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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3の理解
12c (12.1.3)
E56254-04
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7 WebLogic Serverでのアプリケーションのデプロイ

この章では、WebLogic Server 12.1.3のアプリケーション・デプロイメントについて説明します。

この章の内容は次のとおりです。

デプロイメント・プロセスの概要

アプリケーション・デプロイメントという用語は、WebLogic Serverドメインにおいて、アプリケーションまたはモジュールをクライアント・リクエストの処理に使用できるようにするプロセスを指します。アプリケーション・デプロイメントは、一般的に次のタスクを伴います。

  • 「アプリケーションおよびモジュールのデプロイメント準備」

  • 「本番デプロイメントのためのアプリケーションの構成」

  • 「新しい環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート」

  • 「weblogic.deployerによるアプリケーションおよびモジュールのデプロイ」

  • 「本番環境でのアプリケーションの再デプロイ」

  • 「デプロイされたアプリケーションの管理」

Java EE 6デプロイメントの実装

WebLogic Serverは、Java EE 6仕様を実装しています。Java EE 6には、デプロイメント仕様JSR-88が含まれています。この仕様には、アプリケーションをアプリケーション・サーバーに構成およびデプロイする際に、デプロイメント・ツールおよびアプリケーション・サーバー・プロバイダで使用する標準APIが記述されています。

WebLogic Serverは、Java EEデプロイメント仕様に準拠するように、JSR-88サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)プラグインとモデル・プラグインの双方を実装しています。WebLogic Serverに対してJava EEアプリケーションおよびモジュールを構成、デプロイ、および再デプロイするには、(APIのWebLogic Server拡張を使用せずに) WebLogic Serverプラグインとともに基本的なJava EEデプロイメントAPIデプロイメント・ツールを使用できます。Java EEデプロイメントAPI構成プロセスで生成されたWebLogic Server構成は、図7-1に示すように、デプロイメント・プランおよび1つまたは複数の生成されたWebLogic Serverデプロイメント記述子ファイル内に格納されます。

図7-1 Java EEデプロイメントAPIによるアプリケーションの構成

図7-1の説明が続きます
「図7-1 Java EEデプロイメントAPIによるアプリケーションの構成」の説明

WebLogic Serverデプロイメント記述子は、WebLogic Server構成データを格納するために、必要に応じて生成されます。

Java EEデプロイメントAPIのデプロイメント・ツールで生成されたWebLogic Serverデプロイメント・プランにより、構成セッション中にアプリケーションのために生成されたWebLogic Serverデプロイメント記述子が識別されます。

Java EEデプロイメントAPIは、Java EE準拠のアプリケーション・サーバーで使用するためのアプリケーションおよびモジュールを構成する、簡単かつ標準化された方法を提供しますが、この仕様では以前のWebLogic Serverで利用できた多くのデプロイメント機能に対応していません。そのため、WebLogic Serverでは、Java EEデプロイメントAPI仕様に重要な拡張を行い、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のWebLogic Serverのデプロイメント機能に関する項で説明されている機能をサポートしています。

迅速なデプロイメントのガイド

この項では、Java EEアプリケーションとモジュール、JSPファイルとHTMLファイル、およびCoherenceモジュールを迅速にデプロイするための基本的な手順について説明します。また、システム管理者に向けて、ツールに関するヒントを示します。このページに記載のデプロイメント手順は、開発環境のみでの使用をお薦めします。本番環境での使用はお薦めしません。WebLogic Serverでアプリケーションを開発およびデプロイする方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』および『Oracle WebLogic Serverアプリケーションのデプロイ』を参照してください。

これらの高速な手順を実行する前に、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を完了します。

Java EEデプロイメント

Java EEアプリケーションまたはモジュールをデプロイするには:

  1. Java EEアプリケーションまたはモジュールに、名前を指定されたJDBCデータ・ソースやJMSキューなどの追加リソースが必要でないことを確認してください。アプリケーションに外部リソースが必要な場合は、そのアプリケーションをデプロイする前にターゲットWebLogic Serverでそれらの外部リソースの構成を行う必要があります。

  2. Java EEアプリケーションまたはモジュールのアーカイブ・ファイルまたは展開されたアーカイブ・ディレクトリを、サンプル・サーバー・ドメインのディレクトリである/autodeployディレクトリ、つまりORACLE_HOME/user_projects/domains/wl_server/autodeployにコピーします。

  3. サンプルWebLogic Serverインスタンスを起動します。

  4. Javaクライアント、またはアプリケーションの構成済みURIを使用してアプリケーションにアクセスします。

自動デプロイメント

開発モードで実行している場合、WebLogic Serverはドメイン・ディレクトリの/autodeployサブディレクトリにコピーされたアプリケーションを自動的にデプロイします。自動デプロイメントは、評価またはテストを行うためのアプリケーションを簡単にすばやくデプロイする方法です。『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の開発ドメインでのアプリケーションの自動デプロイに関する項を参照してください。

