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Oracle® Fusion Middleware Oracle Sales Cloudアダプタの使用
リリース12.1.3
E67363-01
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アダプタのアーキテクチャ

アダプタには次の主要機能があります。

サービス・カタログ・サービス

アダプタ構成時に指定するWSDL URLは、サービス・カタログ・サービスWSDLのものにしてください。サービス・カタログ・サービスは、統合に利用可能な外部サービスのリストを返すFusion Applicationサービスです。サービス・カタログ・サービスには次の機能があります。

  • クラウド・インスタンスでプロビジョニングされます。

  • 特定のクラウド・インスタンスの公開外部サービス情報を提供します。 これは、パッチやカスタマイズで導入されている新しいサービスを反映します。

  • サービス・カタログ・サービスがプロビジョニングされるクラウド・インスタンス上の公開外部サービスのエンドポイントとメタデータを取得します。 それによって返される情報は、特定のクラウド・インスタンスに固有であり、インスタンスに適用されるパッチで導入されている新しいサービスを反映します。 Oracle ApplicationsクラウドのOracle Fusion Applicationsでは、パートナやカスタマはこのサービスを使用して、クラウド・インスタンス上で利用可能なSOAPサービスをプログラムによって見つけ出し、必要なメタデータを取得して、ビジネス・オブジェクトを管理するSOAPサービスを呼び出すことができます。

ビジネス・オブジェクト

サービスが実装するビジネス・オブジェクトは、属性の集合が含まれる論理エンティティの階層で構成されます。たとえば、案件サービスは、案件ビジネス・オブジェクトで定義されます。案件ビジネス・オブジェクトは、案件の連絡先や案件のリードなどの様々なエンティティで構成されます。ビジネス・オブジェクトは、サービスが動作する機能オブジェクトです。たとえば、案件、売上勘定、セールス・リード、マーケティング・キャンペーン、売上予測などがあります。 

ビジネス・オブジェクトに関する注記

ビジネス・オブジェクトは関連オブジェクトにグループ化され、さらに上位レベルの関連オブジェクトにグループ化されます。たとえば、案件サービスのビジネス・オブジェクトの値は次のようになります。
  • CRM: 案件管理: 案件

前述の値は、案件オブジェクトでサービスが機能していることを表します。 案件オブジェクトは、案件管理と呼ばれる関連オブジェクトのセットにグループ化され、さらにCRM (顧客関係管理)と呼ばれる、より大きな関連オブジェクトのセットにグループ化されます。 案件管理グループには、その他に販売方法や販売収益などのビジネス・オブジェクトがあります。CRMには、その他にリード管理やパートナ管理などの論理ビジネス・オブジェクト・グループがあります。

ビジネス・オブジェクト・サービスのライフ・サイクル

ビジネス・オブジェクト・サービスは、ライフ・サイクルの3つのフェーズを経由します。

  • アクティブ: このフェーズは、サービスが初めて配布されると開始し、非推奨になるまで続きます。 

  • 非推奨: サービスが新しいバージョンに交換されるか、将来のリリースで廃止が予定されている場合は非推奨になります。 非推奨とは、サービスは引き続きサポートされますが、今後のリリースでは廃止になる状態を表します。

    非推奨のサービスは、サポート対象外という意味ではありません。廃止になるまでサポートは続きます。非推奨のサービスは、サービスが将来終了することがユーザーに伝えられている間に非推奨サイクルを経由する必要があります。ただし、引き続きサポートが必要なサービスになります。

    選択したビジネス・オブジェクトまたはサービスのライフ・サイクルの値が非推奨の場合、警告メッセージが表示されます。ビジネス・オブジェクトまたはサービスによって、交換用のビジネス・オブジェクトまたはサービスに関する情報が取得される場合も表示されます。この情報は、サービスのWSDLの注釈要素から得られます。

    サービスWSDLの一部を次に示します。

    <wsdl:documentation xmlns:oer="http://xmlns.oracle.com/oer">
    <name>Opportunity Service</name>
    <description>A service to create, update, get, find, or delete opportunities.
     WARNING: This service will be deprecated and replaced with a newer version in the upcoming release.</description>
    <oer:lifecycle>Active</oer:lifecycle>
    <oer:compatibility>Supported - Backward Compatibility Assured</oer:compatibility>
    . . .
    <oer:category name="lbo">
    <value>CRM-CRM : MOO-Opportunity Management : MOO_OPPORTUNITY-Opportunity</value>
    </oer:category>
    </wsdl:documentation>

    新しいサービス消費者は、アクティブな新しいバージョンのサービスを消費し、既存のカスタマは、アクティブな新しいバージョンのサービスに移行する必要があります。

  • 廃止: サービスの出荷およびサポートは行われなくなります。 

サポートの有無

公開外部SOAPサービスは、廃止になるまでそのライフ・サイクルにわたってサポートされます。 逆に、プライベートとみなされてパートナやカスタマの消費対象ではないサービスはサポートされません。

クラウド・サービス

クラウドWebサービス(Oracle Sales CloudまたはOracle HCM Cloudの場合など)では、企業がクラウド(Oracle Sales CloudやOracle HCM Cloudなど)との統合目的でプログラムを構築する際に使用できるアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)にアクセスできます。APIは、クラウド・オブジェクトへのインタフェースを記述する一連のWSDLファイルで構成されます。これは、クラウド情報(Oracle Sales CloudまたはOracle HCM Cloudの場合など)にアクセスするためのプログラム・インタフェースを備えています。カスタマ・アプリケーションは、標準Webサービス開発ツールによってWSDLファイルを使用できます。WebサービスAPIを使用すると、企業はクラウド(Oracle Sales CloudまたはOracle HCM Cloudなど)との統合目的でプログラムを構築できます。

クライアント統合の一般的な例として、CRMとバックオフィス・アプリケーションの統合があります。リアルタイムの売上やマーケティング情報をクラウド(Oracle Sales CloudまたはOracle HCM Cloudなど)から取得し、それを財務やその他のバックオフィス・アプリケーションで使用できます。たとえば、最近閉じた案件に関する情報をWebサービス・インタフェースを使用して取得し、この情報を、Webサービス・ユーザー・インタフェースを備える注文入力システムに挿入できます。さらに、ユーザーがすぐにアクセスできるように、バックオフィス・アプリケーションの情報を格納できます。これは、カスタム・フィールドに表示されます。

セキュリティ

Fusion Webサービスにアクセスする前に、クラウド・サービス(Oracle Sales CloudまたはOracle HCM Cloudなど)に付属のセキュリティ・ポリシーに従ってユーザー資格証明を指定する必要があります。認証が成功すると、ユーザーがログインし、Webサービス・リクエストを発行してデータへのアクセスやデータの取得が可能です。各Webサービス・コールがアトミック・トランザクションになり、永続セッションに関連付けられないように、クラウドWebサービスはすべてステートレスになります(Oracle Sales CloudまたはOracle HCM Cloudなど)。ステートレスWebサービス・コールの管理は、基本のFusionフレームワークで行い、エンド・ユーザーから抽出されます。