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Oracle® Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストール
12c (12.1.3) Oracle® Fusion Middleware
E56239-05
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1 Quick Startディストリビューションの導入

Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management SuiteのQuick Startディストリビューションを使用すると、単一のホスト・コンピュータ上に開発環境や評価環境をすばやくインストールできます。この章では、インストールを計画できるように、それぞれのQuick Startディストリビューションについて説明し、プロセス全体の概要を示します。

Quick Startインストールを本番環境に展開したり、拡張したりすることはできません。Quick Startsは、開発または評価の目的のみで使用するインストールです。本番環境が必要な場合は、まず『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成』のOracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールの計画に関する項を参照し、本番環境に拡張可能な実規模の開発環境をインストールしてください。

この章には次の項が含まれます:

1.1 この章を利用したインストールの計画

この章では、次の重要な決定を行う必要があります。

  1. Quick Startのインストールが要件に合っていることを確認します。制限事項については第1.2項を参照してください。

  2. SOA Suite Quick StartディストリビューションまたはBusiness Process Management Suite Quick Startディストリビューションのいずれかを選択します。詳細は、第1.3項および第1.4項を参照してください。

  3. デフォルトのQuick Startディストリビューションに含まれていないSOA Suiteコンポーネントを追加するかどうかを決定します。Quick Startでサポートされるコンポーネントについては第1.5項を参照してください。

  4. 開発中に使用するドメインのタイプを決定します。Quick Startで使用可能な3つのドメイン・タイプについては、第1.6項表1-1を参照してください。

この章を読み終えるまでにこれらのことを決定しておくと、インストール作業を簡略化できます。

1.2 Quick Startの理解

Quick Startは、Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteで使用できます。Quick Startインストールは、設定の速さや使用制限の点で完全なインストールとは異なります。

Quick Startインストーラを使用する場合、単一のホスト上に新しいOracleホームを作成して、開発環境または評価環境に必要なすべてのソフトウェアをその中に含めます。インストール・ウィザードの実行後、OracleホームからOracle JDeveloperを実行することにより、SOAアプリケーションの開発やテストをすばやく開始できます。

ただし、Quick Startのインストールは、1つの管理サーバーのみを使用し、管理対象サーバーは使用しない場合に限定されます。また、Quick Startディストリビューションを本番環境にアップグレードすることはできません。

本番環境で管理対象サーバーやクラスタを追加する必要がある場合は、Quick Startを使用しないでください。かわりに、『Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールと構成』のOracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのインストールの計画に関する項を参照し、本番環境に拡張できるような実規模の開発環境をインストールしてください。

2つの異なるQuick Startディストリビューションが用意されています。次の説明を読んで、ユースケースに最適なディストリビューションを選択してください。

1.3 Oracle SOA Quick Startディストリビューションの理解

Oracle SOA Suiteは、BPEL Process Managerを中心とした統合および編成のための統合プラットフォームです。Oracle SOA Suiteは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)を構築、デプロイ、管理するための包括的なソフトウェア・スイートです。スイートの各コンポーネントは、一貫性のあるツール、デプロイメントと管理の単一モデル、エンドツーエンドのセキュリティおよび統一メタデータ管理などの共通の機能を利用しています。

デフォルトでは、Oracle JDeveloperおよび統合WebLogic ServerはOracle SOA Suite Quick Startインストールには含まれていません。

このディストリビューションのJDeveloperは、いくつかのJDeveloper IDE拡張機能で事前に構成されているため、各種アプリケーションをすばやく作成できます。たとえば、次のような事前インストール済のIDE拡張機能があります。

