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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72974-04
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2 Oracle Database Clientのインストール前の作業

この章では、Oracle Database Client製品をインストールする前に完了しておく必要のある次の作業について説明します。

2.1 Oracle Database Clientのハードウェア要件

表2-1に、Windows(32-bit)でのOracle Database Clientの必須ハードウェア・コンポーネントを示します。

表2-2に、Windows x64でのOracle Database Clientの必須ハードウェア・コンポーネントを示します。

表2-1 Windows(32-bit)のハードウェア要件

要件 最小値

システム・アーキテクチャ

プロセッサ: Intel(x86)、AMD64、Intel EM64T

注意: Oracle Database Clientには、32ビット(Windows x86)および64ビット(Windows x64)のバージョンが用意されています。32ビット・バージョンのデータベース・クライアントは、x86またはx64ハードウェアの32ビット・バージョンのWindows上で実行されます。Windows x64で32ビットのOracle Database Clientは、動作保証されています。表2-5に、Windows 32-bitでサポートされるオペレーティング・システムを示します。

物理メモリー(RAM)

1GB(最小)

仮想メモリー

RAM容量の2倍

ハードディスク領域

合計は、300から1160MB。詳細は、表2-3を参照。

ビデオ・アダプタ

256色

画面解像度

1024 X 768以上


表2-2 Windows x64のハードウェア要件

要件 最小値

システム・アーキテクチャ

プロセッサ: AMD64およびIntel EM64T

注意: Oracle Database Clientには、32ビット(Windows x86)および64ビット(Windows x64)のバージョンが用意されています。Windows x64で32ビットのOracle Database Clientは、動作保証されています。表2-6に、Windows x64でサポートされるオペレーティング・システムを示します。

物理メモリー(RAM)

2GB(最小)

仮想メモリー

RAM容量の2倍

ハードディスク領域

合計は、430から1570MB。詳細は、表2-4を参照。

ビデオ・アダプタ

256色

画面解像度

1024 X 768以上


2.1.1 ハードディスク領域の要件

このセクションでは、NT File System(NTFS)を使用するWindowsプラットフォームのシステム要件を示します。

この項で示すNTFSのシステム要件は、Oracle Universal Installerのサマリー・ウィンドウで報告されるハードディスクの値より正確です。サマリー・ウィンドウには、ディスク領域、データベースの作成に必要な領域、またはハード・ドライブ上で展開される圧縮ファイルのサイズの正確な値は表示されません。

Oracle Database Clientコンポーネントのハードディスク要件には、オペレーティング・システムがインストールされているパーティションへのJava Runtime Environment(JRE)およびOracle Universal Installerのインストールに必要な領域が含まれます。 十分な領域が検出されないと、インストールは失敗し、エラー・メッセージが表示されます。

表2-3に、Windows(32-bit)におけるNTFSでのディスク領域要件を示します。

表2-4に、Windows x64におけるNTFSでのディスク領域要件を示します。

表2-3 NTFSのWindows(32-bit)のディスク領域要件

インストール・タイプ TEMP領域 SYSTEM_DRIVE:\Program Files\Oracle\Inventory Oracleホーム 合計

InstantClient

130MB

5MB

350MB

485MB

管理者

130MB

5MB

1.5GB

1635MB

ランタイム

130MB

5MB

1.1GB

1235MB

カスタム(全コンポーネントがインストールされる)

130MB

5MB *

1.5GB *

1635MB *


* ディスク領域の要件は、選択されたコンポーネントによって変わります。

表2-4 NTFSのWindows x64のディスク領域要件

インストール・タイプ TEMP領域\ SYSTEM_DRIVE:\Program Files\Oracle\Inventory Oracleホーム 合計

InstantClient

130MB

5MB

350MB

485MB

管理者

130MB

5MB

1.5GB

1635MB

ランタイム

130MB

5MB

1.1GB

1235MB

カスタム(全コンポーネントがインストールされる)

