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Oracle® Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド
12cリリース1 (12.1.2.0.0)
B71920-01
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17 サーバー・プール

この章には、次の情報が含まれます。

17.1 サーバー・プールの概要

サーバー・プールとは、同じ仮想および物理ネットワークやストレージ・リソースにアクセスできる同じプロセッサ・アーキテクチャを持つ1つ以上の仮想化ホストのグループです。サーバー・プールにより、ロード・バランシング、高可用性機能、およびプール内のすべてのメンバーによる一部リソースの共有が可能になります。

次のタイプの仮想化サーバーに対するサーバー・プールを作成できます。

仮想化ホストは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって管理されるOracle VM Server for SPARC、Oracle Solaris ZonesまたはOracle VM Server for x86を表します。サーバー・プール内の仮想ホストまたはゲストは、仮想化ホスト上で実行されている非グローバル・ゾーン、論理ドメインまたは仮想マシンを表します。

サーバー・プールは、ホスト間でのゲストの移動などのアクションを容易にする、互換性のあるチップ・アーキテクチャを共有する仮想化ホストのリソース・プールです。また、これらに対してリソース構成およびポリシーを適用することもできます。サーバー・プールに対して確立されたポリシーによって、多くのCPU使用率およびリソース・バランシング機能が管理されます。サーバー・プールに対する操作は、サーバー・プール内の個々の仮想化ホストに委任されます。

サーバー・プール内のゲストを管理するため、ゲストのウォーム移行およびライブ移行を実行したり、サーバー・プールのメンバー間でゲストのすべてのロード・バランシングを行うことができます。決定したスケジュールに基づいてロード・バランシングを自動的に行うポリシーを構成することも、ロード・バランシングを手動で行うこともできます。ハードウェア障害などが原因で仮想化ホストが停止した場合、同じプール内の別のホストでゲストを起動できます。

サーバー・プール内の仮想化ホストによってネットワークおよびストレージ・ライブラリが共有され、複数のサーバー・プールが同じネットワークおよびストレージ・リソースを共有できます。

サーバー・プールにより、仮想データ・センター管理のための主な概念が形成されます。仮想化対応システムのプーリングは重要な作業であり、使用環境における要件を正しく理解することが求められます。

すべての要件、手順、およびサーバー・プールで使用可能な各種機能は、選択した仮想化技術のタイプによって異なります。様々な仮想化技術に応じたサーバー・プールを作成するための詳細は、該当する項を参照してください。

サーバー・プールを作成する場合、サーバー・プール内のすべてのメンバーからアクセスできるようにストレージおよびネットワーク・リソースを計画する必要があります。

仮想化ホストにゲストを配置するためのポリシーを設定するとともに、サーバー・プールのロード・バランシングの実行方法を選択する必要があります。この詳細は、「サーバー・プールのポリシー」を参照してください。

17.2 サーバー・プール管理のロール

次の表は、タスク、およびタスクを完了するために必要なロールを示しています。タスクを完了するために必要なロールまたは権限がない場合は、管理者に連絡してください。各種ロールおよびロールに付与される権限の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』ユーザーおよびロール管理に関する項を参照してください。

表17-1 サーバー・プールのロールおよび権限

タスク ロール

Create, manage, update, and delete server zones

Virtualization Admin

Provision and manage virtualization host

Virtualization Admin

Create, manage, update, and delete guests

Virtualization Admin


17.3 サーバー・プールのポリシー

サーバー・プールを作成する場合、ゲスト配置ポリシーおよび自動ロード・バランシングのポリシーを定義します。ゲストを作成する場合、物理および仮想CPUを含むゲスト・リソースの使用量を定義します。サーバー・プールのポリシーは編集できます。

17.3.1 配置ポリシー

配置ポリシーにより、サーバー・プール内の新規ゲストの優先仮想化ホスト、およびサーバー・プールのバランシング方法が決定されます。配置ポリシーは、サーバー・プールの作成時に定義されます。配置ポリシーのオプションは、次のとおりです。

  • 最低メモリーおよびCPU使用率に基づいて、相対負荷が最小の仮想化ホストにゲストを配置します。この計算は、1時間、1日および3週間における平均負荷の組合せに基づいています。

  • 割り当てられたCPUおよびメモリー(つまり、ホスト上のすべてのゲストを対象とした静的リソース割当ての合計)が最小の仮想化ホストにゲストを配置します。このリソース割当ては、ゲストごとに指定されているvCPUの数および仮想メモリーの合計です。

  • 最小数の仮想化ホストにゲストを配置することにより、使用量を低減します。

サーバー・プールの配置ポリシーは変更できます。サーバー・プールに対する配置ポリシーの作用例を次に示します。

例17-1 割当てが最も少ない仮想化ホストの例

1つのサーバー・プールに、CPUおよびメモリーの割当てが異なる仮想化ホストが2つ存在します。ホストAには、使用可能なCPUが8つと16GBのメモリーが割り当てられています。ホストBには、使用可能なCPUが4つと8GBのメモリーが割り当てられています。

ホストAには、次の3つのゲストが存在します。

  • ゲストXには1つのvCPUが割り当てられ、メモリーは1024MBです。

  • ゲストYには2つのvCPUが割り当てられ、メモリーは2048MBです。

  • ゲストZには1つのvCPUが割り当てられ、メモリーは1024MBです。

ホストAの静的割当て合計は、vCPUが4つとメモリー4GBです。

ホストBには、次のゲストが1つ存在します。

  • ゲストWには3つのvCPUが割り当てられ、メモリーは4096MBです。

ホストBの静的割当て合計は、vCPUが3つとメモリー4GBです。

ホストAの割当て率は、次のとおりです。CPUの割当てはvCPUが4つ/物理的なCPUが8つで、50%です。メモリーの割当ては4GB/16GBで、25%です。

ホストBの割当て率は、次のとおりです。CPUの割当てはvCPUが3つ/物理的なCPUが4つで、75%です。メモリーの割当ては4GB/8GBで、50%です。

したがって、ホストAの方が仮想化ホストの割当てが少ない、または最小です。

17.3.2 使用量最小化ポリシー

使用量を最小限に抑えるためのポリシーでは、最小数の仮想化ホストにゲストを配置し、アイドル・サーバーを停止します。アイドル仮想化ホストは停止され、明示的な承認によって低使用量モードに設定されます。

17.3.3 自動ロード・バランシング・ポリシー

自動ロード・バランシングのスケジュールは、Oracle VM Server for SPARCおよびOracle Solaris Zonesサーバー・プールに対してのみ可能です。

自動ロード・バランシング・ポリシーを使用して、サーバー・プール内のロード・バランシングをスケジュールします。自動バランシングは、週の特定の曜日と時刻に毎週、毎日または毎時行われるようにスケジュールできます。デフォルト設定の場合、定義した配置ポリシーに応じて、毎週土曜日の午前0時にサーバー・プール内のサーバーに対してロード・バランシングが行われます。


注意:

曜日と時刻はエンタープライズ・コントローラのタイムゾーン内とします。

サーバー・プールのロード・バランシングを自動的に行わない場合は、サーバー・プールのロード・バランシングを手動で行うためのリマインダをスケジュールします。

メンテナンス・モード

自動ロード・バランシング・ポリシーの場合、メンテナンス・モードの仮想化ホストは、サーバー・プール内でゲストの移行のターゲットとみなされることはありません。仮想化ホストをメンテナンス・モードにすると、このホスト内の移行可能なすべてのゲストがサーバー・プール内の他のサーバーに移行されます。このアクションは自動的にトリガーされます。

リソース・バランシングの拡張

サーバー・プール内のサーバーに対してリソース使用率のしきい値を定義できます。リソース使用率は、CPU使用率で定義されます。CPU使用率が設定したしきい値を超えると、サーバーは負荷が重いとみなされます。

サーバー・プール内の仮想化ホストが指定された時間のしきい値を超えると、自動ロード・バランシング・ポリシーにより、ゲストの一部を同じサーバー・プール内の他の仮想化ホストに移行しようとします。

仮想化ホストがしきい値内に十分収まっていて、使用量最小化ポリシーが選択されている場合、自動ロード・バランシング・ポリシーにより、管理者がサーバーを停止できるように、仮想化ホストをゲストから解放しようとします。

17.4 自動リカバリ

自動リカバリ・オプションは、サポートされているすべてのタイプの仮想化技術で使用できます。ゾーン、論理ドメインおよび仮想マシンの自動リカバリを有効化または無効化することができます。