  • Oracle BPEL Process Manager

  • Oracle Human Workflow

  • Oracle Business Rules

  • Oracle Mediator

  • Oracle Service Bus

  • Oracle Enterprise Scheduler

  • SOA Springコンポーネント・デザインタイム

  • Oracle Event Processingデザインタイム

統合WebLogic Serverは、前述のすべてのコンポーネント(Oracle Enterprise SchedulerとOracle Event Processingは除く)用にJava DBとランタイム・ソフトウェアで事前に構成されています。つまり、Quick Startディストリビューションのインストールを完了した直後に、統合WebLogic ServerでOracle Enterprise SchedulerまたはOracle Event Processingを使用しない任意のJDeveloperアプリケーションを実行できます。

Oracle Enterprise Scheduler、Oracle Event Processingまたはその他のSOAコンポーネントを使用するようにインストールを構成する場合は、第1.5項を参照してください。

1.4 Oracle Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションの理解

Oracle Business Process Management Suiteは、Oracle SOA Suiteの上に配置されます。そのため、Oracle SOA Suiteのすべてのコンポーネントおよび人間中心のビジネス・プロセスを重視した追加のコンポーネントが含まれます。エンドユーザーのレスポンスやその他のヒューマン・タスク・フローを伴うアプリケーションを設計する場合は、Oracle Business Process Management Suiteをインストールする必要があります。

Oracle Business Process Management Suite Quick Startインストールには、Oracle JDeveloperと統合WebLogic Serverが含まれます。

このディストリビューションのJDeveloperは、いくつかのJDeveloper IDE拡張機能で事前に構成されているため、各種アプリケーションをすばやく作成できます。たとえば、次のような事前インストール済のIDE拡張機能があります。

  • 第1.3項にリストされているすべてのOracle SOA Suiteコンポーネント

  • Oracle Business Process Management Composer

  • Oracle Business Process Management Workspace

  • Oracle Case Management

  • Oracle BPMN Process Manager

統合WebLogic Serverは、前述のコンポーネント用にJava DBとランタイム・ソフトウェアで事前に構成されているため、これらのコンポーネントを使用して開発環境でアプリケーションをテストしたり実行したりできます。

Oracle Enterprise Scheduler、Oracle Event Processingまたはその他のSOAコンポーネントを使用するようにインストールを構成する場合は、第1.5項を参照してください。

1.5 コンポーネントの追加方法の理解

一部のOracle SOA SuiteコンポーネントはQuick Startディストリビューションに含まれていません。また、一部のコンポーネントは同梱のJava DBデータベースでの実行がサポートされていません。これらのコンポーネントには、次のものが含まれます。

  • Oracle Business Activity Monitoring

  • Oracle B2B

  • Oracle SOA Suite for healthcare integration

  • Oracle Enterprise Scheduler

  • Oracle Managed File Transfer

  • Oracle Event Processing


ヒント:

インストールに含めるコンポーネントがわからない場合は、Oracle SOA Suiteの理解のキー・コンポーネントに関する項に記載されている各コンポーネントの説明を参照してください。

ここにリストされているコンポーネントを追加する場合は、Oracle Databaseをインストールして使用する必要があります。その後、Quick Startインストールに付属のドメイン構成ソフトウェアを使用してコンパクト・ドメインを構成します。コンパクト・ドメインは1つの管理サーバーで構成された限定的な開発者用ドメインです。管理対象サーバーは必要ありません。

Oracle Databaseを使用するコンポーネント用にコンパクト・ドメインを構成する場合の全体手順は、Oracle SOA Suiteについては第3章、Oracle Business Process Management Suiteについては第5章を参照してください。

ドメイン構成プロセスを開始する前に、どのランタイム・コンポーネントが必要か判断する必要があります。このプロセスは、前述のほとんどのコンポーネントで同じですが、次のコンポーネントには追加の手順が必要になります。

1.5.1 Oracle Event Processingについて

12c (12.1.3)では、JDeveloperでOracle Event Processingの設計時コンポーネントを使用してアプリケーションを構築できます。ただしOracle Event Processingランタイム・ソフトウェアを使用する環境でアプリケーションをテストするには、Oracle Event Processing用のOracleホームを個別にインストールして、Oracle Event Processing固有のサーバーを起動する必要があります。