130MB

5MB *

1.5GB *

1635MB *


* ディスク領域の要件は、選択されたコンポーネントによって変わります。


注意:

Instant ClientのInstant Client Lightコンポーネントのみを構成する場合、関連ファイルを格納するために30から32MBのディスク領域が必要です。詳細は、「Instant Client Lightの構成」を参照してください。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』

2.1.2 ハードウェア要件の確認

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次のようにします。

  1. 物理RAMサイズを確認します。たとえば、Windows Server 2008のコンピュータの場合、Windowsのコントロール パネルの「システム」をダブルクリックして、プロセッサ、メモリー(RAM)、システム・タイプなどのシステム情報を表示します。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、Windowsのコントロール パネルの「システムとセキュリティ」をクリックして、「システム」をクリックします。

    システムにインストールされている物理RAMのサイズが必要サイズより小さい場合は、先に進む前にメモリーを増設する必要があります。

  2. 構成済の仮想メモリーのサイズ(ページング・ファイル・サイズ)を確認します。たとえば、Windows Server 2008で稼働するコンピュータの場合、「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックして、「パフォーマンス」セクションで「設定」をクリックします。次に、「詳細設定」タブを選択します。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」をクリックして、「システムの詳細設定」をクリックし、「システムのプロパティ」ページで「詳細」タブをクリックし、「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。それから「パフォーマンス オプション」の「詳細設定」タブを選択します。

    仮想メモリーが「仮想メモリ」セクションに表示されます。

    追加の仮想メモリーを構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  3. システムの空きディスク領域量を確認します。たとえば、Windows Server 2008で稼働するコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」をダブルクリックし、Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックして、「プロパティ」を選択します。

    Windows Server 2008 R2で稼働するコンピュータの場合、「マイ コンピュータ」を右クリックして、「開く」をクリックします。

  4. tempディレクトリ内の使用可能なディスク領域の量を確認します。これは、空きディスク領域の合計量から、インストールするOracleソフトウェアに必要な領域量を引いた量に相当します。

    Windows x64の場合、tempディレクトリで使用可能なディスク領域が125MB未満の場合は、不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が125MB未満である場合は、TEMPまたはTMP環境変数が別のハード・ドライブの場所を指すように設定します。

    たとえば、Windows Server 2008のコンピュータで環境変数を変更するには、「システム」をダブルクリックし、「詳細設定」タブをクリックして、「環境変数」をクリックします。

    Windows Server 2008 R2のコンピュータの場合、「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」をクリックして、「システムの詳細設定」をクリックし、「システムのプロパティ」ページで「詳細」タブをクリックし、「環境変数」をクリックします。

2.2 Oracle Database Clientのソフトウェア要件

この項の内容は、次のとおりです。

2.2.1 Oracle Database Clientの全般的なソフトウェア要件(Windows 32-bit)

表2-5に、Windows(32-bit)でのOracle Database Clientのソフトウェア要件を示します。

表2-5 Windows(32-bit)のソフトウェア要件

要件 説明

オペレーティング・システム

Oracle Database Client for Windowsは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。

  • Windows Server 2008 - Standard、Enterprise、DatacenterおよびWebエディション。サーバー・コア・オプションはサポートされていません。

  • Windows 7 - Professional、EnterpriseおよびUltimateエディション

  • Windows 8およびWindows 8.1 - ProおよびEnterpriseエディション

Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。

Hyper-Vサポートの詳細は、My Oracle Supportを参照してください。

https://support.oracle.com/epmos/faces/DocumentDisplay?id=1563794.1

コンパイラ

Pro*COBOLは、Net Express 5.1でテストおよび動作保証されています。

次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ 2010 SP1、Microsoft Visual C++ 2012、Microsoft Visual C++ 2013 Update 2およびIntel 12.1 Cの各コンパイラでサポートされています。

