Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkモバイル開発者ガイド 11g リリース2 (11.1.2.4.0) B70750-02 |
|
前 |
次 |
この章では、構成サービスを使用してADFモバイル・アプリケーション内のWebサービスを管理する方法について説明します。
この章には次の項が含まれます:
Webサービスの管理には、ADFモバイル構成サービスを使用します。このツールを使用すると、すでにモバイル・デバイスにデプロイされたアプリケーションのエンドポイントを更新できます。
ADFモバイルが提供する構成サービスを使用すると、管理者は、サーバーから異なるADFモバイル・アプリケーションに対するWebサービス接続のエンドポイントを更新できるようになり、結果としてユーザーは新しい接続を取得できます。これを行うには、アプリケーションの1つ以上のconnections.xml
ファイルをホストおよび更新します。構成サービスは、アプリケーションを起動するたびに開始できます。これを行うには、adf-config.xml
ファイルのパラメータを設定するか、コンテナ・ユーティリティAPIを使用して新しい接続をチェックします(第B.2.3項「checkforNewConfiguration」を参照)。
管理者は、基本認証によって保護されるリソースとしてconnections.xml
ファイルを指定する必要があります(第18章「ADFモバイル・アプリケーションのセキュリティ」を参照)。
クライアント・アプリケーションでは、更新のチェックに構成サービスを使用できます。
「構成サービス」ダイアログでは次を実行できます。
構成サービスのURLを更新してこのアプリケーションの更新を保存します。
「構成サービス」ダイアログの入力を支援するURLの値を使用して構成サービスのURLをシードできます(例10-1を参照)。
次のファイルが構成サービスのURLに存在している必要があります。
connections.xml
adf-config.xml
adfmf-config.xml
ファイルはこの順序で構成サービスから取得されます。これらのファイルには、アプリケーション・バンドルを通じて直接アクセスするのではなく、構成サービスを通じてアクセスする必要があります。詳細は、第10.2.2項「URLの構築に関する必知事項」を参照してください。
キーストアに保存されているユーザー名とパスワードを入力します。
管理者は、アプリケーションのadf-config.xml
ファイルにある設定を使用して、アプリケーションの起動時に構成サービスを呼び出すかどうかを定義できます(例10-1を参照)。アプリケーションの初回起動時には、ダイアログが表示され、資格証明がキーストアにキャッシュされます。それ以降の起動(再起動は含まない)では、サーバーの変更をチェックし、「構成サービス」ダイアログの表示をトリガーすることをアプリケーションに指示する必要があります。ADFモバイルが提供するAPIでは、更新のチェックを実行し、その更新に対して「構成サービス」ダイアログを起動するためにクライアントAPIを呼び出すアプリケーション内の場所を指定できます。更新後は、アプリケーションは適切に実行されます(必要な場合は再起動されます)。
例10-1は、use-configuration-service-at-startup
プロパティの使用方法を示しています。このプロパティのデフォルト値はfalse
です。adf-config.xml
ファイルでは、構成サービスの関連動作を制御するためのプロパティを追加で2つ定義できます。adfmf-configuration-service-seed-url
プロパティを指定すると、構成サービス・ダイアログで提供されるURLのシードに使用する静的URLのアドレスを提供できます。また、adfmf-configuration-service-seed-url-preference
プロパティを指定すると、アプリケーション・プリファレンス(adfmf-application.xml
ファイル内で定義されます)を参照できます。この場合、構成サービス・ダイアログでは、指定されたプリファレンスがシード値として使用されます(第13.5項「構成サービスURLのプリファレンスの作成」を参照)。
例10-1 adf-config.xmlファイルでの構成サービスの設定
<adf:adf-properties-child xmlns="http://xmlns.oracle.com/adf/config/properties"> <adf-property name="use-configuration-service-at-startup" value="true" /> <adf-property name="adfmf-configuration-service-seed-url" value="http://myhost.us.example.com:7777/ ConfigServerWebDavFolder/" /> </adf:adf-properties-child>
構成サービスでは、アプリケーションの起動時に次の手順を実行します。
アプリケーションの起動時に起動します。
Documents
ディレクトリをチェックして管理対象ファイルのコピーを検索します。それらが見つかった場合は、構成サービスのプロセスが終了します。
構成サービスによってDocuments
ディレクトリ内の構成ファイルが見つからない場合は次の操作が実行されます。
構成サービスが使用されていないことをadf-config.xml
ファイルが示している場合、構成サービスは管理対象ファイルをアプリケーション・バンドルからDocuments
ディレクトリ管理対象フォルダにコピーして、構成サービスのプロセスを終了します。
構成サービスが使用されていることをadf-config.xml
ファイルが示している場合、構成サービスは管理対象ファイルのダウンロードを、リストされた順序で試みます。
セキュアなストアから、格納されている資格証明をチェックします。資格証明が見つかり、それらによって構成サーバーにアクセスできる場合は、Documents
ディレクトリの管理対象フォルダにconnections.xml
ファイルがダウンロードおよび配置され、その時点で構成サービスのプロセスが終了します。
資格証明が見つからず、格納されている資格証明では構成サーバーへのアクセスに失敗する場合、ユーザーに接続情報(ユーザー名、パスワードおよびエンドポイントURL)の入力を求めるプロンプトが表示されます。
構成サービスでは、アプリケーションが失敗またはドロップアウトするまでに、プロンプトまたはダウンロードを5回試みます。
構成サーバーへの接続が正常に確立された場合は、connections.xml
ファイルがダウンロードされ、それ以降の使用に備えて接続情報が格納されます。
図10-1は、iPhoneにおける構成サービスのプロンプト・ダイアログを示しています。
構成サービスは、Web Distributed Authoring and Versioning (WebDAV)サービスとして実装するか、HTTP GET
リクエストを受け入れてconnections.xml
ファイルを返すサービスとして実装できます。
構成サービス・クライアントによって使用されるURLの形式は、次のとおりです。
adf-config.xml/アプリケーション・バンドルIDで構成されたURL
/connections.xml
構成サービスのエンドポイントは、HTTPおよびHTTPSを経由する基本認証(BASIC_AUTH
)を使用して保護できます。
構成サービスの各管理対象リソースへのURLが構築されています。これには、次のようにアプリケーションIDとファイル名が含まれています。
URLのhttp://my.server.com:port/SomeLocation
とアプリケーションIDのcom.mycompany.appname
がユーザーによって指定されている場合は、次の3つのURLを使用して構成ファイルをダウンロードします。
http://my.server.com:port/SomeLocation/com.mycompany.appname/connections.xml http://my.server.com:port/SomeLocation/com.mycompany.appname/adf-config.xml http://my.server.com:port/SomeLocation/com.mycompany.appname/adfmf-config.xml