Oracle Event Processingのインストール・プロセスについては、Oracle Event Processingのインストールと構成に関する項で説明されています。

Oracle Event Processingサーバーの起動後、そのサーバーをJDeveloperからターゲット設定して、アプリケーションをデプロイできます。

1.5.2 Oracle B2Bについて

Oracle B2Bは、企業と取引パートナ間における安全で信頼性の高いビジネス・ドキュメントの交信を可能にするE-Commerceゲートウェイです。Oracle B2Bでサポートされている業界標準のE-Commerceプロトコルのリストについては、B2Bのユーザーズ・ガイドのB2Bでサポートされているプロトコルに関する項を参照してください。

カスタム・ドキュメントを交換するための機能は、Quick Startの標準インストールにあらかじめ含まれています。Oracle B2Bのこの制限付きバージョンをアクティブ化するには、第6.2.1.1項に記載されているアクティブ化手順に従ってください。

さらに多くのドキュメント管理機能を使用するために完全なB2Bユーザー・インタフェースを取得するには、Quick Start Oracleホームで標準のOracle B2Bインストーラを使用して、スタンドアロン・コンパクト・ドメインを構成する必要があります。完全インストールを実行することにより、Oracle B2Bユーザー・インタフェースとOracle B2B JDeveloperアダプタを入手できます。このプロセスについては、第6.2.1.2項で説明されています。

1.5.3 Oracle SOA Suite for healthcare integrationについて

Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationでは、Oracle SOA Suiteの複数の機能を使用して、医療データを処理するアプリケーションの設計、作成、管理ができます。Oracle SOA Suite for healthcare integrationは、Oracle Business Process Management Suiteでは使用できません。

X12 HIPAAのユースケースでは、第1.5.2項に記載されているOracle B2Bの完全インストールを使用できます。ただし、HL7ドキュメントを使用しているヘルスケア・プロバイダの場合は、Oracle SOA Suite for Healthcare Integrationソフトウェアをインストールする必要があります。このソフトウェアは、Healthcare Integration JDeveloperアダプタとHealthcare Integrationユーザー・インタフェースで構成されており、カスタマイズされたWebベースのコンソールを使用してHL7ドキュメントを設計、監視、管理できます。

Oracle SOA Suite for healthcare integrationをOracleホームにインストールすると、 Oracle B2Bユーザー・インタフェースがデフォルトになります。Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースを使用する場合は、次に示すインストール後の2つの構成を実行する必要があります。

  1. ドメイン構成ウィザードを実行する前に、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用してカスタム変数を設定します。

  2. ドメインの構成時に、Oracle SOA Suite for healthcare integration固有のテンプレートを選択します。

この2つのタスクを実行しないと、Oracle SOA Suite for healthcare integrationユーザー・インタフェースは正しく機能しません。これらの構成の詳細は、第6.2.2.2項を参照してください。

1.5.4 Oracle Managed File Transferについて

Oracle Managed File Transferは、Oracle SOA SuiteやOracle Business Process Management Suiteを使用せずに構成可能な製品です。Oracle Managed File Transferのコンパクト・ドメインのみを構成する場合は、このドキュメントの説明に従ってドメイン構成ウィザードを起動し、プロンプトが表示されたらOracle Managed File Transferのテンプレートのみを選択します。

1.6 ドメインの構成の理解

Quick Startディストリビューションをインストールしたら、開発中にアプリケーションをテストするためのドメインを構成する必要があります。インストールと構成を簡略化するために、この時点でドメイン・タイプを決定する必要があります。

使用可能な3つのドメイン・タイプの説明と比較を表1-1に示します。第1.5項にリストされているOracle SOA Suiteコンポーネントのいずれかをインストールする予定がある場合は、コンパクト・ドメインのみを選択できます。

これらのドメイン・オプションのすべてで、SOAおよびB2BはMDSファイル・システムを使用します。つまり、Quick StartではSOAコンポーザの編集機能はサポートされないということです。

