root password for each node to perform the copy. Copying to node OC-secondary Password: password <output omitted> ecadm: --- Enterprise Controller successfully started HA #
新しいパスワードを含む一時ファイルを削除します。
例:
# rm /tmp/password