この機能には、障害が発生したサーバーにアタッチされているゲストをリカバリするオプションが用意されています。リカバリされたゲストは、サーバー・プール内の他のサーバーで再起動されます。

仮想マシンの自動リカバリは、Oracle VM Managerによって管理されます。論理ドメインおよびゾーンの場合は、自動リカバリはOracle Enterprise Manager Ops Centerによって管理されます。

リカバリ・プロセス

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、アセットにデプロイされたエージェントとプロキシ・コントローラ間の接続を確認することにより、管理対象アセットを監視します。アセットへのアクセス不可を検出するには、約5分かかります。アクセス不可を検出するステップは、次のとおりです。

  1. ハートビートが3分間タイムアウトすると、接続不能であることをプロキシ・コントローラが検出できます。

  2. 再接続試行が30秒ごとに4回行われます。

接続を再確立できない場合、このアセットはOracle Enterprise Manager Ops Centerからアクセス不可であるとみなされます。

自動リカバリ・ジョブが開始されるのは、グローバル・ゾーンまたはOracle VM Server for SPARCが次の状態にある場合です。

自動リカバリが失敗した場合、ゾーンおよび論理ドメインを手動でリカバリすることもできます。手動リカバリの詳細は、「ゾーンのリカバリ」を参照してください。

自動リカバリ・オプションの詳細は、項「Oracle Solaris Zonesサーバー・プール」「Oracle VM Server for SPARCサーバー・プール」および「Oracle VM Server for x86サーバー・プール」を参照してください。

17.5 サーバー・プールのライブラリ

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、ソフトウェア・ライブラリを使用してISOイメージおよびゲスト・メタデータが格納されます。また、ゲストのオペレーティング・システムおよびゲストのデータ用のストレージ・ディスクの提供にもストレージ・ライブラリが使用されます。

サーバー・プール内の仮想化ホストでは、サーバー・プールに関連付けられたライブラリを共有します。サーバー・プールに関連付けることができるライブラリのタイプは、サーバー・プール内の仮想化ホストのタイプによって異なる他に、サーバー・プールのすべてのメンバーがストレージ・リソースにアクセスできるかどうかによっても異なります。

これらのライブラリの設定の詳細は、第6章「ストレージ・ライブラリ」および第5章「ソフトウェア・ライブラリ」を参照してください。

17.6 サーバー・プールのネットワーク

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、ファブリックやネットワークなどのネットワーキング・コンポーネントに関連するグループをネットワーク・ドメインとして提供します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerで管理および宣言されるネットワークはすべてデフォルトのネットワーク・ドメインに含まれています。仮想化ホストまたはサーバー・プールのデフォルトのネットワーク・ドメインへの関連付けには、ファブリック接続は必要ありません。デフォルトのネットワーク・ドメイン内のすべてのネットワークが有効で、サーバー・プールにアタッチされます。

また、ネットワーク・ドメインを作成することもできます。サーバー・プールをユーザー定義のネットワーク・ドメインに関連付けるには、プール内の各サーバーの物理インタフェースとネットワーク・ドメイン内の各ファブリックを接続する必要があります。新規ネットワーク・ドメインに割り当てられたネットワークのみが有効で、サーバー・プールに接続されます。

サーバー・プールにアタッチする必要があるネットワークおよびネットワーク・ドメインを計画します。ネットワーク・ドメインおよび管理対象ネットワークの作成の詳細は、第7章「ネットワーク」を参照してください。

17.7 Oracle VM Server for SPARCサーバー・プール

Oracle VM Server for SPARCのリソースをプールし、論理ドメインを管理できます。Oracle VM Servers for SPARCをサーバー・プールに追加するには、次の要件を満たす必要があります。

17.7.1 サーバー・プールのポリシー

Oracle VM Server for SPARCに適用できるサーバー・プールのポリシーは、次のとおりです。

  • 配置ポリシー

    CPU使用率のしきい値を設定します。相対負荷が最小のOracle VM Server for SPARCに論理ドメインを配置します。

    CPUおよびメモリー割当てのしきい値を設定します。CPUおよびメモリー・リソースの割当てが最小のOracle VM Server for SPARCに論理ドメインを配置します。

    CPU使用率のしきい値を設定します。最小数のOracle VM Serverに論理ドメインを配置することにより、使用量を最小限に抑えます。

  • 自動バランシング

    自動ロード・バランシングを設定します。論理ドメインは、しきい値を超えた場合は常にサーバー・プール内に自動的に移行されます。自動ロード・バランシングは、一定の時間間隔で行われるようにスケジュールします。

    使用量の最小化および自動ロード・バランシング・ポリシーを選択したときに、サーバー・プール内のサーバーがオーバーロードしていない場合、一部のOracle VM Serverのホスト・サーバーは、論理ドメインから解放され、使用量を最小限に抑えるために停止されます。

    論理ドメインの移行に管理者の承認が必要かどうかを設定します。

17.7.2 自動リカバリ

論理ドメインの自動リカバリは、次のシナリオで有効化できます。

  • 論理ドメインの作成時に、自動リカバリ・オプションを有効化し、リカバリの優先度の値を設定できます。論理ドメイン・プロファイルの作成時におけるリカバリの優先度の設定の詳細は、「論理ドメイン・プロファイルの作成」を参照してください。

  • 既存の論理ドメインの場合、「Enable Automatic Recovery」および「Disable Automatic Recovery」オプションを使用して、自動リカバリを設定します。また、論理ドメインの属性を編集し、リカバリの優先度の値を設定することもできます。詳細は、「論理ドメインの自動リカバリの有効化」を参照してください。

Oracle VM Server for SPARCサーバー・プールでは、障害が発生したサーバーを停止して論理ドメインをリカバリするオプションはデフォルトで有効化されています。サーバーに障害が発生すると、障害が発生したサーバーを停止して、サーバーが停止したことが確認されてから、論理ドメインの自動リカバリが開始されます。自動リカバリが構成されている論理ドメインは、サーバー・プール内の他のサーバーでリカバリおよび再起動されます。

障害が発生したサーバーを停止するオプションが有効化されていて、障害が発生したサーバーをOracle Enterprise Manager Ops Centerでは停止できない(つまり、サービス・プロセッサにもアクセスできない)場合、論理ドメインの自動リカバリは行われません。これは、論理ドメインのリカバリ・プロセス中にデータが破損する可能性を避けるための処置です。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって障害が発生したサーバーにアクセスできないことが検出されると、サーバー内で実行されていた論理ドメインは、サーバー・プール内の他のサーバーにリカバリされるまではUIの「Navigation」ペインに表示されなくなります。

論理ドメインのメタデータは、表示されていなくてもストレージ・ライブラリ内に存在します。自動リカバリが構成されていない論理ドメインや、リカバリできない論理ドメインは、次のシナリオでUIに再び表示されます。

  • 障害が発生したサーバーが再起動されると、論理ドメインがブートされ、サーバーに再度アタッチされます。

  • 手動リカバリ手順に従い、障害が発生したサーバーをOracle Enterprise Manager Ops Centerから削除した場合、これらの論理ドメインは、「Server Pool」の「Shutdown Guests」リストに再び表示されます。これらは、サーバー・プール内の他のサーバーで起動できます。論理ドメインのリカバリの詳細は、「論理ドメインのリカバリ」を参照してください。

次の表は、論理ドメインのリカバリに関して存在する各種条件のクイック・ビューを示します。

表17-2 論理ドメインのリカバリ


条件 結果

論理ドメイン

  • Oracle VM Server for SPARCで障害が発生しました。

  • 自動リカバリ時に障害が発生したサーバーを停止するためのサーバー・プールのオプションが有効です。

  • Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、障害が発生したサーバーを停止できます。

  • 論理ドメインに対する自動リカバリが有効です。

論理ドメインは再起動され、サーバー・プール内の別のサーバーに配置されます。

サーバー・プール内に使用可能なサーバーがない場合、論理ドメインを手動でリカバリする必要があります。

詳細は、「論理ドメインのリカバリ」を参照してください。

論理ドメイン

  • Oracle VM Server for SPARCで障害が発生しました。

  • 自動リカバリ時に障害が発生したサーバーを停止するためのサーバー・プールのオプションが有効です。

  • Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、障害が発生したサーバーを停止できません。

  • 論理ドメインに対する自動リカバリが有効です。

論理ドメインの自動リカバリは行われません。

これは、リカバリ手順でのデータの破損を避けるための処置です。

論理ドメインは手動でリカバリする必要があります。

論理ドメイン

  • Oracle VM Server for SPARCで障害が発生しました。

  • 自動リカバリ時に障害が発生したサーバーを停止するためのサーバー・プールのオプションが無効です。

プロセッサから障害が発生したサーバーを停止しなくても、自動的にリカバリするように構成された論理ドメインのリカバリが開始されます。

この結果、ネットワークの観点からは障害が発生したサーバーが単に分離されただけで、論理ドメインによるディスクへの書込みが続いている場合、データが破損する可能性があります。