表1-1 ドメイン・タイプ


デフォルト・ドメイン

スタンドアロン・ドメイン

コンパクト・ドメイン

説明

  • JDeveloperから統合WebLogic Serverを起動して生成します

  • SOA SuiteまたはBusiness Process Management Suiteのランタイム・コンポーネントで事前に構成されています

  • 事前構成済のJava DBと連携します

  • Quick StartのOracleホームでコマンド行からソフトウェアを実行して生成します

  • SOA SuiteまたはBusiness Process Management Suiteのランタイム・コンポーネントで事前に構成されています

  • 事前構成済のJava DBと連携します

  • JDeveloperで明示的にターゲット設定する必要があります

  • Quick StartのOracleホームでソフトウェアを使用して生成します

  • ユーザーが構成します

  • Oracle Databaseと連携します(Oracle Databaseをインストールして、RCUで構成する必要があります)

  • JDeveloperで明示的にターゲット設定する必要があります

推奨される使用方法

JDeveloperセッションが終了すると統合WebLogic Serverも必ず停止するため、このドメイン・オプションは、デモ用または評価用として最適です。ドメインにアクセスするたびにサーバーを再起動する必要があります。

このオプションは開発者、特にJDeveloperではなくOracle Service Busデザイン・タイム・コンソールを使用する開発者に最適です。このドメイン・タイプでは、アプリケーションをテストするたびにサーバーをJDeveloperから再起動する必要はありません。

このドメイン・タイプは、JavaDBと互換性のないSOAコンポーネントを追加する場合にのみ使用してください。たとえば、Enterprise Scheduler、Managed File Transfer、B2B、Heathcare、Business Activity Monitoringなどのコンポーネントがあります。

構成のロードマップ

SOA Suite Quick Startディストリビューションを選択した場合は、第2章のインストール手順を実行します。続いて、第2.5.1項「JDeveloperのデフォルト・ドメインの構成」の指示に従います。

Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションを選択した場合は、第4章のインストール手順を実行します。続いて、第4.5.1項「JDeveloperのデフォルト・ドメインの構成」の指示に従います。

SOA Suite Quick Startディストリビューションを選択した場合は、第2章のインストール手順を実行します。続いて、同じ章内の第2.5.2項「スタンドアロン・ドメインの構成」の指示に従います。

Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションを選択した場合は、第4章のインストール手順を実行します。続いて、同じ章内の第4.5.2項「スタンドアロン・ドメインの構成」の指示に従います。

SOA Suite Quick Startディストリビューションを選択した場合は、第2章から開始します。第2.5項には、第3章へのリンクが記載されています。それぞれのリンク先の手順をすべて実行してください。

Business Process Management Suite Quick Startディストリビューションを選択した場合は、第4章から開始します。第4.5項には、第5章へのリンクが記載されています。それぞれのリンク先の手順をすべて実行してください。


1.7 次の手順

このドキュメントの以降では、Quick Startディストリビューションをインストールする方法、外部Oracle Databaseとコンパクト・ドメインを使用するようにディストリビューションを構成する方法、サンプル・アプリケーションを使用してディストリビューションをテストする方法およびQuick Startディストリビューションを削除する方法を説明します。各章の最後に、このガイドを読み進めるためのアクション・リストがあります。

Oracle SOA SuiteとOracle Business Process Management Suiteで、全般的なインストール・プロセスおよび構成プロセスは同じです。このドキュメントでは、詳細な手順の説明を簡略化するために、両者の異なる部分について説明します。

ディストリビューションを選択して、Quick Startの使用を開始します。

アクション リソース
Oracle SOA SuiteとQuick Startのインストールを開始します。 第I部「Oracle SOA SuiteのQuick Start」を参照してください。
Oracle Business Process Management SuiteとQuick Startのインストールを開始します。 第I部「Oracle Business Process Management SuiteのQuick Start」を参照してください。