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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発
12c (12.1.2)
E48039-03
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32 Webサービスのテストおよび監視

この章では、WebLogic Webサービスの開発および管理に使用できるツールについて説明します。

この章では、以下のトピックについて説明します。

Webサービスのテスト

セキュリティ、サービス品質(QoS)、HTTPヘッダーなど、Webサービスの基本機能および高度な機能をテストできます。セキュリティ機能のストレス・テストを実行することもできます。Webサービス・テスト・クライアントまたはFusion Middleware Controlの「Webサービスのテスト」ページを使用したWebサービスのテストの詳細は、『Webサービスの管理』のWebサービスのテストに関する項を参照してください。

Webサービスとクライアントのモニター

管理コンソールまたはWLSTを使用して、呼出し回数、エラー数、フォルト数などのWebサービスおよびクライアントの実行時の情報を監視できます。

次の命名規則では、監視ページでWebサービスまたはクライアントを特定します。

<application_name>#<application_version>!<service_name><contextpath><url_pattern>

説明:

Webサービスの監視

管理コンソールを使用してWebサービスを監視するには、左ペインの「デプロイメント」ノードをクリックし、右ペインに表示される「デプロイメント」表でWebサービスがパッケージ化されているエンタープライズ・アプリケーションを探します。「+」ノードをクリックしてアプリケーションを展開すると、「Webサービス」カテゴリにアプリケーション内のWebサービスのリストが表示されます。Webサービスの名前をクリックし、「監視」タブをクリックします。

または、左ペインの「デプロイメント」ノード、右ペインに表示される「監視」タブ、「Webサービス」タブの順にクリックします。監視統計を表示するWebサービスの名前をクリックします。

次の表に、Webサービス情報のモニターを選択できるタブをまとめます。各ページでは、Webサービスが実行されているすべてのサーバーの統計が集計されます。


注意:

JAX-WS Webサービスの場合、組込みのWs-Protocol操作では、基になるWS-*プロトコルに関する統計情報が表示されます。この情報は、アプリケーションのパフォーマンスを評価するときに役立ちます。


表32-1 Webサービスの監視

クリックするタブ 表示される内容

「監視」→「全般」

合計エラー数や呼出し数など、Webサービスに関する一般的な統計。

「監視」→「呼出し」

ディスパッチ時間、実行時間および平均など、呼出しの統計。

「監視」→「WS-Policy」

Webサービスにアタッチされているポリシー。認証、認可、機密性、整合性のカテゴリに編成されています。

「監視」→「ポート」

Webサービス・エンドポイント(ポート)がリストされている表。この表には、各ポートの情報がまとめられています。ポート名をクリックすると、詳細が表示されます。

「監視」→「ポート」→「全般」

Webサービス・エンドポイントに関する一般的な統計。ページには、Webサービス・エンドポイント名、そのURI、関連付けられているWebサービス、エンタープライズ・アプリケーション、およびアプリケーション・モジュールなどの情報が表示されます。すべてのWebサービス・エンドポイント操作に関して、エラー数と呼出し数が集約されます。

「監視」→「ポート」→「呼出し」

成功、失敗、違反の数など、Webサービス・エンドポイントの呼出しの統計。

「監視」>「ポート」>「クラスタ・ルーティング」

リクエストとレスポンス、およびルーティング失敗など、Webサービス・エンドポイントのクラスタ・ルーティングの統計。

「監視」→「ポート」→「接続」

WebサービスのMakeConnection非同期エンドポイント。非同期エンドポイントごとに、受信メッセージ数、保留メッセージ数など、実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

非同期エンドポイントの名前をクリックして詳細を表示します。

「監視」→「ポート」→「信頼できるメッセージ」

Webサービスの信頼性のあるメッセージングの順序。信頼性のあるメッセージングの順序ごとに、順序の状態、移行元サーバーおよび宛先サーバーなどの実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

順序IDをクリックして詳細を表示します。

「監視」→「ポート」→「リクエスト」

Webサービスの信頼性のあるメッセージング・リクエスト。信頼性のあるメッセージング・リクエストごとに、実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

信頼できるメッセージIDをクリックして詳細を表示します。

「監視」→「ポート」→「WS-Policy」

Webサービス・エンドポイントにアタッチされているポリシーに関連した統計。認証、認可、機密性、整合性のカテゴリに編成されています。

「監視」→「ポート」→「操作」

Webサービス・エンドポイントの操作のリスト。

WebLogic Serverインスタンスが起動されてから操作が呼び出された回数、Webサービスの呼出しにかかった平均時間、レスポンスにかかった時間など、各操作に関する実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

注意: JAX-WS Webサービスの場合、組込みのWs-Protocol操作では、基になるWS-*プロトコルに関する統計情報が表示されます。たとえば、Webサービスの信頼性メッセージでは、この操作により、Webサービスまたはクライアントの代理で信頼性のあるメッセージサブシステムによって送受信されるCreateSequenceメッセージおよびAckRequestedメッセージのメッセージ統計を取得します。この情報は、アプリケーションのパフォーマンスを評価するときに役立ちます。

操作の名前をクリックすると詳細が表示されます。選択した操作の一般的な統計や呼出しの統計を表示するには、それぞれ「一般」または「呼出し」タブをクリックします。


Webサービス・クライアントの監視

管理コンソールを使用してWebサービス・クライアントを監視するには、左ペインの「デプロイメント」ノードをクリックし、右ペインに表示される「デプロイメント」表でWebサービスがパッケージ化されているエンタープライズ・アプリケーションを探します。「+」ノードをクリックし、Webサービス・クライアントが存在するアプリケーション・モジュールをクリックします。「監視」タブ「Webサービス・クライアント」タブの順にクリックします。

