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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3アプリケーションの開発
12c (12.1.3)
E57574-04
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2 Antタスクを使用したWebLogic Serverドメインの構成と使用

この章では、開発ビルド・スクリプトでWebLogic Antタスクを使用して、WebLogic Server 12.1.3インスタンスの起動と停止、およびWebLogic Serverドメインの構成を行う方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

Antタスクを使用したドメインの構成と起動についての概要

WebLogic Serverには、開発環境で一般的な構成タスクを実行するのに役立つ2つのAntタスクがあります。構成タスクでは、WebLogic Serverインスタンスの起動と停止、WebLogic Serverドメインの作成と構成を行うことができます。

他のWebLogic Antタスクと組み合わせると、カスタム・ドメインでアプリケーションの実証やテストを行うための強力なビルド・スクリプトを作成できます。たとえば、単一のAntビルド・スクリプトでは、以下のことを実行できます。

  • wlcompilewlappc、およびWebサービスAntタスクを使用して、アプリケーションをコンパイルします。

  • wlserver Antタスクを使用して、新しい単一サーバー・ドメインを作成し、管理サーバーを起動します。

  • wlconfig Antタスクを使用して、必要なアプリケーション・リソースを備えた新しいドメインを構成します。

  • wldeploy Antタスクを使用して、アプリケーションをデプロイします。

  • コンパイル済みのクライアント・アプリケーションを自動的に起動して、製品の機能を実証またはテストします。

次の項では、構成用Antタスクのwlserverおよびwlconfigの使用について説明します。

wlserver Antタスクを使用したサーバーの起動とドメインの作成

wlserver Antタスクを使用すると、WebLogic Serverインスタンスを起動、再起動、および停止したり、WebLogic Serverインスタンスへ接続したりできます。サーバー・インスタンスは、構成済みのWebLogic Serverドメインにすでに存在している場合もあります。または、generateconfig=true属性を使用して、開発用の新しい単一サーバー・ドメインを作成することができます。

Antスクリプトでwlserverタスクを使用する場合、指定したサーバーが使用可能になり接続をリスニングするまでタスクは制御を戻しません。wlserverを使用してサーバー・インスタンスを起動すると、サーバー・プロセスはAnt VMの終了後に自動的に終了します。wlserverタスクを使用して、現在動作中のサーバーにのみ接続する場合、サーバー・プロセスはAntの完了後も実行し続けます。

wlserver WebLogic Server Antタスクは、標準java Antタスク(org.apache.tools.ant.taskdefs.Java)を拡張します。つまり、java Antタスクのすべての属性がwlserver Antタスクにも適用されます。たとえば、output属性とerror属性を使用してwlserver Antタスクの出力と標準エラーがそれぞれ書き込まれるファイルの名前を指定できます。標準Java Antタスクの属性の完全なドキュメント資料については、Apache AntサイトのJavaに関する項を参照してください(http://ant.apache.org/manual/Tasks/java.html)。

wlserverを使用する基本的な手順

wlserver Antタスクを使用する手順は、次のとおりです。

  1. 環境を設定します。

    Windowsでは、WL_HOME\server\binディレクトリにあるsetWLSEnv.cmdコマンドを実行します。WL_HOMEは、インストールされているWebLogic Serverの最上位ディレクトリです。

    Unixでは、WL_HOME/server/binディレクトリにあるsetWLSEnv.shコマンドを実行します。WL_HOMEは、インストールされているWebLogic Serverの最上位ディレクトリです。


    注意:

    wlserverタスクは、WebLogic Serverに付属しているバージョンのAntであらかじめ定義されています。独自にインストールしたAntでこのタスクを使用する場合は、ビルド・ファイルに次のタスク定義を追加します。
    <taskdef name="wlserver" classname="weblogic.ant.taskdefs.management.WLServer"/>
    


    注意:

    UNIXオペレーティング・システムでは、setWLSEnv.shコマンドはすべてのコマンド・シェルで環境変数を設定しません。Kornシェルまたはbashシェルを使用してこのコマンドを実行することをお薦めします。