  • Oracle Call Interface

  • 外部コールアウト

  • Pro*C/C++ (この時点のリリースではMicrosoft Visual C++ 2013 Update 2ではサポートされていません)

  • Oracle XML Developer's Kit(XDK)

Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。

  • Microsoft Visual C++ 2010 SP1

  • Microsoft Visual C++ 2012 - OCCIライブラリはORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc11にインストールされています。OCCIアプリケーションをMSVC++ 2012で開発する場合、リンクや実行用にこのディレクトリのOCCIライブラリが正しく選択されていることを確認します。

  • Microsoft Visual C++ 2013 - OCCIライブラリはORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc12にインストールされます。OCCIアプリケーションをMSVC++ 2013で開発する場合、リンクや実行用にこのディレクトリのOCCIライブラリが正しく選択されていることを確認します。

  • Microsoft Visual Studio 2010 STLでのIntel 12.1 Cコンパイラ

ネットワーク・プロトコル

Oracle Net Foundationレイヤーでは、Oracleプロトコル・サポートを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。

  • TCP/IP

  • SSL付きTCP/IP

  • Named Pipes


2.2.2 Oracle Database Clientの全般的なソフトウェア要件(Windows x64)

表2-6に、Windows x64でのOracle Database Clientのソフトウェア要件を示します。

表2-6 Windows x64のソフトウェア要件

要件 説明

オペレーティング・システム

Oracle Database Client for Windowsは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。

  • Windows Server 2008 x64 - Standard、Enterprise、DatacenterおよびWebエディション

  • Windows Server 2008 R2 x64 Standard、Enterprise、Datacenter、WebおよびFoundationエディション。

  • Windows 7 x64 - Professional、EnterpriseおよびUltimateエディション

  • Windows 8 x64およびWindows 8.1 x64 - ProおよびEnterpriseエディション

  • Windows Server 2012 x64およびWindows Server 2012 R2 x64 - Standard、Datacenter、EssentialsおよびFoundationエディション

Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。サーバー・コア・オプションはサポートされていません。

注意 :Hyper-Vサポートの詳細は、My Oracle Supportを参照してください。

https://support.oracle.com/epmos/faces/DocumentDisplay?id=1563794.1

コンパイラ

Pro*COBOLは、Net Express 5.1でテストおよび動作保証されています。

次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ 2010 SP1、Microsoft Visual C++ 2012、Microsoft Visual C++ 2013 Update 2およびIntel 12.1 Cの各コンパイラでサポートされています。

  • Oracle Call Interface

  • 外部コールアウト

  • Pro*C/C++ (この時点のリリースではMicrosoft Visual C++ 2013 Update 2ではサポートされていません)

  • Oracle XML Developer's Kit(XDK)

Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。

  • Microsoft Visual C++ 2010 SP1

  • Microsoft Visual C++ 2012 - OCCIライブラリはORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc11にインストールされています。OCCIアプリケーションをMSVC++ 2012で開発する場合、リンクや実行用にこのディレクトリのOCCIライブラリが正しく選択されていることを確認します。

  • Microsoft Visual C++ 2013 - OCCIライブラリはORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc12にインストールされます。OCCIアプリケーションをMSVC++ 2013で開発する場合、リンクや実行用にこのディレクトリのOCCIライブラリが正しく選択されていることを確認します。

  • Microsoft Visual Studio 2010 STLでのIntel 12.1 Cコンパイラ

ネットワーク・プロトコル

Oracle Net Foundationレイヤーでは、Oracleプロトコル・サポートを使用して、業界標準の次のネットワーク・プロトコルと通信します。

  • TCP/IP

  • SSL付きTCP/IP

  • Named Pipes


2.2.3 Instant Client Lightの言語およびキャラクタ・セットの要件

Instant Client Lightを使用する場合は、前の項で説明した要件の他に、アプリケーションで次の言語とキャラクタ・セットを使用する必要があります。

  • 言語: Oracleでサポートされている任意の言語。ただし、クライアント側で発生したエラーには、アメリカ英語のエラー・メッセージのみが返されます。

  • 地域: Oracleでサポートされる地域。

  • キャラクタ・セット:

    • シングルバイト

      • US7ASCII

      • WE8DEC

      • WE8ISO8859P1

      • WE8MSWIN1252

    • Unicode

      • UTF8

      • AL16UTF16

      • AL32UTF8

Instant Client Lightは、次のデータベース・キャラクタ・セットのいずれかを備えるデータベースに接続できます。クライアントまたはデータベースのキャラクタ・セットとしてリスト以外のキャラクタ・セットが使用されると、エラーが返されます。

  • US7ASCII

  • WE8DEC

  • WE8MSWIN1252

  • WE8ISO8859P1

  • WE8EBCDIC37C

  • WE8EBCDIC1047

  • UTF8

  • AL32UTF8

Instant Client Lightは、OCI_UTF16モードで作成されたOCI環境ハンドルでも操作できます。

言語、地域およびキャラクタ・セットは、NLS_LANGパラメータによって決まります。このパラメータは、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\KEY_HomeName\NLS_LANGサブキーの下のレジストリに格納されています。HomeNameは、Oracleホームを識別する一意の名前です。


注意:

AL32UTF8は、XMLTypeデータに適したOracle Databaseキャラクタ・セットです。これはIANAの登録済標準であるUTF-8エンコーディングと同等であり、すべての有効なXML文字をサポートします。

Oracle Databaseのデータベース・キャラクタ・セットUTF8(ハイフンなし)をデータベース・キャラクタ・セットAL32UTF8またはキャラクタ・エンコーディングUTF-8と混同しないでください。データベース・キャラクタ・セットUTF8はAL32UTF8で置き換えられています。XMLデータにはUTF8を使用しないでください。UTF8でサポートされるのはUnicodeバージョン3.1以下のみで、有効なXML文字がすべてサポートされるわけではありません。AL32UTF8には、このような制限はありません。

XMLデータにデータベース・キャラクタ・セットUTF8を使用すると、リカバリできないエラーが発生したりセキュリティに悪影響を及ぼす可能性があります。データベース・キャラクタ・セットでサポートされていない文字がinput-document要素名に表示される場合は、置換文字(通常は疑問符)で置き換えられます。このため、解析が終了して例外が発生します。



関連項目:

NLS_LANGの詳細は、付録C「Oracle Databaseグローバリゼーション・サポートの構成」を参照してください。

2.3 Oracleホーム・ユーザーの作成

Oracle Database Clientのインストール時に、Oracleホームに関連付けるオプションのOracleホーム・ユーザーを指定できます。たとえば、ソフトウェアのインストールにOraSysという管理者ユーザー(Oracleインストール・ユーザー)を使用する場合は、このインストールのOracleホーム・ユーザーとしてORADOMAIN\OraClientドメイン・ユーザーを指定できます。Oracle Databaseソフトウェアをインストールする前に、指定したOracleホーム・ドメイン・ユーザーが存在する必要があります。

Oracleホーム・ユーザーには、Windows組込みアカウントまたは標準のWindowsユーザー・アカウント(管理者アカウント以外)を指定できます。Windowsユーザー・アカウントには、Windowsローカル・ユーザー、Windowsドメイン・ユーザーまたは管理されたサービス・アカウント(MSA)を使用できます。インストール時に新規作成できるユーザーは、Windowsローカル・ユーザーのみであり、Windowsドメイン・ユーザーやMSAは作成できません。新規作成されたユーザーは、Windowsコンピュータへの対話型ログオン権限を拒否されます。ただし、Windows管理者は他のWindowsアカウントと同様にこのアカウントを管理できます。


注意:

インストールが完了した後は、Oracleホーム・ユーザーを変更できません。Oracleホーム・ユーザーを変更する必要がある場合は、Oracle Database Clientソフトウェアを再インストールする必要があります。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』