論理ドメイン

  • Oracle VM Server for SPARCで障害が発生しました。

  • 論理ドメインに対する自動リカバリが無効です。

「論理ドメインのリカバリ」の手順に従い、論理ドメインをリカバリします。この作業をした後にのみ、論理ドメインがUIの「Shutdown Guests」リストに表示されます。これらは、サーバー・プール内の使用可能なサーバーで再起動できます。


17.7.3 Oracle VM Server for SPARCサーバー・プールの作成

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、サーバー、ストレージおよびネットワーク・リソース、およびサーバー・プールを作成するための配置ポリシーに関する情報を収集するウィザードが起動されます。

Oracle VM Server for SPARCサーバー・プールの作成の手順

  1. 「Navigation」ペインの「Systems Group」リスト内の「Server Pools」を選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Create Server Pool」をクリックします。

    Create Server Poolウィザードが表示されます。

  3. 「Identify Server Pool」ステップで、次の情報を入力します。

    • サーバー・プールの名前および説明。

    • サーバー・プールを分類するためのタグを入力します。

    • 「Virtualization Technology」からOracle VM Server for SPARCを選択します。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールのメンバーを選択します。

  4. サーバー・プールに追加するOracle VM Serverを1つ以上選択します。

    表示されたOracle VM Serverのリストには、次の特性があります。

    • サーバー・プールに関連付けられていません。

    • 正常な状態にあります。

    • メンテナンス・モードに配置されていません。

    • 実行状態、停止状態または一時停止状態の論理ドメインがありません。

    リストには、Oracle VM ServerのCPU周波数、タイプおよびアーキテクチャに関する詳細が表示されます。論理ドメインの移行用として互換性があるOracle VM Serverを選択します。

    「Next」をクリックし、ネットワーク・ドメインを関連付けます。

  5. サーバー・プールに関連付けるネットワーク・ドメインを選択します。

    • デフォルトのネットワーク・ドメインを選択した場合、ステップ8に進みます。

    • ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、ネットワーク・ドメイン内の各ファブリックに接続するためにサーバーごとに物理インタフェースを選択します。インタフェースを結合しない場合、ステップ8に進みます。

  6. サーバーのインタフェースを単一の論理リンクに結合できます。この集約は、標準IEEE 802.3adリンク集約に従って行われます。「Physical Interface」列で「Bond Interface」を選択します。結合IDが提供されます。集約用の物理インタフェースを選択します。

    「Next」をクリックし、結合パラメータを構成します。

  7. 「Configure Bonding」ステップで、リンク集約に関する次のパラメータを指定します。

    • ロード・バランシング・ポリシー。

    • LACPモード。物理インタフェースが接続するイーサネット・スイッチが集約をサポートしている場合、LACPモードを指定します。

    • LACPタイマー。

    • MACアドレス・ポリシーおよびMACアドレスを指定します。

    「next」をクリックし、ネットワークを選択し、サーバー・プールに関連付けます。

  8. デフォルトのネットワーク・ドメインの場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで宣言および管理されているネットワークがすべてリストされます。ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、これに関連付けられたネットワークのみがリストされます。

    サーバー・プール内のすべてのサーバーに関連付けるネットワークを選択します。1つのネットワークに対して複数の接続を確立できます。接続の合計数を入力します。ネットワーク接続ごとに、仮想スイッチが作成されます。論理ドメインの移行に使用するネットワークを選択します。

    「Next」をクリックし、サーバーのインタフェースを構成します。

  9. ネットワーク接続ごとに、接続の詳細を指定します。

    • ネットワーク接続ごとにNICおよびIPアドレスを指定します。選択したサーバーがネットワークに接続されている場合、このサーバーの行は表示されません。

      ネットワークごとにVLAN IDが異なる場合、異なるネットワーク接続に対して同じNICを割り当てることができます。

    • システムで自動的に割り当てるNICおよびIPアドレスに対して「System Allocated」を選択できます。

    • ネットワーク接続用のIPアドレスを割り当てない場合、「Do Not Allocate IP」を選択できます。

    「Next」をクリックし、ストレージ・ライブラリを関連付けます。

  10. 選択したプールのメンバーからアクセスできるストレージ・ライブラリが表示されます。論理ドメイン・メタデータおよびISOイメージを格納するために、および論理ドメインの仮想ディスクにも、ストレージ・ライブラリが必要です。

    次のタイプのストレージ・ライブラリを選択できます。

    • Filesystem Storage Libraries: これには、NASストレージ・ライブラリが含まれます。論理ドメイン・メタデータを格納するためにNASストレージ・ライブラリを少なくとも1つ使用することをお薦めします。

    • Block Storage Libraries: これには、静的ブロック・ストレージおよび動的ブロック・ストレージが含まれます。静的ブロック・ストレージ・ライブラリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって管理されないストレージ・アレイのエクスポート済LUNで構成されています。動的ブロック・ストレージ・ライブラリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで検出されて管理されているストレージ・アレイ・サーバーのエクスポート済LUNで構成されています。

    サーバー・プール内のすべての仮想化ホストに関連付けるストレージ・ライブラリをリストから選択します。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールのポリシーを選択します。

  11. サーバー・プール内で十分に使用されていないサーバーおよび過剰に使用されているサーバーを管理するために、プール内で次のポリシーを選択します。

    • Placement Policy: このポリシーでは、論理ドメインを配置するために、サーバー・プール内の優先仮想化ホストを決定します。

    • Auto Balancing Policy: このポリシーでは、設定された間隔でサーバー・プールのロード・バランシングを自動的に実行します。

  12. 次の配置ポリシーのいずれかを選択します。

    • Lowest relative load: サーバー・プール内のOracle VM ServerのメモリーおよびCPUの最近の最小使用率が計算されます。相対負荷が最小のサーバーが論理ドメインの配置先として検討されます。CPU使用率のしきい値を指定します。この値を超えると、サーバーが過剰に使用されているとみなされ、相対負荷が最小のサーバーに論理ドメインが移行されます。

    • Lowest allocated CPU and memory resources: Oracle VM Server内のすべての論理ドメインに割り当てられている仮想CPUおよびメモリー・リソースの合計数が計算されます。割り当てられているリソースが最低のサーバーが、プール内の論理ドメインの配置先として検討されます。CPUおよびメモリー割当てのしきい値を指定します。割当てを超えると、サーバーに過剰に割り当てられているとみなされ、割り当てられているCPUおよびメモリー・リソースが最低のサーバーに論理ドメインが移行されます。

    • Minimize power consumption: サーバー・プール内で実行されている論理ドメインを最小数のOracle VM Serverに配置し、未使用のOracle VM Serverを停止します。サーバーの過剰使用に関して設定されたしきい値により、サーバーがオーバーロードしなくなります。

  13. 自動ロード・バランシングのポリシーを選択します。

    • 自動ロード・バランシングを選択し、リソース・バランシングのためにサーバー・プールのチェックが必要な間隔を設定します。論理ドメインを自動的に移行するための承認を設定できます。または、承認に関する通知を送信します。

    • リソースの手動バランシングを選択することもできます。詳細は、「リソースのバランシング」を参照してください。

  14. 自動リカバリの場合、障害が発生したサーバーを停止してから論理ドメインの自動リカバリを開始する必要があるかどうかを指定できます。

    障害が発生したサーバーのサービス・プロセッサを停止する機能がOracle Enterprise Manager Ops Centerにあり、自動リカバリ・オプションを選択している場合、障害が発生したサーバーは停止され、論理ドメインのリカバリが開始されます。

    Oracle Enterprise Manager Ops Centerで障害が発生したサーバーを停止できない場合は、アタッチされた論理ドメインのリカバリは行われません。これは、リカバリ手順でのデータの破損を避けるための処置です。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールの詳細のサマリーを表示します。