  2. サーバーの起動、停止、再起動、または接続を行うためのビルド・スクリプトに、wlserverタスクの呼出しを追加します。wlserverの属性とデフォルトの動作については、「wlserver Antタスク・リファレンス」を参照してください。

  3. ステージング・ディレクトリでantと入力し、必要であればこのコマンドにターゲットの引数を渡して、build.xmlファイルで指定されたAntタスク(1つまたは複数)を実行します。

    prompt> ant
    

    wlserverタスクからより詳細なメッセージを取得するには、ant -verboseを使用します。

wlserver用build.xmlファイルのサンプル

すべてのデフォルト値を使用してカレント・ディレクトリ内のサーバーを起動する、最小限のwlserverターゲットを次に示します。

<target name="wlserver-default">
  <wlserver/>
</target>

次のターゲットは、指定された接続パラメータ、およびユーザー名とパスワードの組合せを使用して、既存の動作中サーバーに接続します。

<target name="connect-server">
  <wlserver host="127.0.0.1" port="7001" username="weblogic" password="weblogic" action="connect"/>
</target>

次のターゲットは、configサブディレクトリに構成されたWebLogic Serverインスタンスを起動します。

<target name="start-server">
  <wlserver dir="./config" host="127.0.0.1" port="7001" action="start"/>
</target>

次のターゲットは、空のディレクトリに新しい単一サーバー・ドメインを作成し、ドメインのサーバー・インスタンスを起動します。

<target name="new-server">
  <delete dir="./tmp"/>
  <mkdir dir="./tmp"/>
  <wlserver dir="./tmp" host="127.0.0.1" port="7001"
  generateConfig="true" username="weblogic" password="weblogic" action="start"/>
</target>

wlserver Antタスク・リファレンス

次の表では、wlserver Antタスクの属性について説明します。

表2-1 Wlserver antタスクの属性

属性 説明 データ型 必須?

policy

WebLogic Serverドメインのセキュリティ・ポリシー・ファイルのパス。この属性は、サーバー・インスタンスを起動する場合にのみ使用します。

ファイル

いいえ

dir

ドメイン構成を保持するパス(c:\Oracle\Middleware\user_projects\domains\mydomainなど)。デフォルトでは、wlserverはカレント・ディレクトリを使用します。

ファイル

いいえ

beahome

Middlewareホーム・ディレクトリのパス(c:\Oracle\Middlewareなど)。

ファイル

いいえ

weblogichome

WebLogic Serverのインストール・ディレクトリのパス(たとえば、c:\Oracle\Middleware\wlserver_12.1)。

ファイル

いいえ

servername

起動、終了、再起動、または接続するサーバーの名前。

WebLogic Serverインスタンスは、そのプロトコル、ホスト、ポートの値によって一意に識別されるので、一連の属性を使用して起動、終了、再起動するサーバーを指定する場合、servername属性で実際の名前を指定する必要はありません。ただし、管理サーバーを終了する場合に限り、この属性を指定する必要があります

この属性のデフォルト値はmyserverです。

文字列

管理サーバーを終了する場合にのみ必須

domainname

サーバーが構成されるWebLogic Serverドメインの名前。

文字列

いいえ

adminserverurl

ドメインの管理サーバーにアクセスするためのURL。この属性は、ドメインの管理ターゲット・サーバーを起動する場合に必須です。

文字列

管理ターゲット・サーバーを起動する場合は必須

username

管理者アカウントのユーザー名。username属性とpassword属性の両方を省略すると、wlserverboot.propertiesファイルから暗号化されたユーザー名およびパスワードの値を取得しようとします。boot.propertiesの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』起動IDファイルに関する項を参照してください。

文字列

いいえ

password

管理者アカウントのパスワード。username属性とpassword属性の両方を省略すると、wlserverboot.propertiesファイルから暗号化されたユーザー名およびパスワードの値を取得しようとします。boot.propertiesの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』起動IDファイルに関する項を参照してください。