複数のアプリケーションのデプロイ

WebLogic Server管理コンソールを使用して複数のアプリケーションをデプロイする場合、インストール時には、これらのアプリケーションは管理コンソールの「デプロイメント」ページに「配布初期化中です」という状態でリストされています。変更をアクティブ化すると、「準備完了」状態でリストされるようになります。アプリケーションをデプロイするには、「デプロイメント」ページでアプリケーション名を選択して「起動」をクリックします。

システム管理者用ツール

システム管理者は、次のツールを使用して作業を開始できます。

  • WebLogic Server管理コンソール

    WebLogic Server管理コンソールは、WebLogic Serverドメイン、サーバー・インスタンス、および実行中のアプリケーションと関連リソースを構成およびモニターできる、ブラウザ・ベースのWebアプリケーションです。WebLogic Server管理コンソールはまた、新しいサーバー・インスタンスとクラスタの作成、およびアプリケーション記述子のチューニングにも使用できます。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照してください。

    インストール時に提示した資格証明を使用して管理コンソールにログインした後、「ヘルプ」ボタンまたは「操作ガイド」リンクをクリックすると詳細情報が表示されます。

  • 構成ウィザード

    WebLogic Server構成ウィザードを使用すると、新しいドメインの作成と、ドメインの構成を自動化するためのテンプレートの作成を行えます。詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』を参照してください。

JSP/HTMLデプロイメント

単純なJSPまたはHTMLファイルをデプロイするには:

  1. JSPファイルが、タグ・ライブラリやその他の外部リソースを参照していないことを確認してください - そうしたリソースは、これらの高速な手順の対象外となる追加のデプロイメント手順を必要とします。HTMLファイルには、このような制限はありません。

  2. JSPまたはHTMLファイルをEXAMPLES_HOME/wl_server/examples/build/mainWebAppディレクトリにコピーします。EXAMPLES_HOMEは、WebLogic Serverのサンプル・コードが構成されているディレクトリを表します。

  3. サンプルWebLogic Serverインスタンスを起動します。

  4. Webブラウザで次のURLを使用して、JSPまたはHTMLファイルをリクエストします。

    http://localhost:port/myFile

    ここで:

    localhostはWebLogic Serverが実行されているマシンのホスト名です。

    portはWebLogic Serverがリクエストをリスニングしているポートの番号(デフォルトでは7001)です。

    myF ileはステップ2でコピーしたJSPまたはHTMLファイルの、.jspまたは.html拡張子までを含めた完全な名前です。

JSPまたはHTMLファイルはあらかじめサンプル・サーバーをターゲットとするよう構成されたディレクトリから自動デプロイされています。デフォルトではmainWebAppがデプロイされており、mainWebApp展開ディレクトリに独自のJSPおよびHTMLファイルを入れて、それらを迅速に表示またはテストできます。

Coherenceのデプロイメント

WebLogic Serverでは、グリッド・アーカイブ(GAR)モジュールとしてパッケージ化されるCoherenceアプリケーションのデプロイメントをサポートしています。GARモジュールには、Coherenceアプリケーションに必要なアーティファクトが含まれています。GARモジュールは、エンタープライズ・アプリケーション内にパッケージ化されたスタンドアロン・モジュールとして、また、共有ライブラリとしてデプロイされます。Coherenceアプリケーションのパッケージ化とデプロイの詳細は、『Oracle WebLogic Server Oracle Coherenceアプリケーションの開発』のCoherenceアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

WebLogic Serverでのアプリケーションのデプロイのためのロードマップ

表7-1 WebLogic Serverでのアプリケーションのデプロイのためのロードマップ

主要なタスク サブタスクと追加情報

アプリケーション・デプロイメントについてもっとよく知る

  • デプロイメントの用語

  • Java EE 6デプロイメントの実装

  • WebLogic Serverのデプロイメント機能

  • デプロイメント構成プロセスの理解

  • エクスポート・プロセスの概要

  • アプリケーションのデプロイのベスト・プラクティス

アプリケーションのパッケージ化

  • アプリケーションおよびモジュールのデプロイメント準備

  • アーカイブ・ファイルと展開されたアーカイブ・デプロイメント

  • wlpackage Antタスクの使用

  • Coherenceアプリケーションのデプロイメント準備

デプロイメント・ツールの使用について

  • デプロイメント・タスクの概要

  • weblogic.Deployerユーティリティ

  • WebLogic.Plan生成コマンド行リファレンス

  • デプロイメント用のWebLogic Mavenプラグイン

  • wldeploy Antタスク

詳細なトピック

  • 一般的なデプロイメント・シナリオの概要

  • デプロイメントのためのアプリケーションの構成

  • 本番アプリケーションの再デプロイ

  • WebLogic Deployment APIによるアプリケーションのデプロイ

  • 新しい環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート

  • 本番環境へのアプリケーションの配布

  • デプロイメント順序の変更

  • アプリケーションのオフライン化

  • デプロイされたアプリケーションの管理

リファレンス

  • WebLogicデプロイメントAPIの理解