  15. 情報を確認し、Oracle VM Server for SPARCのサーバー・プールを作成します。「Finish」をクリックし、サーバー・プールを作成します。

17.8 Oracle Solaris Zonesサーバー・プール

ここでは、Oracle Solaris Zonesリソースをプールし、ゾーンを管理できます。Oracle Solaris Zonesをサーバー・プールに追加するには、次の要件を満たす必要があります。

17.8.1 サーバー・プール内のIPスタック

ゾーンのサーバー・プールのネットワーク・デプロイメント方法は、Oracle Solaris OSバージョンによって異なります。

スタンドアロンOracle Solaris 10 OSの場合、ネットワークに共有IPまたは排他IPモードでアタッチできます。一方、サーバー・プール内では、Oracle Solaris 10 OSのネットワークは共有IPモードでのみアタッチできます。1つのネットワークに対して複数の接続を確立することはできません。

Oracle Solaris 11 OSの場合、ネットワークは常に排他IPモードでアタッチされます。また、サーバー・プール内でも、Oracle Solaris 11 OSのネットワークは常に排他IPモードでデプロイされます。1つのネットワークに対して複数の接続を確立できます。

Oracle Solaris 10および11 OSが混在するサーバー・プールを使用する場合、1つのネットワークに対して複数の接続を確立することはできません。このため、互換性のあるOracle Solaris OSバージョンを使用してサーバー・プールを計画してください。

17.8.2 サーバー・プールのポリシー

Oracle Solaris Zonesに適用できるサーバー・プールのポリシーは、次のとおりです。

  • 配置ポリシー

    相対負荷の最も少ないグローバル・ゾーンにこれらのゾーンを配置します。CPU使用率のしきい値を設定します。

    CPUおよびメモリー・リソースの割当てが最も少ないグローバル・ゾーンにこれらのゾーンを配置します。CPUおよびメモリー割当てのしきい値を設定します。

    最小数のグローバル・ゾーンにゾーンを配置することにより、使用量を最小限に抑えます。CPU使用率のしきい値を設定します。

  • 自動バランシング

    自動ロード・バランシングを選択することにより、しきい値を超えた場合は常にゾーンをサーバー・プール内で自動的に移行できるようにします。自動ロード・バランシングは、一定の時間間隔で行われるようにスケジュールできます。

    使用量の最小化および自動ロード・バランシング・ポリシーを選択したときに、サーバー・プール内のサーバーがオーバーロードしていない場合、一部のサーバーはゾーンから解放され、使用量を最小限に抑えるために停止されます。

    ゾーンを移行するために管理者による承認が必要かどうかを設定できます。

  • 自動リカバリ

    ゾーンの自動リカバリは、次のシナリオで設定できます。

    • ゾーンの作成時に、ゾーンの自動リカバリを有効にすることができます。リカバリの優先度の値を設定できます。優先度の最も高いゾーンが最初に移行されます。

    • 既存のゾーンの場合、「Enable Automatic Recovery」および「Disable Automatic Recovery」オプションを使用して、自動リカバリを設定します。ゾーン構成を編集し、リカバリの優先度の値を変更できます。

    Oracle Solaris Zonesサーバー・プールでは、障害が発生したサーバーを停止してからこのサーバーの自動リカバリを開始するように指定し、サーバーが停止したことが確認されてからゾーンの自動リカバリを開始するようにできます。

17.8.3 ゾーンのサーバー・プールの作成

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、ゾーンのサーバー・プールを作成するための情報を収集する一連のステップを実行します。

  1. 「Navigation」ペインの「Systems Group」リスト内の「Server Pool」を選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Create Server Pool」をクリックします。

    Create Server Poolウィザードが表示されます。

  3. 「Identify Server Pool」ステップで、次の情報を入力します。

    • サーバー・プールの名前および説明。

    • サーバー・プールを分類するためのタグを入力します。

    • 「Virtualization Technology」からOracle Solaris ZonesとしてSPARCまたはx86を選択します。

      SPARCとx86のアーキテクチャが混在するゾーンのサーバー・プールを使用することはできません。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールのメンバーを選択します。

  4. サーバー・プールに追加するグローバル・ゾーンを1つ以上選択します。

    表示されるグローバル・ゾーンのリストには、次の特性があります。

    • 同じアーキテクチャ: SPARCまたはx86。

    • Oracle Solaris 10 10/08 OS以上のバージョン。

    • サーバー・プールに関連付けられていません。

    • 正常な状態にあります。

    • メンテナンス・モードに配置されていません。

    リストには、CPUアーキテクチャやOSバージョンなどのグローバル・ゾーンの詳細が表示されます。プール内のゾーンの移行用として互換性があるグローバル・ゾーンを選択します。

    「Next」をクリックし、ネットワーク・ドメインを関連付けます。

  5. サーバー・プールに関連付けるネットワーク・ドメインを選択します。

    • デフォルトのネットワーク・ドメインを選択した場合、ステップ8に進みます。

    • ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、ネットワーク・ドメイン内の各ファブリックに接続するために選択したサーバーごとに物理インタフェースを選択します。インタフェースを結合しない場合、ステップ8に進みます。

  6. サーバーのインタフェースを単一の論理リンクに結合できます。この集約は、標準IEEE 802.3adリンク集約に従って行われます。「Physical Interface」列で「Bond Interface」を選択します。結合IDが提供されます。集約用の物理インタフェースを選択します。

    「Next」をクリックし、結合パラメータを構成します。

  7. 「Configure Bonding」ステップで、リンク集約に関する次のパラメータを指定します。

    • ロード・バランシング・ポリシー。

    • LACPモード。物理インタフェースが接続するイーサネット・スイッチが集約をサポートしている場合、LACPモードを指定します。

    • LACPタイマー。

    • MACアドレス・ポリシーおよびMACアドレスを指定します。

    「next」をクリックし、ネットワークを選択し、サーバー・プールに関連付けます。

  8. デフォルトのネットワーク・ドメインの場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで宣言および管理されているネットワークがすべてリストされます。ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、これに関連付けられたネットワークのみがリストされます。

    サーバー・プール内のすべてのグローバル・ゾーンに関連付けるネットワークを選択します。サーバー・プールに対して選択したOracle Solaris OSバージョンに応じて、1つのネットワークに対して複数の接続を確立できます。ゾーンのサーバー・プール内のネットワークのIPスタック・モードの詳細は、「サーバー・プール内のIPスタック」を参照してください。

    接続の合計数を入力し、「Next」をクリックして、サーバーのインタフェースを構成します。

  9. ネットワーク接続ごとに、接続の詳細を指定します。

    • ネットワーク接続ごとにNICおよびIPアドレスを指定します。選択したサーバーがネットワークに接続されている場合、このサーバーの行は表示されません。

      ネットワークごとにVLAN IDが異なる場合、異なるネットワーク接続に対して同じNICを割り当てることができます。

    • ネットワークによってサポートされている場合、システムによって自動的に割り当てられるNICおよびIPアドレスに対して「System Allocated」を選択できます。

    • ネットワーク接続用のIPアドレスを割り当てない場合、「Do Not Allocate IP」を選択できます。

    「Next」をクリックし、ストレージ・ライブラリを関連付けます。

  10. 選択したプールのメンバーからアクセスできるストレージ・ライブラリが表示されます。ゾーン・メタデータおよびISOイメージを格納するために、およびゾーンの仮想ディスクにも、ストレージ・ライブラリが必要です。

    次のタイプのストレージ・ライブラリを選択できます。

    • Filesystem Storage Libraries: これには、NASストレージ・ライブラリが含まれます。ゾーン・メタデータを格納するためにNASストレージ・ライブラリを少なくとも1つ使用することをお薦めします。

    • Block Storage Libraries: これには、静的ブロック・ストレージおよび動的ブロック・ストレージが含まれます。静的ブロック・ストレージ・ライブラリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって管理されないストレージ・アレイのエクスポート済LUNで構成されています。動的ブロック・ストレージ・ライブラリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで検出されて管理されているストレージ・アレイ・サーバーのエクスポート済LUNで構成されています。

    サーバー・プール内のすべての仮想化ホストに関連付けるストレージ・ライブラリをリストから選択します。


    注意:

    非グローバル・ゾーンに管理対象外ストレージをアタッチしている場合、サーバー・プール内のすべてのグローバル・ゾーンに配置されたスクリプトをアップロードしてください。管理対象外ストレージと一緒にゾーンを移行する方法の詳細は、「依存関係のあるゾーンを移行するためのスクリプト」を参照してください。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールのポリシーを選択します。

  11. サーバー・プール内で十分に使用されていないサーバーおよび過剰に使用されているサーバーを管理するために、プール内で次のポリシーを選択する必要があります。

    • Placement Policy: このポリシーでは、ゾーンを配置するために、サーバー・プール内の優先仮想化ホストを決定します。

    • Auto Balancing Policy: このポリシーでは、設定された間隔でサーバー・プールのロード・バランシングを自動的に実行します。

  12. 次の配置ポリシーのいずれかを選択します。

    • Lowest relative load: サーバー・プール内のグローバル・ゾーンのメモリーおよびCPUの最近の最小使用率が計算されます。相対負荷が最小のサーバーがゾーンの配置先として検討されます。CPU使用率のしきい値を指定します。この値を超えると、サーバーが過剰に使用されているとみなされ、相対負荷のが最小のサーバーにゾーンが移行されます。

    • Lowest allocated CPU and memory resources: Oracle VM Server内のすべてのゾーンに割り当てられている仮想CPUおよびメモリー・リソースの合計数が計算されます。割り当てられているリソースが最低のサーバーがプール内のゾーンの配置先として検討されます。CPUおよびメモリー割当てのしきい値を指定します。割当てを超えると、サーバーに過剰に割り当てられているとみなされ、割り当てられているCPUおよびメモリー・リソースが最低のサーバーにゾーンが移行されます。

    • Minimize power consumption: サーバー・プール内で実行されているゾーンを最小数のグローバル・ゾーンに配置し、未使用のサーバーを停止します。サーバーの過剰使用に関して設定されたしきい値により、サーバーがオーバーロードしなくなります。それ以外の場合は、停止されているサーバーを起動して、ゾーンをホストします。

  13. 自動ロード・バランシングのポリシーを選択します。

    • 自動ロード・バランシングを選択し、リソース・バランシングのためにサーバー・プールのチェックが必要な間隔を設定します。ゾーンを自動的に移行するための承認を設定できます。または、承認に関する通知を送信します。

    • リソースの手動バランシングを選択することもできます。詳細は、「リソースのバランシング」を参照してください。

  14. 自動リカバリの場合、障害が発生したサーバーを停止してからゾーンの自動リカバリを開始する必要があるかどうかを指定できます。

    障害が発生したサーバーのサービス・プロセッサの電源をオフにする機能がOracle Enterprise Manager Ops Centerにあり、自動リカバリ・オプションを選択している場合、障害が発生したサーバーは停止され、ゾーンのリカバリが開始されます。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールの詳細のサマリーを表示します。

  15. 情報を確認し、Oracle Solaris Zonesのサーバー・プールを作成します。「Finish」をクリックし、サーバー・プールを作成します。

17.9 Oracle VM Server for x86サーバー・プール

1つ以上のOracle VM Serverを1つのOracle VM Managerにグループ化し、サーバー・プールを作成できます。Oracle VM Server for x86システムのサーバー・プールを作成する場合、次の情報が定義されている必要があります。

クラスタ・ファイルシステム

サーバー・プール・リソースに対する共有アクセスは、サーバー・プールのOracle VM Server内で動作する仮想マシンの高可用性を実現する上で必要不可欠です。これは、複数のOracle VM Serverによる同一ディスクへの同時アクセスを可能にするクラスタ・ファイルシステムOCFS2によって実現されます。OCFS2を使用すると、サーバー・プール内のOracle VM Serverが共有リポジトリ内のリソースを制御された方法でアクセスおよび変更できるようになります。

サーバー・プールを作成する場合、クラスタ・ハートビートおよび他のクラスタ情報のためにサーバー・プール・ファイルシステムを指定する必要があります。ファイルシステムは、NFSシェア、あるいはiSCSIまたはSANベースのストレージ・サーバーのLUNのどれでもかまいません。Oracle VMでは、サーバー・プール・ファイルシステムはOCFS2ファイルシステムとしてフォーマットされます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、クラスタは常にデフォルトで有効になっています。クラスタ構成はサーバー・プール内のすべてのOracle VM Serverに適用され、サーバー・プールの作成時にクラスタ・ハートビートが開始されます。このクラスタ・ハートビートには個別ネットワークを設定できます。ネットワークの設定およびOracle VM Serverに対するそのロールの詳細は、「ネットワークの管理」を参照してください。

サーバー・プール・マスター

1つのOracle VM Serverがサーバー・プール・マスターとして内部で選択されます。このロールをOracle VM Serverに対して設定することはできません。選択されたOracle VM Serverに障害が発生すると、このロールはサーバー・プール内の別のOracle VM Serverに設定されます。サーバー・プールの作成時に指定された仮想IPアドレスは、サーバー・プール・マスターとして選択されているOracle VM Serverに割り当てられます。

17.9.1 サーバー・プールのポリシー

Oracle VM Server for x86に適用できるサーバー・プールのポリシーは、次のとおりです。

  • 配置ポリシー

    相対負荷が最小のOracle VM Serverに仮想マシンを配置します。CPU使用率のしきい値を設定します。

    最小数のOracle VM Serverに仮想マシンを配置することにより、使用量を最小限に抑えます。CPU使用率のしきい値を設定します。

  • 自動バランシング

    自動ロード・バランシングを選択することにより、しきい値を超えた場合は常に仮想マシンをサーバー・プール内で自動的に移行できるようにします。

    Oracle VM Server for x86のサーバー・プールに対して自動ロード・バランシングを有効にすると、選択した配置ポリシーに対してサーバー・プールが継続的にチェックされます。しきい値を超えると、仮想マシンはOracle VM Server間で移行されます。

    使用量の最小化および自動ロード・バランシングのポリシーを選択したときに、サーバー・プール内のサーバーがオーバーロードしていない場合、一部のOracle VM Serverホスト・サーバーは、論理ドメインから解放され、使用量を最小限に抑えるために停止されます。

    サーバーがオーバーロードしており、仮想マシンをホストするための別のサーバーがプール内にない場合、負荷を引き受けるために、停止されたサーバーがWake-on-LAN機能を使用して起動され、仮想マシンのライブ移行が行われます。Wake-on-LAN機能はOracle VM ServerのBIOSで有効である必要があります。

  • 自動リカバリ

    Oracle VM Serverに障害が発生すると、仮想マシンはサーバー・プール内の別のOracle VM Serverに移行されます。仮想マシンの自動リカバリは、次のシナリオで設定します。

    • 仮想マシンの作成時に、「Enable High Availability」オプションを選択します。これにより、Oracle VM Serverに障害が発生したときに仮想マシンが移行されるようになります。

    • 既存の仮想マシンの場合、「Enable Automatic Recovery」および「Disable Automatic Recovery」オプションを使用して、自動リカバリを設定します。

17.9.2 Oracle VM Server for x86サーバー・プールの作成

次の手順は、Oracle VM Server for x86サーバー・プールを作成するために起動されるウィザード内のステップを示しています。

  1. 「Navigation」ペインの「Systems Group」リスト内の「Server Pool」を選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Create Server Pool」をクリックします。

    Create Server Poolウィザードが表示されます。

  3. 「Identify Server Pool」ステップで、次の情報を入力します。

    • サーバー・プールの名前および説明。

    • サーバー・プールを分類するためのタグを入力します。

    • 「Virtualization Technology」からOracle VM Server for x86を選択します。

    「Next」をクリックし、サーバー・プール構成を定義します。

  4. 次の構成詳細を定義します。

    • Oracle VM Serverが検出されて所有されているOracle VM Managerを選択します。

    • ネットワーク・ドメインを選択します。

    • ネットワーク・ドメイン内で使用可能なネットワークのリストからネットワークを選択します。

    • サーバー・プール・マスターに割り当てられている仮想IPアドレスを入力します。サーバー・プール・マスターが変更されると、IPアドレスは新規Oracle VM Serverに割り当てられます。

    • クラスタ・ハートビートおよび他のクラスタ情報を格納するためのサーバー・プール・ファイルシステムを選択します。ファイルシステムは、NFSファイル・サーバー上のNFSシェア、あるいはiSCSIまたはSANベースのストレージのLUNのどれでもかまいません。NFSファイル・サーバーおよびストレージ・サーバーは、選択したOracle VM Managerで認識されており、このマネージャにアクセスできます。

