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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3にデプロイされたアプリケーションへのWebLogicロギング・サービスの追加
12c (12.1.3)
E56257-02
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3 WebLogic Serverの国際化およびローカライゼーション

この章では、WebLogic Server 12.1.3での国際化およびローカライゼーションに必要なプロセスについて説明します。

この章には次の項が含まれます:

国際化およびローカライゼーションの標準規格について

Oracleでは、World Wide Web Consortium (W3C)推奨による、世界中のすべての言語および記述システムで使用できる標準フォーマットおよびプロトコルを採用しています。これらの規格は、WebLogic Serverで使用されているJava国際化APIに組み込まれています。国際化(I18N)とは、簡単かつ高い費用対効果で、またとりわけ、エンジニアリング上の変更を加えることなく、様々な言語および地域に適合させられるよう、ソフトウェアを設計するプロセスを言います。ローカライゼーション(L10N)とは、実行時にロケール固有の言語および構成を使用することです。

WebLogic Serverの国際化およびローカライゼーションの理解

ローカライゼーションでは、言語だけでなく、照合、日付と時刻の書式、通貨の書式、および文字コードも対象となります。WebLogicサーバー・ログに記録されるメッセージは、ユーザー個々の要件に合わせてローカライズできます。

WebLogic Serverの国際化では、以下の2種類のデータのローカライゼーションがサポートされます。

  • ログ・メッセージ - サーバー・ログに書き込まれる通知メッセージ。適切なメッセージ引数がメッセージの定義で指定されている場合はエラー・メッセージも含まれます。「ログ・メッセージ・カタログの要素」を参照してください。

  • シンプル・テキスト: サーバーで表示する必要があるログ・メッセージや例外以外のテキスト(ユーティリティからの出力など)。シンプル・テキストの例としてはヘルプ・メッセージ、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(Graphical User Interface: GUI)ラベル、エラー・メッセージなどがあります。「シンプル・テキスト・カタログの要素」を参照してください。

メッセージ・カタログの理解

国際化するテキストはすべてメッセージ・カタログで定義します。各メッセージ・カタログでは、ログ・メッセージまたはシンプル・テキストのコレクションが定義されます。ログ・メッセージには、ログ・ファイルに書き込まれるデータが含まれています。データは非常に動的で、アプリケーションやシステムの現在の状態に特定の情報が含まれています。ローカライズされたログ・メッセージ・カタログのテキストと結合すれば、このデータはユーザーの言語でエラー状態を説明する、適切にフォーマットされたローカライズ済みのメッセージになります。WebLogic Server管理コンソールに送信される出力は、シンプル・テキストです。ログ・メッセージと同様、シンプル・テキストも動的データと結合して使用できます。

国際化されたメッセージを作成するには、コードの変更や再コンパイルをせずに、様々なロケールに文字列を変換できるように、すべてのメッセージ文字列をメッセージ・カタログに外部化する必要があります。アプリケーション・コードは、ロギング・メソッドの実行時値を提供します。ロギング・メソッドは、現在のロケールに従ってコードとカタログ内のメッセージ文字列を結合します。次に、ローカライズされたメッセージをアプリケーション・コードがログ・ファイルに出力します。

メッセージ・カタログには、次の3つのタイプがあります。

ログ・メッセージまたはロケール・メッセージ・カタログのメッセージIDは、すべてのログ・メッセージまたはロケール・メッセージ・カタログで一意です。メッセージ・カタログ・ファイル内で、各メッセージのローカライズされたバージョンには、エラーを特定する一意のメッセージIDとメッセージ・テキストが割り当てられます。原則的に、メッセージは、サポート担当者が簡単に見つけられるように、システム内の1つの場所からログに記録します。シンプル・テキスト・カタログのメッセージIDは、各シンプル・テキスト・カタログ内で一意です。

メッセージ・カタログの詳細は、第4章「WebLogic Serverでのメッセージ・カタログの使い方」を参照してください。

WebLogic Serverのメッセージ・カタログを確認するには、エラー・メッセージを参照してください。

国際化用Javaインタフェースの理解

WebLogic Serverでは、国際化およびローカライゼーションにJava国際化インタフェースを使用しています。ユーザーは、WebLogic Serverで国際化をどのように処理するかを理解するだけでなく、このJava国際化インタフェースおよびJava Development Kit (JDK)に組み込まれている以下のクラスに関する知識も必要です。

クラス 説明
java.util.Locale
地理的、政治的、または文化的に区別される特定の地域を表します。
java.util.ResourceBundle
ロケール固有のオブジェクトが格納されるコンテナを提供します。
java.text.MessageFormat
言語に依存しない方法で連結されたメッセージを生成します。

国際化されたメッセージを作成する主要な手順

以下の手順は、WebLogic Serverで使用する、国際化されたメッセージを作成する方法を示しています。この手順の詳細は、このガイドの後半の節で説明します。

  1. カタログ内のメッセージを定義して、最上位のログ・メッセージ・カタログまたはシンプル・テキスト・メッセージ・カタログを作成、または編集します。

    メッセージ・テキストだけでなく、メッセージが格納する実行時値の型と配置に関する情報も含みます。詳細については、第26章「WebLogic Serverメッセージ・エディタの使い方」を参照してください。

  2. weblogic.i18ngenを実行して、手順1で作成または編集したカタログを検証し、実行時クラスを生成します。

    生成されたクラスには、各メッセージで使用するメソッドが組み込まれています。このクラスは、メッセージ・カタログ・エントリで指定されたデータに従って定義されます。クラスには、カタログのタイプによって、メッセージ・テキストをロギングまたは取得するメソッドが組み込まれます。クラス名の末尾には、LoggerまたはTextFormatterが付きます。詳細は、「weblogic.i18ngenユーティリティ」を参照してください。

  3. ステップ1で作成したメッセージ・カタログの必要に応じて、ロケール固有カタログを作成します。「ロケール固有のカタログの例」を参照してください。

  4. weblogic.l10ngenを実行して、ロケール固有のカタログを処理します。詳細は、「weblogic.l10ngenユーティリティ」を参照してください。

  5. ステップ2で生成したLoggerまたはTextFormatterクラスを使用できるようにアプリケーションを構成します。アプリケーションがメッセージをログに書き込む、または返す場合、メッセージは使用されたLoggerまたはTextFormatterクラスによりローカライズされたバージョンのテキストを用いて書き込まれます。

詳細については、第5章「WebLogic Serverログへのメッセージの書込み」を参照してください。