文字列

いいえ

pkpassword

SSL秘密鍵ファイルを復号化するための秘密鍵パスワード。

文字列

いいえ

timeout

wlserverがサーバーの起動を待機する最大時間(ミリ秒単位)。動作中のサーバーに接続するときの最大待機時間も指定します。

この属性のデフォルト値は0です - その場合、Antタスクはタイムアウトしません。

long

いいえ

timeoutSeconds

wlserverがサーバーの起動を待機する最大時間(秒単位)。動作中のサーバーに接続するときの最大待機時間も指定します。

この属性のデフォルト値は0です - その場合、Antタスクはタイムアウトしません。

long

いいえ

productionmodeenabled

サーバー・インスタンスを開発モードと本番モードのどちらで起動するかを指定します。

開発モードでは、WebLogic Serverインスタンスはdomain_name/autodeployディレクトリ(domain_nameはWebLogic Serverドメインの名前)にあるアプリケーションを自動的にデプロイおよび更新できます。つまり、開発モードでは自動デプロイを使用します。本番モードでは、自動デプロイメント機能は無効になります。詳細は、「アプリケーションおよびモジュールのデプロイ」を参照してください。

この属性の有効な値は、TrueおよびFalseです。デフォルト値はFalseです(つまり、デフォルトでは、サーバー・インスタンスは開発モードで起動します。)

注意: この属性をTrueに設定して本番モードでサーバーを起動する場合は、サーバーを再起動して開発モードに戻す必要があります。つまり、WebLogic Scripting Tool (WLST)など他の管理ツールを使用して、実行中のサーバーでモードをリセットすることはできません。

ブール

いいえ

host

サーバー・インスタンスがリスニングするDNS名またはIPアドレス。

この属性のデフォルト値はlocalhostです。

文字列

いいえ

port

サーバー・インスタンスがリスニングするTCPポート番号。

この属性のデフォルト値は7001です。

int

いいえ

generateconfig

wlserverが、指定されたサーバーの新しいドメインを作成するかどうかを指定します。

この属性の有効な値は、trueおよびfalseです。デフォルト値はfalseです。

ブール

いいえ

action

wlserverが実行するアクションを指定します。 startshutdownreboot、またはconnect

shutdownアクションは、強制停止を実行するforceshutdown属性(オプション)と組み合わせて使用することもできます。

この属性のデフォルト値はstartです。

文字列

いいえ

failonerror

WebLogic Server Antタスクで使用されるグローバル属性。ビルド中にエラーが発生した場合、タスクを失敗させるかどうかを指定します。

この属性の有効な値は、trueおよびfalseです。デフォルト値はfalseです。

ブール

いいえ

forceshutdown

この省略可能な属性は、強制停止を実行するためにaction="shutdown"属性と組み合わせて使用されます。例:

<wlserver
  host="${wls.host}"
  port="${port}"
  username="${wls.username}"
  password="${wls.password}"
  action="shutdown"
  forceshutdown="true"/>

この属性の有効な値は、trueおよびfalseです。デフォルト値はfalseです。

ブール

いいえ

noExit

(オプション) Antが終了した後もサーバー・プロセスを実行したままにします。有効な値は、trueまたはfalseです。デフォルト値はFalseで、Antが終了するとサーバー・プロセスも停止することを意味します。

ブール

いいえ

protocol

wlserver AntタスクがWebLogic Serverインスタンスとの通信に使用するプロトコルを指定します。

有効な値は、t3t3shttphttps、およびiiopです。デフォルト値はt3です。

文字列

いいえ

forceImplicitUpgrade

8.1以前のドメインで実行されているwlserver Antタスクがドメインを暗黙的にアップグレードするかどうかを指定します。

有効な値は、trueまたはfalseです。デフォルト値はfalse。つまり、Antタスクは暗黙的にドメインをアップグレードせず、ドメインをアップグレードする必要があるというエラーを表示して失敗します。

ドメインのアップグレードの詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』を参照してください。

ブール

いいえ

configFile

ドメインの構成ファイルを指定します。

この属性の値は、http://xmlns.oracle.com/weblogic/domain/1.0/domain.xsdのWebLogic Server Domain Configuration Schemaで定義したXMLスキーマに準拠する有効なXMLファイルである必要があります。