    「Next」をクリックし、プールのメンバーを選択します。

  5. サーバー・プールに追加するOracle VM Serverを1つ以上選択します。

    表示されたOracle VM Serverのリストには、次の特性があります。

    • Oracle VM Managerによって所有されています。Oracle VM Serverの所有の詳細は、「Oracle VM Serverの所有権の管理」を参照してください。

    • サーバー・プールに関連付けられていません。

    • 正常な状態にあります。

    • メンテナンス・モードに配置されていません。

    • 実行状態、停止状態または一時停止状態の仮想マシンがありません。

    仮想マシンの移行用として互換性があるOracle VM Serverを選択します。サーバー・プール内の仮想マシンを移行するには、Oracle VM Serverシステムがモデル内で同一である必要があります。

    「Next」をクリックし、ネットワーク・ドメインを関連付けます。

  6. サーバー・プールに関連付けるネットワーク・ドメインを選択します。

    • デフォルトのネットワーク・ドメインを選択した場合、ステップ7に進みます。

    • ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、ネットワーク・ドメイン内の各ファブリックに接続するために選択したサーバーごとに物理インタフェースを選択します。Oracle VM Server for x86でインタフェースを結合することはできません。結合は、Oracle VM Serverの個別OSでのみ実行できます。

    「next」をクリックし、ネットワークを選択し、サーバー・プールに関連付けます。

  7. デフォルトのネットワーク・ドメインの場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで宣言および管理されているネットワークがすべてリストされます。ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、これに関連付けられたネットワークのみがリストされます。

    サーバー・プール内のすべてのサーバーに関連付けるネットワークを選択します。1つのネットワークに対して複数の接続を確立することはできません。接続の数を1に制限します。

    「Next」をクリックし、サーバーのインタフェースを構成します。

  8. ネットワーク接続ごとに、次の詳細を指定します。

    • ネットワーク接続ごとにNICおよびIPアドレスを指定します。選択したサーバーがネットワークに接続されている場合、このサーバーの行は表示されません。

    • ネットワークごとにVLAN IDが異なる場合、異なるネットワーク接続に対して同じNICを割り当てることができます。

    • システムで自動的に割り当てるNICおよびIPアドレスに対して「System Allocated」を選択できます。

    「Next」をクリックし、ストレージ・ライブラリを関連付けます。

  9. 選択したプールのメンバーからアクセスできるストレージ・ライブラリが表示されます。仮想マシン・メタデータおよびISOイメージを格納するために、および仮想マシンの仮想ディスクにも、ストレージ・ライブラリが必要です。

    次のタイプのストレージ・ライブラリを選択できます。

    • Filesystem Storage Libraries: これには、Oracle VMストレージ・リポジトリが含まれます。少なくとも1つのOracle VMストレージ・リポジトリをサーバー・プールに関連付けることをお薦めします。

    • Block Storage Libraries: これには、静的ブロック・ストレージおよび動的ブロック・ストレージが含まれます。静的ブロック・ストレージ・ライブラリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって管理されないストレージ・アレイのエクスポート済LUNで構成されています。動的ブロック・ストレージ・ライブラリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerで検出されて管理されているストレージ・アレイ・サーバーのエクスポート済LUNで構成されています。

    サーバー・プール内のすべての仮想化ホストに関連付けるストレージ・ライブラリをリストから選択します。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールのポリシーを選択します。

  10. サーバー・プール内で十分に使用されていないサーバーおよび過剰に使用されているサーバーを管理するために、プール内で次のポリシーを選択する必要があります。

    • Placement Policy: このポリシーでは、論理ドメインを配置するために、サーバー・プール内の優先仮想化ホストを決定します。

    • Auto Balancing Policy: このポリシーでは、設定された間隔でサーバー・プールのロード・バランシングを自動的に実行します。

  11. 次の配置ポリシーのいずれかを選択します。

    • Lowest relative load: サーバー・プール内のOracle VM ServerのメモリーおよびCPUの最近の最小使用率が計算されます。相対負荷が最小のサーバーが仮想マシンの配置先として検討されます。CPU使用率のしきい値を指定します。この値を超えると、サーバーが過剰に使用されているとみなされ、相対負荷が最小のサーバーに仮想マシンが移行されます。

    • Minimize power consumption: サーバー・プール内で実行されている仮想マシンを最小数のOracle VM Serverに配置し、未使用のOracle VM Serverを停止します。サーバーの過剰使用に関して設定されたしきい値により、サーバーがオーバーロードしなくなります。それ以外の場合は、仮想マシンをホストするために、停止しているOracle VM Serverを起動できます。

  12. 自動ロード・バランシングのポリシーを選択します。

    • 自動ロード・バランシングを選択し、リソース・バランシングのためにサーバー・プールのチェックが必要な間隔を設定します。仮想マシンを自動的に移行するための承認を設定できます。または、承認に関する通知を送信します。

    • リソースの手動バランシングを選択することもできます。詳細は、「リソースのバランシング」を参照してください。

    「Next」をクリックし、サーバー・プールの詳細のサマリーを表示します。

  13. 情報を確認し、Oracle VM Server for x86のサーバー・プールを作成します。「Finish」をクリックし、サーバー・プールを作成します。

17.10 サーバー・プールの管理

サーバー・プールの要件を監視し、ゲストをホストして効率的に実行するためのリソースが確保されるようにする必要があります。また、サーバー・プールでは、仮想データ・センターのインフラストラクチャがサポートされます。ゲストを実行するには、ストレージおよびネットワーク・リソースを追加する必要があります。Oracle Enterprise Manager Ops Centerには、サーバー・プール内のリソースを管理するために次の管理機能が用意されています。

17.10.1 サーバー・プールのパラメータの編集

サーバー・プールの作成時に設定されたパラメータは変更できます。「Actions」ペインで「Edit Attributes」をクリックすると、サーバー・プールの次のパラメータを編集できます。

  • 名前

  • 説明

  • 配置ポリシーの変更

  • 自動バランシング・ポリシーの変更

サーバー・プールに追加されたタグを追加、削除または変更するには、「Actions」ペインの「Edit Tags」オプションを使用します。

Oracle Solaris ZonesおよびOracle VM Server for SPARCサーバー・プールの場合、次の追加パラメータを編集できます。

  • 自動リカバリの有効化または無効化オプション。

  • 管理対象外ストレージでファイルシステムを管理するためのスクリプトのアップロード。詳細は、「Oracle Solaris Zonesサーバー・プール」のステップ10を参照してください。

17.10.2 仮想化ホストの追加

サーバー・プール内の負荷を引き受けるためにより多くのCPUおよびメモリー・リソースが必要な場合、サーバー・プールに仮想化ホストを追加できます。仮想化タイプに応じて、x86およびSPARCアーキテクチャのグローバル・ゾーンとOracle VM Serverを追加できます。

Oracle Solaris Zones

サーバー・プールへの追加対象として表示されるグローバル・ゾーンのリストには、次の特性があります。

  • プール内の既存のグローバル・ゾーンと同じリリースか、少なくともOracle Solaris 10 10/08 OS以上のバージョンです。

  • サーバー・プールに関連付けられていません。

  • 正常な状態にあるとともに、メンテナンス・モードに配置されていません。

サーバー・プールにOracle Solaris 11 OSおよび複数のネットワーク接続がある場合、使用可能なグローバル・ゾーンのリストはOracle Solaris 11 OSのみに限定されます。Oracle Solaris 10 OSを追加することはできません。これは、このOSに対して複数の接続が確立できないためです。

サーバー・プール内でロード・バランシングを行うには、プール内でゾーンを移行する必要があります。したがって、メンバーの選択時にはプール内の移行の互換性を確認してください。

Oracle VM Server for SPARC

サーバー・プールへの追加対象として表示されるOracle VM Serverのリストには、次の特性があります。

  • サーバー・プールの他のメンバーとアーキテクチャに互換性があります。

  • サーバー・プールに関連付けられていません。

  • 正常な状態にあるとともに、メンテナンス・モードに配置されていません。

  • 実行状態、停止状態または一時停止状態の論理ドメインがありません。

Oracle VM Server for x86

サーバー・プールへの追加対象として表示されるOracle VM Serverのリストには、次の特性があります。

  • Oracle VM Managerによって所有されています。

  • サーバー・プールに関連付けられていません。

  • 正常な状態にあるとともに、メンテナンス・モードに配置されていません。

  • 実行状態、停止状態または一時停止状態の仮想マシンがありません。

サーバー・プールへの仮想化ホストの追加の手順

  1. サーバー・プールを選択し、「Actions」ペインで「Add Global Zones」または「Add Oracle VM Servers」をクリックします。