サイレント・インストールが機能強化され、Oracleホーム・ユーザーのパスワード・プロンプトがサポートされるようになりました。これにより、カスタマおよび独立系ソフトウェアベンダー(ISV)は、パスワードをソース・コードにハード・コードせずにレスポンス・ファイルを使用できます。

2.4 Oracle Database Clientインストールのオペレーティング・システム・グループ

Oracle Universal Installerは、ORA_INSTALLORA_CLIENT_LISTENERSORA_HOMENAME_SVCSIDSなどのグループをインストール中に作成するため、これらのグループ、メンバーシップ、およびOracle作成の様々なグループに関連付けられているACLを変更しないでください。

2.5 Oracle Database Clientのネットワークのトピック

通常、Oracle Database Clientをインストールするコンピュータはネットワークに接続されていて、Oracle Database Clientのインストールを格納するローカルの記憶域があり、ディスプレイ・モニターとメディア・ドライブが備わっています。

この項では、このような標準的な構成とは異なるコンピュータにOracle Database Clientをインストールする方法を説明します。内容は次のとおりです。

2.5.1 複数のIPアドレスを持つコンピュータへのOracle Database Clientのインストール

複数のIPアドレスを持つコンピュータ(マルチホーム・コンピュータ)にOracle Database Clientをインストールできます。通常、マルチホーム・コンピュータには複数のネットワーク・カードがあります。各IPアドレスにはホスト名が関連付けられており、ホスト名には別名を設定できます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用してホスト名を検索します。

クライアントは、このホスト名またはこのホスト名の別名を使用して、コンピュータにアクセスできる必要があります。確認するには、短縮名(ホスト名のみ)と完全名(ホスト名とドメイン名)を使用して、クライアント・コンピュータからホスト名をpingします。どちらも機能する必要があります。

ORACLE_HOSTNAME環境変数の設定

ORACLE_HOSTNAME環境変数を設定する手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

  2. 「システムのプロパティ」ダイアログ・ボックスで、「詳細」をクリックします。

  3. 「詳細」タブで、「環境変数」をクリックします。

  4. 「環境変数」ダイアログ・ボックスの「システム変数」の下で、「新規」をクリックします。

  5. 「新しいシステム変数」ダイアログ・ボックスに次の情報を入力します。

    • 変数名: ORACLE_HOSTNAME

    • 変数値: 使用するコンピュータのホスト名。

  6. 「OK」をクリックした後、「環境変数」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

  7. 「環境変数」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックした後、「システムのプロパティ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

2.5.2 複数の別名を持つコンピュータへのOracle Database Clientのインストール

複数の別名を持つコンピュータは、単一のIPアドレスのもとにネーミング・サービスで登録されていますが、複数の別名を持っています。ネーミング・サービスは、これらの別名のすべてを同じコンピュータに解決します。こうしたコンピュータにOracle Database Clientをインストールする前に、ORACLE_HOSTNAME環境変数を、使用するホスト名のコンピュータに設定してください。

2.5.3 ネットワーク化されていないコンピュータへのOracle Database Clientのインストール

ネットワーク化されていないコンピュータにもOracle Database Clientをインストールできます。ラップトップなどのコンピュータがDHCP用に構成されており、Oracle Database Clientのインストール後にコンピュータをネットワークに接続する予定の場合は、Oracle Database Clientを非ネットワーク・コンピュータにインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。

    ループバック・アダプタとローカルIPアドレスによって、ネットワーク化されたコンピュータをシミュレートします。コンピュータをネットワークに接続した場合でも、Oracle DatabaseはローカルIPアドレスおよびホスト名を使用します。

  2. ホスト名のみと完全修飾名を使用して、コンピュータを自身からpingします。これはDRIVE_LETTER:\system32\drivers\etc\hostsファイルにあります。

    たとえば、ループバック・アダプタをmydomain.comドメイン上のmycomputerというコンピュータにインストールした場合、次の点を確認します。

    DRIVE_LETTER:\>ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
    DRIVE_LETTER:\>ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns local IP.
    