XMLファイルは、ドメインの管理サーバーのルート・ディレクトリ(カレント・ディレクトリか、またはdir属性で指定したディレクトリ)に存在する必要があります。

この属性を指定しない場合のデフォルトは、dir属性で指定したディレクトリのconfig.xmlになります。dir属性を指定していない場合、デフォルト・ドメインのディレクトリはカレント・ディレクトリです。

文字列

いいえ

useBootProperties

WebLogic Serverインスタンスの起動時にboot.propertiesファイルを使用するかどうかを指定します。この属性がtrueに設定されている場合、WebLogic Serverは、boot.propertiesファイルに格納されているユーザー名と暗号化されているパスワードを使用して、username属性とpassword属性で設定された値以外から起動します。

注意: WebLogic Serverインスタンスの終了時と再起動時にもusernamepassword属性の値が使用されます。useBootProperties属性は、サーバーの起動時にのみ適用されます。この属性の有効な値は、trueおよびfalseです。デフォルト値はfalseです。

ブール

いいえ

verbose

Antタスクが、アクションの実行中に追加情報を出力するかどうかを指定します。

この属性の有効な値は、trueおよびfalseです。デフォルト値はfalseです。

ブール

いいえ


wlconfig Antタスクを使用したWebLogic Serverドメインの構成

次の項では、wlconfig Antタスクを使用してWebLogic Serverドメインを構成する方法について説明します。


注意::

wlconfig Antタスクは、MBeanサーバーと互換性のあるMBeanに対してのみ機能しますが、これはWebLogic Server 9.0以降では非推奨になりました。具体的には、wlconfig Antタスクは非推奨の独自APIであるweblogic.management.MBeanHomeを使用してWebLogic MBeanにアクセスするので、wlconfigは、MBeanを探す際に標準のJMXインタフェース(javax.management.MBeanServerConnection)を使用しません。つまり、wlconfigを使用してアクセスできるMBeanは、Oracle WebLogic ServerのMBeanリファレンスの非推奨になったMBeanのカテゴリにリストされているもののみということになります。

同等の機能を実現するには、WebLogic Scripting Tool (WLST)を使用する必要があります。『WebLogic Scripting Toolの理解』を参照してください。


wlconfig Antタスクの機能

wlconfig Antタスクを使用すると、動作中の管理サーバー・インスタンス上でMBeanの作成、問合せ、変更を行うことで、WebLogic Serverドメインを構成できます。特に、wlconfigでは次のことを実行できます。

  • 新しいMBeanを作成し、必要に応じて新しいMBeanオブジェクト名をAntプロパティに格納します。

  • 管理サーバー上で使用可能な、指定したMBeanに属性値を設定します。

  • MBeanを作成するコマンドの内部に属性を設定するコマンドをネストすることで、MBeanの作成と属性の設定を1回の手順で行います。

  • MBeanの問合せを実行し、必要に応じて問合せの結果をAntプロパティ参照内に格納します。

  • MBeanの問合せを実行し、一致するすべての結果に対して属性を設定します。

  • 作成コマンドを他の作成コマンドの内部にネストすることで、MBean間の親子関係を確立します。

wlconfigを使用する基本的な手順

  1. コマンド・シェルで環境を設定します。詳細は、「wlserverを使用する基本的な手順」を参照してください。


    注意:

    wlconfigタスクは、WebLogic Serverに付属しているバージョンのAntであらかじめ定義されています。独自にインストールしたAntでこのタスクを使用する場合は、ビルド・ファイルに次のタスク定義を追加します。
    <taskdef name="wlconfig" classname="weblogic.ant.taskdefs.management.WLConfig"/>
    

  2. Antタスクのコンテキストで作成された新しいWebLogic Serverドメインを構成するには、通常wlconfigwlserverと組み合わせて使用します。wlconfigを使用してそのようなドメインを構成する場合は、最初にwlserver属性を使用して新しいドメインを作成し、WebLogic Serverインスタンスを起動します。

  3. wlconfigタスクの最初の呼出しを追加して、ドメインの管理サーバーに接続します。例:

    <target name="doconfig">
       <wlconfig url="t3://localhost:7001" username="weblogic"
          password=password>
    </target>
    
  4. ネストされたcreatedeletegetsetおよびquery要素を追加して、ドメインを構成します。

  5. ステージング・ディレクトリでantと入力し、必要であればこのコマンドにターゲットの引数を渡して、build.xmlファイルで指定されたAntタスク(1つまたは複数)を実行します。

    prompt> ant doconfig
    

    wlconfigタスクからより詳細なメッセージを取得するには、ant -verboseを使用します。


    注意:

    ドメイン作成スクリプトとしてはWLSTをお薦めします。ソフトウェアとともにインストールされているオフラインのWLSTサンプル・スクリプトを参照してください。これらのスクリプトを参照すると、ドメイン・テンプレートを使用してドメインを作成する方法が理解できます。オフライン・スクリプトは、WL_HOME\common\templates\scripts\wlstディレクトリにあります。WL_HOMEは、WebLogic Serverの最上位のインストール・ディレクトリを表します。たとえば、basicWLSDomain.pyスクリプトを実行すると、単純なWebLogicドメインが作成されます。一方、sampleMedRecDomain.pyを実行すると、Avitek MedRecサンプルで使用するようなリソースを定義したドメインが作成されます。『WebLogic Scripting Toolの理解』を参照してください。

wlconfig Antタスク・リファレンス

次の項では、wlconfigで使用可能な属性と要素について説明します。

主な属性

次の表では、wlconfig Antタスクの主な属性について説明します。

表2-2 wlconfig Antタスクの主な属性

属性 説明 データ型 必須?

url

ドメインの管理サーバーのURL。

文字列

はい

username

管理者アカウントのユーザー名。

文字列

いいえ

password

管理者アカウントのパスワード。

ビルド・ファイルまたはpsなどのプロセス・ユーティリティでパスワードがプレーン・テキストで表示されないようにするには、まずWebLogic Scripting Tool (WLST)のstoreUserConfigコマンドを使用して有効なユーザー名と暗号化されたパスワードを構成ファイルに格納します。次に、Antビルド・ファイルでusernamepasswordの両属性を省略します。これらの属性を省略すると、wlconfigはデフォルト構成ファイルの値を使用してログインを試みます。

デフォルト以外の構成ファイルとキー・ファイルからユーザー名およびパスワードを取得する場合は、wlconfiguserconfigfile属性およびuserkeyfile属性を使用します。

パスワードの格納と暗号化の詳細は、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』storeUserConfigのコマンド・リファレンスに関する項を参照してください。

文字列

いいえ

failonerror

WebLogic Server Antタスクで使用されるグローバル属性。ビルド中にエラーが発生した場合、タスクを失敗させるかどうかを指定します。この属性は、デフォルトでtrueに設定されます。

ブール

いいえ

userconfigfile

管理ユーザー名および管理パスワードを取得するために使用するユーザー構成ファイルの場所を指定します。このオプションは、プレーン・テキストのパスワードをインラインに表示したくない場合はビルド・ファイルで、またはpsなどのプロセス・レベルのユーティリティでusernameおよびpassword属性のかわりに使用します。

userconfigfile属性を指定する前に、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』の説明に従い、WebLogic Scripting Tool (WLST)のstoreUserConfigコマンドを使用して、まずファイルを生成する必要があります。

ファイル

いいえ

userkeyfile

ユーザー構成ファイル(userconfigfile属性)に格納されたユーザー名とパスワードの情報を暗号化および復号化するために使用するユーザー・キー・ファイルの場所を指定します。

userkeyfile属性を指定する前に、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』の説明に従い、WebLogic Scripting Tool (WLST)のstoreUserConfigコマンドを使用して、まずキー・ファイルを生成する必要があります。

ファイル

いいえ


ネストされる要素

wlconfigには、構成オプションを指定するためにネストできる要素もあります。

create

create要素は、WebLogic Serverドメインで新しいMBeanを作成します。wlconfigタスクにはcreate要素をいくつでも指定できます。

create要素には、ネストされたset要素をいくつでも指定できます。この要素では、新しく作成されるMBeanの属性を設定します。create要素にはネストされたcreate要素を追加することもできます。この要素は子MBeanを作成します。

create要素には次の属性があります。

表2-3 create要素の属性

属性 説明 データ型 必須?