    Add Virtualization Host to Server Poolウィザードが表示されます。

  2. サーバー・プールに追加する仮想化ホストを1つ以上選択します。

    サーバー・プールがデフォルトのネットワーク・ドメインに関連付けられている場合、インタフェースの構成に進む必要があります。それ以外の場合は、選択したアセットにネットワーク・ドメインを関連付ける必要があります。

  3. ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、ネットワーク・ドメイン内の各ファブリックに接続するために選択したサーバーごとに物理インタフェースを選択します。インタフェースを結合しない場合、ステップ6に進みます。Oracle VM Server for x86の場合、インタフェースを結合できないため、ステップ6に進みます。

  4. サーバーのインタフェースを単一の論理リンクに結合できます。この集約は、標準IEEE 802.3adリンク集約に従って行われます。「Physical Interface」列で「Bond Interface」を選択します。結合IDが提供されます。集約用の物理インタフェースを選択します。

    「Next」をクリックし、結合パラメータを構成します。

  5. 「Configure Bonding」ステップで、リンク集約に関する次のパラメータを指定します。

    • ロード・バランシング・ポリシー。

    • LACPモード。物理インタフェースが接続するイーサネット・スイッチが集約をサポートしている場合、LACPモードを指定します。

    • LACPタイマー。

    • MACアドレス・ポリシーおよびMACアドレスを指定します。

    「next」をクリックし、ネットワーク接続を定義します。

  6. ネットワーク接続ごとに、次の詳細を指定します。

    • ネットワーク接続ごとにNICおよびIPアドレスを指定します。選択したサーバーがネットワークに接続されている場合、このサーバーの行は表示されません。

      ネットワークごとにVLAN IDが異なる場合、異なるネットワーク接続に対して同じNICを割り当てることができます。

    • システムで自動的に割り当てるNICおよびIPアドレスに対して「System Allocated」を選択できます。

    「Next」をクリックし、サマリーを表示します。

  7. 表示された情報を確認したら、「Finish」をクリックして、選択したアセットをサーバー・プールに追加します。

17.10.3 ネットワーク・ドメインの関連付け

サーバー・プールに関連付けられたネットワーク・ドメイン内のすべてのネットワークは、サーバー・プールのメンバーに対して使用可能です。ユーザー定義のネットワーク・ドメインをサーバー・プールに関連付けるには、仮想化サーバーとネットワーク・ドメイン内のファブリック間の接続が必要です。デフォルトのネットワーク・ドメインにはファブリック接続は必要ありません。

デフォルトのネットワーク・ドメインには、Oracle Enterprise Manager Ops Center内のすべてのネットワークが含まれます。デフォルトのネットワーク・ドメインにサーバー・プールを関連付けると、Oracle Enterprise Manager Ops Center内のすべてのネットワークをサーバー・プールにアタッチできるようになります。

ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、ネットワーク・ドメイン内の各ファブリックに接続するためにサーバー・プール内の仮想化サーバーごとに物理インタフェースを定義する必要があります。また、仮想化サーバーのインタフェースを結合することもできます。


注意:

Oracle VM Server for x86サーバーのインタフェースを結合することはできません。

サーバー・プールへのネットワーク・ドメインの関連付けの手順

  1. サーバー・プールを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Associate Network Domain」をクリックします。

    Associate Network Domainウィザードが表示されます。

  3. リストからネットワーク・ドメインを選択します。

  4. ユーザー定義のネットワーク・ドメインの場合、ネットワーク・ドメイン内の各ファブリックに接続するために選択したサーバーごとに物理インタフェースを選択します。インタフェースを結合しない場合、ステップ7に進みます。Oracle VM Server for x86の場合、インタフェースを結合できないため、ステップ7に進みます。

    デフォルトのネットワーク・ドメインの場合、「Summary」ステップに進みます。

  5. サーバーのインタフェースを単一の論理リンクに結合できます。この集約は、標準IEEE 802.3adリンク集約に従って行われます。「Physical Interface」列で「Bond Interface」を選択します。結合IDが提供されます。集約用の物理インタフェースを選択します。

    「Next」をクリックし、結合を構成します。

  6. 「Configure Bonding」ステップで、リンク集約に関する次のパラメータを指定します。

    • ロード・バランシング・ポリシー。

    • LACPモード。物理インタフェースが接続するイーサネット・スイッチが集約をサポートしている場合、LACPモードを指定します。

    • LACPタイマー。

    • MACアドレス・ポリシーおよびMACアドレスを指定します。

    「next」をクリックし、サマリーを表示します。

  7. 情報を確認したら、「Finish」をクリックして、ネットワーク・ドメインをサーバー・プールに関連付けます。

ユーザー定義のネットワーク・ドメインに関連付ける場合、サーバー・プールにアタッチできるのは、ネットワーク・ドメイン内に割り当てられているネットワークのみです。したがって、サーバー・プールにアタッチするために必要なネットワークをドメインに割り当てるようにしてください。

17.10.4 ネットワークのアタッチ

ネットワーク・ドメインがサーバー・プールに関連付けられた後、ネットワーク・ドメイン内のネットワークをアタッチできます。仮想化のタイプに応じて、1つのネットワークに対して複数の接続を確立できます。

Oracle VM Server for SPARCの場合、1つのネットワークに対して複数の接続を確立できます。詳細は、第16章「Oracle VM Server for x86」を参照してください。

Oracle Solaris Zonesの場合、サーバー・プールにOracle Solaris 11 OSのみが含まれるときに、1つのネットワークに対して複数の接続を確立できます。Oracle Solaris 10 OSの場合、1つの接続のみを確立できます。また、サーバー・プールでOracle Solaris 10および11 OSが混在している場合も、1つの接続のみを確立できます。

サーバー・プールへのネットワークのアタッチの手順

  1. サーバー・プールを選択します。

  2. 「Action」ペインで「Attach Networks」をクリックします。

    Attach Networkウィザードが表示されます。ネットワーク・ドメインに割り当てられているネットワークがすべてリストされます。デフォルトのネットワーク・ドメインの場合、ネットワークがすべてリストされます。表には、サーバー・プールとの既存の接続数も表示されます。

  3. サーバー・プールにアタッチするネットワークを1つ以上選択します。

    「Next」をクリックし、接続数を指定します。

  4. 仮想化タイプごとに必要な接続の合計数を入力します。

    • Oracle VM Server for SPARCの場合、複数の接続を入力できます。ネットワーク接続ごとに、仮想スイッチが作成されます。仮想スイッチごとに物理インタフェースが必要です。これらの仮想スイッチは論理ドメインに割り当てます。

    • Oracle VM Server for x86の場合、ネットワークごとに1つの接続のみを入力できます。複数の接続を確立することはできません。

    • Oracle Solaris Zonesの場合、Oracle Solaris OSバージョンが重要な役割を果します。Oracle Solaris 10 OSの場合、ネットワークは常に共有IPモードでデプロイされます。複数の接続を確立することはできません。Oracle Solaris 11 OSの場合、ネットワークは常に排他IPモードでデプロイされます。ネットワークに対して複数の接続を確立できます。ネットワーク接続ごとに、ゾーンのブート時にVNICが作成されます。Oracle Solaris 10および11 OSが混在するサーバー・プールの場合、ネットワーク接続は1つの接続に限定されます。


    注意:

    接続の数により、ネットワークに接続されるゲストの数が限定されることはありません。

    「Next」をクリックし、インタフェースを構成します。

  5. ネットワークに仮想化ホストの1つが接続されている場合、このホストのネットワーク構成に対応する行は表示されません。それ以外の場合、接続ごとに情報を指定します。

    • 接続ごとにNICおよびIPアドレスを指定します。

      ネットワークごとにVLAN IDが異なる場合、異なるネットワーク接続に対して同じNICを割り当てることができます。

    • システムによってNICおよびIPアドレス割当てが管理されるように「System Allocated」を使用します。

    • ゾーンおよびOracle VM Server for SPARCに対して使用可能な「Do Not Allocate IP」を使用します。IPアドレスを指定せずにネットワークに接続できます。