    注意:

    コンピュータを自身からpingする場合、pingコマンドによってローカルのIPアドレス(ループバック・アダプタのIPアドレス)が返されます。

    pingコマンドが失敗した場合、ネットワーク管理者に問い合せてください。

インストール後のネットワークへのコンピュータの接続

インストール後にネットワークにコンピュータを接続する場合、コンピュータ上のOracle Databaseインスタンスはネットワーク上にある他のインスタンスとともに動作可能です。ループバック・アダプタをコンピュータ上にインストールしておく必要がある点に注意してください。接続するネットワークによっては、コンピュータが静的IPまたはDHCPを使用できます。

2.5.4 ループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタのインストール時に、ループバック・アダプタはコンピュータのローカルIPアドレスを割り当てます。ループバック・アダプタをインストールすると、コンピュータのネットワーク・アダプタは、独自のネットワーク・アダプタとループバック・アダプタの少なくとも2つになります。WindowsでOracle Database Clientを実行するには、ループバック・アダプタをプライマリ・アダプタとして設定します。

アダプタのバインド順は、ループバック・アダプタを再インストールしなくても変更できます。プロトコルに対するアダプタのバインド順は、アダプタの使用順序を示します。ループバック・アダプタが最初にTCP/IPプロトコルに対して使用される場合、TCP/IPにアクセスするすべてのプログラムは最初にループバック・アダプタを調査します。Oracle Enterprise Managerなどのツールに対してローカル・アドレスが使用されます。異なるイーサネット・セグメントを使用する他のすべてのアプリケーションは、ネットワーク・カードへルーティングされます。

次の場合にループバック・アダプタが必要です。

この項の内容は、次のとおりです。

2.5.4.1 ループバック・アダプタがコンピュータにインストールされているかどうかの確認

コンピュータにループバック・アダプタがインストールされているか確認するには、ipconfig /allコマンドを実行します。

DRIVE_LETTER:\>ipconfig /all

注意:

コンピュータにインストールされたループバック・アダプタは、プライマリ・ネットワーク・アダプタにする必要があります。

ループバック・アダプタがインストール済の場合、ループバック・アダプタの値がリストされたセクションが表示されます。次に例を示します。

Ethernet adapter Local Area Connection 2:
Connection-specific DNS Suffix  . :
Description . . . . . . . . . . . : Microsoft Loopback Adapter
Physical Address. . . . . . . . . : 02-00-4C-4F-4F-50
DHCP Enabled. . . . . . . . . . . : No
IP Address. . . . . . . . . . . . : 10.10.10.10
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.0.0

2.5.4.2 Windows Server 2008でのループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタをWindows Server 2008にインストールする手順:

  1. Windowsの「コントロール パネル」を開きます。

  2. 「ハードウェアの追加」をダブルクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを起動します。

  3. 「ようこそ」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  4. 「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます」ウィンドウで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択して「次へ」をクリックします。

  5. 「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を選択して「次へ」をクリックします。

  6. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の項目を選択します。

    • 製造元: Microsoftを選択。

    • ネットワーク アダプタ: Microsoft Loopback Adapterを選択。

  7. 「次へ」をクリックします。

  8. 「ハードウェアをインストールする準備ができました」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  9. 「ハードウェアの追加ウィザードの完了」ウィンドウで、「完了」をクリックします。

  10. Windows Server 2008を使用している場合は、コンピュータを再起動します。

  11. デスクトップの「マイ ネットワーク」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。Windows Server 2008で稼働するコンピュータを使用している場合、「ネットワーク接続の管理」をクリックします。こうすると、ネットワーク接続のコントロール パネル項目が表示されます。