name

作成する新しいMBeanオブジェクトの名前。

文字列

いいえ(何も指定しない場合、wlconfigがデフォルト名を供給します。)

type

MBeanタイプ。

文字列

はい

property

新しく作成されるMBeanのオブジェクト名を保持するオプションのAntプロパティの名前。

注意: create要素を別のcreate 要素の中にネストした場合、ネストしたcreate要素にはproperty属性を指定できません。

文字列

いいえ


delete

delete要素は、WebLogic Serverドメインから既存のMBeanを削除します。delete要素には属性が1つあります。

表2-4 delete要素の属性

属性 説明 データ型 必須?

mbean

削除するMBeanのオブジェクト名。

文字列

delete要素がwlconfigタスクの直接の子である場合は必須です。query要素内にネストされている場合は省略可能です。


set

set要素は、指定されたMBean、新しく作成されたMBean、または問合せの一部として取得されたMBeanに対して、MBean属性を設定します。set要素は、wlconfigタスクの直接の子として、またはcreate要素やquery要素の内部にネストして指定することができます。

set要素には次の属性があります。

表2-5 set要素の属性

属性 説明 データ型 必須?

attribute

設定するMBean属性の名前。

文字列

はい

value

指定されたMBean属性に設定する値。

値のリスト全体を引用符で囲み、オブジェクト名をセミコロンで区切ることによって、(Antプロパティに格納されている)複数のオブジェクト名を1つの値として指定できます。

文字列

はい

mbean

値を設定するMBeanのオブジェクト名。この属性は、set要素がメインのwlconfigタスクの直接の子として指定される場合にのみ必須ですが、set要素がcreateまたはquery要素のコンテキスト内にネストされる場合は省略可能です。

文字列

set要素がwlconfigタスクの直接の子である場合にのみ必須

domain

この属性は、セキュリティMBeanまたはサード・パーティSPI MBeanのJMXドメイン名を指定します。ドメインはWebLogic Serverドメインに相当するため、管理MBeanの場合は省略可能です。

注意: set要素をcreate要素の中にネストした場合、この属性は使用できません。

文字列

いいえ


get

get要素は、WebLogic ServerドメインのMBeanから属性値を取得します。wlconfigタスクにはget要素をいくつでも指定できます。

get要素には次の属性があります。

表2-6 get要素の属性

属性 説明 データ型 必須?

attribute

値を取得するMBean属性の名前。

文字列

はい

property

取得したMBean属性値を保持するAntプロパティの名前。

文字列

はい

mbean

属性値を取得するMBeanのオブジェクト名。

文字列

はい


query

query要素は検索パターンに一致するMBeanを見つけます。

query要素は、以下のネストされた子要素をサポートします。

  • set - 結果セット内のすべてのMBeanに対してset操作を実行します。

  • get - 結果セット内のすべてのMBeanに対してget操作を実行します。

  • create - 結果セット内の各MBeanが、新しいMBeanの親として使用されます。

  • delete - 結果セット内のすべてのMBeanに対してdelete操作を実行します。

  • invoke - 結果セット内で一致するMBeanをすべて呼び出します。

wlconfigタスクには、ネストされたquery要素をいくつでも指定できます。

queryには次の属性があります。

表2-7 query要素の属性

属性 説明 データ型 必須?

domain

MBeanを検索するWebLogic Serverドメインの名前。

文字列

いいえ

type

問合せを実行するMBeanのタイプ。

文字列

いいえ

name

問合せを実行するMBeanの名前。

文字列

いいえ

pattern

JMX問合せパターン。

文字列

いいえ

property

問合せ結果を格納するオプションのAntプロパティの名前。

文字列

いいえ

domain

この属性は、セキュリティMBeanまたはサード・パーティSPI MBeanのJMXドメイン名を指定します。ドメインはWebLogic Serverドメインに相当するため、管理MBeanの場合は省略可能です。

