Oracle Traffic Director構成は、Oracle Traffic Directorインスタンスの実行時の動作を定義する一連の要素です。Oracle Traffic Director構成には、リスナー、オリジン・サーバー、フェイルオーバー・グループ、ログなど、Oracle Traffic Directorインスタンスの様々な要素に関する情報が含まれています。
次の表には、このマニュアルでOracle Traffic Directorの管理タスクを説明するときに使用されている用語が記載されています。
用語 | 説明 |
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構成 |
Oracle Traffic Directorインスタンスの実行時の動作を決定する一連の構成可能な要素(メタデータ)。 一般的な構成には、リクエスト、およびリクエストの送信先となる、バック・エンド内のサーバーについての情報をOracle Traffic Directorがリスニングするリスナーの定義(IPアドレスとポートの組合せ)が含まれます。構成は、Oracle Traffic Directorインスタンスの起動時およびクライアント・リクエストの処理中にOracle Traffic Directorによって読み取られます。 |
インスタンス |
構成からインスタンス化されて管理ノード上にデプロイされるOracle Traffic Directorサーバーです。 |
フェイルオーバー・グループ |
アクティブ-パッシブ・モードで高可用性を提供するために、仮想IPアドレス(VIP)でグループ化された2つのOracle Traffic Directorインスタンス。リクエストは、VIPで受信され、プライマリ・インスタンスと指定されているOracle Traffic Directorインスタンスにルーティングされます。プライマリ・インスタンスが到達不可の場合、リクエストはバックアップ・インスタンスにルーティングされます。 アクティブ-アクティブ・フェイルオーバーの場合、2つのフェイルオーバー・グループが必要となり、それぞれ一意のVIPを持ちますが、両方ともプライマリ・ロールとバックアップ・ロールが逆となる同じノードで構成されています。フェイルオーバー・グループ内の各インスタンスは、プライマリ・インスタンスおよびバックアップとして指定され、それぞれにVIPが1つずつ割り当てられます。 |
管理サーバー |
Oracle Traffic Director構成の作成と管理、管理ノード上へのインスタンスのデプロイ、およびこれらのインスタンスのライフサイクル管理に使用できる管理コンソールとコマンドライン・インタフェースをホストするために特別に構成されたOracle Traffic Directorインスタンスです。管理ノード上にOracle Traffic Director構成のインスタンスをデプロイできます。この場合、管理サーバーは管理ノードとしても機能します。 |
管理ノード |
リモート管理サーバーに登録される特別構成のOracle Traffic directorインスタンスです。ホスト上で実行される管理ノードはリモート管理サーバーのエージェントとして機能します。管理サーバーは管理ノードの支援を受け、ホスト上で実行されているインスタンスを管理します。 各ノード上では構成のインスタンスを1つのみデプロイできることに注意してください。 |
INSTANCE_HOME |
ユーザーが選択したディレクトリであり、Oracle Traffic Directorインスタンスに関連する構成データおよびバイナリ・ファイルが格納される管理サーバーまたは管理ノード上の場所です。 |
ORACLE_HOME |
Oracle Traffic Directorバイナリのインストール先としてユーザーに選択されたディレクトリ。 |
管理コンソール |
Oracle Traffic Directorインスタンスの作成、デプロイおよび管理に使用できる、管理サーバー上のWebベースのグラフィカル・インタフェース。 |
クライアント |
HTTPリクエスト、HTTPSリクエストおよびTCPリクエストをOracle Traffic Directorインスタンスに送信する任意のエージェント(たとえば、ブラウザまたはアプリケーション)です。 |
オリジン・サーバー |
バックエンドのサーバーであり、Oracle Traffic Directorはクライアントから受信したHTTPリクエスト、HTTPSリクエストおよびTCPリクエストをこのサーバーに転送し、クライアント・リクエストに対するレスポンスをこのサーバーから受信します。 オリジン・サーバーとして、Oracle WebLogic Server管理対象サーバーのようなアプリケーション・サーバーやWebサーバーなどを使用できます。 |
オリジン・サーバー・プール |
Oracle Traffic Directorを使用してロード・バランシングを行うことができる、同じアプリケーションまたはサービスをホストするオリジン・サーバーの集合です。 Oracle Traffic Directorは、オリジン・サーバー・プールに対して指定されたロード分散方法に基づいて、プール内にある各サーバーにクライアント・リクエストを分散させます。 |
仮想サーバー |
一意のIPアドレス(またはホスト名)とポートの組合せを提供するOracle Traffic Directorサーバー・インスタンス内の仮想エンティティであり、これを通じてOracle Traffic Directorは1つ以上のドメインのリクエストを処理できます。 ノード上のOracle Traffic Directorインスタンスには、複数の仮想サーバーを含めることができます。管理者は、仮想サーバーごとに個別に最大着信接続数などの設定を構成できます。また、各仮想サーバーのリクエスト処理方法をカスタマイズすることもできます。 |