  12. 先ほど作成された接続を右クリックします。通常これは「ローカル エリア接続2」という名前です。「プロパティ」を選択します。

  13. 「全般」タブで「インターネット プロトコル(TCP/IP)」を選択し、「プロパティ」をクリックします。

  14. 「プロパティ」ダイアログ・ボックスで、「次の IP アドレスを使う」をクリックして次の手順を実行します。

    1. IPアドレス: ループバック・アダプタにルーティング不可のIPを入力します。次のルーティング不可のアドレスを推奨します。

      • 192.168.x.x(xは0から255の任意の値)

      • 10.10.10.10

    2. サブネット マスク: 255.255.255.0と入力します。

    3. 入力した値を保存します。この手順で後に必要となります。

    4. 他のフィールドはすべて空欄にします。

    5. 「OK」をクリックします。

  15. 「閉じる」をクリックします。

  16. 「ネットワーク接続」を閉じます。

  17. コンピュータを再起動します。

  18. DRIVE_LETTER:\ WINDOWS\system32\drivers\etc\hostsファイルのlocalhost行の後に、次の形式で1行を追加します。

    IP_address   hostname.domainname   hostname
    

    各パラメータの意味は次のとおりです。

    • IP_addressは、手順16で入力したルーティング不可のIPアドレスです。

    • hostnameはコンピュータ名です。

    • domainnameはドメイン名です。

    次に例を示します。

    10.10.10.10   mycomputer.mydomain.com   mycomputer
    
  19. ネットワーク構成を確認します。


    注意:

    ドメイン名はオプションです。

    1. コントロール パネルで「システム」を開き、「コンピューター名」タブを選択します。Windows Server 2008では、「コンピュータ名」タブはありません。「フル コンピューター名」で、たとえばsales.us.example.comのようにホスト名とドメイン名が表示されているか確認します。

    2. 「変更」をクリックします。「コンピューター名」の場合はホスト名、「フル コンピューター名」ではホスト名とドメイン名が表示されている必要があります。前述の例では、ホスト名はsalesでドメイン名はus.example.comとなります。

    3. 「詳細」をクリックします。「このコンピュータのプライマリ DNS サフィックス」に、たとえばus.example.comのようなドメイン名が表示されているはずです。

2.5.4.3 Windows 7およびWindows Server 2008 R2へのループバック・アダプタのインストール

Windows 7およびWindows Server 2008 R2にループバック・アダプタをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. 「スタート」をクリックして、検索ボックスにhdwwizと入力します。

  2. hdwwizをクリックして、「ハードウェアの追加」ウィザードを起動します。

  3. 前項の手順3に進みます。残りの手順は、Windows Server 2008の場合と同じです。

2.5.4.4 Windows 8およびWindows Server 2012へのMicrosoft KM-TEST Loopback Adapterのインストール

Windows 8およびWindows Server 2012にループバック・アダプタをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. 「Windows Server 2008でのループバック・アダプタのインストール」の項の手順1-5を実行します。

  2. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の項目を選択します。

    • 製造元: Microsoftを選択。

    • ネットワーク アダプタ: 「Microsoft KM-TEST Loopback Adapter」を選択。

      以降の手順は、Windows Server 2008の場合と同じです。

2.5.4.5 ループバック・アダプタの削除

ループバック・アダプタを削除する手順は、次のとおりです。

  1. Windowsの「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

  2. 「ハードウェア」タブで、「デバイス マネージャー」をクリックします。このタブは、Windows Server 2008にはありません。かわりに「デバイス マネージャー」をクリックしてください。

  3. 「デバイス マネージャー」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を展開表示します。「Microsoft Loopback Adapter」が表示されます。

  4. 「Microsoft Loopback Adapter」を右クリックして、「アンインストール」を選択します。

    Windows 8およびWindows Server 2012で、「Microsoft KM-TEST Loopback Adapter」を右クリックし、「アンインストール」を選択します。