文字列

いいえ


invoke

invoke要素は、1つまたは複数のMBeanの管理操作を呼び出します。WebLogic Server Mbeanの場合、通常このコマンドを使用して、ほとんどのWebLogic Server MBeanが備えているgetAttributesetAttribute以外の操作を呼び出します。

invoke要素には次の属性があります。

表2-8 invoke要素の属性

属性 説明 データ型 必須?

mbean

呼び出すMBeanのオブジェクト名。

文字列

invoke要素のmbean属性またはtype属性の指定が必須です。

type

呼出しを実行するMBeanのタイプ。

文字列

invoke要素のmbean属性またはtype属性の指定が必須です。

methodName

呼出しを実行するMBeanのメソッド。

文字列

はい

arguments

methodName属性で指定したメソッドに渡される引数のリスト(スペース区切り)。

文字列

いいえ


libclasspath Antタスクの使用

libclasspath Antタスクは、アプリケーション・ライブラリやWebライブラリなどのライブラリを使用するアプリケーションをビルドするために使用します。

libclasspathタスクの定義

独自にインストールしたAntでこのタスクを使用するには、ビルド・ファイルに次のタスク定義を追加します。

   <taskdef name="libclasspath" classname="weblogic.ant.taskdefs.build.LibClasspathTask"/>

libclasspath Antタスク・リファレンス

次の項では、libclasspath Antタスクで使用できる属性と要素について説明します。

libclasspathの主な属性

次の表では、libclasspath Antタスクの主な属性について説明します。

表2-9 libclasspath Antタスクの属性

属性 説明 必須
basedir

抽出元の.earまたは.warファイルのルート。

basedirまたはbasewarが必須。

basewar

抽出元の.warファイルの名前。

basewarを指定した場合、basedirは無視されて、basewarで参照されているライブラリが、クラスパスまたはリソース・パースの情報の抽出元となる.warファイルとして使用されます。

tmpdir

ライブラリの抽出に使用されるディレクトリの完全修飾名。

はい。

classpathproperty

参照されるライブラリのクラスパスを指定します。

たとえば、basedirweblogic.xmlファイル内のWebアプリケーション・ライブラリを参照する.warファイルを指している場合、classpathpropertyにはWebアプリケーション・ライブラリのWEB-INF/classesおよびWEB-INF/libディレクトリを指定します。

また、basedirWEB-INF/bea-ext以下に.warのファイル群を格納した.warファイルを指している場合、classpathpropertyには、このOracle拡張機能のWEB-INF/classesおよびWEB-INF/libディレクトリを指定します。

2つの属性のうち少なくとも1つが必須。

resourcepathproperty

クラスではないライブラリ・リソースを指定します。

たとえば、basedirWEB-INF/bea-ext以下に.warのファイル群を格納した.warファイルを指している場合、resourcepathpropertyには展開された拡張機能のルートを指定します。



ネストされるlibclasspathの要素

libclasspathには、構成オプションを指定するためにネストできる2つの要素があります。libclasspath Antタスクを使用する場合は、少なくともこのうちの1つの要素が必要です。

librarydir

この要素を使用する場合は次の属性が必須です。

dir - このディレクトリのすべてのファイルが使用可能なライブラリとして登録されることを指定します。

library

この要素を使用する場合は次の属性が必須です。

file-このファイルが使用可能なライブラリとして登録されます。

libclasspath Antタスクの例

この項では、libclasspath Antタスクのサンプル・コードを示します。

例2-1 libclasspath Antタスクのサンプル・コード

.
.
.
   <taskdef name="libclasspath" classname="weblogic.ant.taskdefs.build.LibClasspathTask"/>

   <!-- Builds classpath based on libraries defined in weblogic-application.xml. -->
   <target name="init.app.libs"> 
      <libclasspath basedir="${src.dir}" tmpdir="${tmp.dir}" classpathproperty="app.lib.classpath">
         <librarydir dir="${weblogic.home}/common/deployable-libraries/"/>
      </libclasspath>
   <echo message="app.lib.claspath is ${app.lib.classpath}" level="info"/>
   </target>
.
.
.