    「Next」をクリックし、情報のサマリーを表示します。

  6. 表示された情報を確認したら、「Finish」をクリックして、ネットワークをサーバー・プールにアタッチします。

正しい情報が指定されていることを確認します。そうでない場合、ネットワークのアタッチ・ジョブは失敗します。

17.10.5 ライブラリの関連付け

サーバー・プールには次のタイプのストレージ・ライブラリを関連付けることができます。

表17-3 サポートされているライブラリ


Oracle VMストレージ・リポジトリ NASライブラリ SANファイバ・チャネル・ライブラリ SAN iSCSIライブラリ

Oracle VM Server for SPARC

いいえ

はい

はい

はい

Oracle VM Server for x86

はい

はい

はい

はい

Oracle Solaris Zones

いいえ

はい

はい

はい


サーバー・プールにライブラリを関連付けると、サーバー・プール内の仮想化ホストからアクセスできるライブラリのみがリストされます。ライブラリのタイプに応じて、仮想ディスクまたはLUNをゲストのストレージに提供します。

ストレージ・ライブラリの関連付けの手順

  1. サーバー・プールを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Associate Libraries」をクリックします。

    「Associate Library」ウィンドウが表示されます。

  3. サーバー・プール内の仮想化ホストからアクセスできるストレージ・ライブラリがリストされます。サーバー・プールに関連付けるライブラリを選択します。リストから1つ以上のストレージ・ライブラリを選択できます。

  4. 「Associate Libraries」をクリックし、選択したライブラリをサーバー・プールに関連付けます。

17.10.6 ゲストの作成

ゲストとは、仮想化ホスト内に作成できる論理ドメイン、ゾーンまたは仮想マシンを表します。サーバー・プールの仮想化タイプに応じて、次のオプションが用意されています。

  • Oracle VM Server for SPARC: 論理ドメインの作成

  • Oracle Solaris Zones: ゾーンの作成

  • Oracle VM Server for x86: 仮想マシンの作成

これらのオプションにより、対応するゲストのデプロイメント計画がトリガーされます。ゲストのプロファイルおよび計画作成の詳細は、次の章を参照してください。

17.10.7 複数のゲストの移行

サーバー・プール内に仮想化ホストを配置すると、1つ以上のゲストを移行するためのオプションが有効化されます。仮想化ホストに対しては次のオプションが使用可能になります。

17.10.8 ゾーンの移行

サーバー・プール内にあるグローバル・ゾーンから複数のゾーンを移行できます。ゾーンを個別グローバル・ゾーンに移行することも、他のゾーンのサーバー・プールに移行することもできます。ゾーンを移行する場合、ソース・グローバル・ゾーンとターゲット・グローバル・ゾーンに互換性がある必要があります。ターゲット・グローバル・ゾーンには、次の特性が必要です。

  • 少なくともOracle Solaris 10 8/07 OSが実行されていること。

  • ゾーンに関連付けられたすべてのストレージ・ライブラリにアクセスできること。

互換性とは別に、ソース・グローバル・ゾーンとターゲット・グローバル・ゾーンでは、これらにインストールされるパッチおよびパッケージが異なる可能性があります。ターゲット・グローバル・ゾーンのパッチおよびパッケージが一致するようにゾーンを更新することを選択できます。


注意:

ゾーンのパッチおよびパッケージをダウングレードすることはできません。このようなシナリオの場合、移行は失敗します。

また、パッチおよびパッケージを更新せずにゾーンの移行を強制することもできます。ゾーンの移行時に更新オプションを選択します。

複数のゾーンの移行の手順

  1. ゾーンの移行元のグローバル・ゾーンを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Migrate Zones」をクリックします。

    Migrate Zonesウィザードが表示されます。

  3. リストには、グローバル・ゾーンで実行されているゾーンが含まれます。リストから1つ以上のゾーンを選択します。

    「Next」をクリックします。

  4. ゾーンの移行先として使用できる個別グローバル・ゾーンまたはサーバー・プールを選択します。

    表に、ゾーンの移行先として適格なグローバル・ゾーンおよびサーバー・プールのリストが表示されます。サーバー・プール内のターゲット・グローバル・ゾーンは、サーバー・プールの配置ポリシーによって異なります。

  5. 更新オプションを選択し、移行を続行します。

    ソースとターゲットのグローバル・ゾーンはパッチ・レベルが同じではない可能性があります。ゾーンのパッケージおよびパッチの更新を選択してターゲット・グローバル・ゾーンに一致させるか、ゾーンを更新せずに移行を続行できます。

  6. 詳細を確認し、「Finish」をクリックしてゾーンを移行します。

17.10.9 論理ドメインの移行

複数の論理ドメインを同じサーバー・プール内のOracle VM Server間で移行します。サーバー・プール間の移行を行うことはできません。

Oracle VM Server for SPARC 2.1バージョンからのみ、論理ドメインのライブ移行がサポートされます。これより前のリリースの場合はウォーム移行です。論理ドメインは停止されてから、ターゲット・サーバーで再起動されます。

論理ドメインの移行の手順

  1. サーバー・プール内のOracle VM Serverを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Migrate Logical Domains」をクリックします。

  3. Oracle VM Server内で実行されている論理ドメインのリストが表示されます。リストから1つ以上の論理ドメインを選択します。

  4. リストからOracle VM Serverを選択します。

    表には、同じサーバー・プール内の論理ドメインをホストするうえで十分なリソースを持つOracle VM Serverがリストされます。Oracle VM Serverは、プリファレンスの高い順にリストされます。

  5. 情報を確認し、「Finish」をクリックして論理ドメインを移行します。

17.10.10 仮想マシンの移行

Oracle VM Server for x86システムの場合、サーバー・プール内でのみ仮想マシンを移行できます。仮想マシンのライブ移行がサポートされています。適格なOracle VM Serverには、次の特性があります。

  • Oracle VM Managerによって所有されています。

  • ソースOracle VM Serverと同じプール内に配置されています。

  • 仮想マシンをホストするために必要なリソースがあります。

  • ソースOracle VM Serverと構成およびモデルが同じです。

仮想マシンの移行の手順

  1. サーバー・プール内のOracle VM Serverを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Migrate Virtual Machines」をクリックします。

  3. 移行する仮想マシンを選択します。

  4. 仮想マシンの移行先のOracle VM Serverを選択します。

    表には、仮想マシンをホストする上で適格なOracle VM Serverがリストされます。

  5. サマリーを確認し、「Finish」をクリックして仮想マシンを移行します。

17.10.11 リソースのバランシング

サーバー・プール・リソースを手動でバランシングするように選択した場合、「Balance Resources」アクションを使用し、リソースの過少使用または過剰使用を確認します。サーバー・プールを選択し、「Actions」ペインの「Balance Resources」をクリックして、サーバー・プール内の仮想化ホストの現在の使用率を表示します。配置ポリシーに応じてバランシングが必要な場合、移行したゲストを受け入れられるターゲット・サーバーのリストが表示されます。「Balance Resources」ボタンをクリックし、移行ジョブを開始します。

17.10.12 サーバー・プールの削除

「Delete Server Pool」オプションを使用して、仮想化ホストをスタンドアロン状態に戻します。サーバー・プールのタイプによっては、サーバー・プールの削除に関してなんらかの制限が課されます。

Oracle VM Server for SPARC

Oracle VM Server for SPARCサーバー・プールを削除する場合、サーバー・プール内で実行されている論理ドメインを停止します。論理ドメインがデタッチされた後でのみ、サーバー・プールを削除できます。

Oracle Solaris Zones

ゾーンのサーバー・プールの場合、サーバー・プールを削除でき、ゾーンはグローバル・ゾーンにアタッチされたままになります。ゾーンのサーバー・プールを削除する前の停止に関する制約はありません。

Oracle VM Server for x86

サーバー・プールを削除する前に、すべての仮想マシンを停止し、マスターOracle VM Serverを除くOracle VM Serverをすべて削除します。仮想マシン・メタデータおよび仮想ディスクはストレージ・ライブラリに格納されています。仮想マシンの詳細は失われないため、仮想マシンを起動できます。

17.11 関連リソース

アクションの実行の手順、またはこの機能のロールの詳細は、次のいずれかのリソースを参照してください。