  5. 「OK」をクリックします。

  6. コンピュータを再起動します。

  7. 他のWindowsオペレーティング・システムへのループバック・アダプタのインストール時にlocalhost行の後に追加された行を、DRIVE_LETTER:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hostsファイルから削除します。

2.6 Oracle Database Clientのハードウェアおよびソフトウェアの動作保証

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。このWebサイトでは、互換性のあるクライアントおよびデータベースのバージョン、パッチ、および不具合の回避策情報も提供しています。My Oracle SupportのWebサイトは、次のURLで参照できます。

https://support.oracle.com/

My Oracle Supportを使用するには、オンライン登録する必要があります。ログイン後、メニュー・オプションから「動作保証」タブを選択します。「動作保証」ページで、「動作保証検索」オプションを使用して、製品リリースおよびプラットフォーム別で検索します。製品デリバリライフタイム・サポートなどの、「動作保証クイック・リンク」のオプションを使用して検索することもできます。

次の項では、動作保証情報を示しています。

2.6.1 リモート・デスクトップ・サービス

Windowsでは、リモート・デスクトップ・サービス(以前のターミナル・サービス)によるOracle Database Clientのインストール、構成、実行がサポートされています。Oracle Database Clientをインストールする場合、すべての構成ツールをサーバーのTerminal Serverコンソール・セッションから(mstsc/consoleを使用して)開始することをお薦めします。

プラットフォーム固有のサポート情報は、次のとおりです。

  • Windowsクライアント・オペレーティング・システム: 単一ユーザー・モードでは、リモート・デスクトップのみを使用できます。

  • Windowsサーバー・オペレーティング・システム: 複数のリモート・デスクトップ・セッションが可能です。


関連項目:

  • リモート・デスクトップ・サービスの詳細は、次の場所のMicrosoftのWebサイトを参照してください。

    http://www.microsoft.com/

  • 最新のターミナル・サービスおよびリモート・デスクトップ・サービスの動作保証情報は、My Oracle SupportのWebサイトを参照してください。

    https://support.oracle.com/


2.6.2 SQL Developer用のサード・パーティ・データベースの動作保証

Oracle SQL Developerを使用して、複数のOracle以外のデータベースのメタデータおよびデータを表示できます。詳細は、『Oracle SQL Developerインストレーション・ガイド』のSQL Developer (Oracleおよびサード・パーティ)用のデータベースの動作保証に関する項を参照してください。

2.6.3 64ビット・プラットフォーム用の独立した32ビット・クライアント・ソフトウェア

Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降では、64ビット・クライアント・ソフトウェアに32ビット・クライアント・バイナリは含まれません。64ビット・プラットフォーム上で32ビット・クライアント・バイナリが必要な場合は、それぞれの32ビット・クライアント・ソフトウェアから、32ビット・バイナリをインストールできます。

32ビット・クライアントのバイナリを64ビット・プラットフォームにインストールする際、インストーラにより既存の32ビット・ソフトウェアの確認が行われます。


関連項目:

32ビットと64ビットのOracle Database Clientソフトウェアの両方を同じシステムにインストールする場合は、My Oracle Supportで次のノート1243374.1および781432.1を参照してください。
  • https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1243374.1

  • https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=781432.1


2.6.4 デフォルトの共有構成要件

Oracle Database Clientのインストール中の前提条件チェックでは、コンピュータのシステム・ドライブにデフォルト共有が構成されている必要があります。net useコマンドを使用して、たとえば次のように検証します。

C:\>net use\\hostname\c$
The command completed successfully.

現在のユーザー、つまり管理者グループのユーザーにデフォルト共有のすべての権限が付与されていることを確認してください。

2.6.5 Webブラウザのインストール要件

Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用するには、Webブラウザが必要です。WebブラウザがJavaスクリプトおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle SupportでOracle Enterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。

https://support.oracle.com


関連項目:

『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』