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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3スタンドアロン・クライアントの開発
12c (12.1.3)
E57581-04
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6 WebLogic JMSシン・クライアント

この章では、WebLogic Server 12.1.3でWebLogic JMSシン・クライアントを開発、使用およびデプロイする方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

JMSシン・クライアントの概要

JMSシン・クライアント(wlclient.jarとともにデプロイされたwljmsclient.jar)を使用すると、WebLogicインストール・クライアントまたはフル・クライアントよりもはるかに小さく、シンT3クライアントよりもいくぶん小さいクライアント・サイズで、Java EEおよびWebLogic JMSの機能を提供できます。クライアント・サイズの小ささは、次のものを使用することで実現されています。

  • クライアント側プログラムで必要なサポート・ファイルのセットのみを含んだクライアント側ライブラリ。

  • JREで使用可能なRMI-IIOPプロトコル・スタック。RMIリクエストはJREによって処理されるため、非常に小さいクライアントを実現できます。

  • 標準Java EE API。WebLogic Server APIは使用しません。

T3クライアントの選択肢のうち、高速なもの(シンT3クライアントなど)を使用することを検討できます。WebLogic Serverのシン・クライアント・アプリケーションの開発の詳細は、シン・クライアントの開発に関する項を参照してください。

JMSシン・クライアントの機能

JMSシン・クライアント(wljmsclient.jarおよびwlclient.jar)は、WebLogicフル・クライアントやWebLogicインストール・クライアントよりもはるかに小さいサイズでありながら、クライアント・アプリケーションおよびアプレットに次の機能を提供します。

  • 完全なWebLogic JMSの機能、つまり標準JMSおよびWebLogic拡張機能の両方(マルチキャスト・セッションでのクライアント側XMLの選択とJMSHelperクラス・メソッドを除く)

  • EJB (Enterprise JavaBeans)へのアクセス

  • JNDIへのアクセス

  • RMIへのアクセス(JMSによる間接的な使用)

  • SSLアクセス(JREのJSSEを使用)

  • トランザクション機能

  • クラスタリング機能

  • HTTP/HTTPSトンネリング

  • 完全な国際化

JMSシン・クライアントの使用に関する制限

JMSシン・クライアントには以下の制限が適用されます。

  • wlfullclient.jarファイルのJDBCまたはJMXの機能は提供されません。

  • クライアント側のストア・アンド・フォワード(クライアントSAF)はサポートしていません。JMS SAFを使用したメッセージの確実な送信に関する項を参照してください。

  • クライアントにjava.sql.ResultSetを戻すことのできるWebLogic Server CMP 2.x拡張がサポートされていません。

  • JDK ORBでのみサポートされます。

  • T3プロトコル対応のクライアント(インストール・クライアント、シンT3クライアント、フル・クライアント)に比べて、特に非永続メッセージングでのパフォーマンスが劣ります。

  • WebLogic Server 9.2より前のリリースでは自動クライアント再接続はサポートされていません。

JMSシン・クライアントのデプロイ

wljmsclient.jarとwlclient.jarは、WebLogic Serverインストール・ディレクトリのWL_HOME\server\libサブディレクトリにあります。WL_HOMEは、最上位のWebLogic Serverインストール・ディレクトリ(たとえば、c:\Oracle\Middleware\Oracle_Home\wlserver\server\lib)です。

JMSシン・クライアントのデプロイメントには以下の要件があります。

  • JMSシン・クライアントでは、クラスタリング、セキュリティ、およびトランザクションのための基本クライアント・サポートを含む標準シン・クライアントが必要になります。このため、wljmsclient.jarとwlclient.jarがクライアント・ファイル・システムのどこかにインストールされている必要があります。ただし、wljmsclient.jarはwlclient.jarを参照するので、クライアントのCLASSPATHにはどちらか一方のJarを指定するだけでかまいません。

  • クライアント - サーバー通信にRMI-IIOPが必要になります。

    • t3またはt3sを使用するURLでは、透過的にiiopまたはiiopsが使用されます。

    • httpまたはhttpsを使用するURLでは、透過的にiiopトンネリングが使用されます。

  • IIOPを容易に使用できるようにするには、リスニング・アドレス属性に常に有効なIPアドレスまたはDNS名を指定して、接続をリスニングできるようにしておきます。


    注意:

    リスニング・アドレスがデフォルト値の null である場合は、構成されたネットワーク・インタフェースのすべてをリスニングできます。ただし、この機能を使用できるのはT3プロトコルのみです。IIOPプロトコルで使用する複数のリスニング・アドレスを構成する必要がある場合は、ネットワーク・チャネル機能を使用します(『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』のネットワーク・リソースの構成に関する項を参照)。

  • 各クライアントにJRE 1.4.x以降がインストールされている必要があります。

  • アプリケーションは、Java EEプログラミングのガイドラインに準拠している必要があります。特に、キャストではなく、PortableRemoteObject.narrow()を使用する必要があります。

WebLogic Serverのシン・クライアント・アプリケーションの開発の詳細は、シン・クライアントの開発に関する項を参照してください。