または、左ペインの「デプロイメント」ノード、右ペインに表示される「監視」タブ、「Webサービス・クライアント」タブの順にクリックします。監視統計を表示するWebサービス・クライアントの名前をクリックします。

表には、各Webサービス・クライアントの実行時の情報がまとめて表示されます。表でクライアント名をクリックすると詳細が表示されます。


注意:

JAX-WS Webサービスの場合、Webサービスの実行時、Webサービス・エンドポイント内にシステム定義のクライアント・インスタンスを作成し、それを使用してエンドポイントに定められたプロトコル固有のメッセージを送信します。これらのクライアント・インスタンスは、自身が動作するWebサービス・エンドポイントの名前に接尾辞-SystemClientが付いた名前になります。システム定義のクライアント・インスタンスに関する監視情報を利用して、アプリケーションを評価できます。


表32-2 Webサービス・クライアントの監視

クリックするタブ 表示される内容

「監視」→「全般」

エラーや呼出しの合計数など、Webサービス・クライアントに関する一般的な統計。ページには、Webサービス・クライアント名、関連付けられているエンタープライズ・アプリケーションとアプリケーション・モジュール、およびコンテキスト・ルートが表示されます。Webサービスが実行されているすべてのサーバーに関して、エラーと呼出しの統計が集約されます。

「監視」→「呼出し」

ディスパッチ時間、実行時間および平均など、呼出しの統計。

「監視」→「WS-Policy」

Webサービス・クライアントにアタッチされているポリシー。認証、認可、機密性、整合性のカテゴリに編成されています。

「監視」>「サーバー」

現在クライアントが実行されているサーバーがリストされている表。そのサーバーのWebサービス・クライアントに関する詳細を表示するには、クライアント名をクリックし、この後の手順のタブを使用します。

「監視」→「サーバー」→「全般」

Webサービス・クライアントに関する一般的な統計。ページには、Webサービス・クライアント・ポート、関連付けられているエンタープライズ・アプリケーションとアプリケーション・モジュール、およびコンテキスト・ルートなどの情報が表示されます。すべてのWebサービス・クライアント操作に関して、エラー数と呼出し数が集約されます。

「監視」→「サーバー」→「呼出し」

成功、失敗、違反の数など、Webサービス・クライアントの呼出しの統計。

「監視」>「サーバー」>「クラスタ・ルーティング」

リクエストとレスポンス、ルーティングの失敗など、Webサービス・クライアントのクラスタ・ルーティングの統計。詳細は、第23章「クラスタのルーティング・パフォーマンスのモニター」を参照してください。

「監視」→「サーバー」→「接続」

Webサービス・クライアントのMakeConnection非同期エンドポイント。非同期エンドポイントごとに、受信メッセージ数、保留メッセージ数など、実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

非同期エンドポイントの名前をクリックして詳細を表示します。

「監視」→「サーバー」→「信頼できるメッセージ」

Webサービス・クライアントの信頼性のあるメッセージングの順序。信頼性のあるメッセージングの順序ごとに、順序の状態、移行元サーバーおよび宛先サーバーなどの実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

非同期エンドポイントの名前をクリックして詳細を表示します。

「監視」→「サーバー」→「WS-Policy」

Webサービス・クライアントにアタッチされているポリシーに関連した統計。認証、認可、機密性、整合性のカテゴリに編成されています。

「監視」→「サーバー」→「操作」

Webサービス・クライアントの操作のリスト。レスポンス、実行およびディスパッチの平均時間、レスポンス、呼出しおよびエラーの数など、各操作に関する実行時の監視情報が表示されます。「この表のカスタマイズ」をクリックして、表に表示される情報をカスタマイズできます。

操作の名前をクリックすると詳細が表示されます。選択した操作の一般的な統計や呼出しの統計を表示するには、それぞれ「一般」または「呼出し」タブをクリックします。


ワーク・マネージャによるWebサービス作業の優先付けとスタック実行スレッドの削減

クライアント・アプリケーションとWebサービスの間の接続が確立されると、理論的にはこれらの間の対話がスムーズかつ迅速になり、クライアントによるリクエストとサービスによるレスポンスが適切なタイミングで行われます。ただし、クライアント・アプリケーションが新しいリクエストを行うのに時間がかかり、その間(最長でWebLogic Serverインスタンスの存続時間の間)、Webサービスが応答を待機する状況が発生することもあります。これは、しばしばスタック実行スレッドと呼ばれます。ある一時点においてスタック実行スレッドが大量に発生すると、サーバー全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。

特定のWebサービスが頻繁にこのような状態になる場合は、ワーク・マネージャを構成してサービスに適用することで、そのサービスにおいて作業の実行をどのように優先付けするかを指定できます。たとえば、レスポンス時間リクエスト・クラス(特定のタイプのワーク・マネージャ・コンポーネント)を構成すると、Webサービスのレスポンス時間の目標値を指定できます。

次に、デプロイメント記述子でレスポンス時間リクエスト・クラスを定義する方法の例を示します。

<work-manager>
    <name>responsetime_workmanager</name>
        <response-time-request-class>
            <name>my_response_time</name>
            <goal-ms>2000</goal-ms>
        </response-time-request-class>
</work-manager>

Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプワーク・マネージャ: レスポンス時間: 構成に関する項の説明に従って、管理コンソールを使用してレスポンス時間リクエスト・クラスを構成できます。

ワーク・マネージャの詳細、およびWebサービスに対して構成する方法については、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』のワーク・マネージャを使用したスケジューリング済作業の最適化に関する項を参照してください。