デフォルト: COMPATIBLE
用途
エクスポートするデータベース・オブジェクトのバージョンを指定します。指定したリリースと互換性のあるデータベース・オブジェクトおよび属性のみがエクスポートされます。このパラメータは、以前のリリースのOracle Databaseと互換性のあるダンプ・ファイル・セットの作成に使用できます。このことは、データ・ポンプ・エクスポートがOracle Database 10gリリース1(10.1)以前のOracle Databaseと一緒に使用できるという意味ではありません。データ・ポンプ・エクスポートは、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以降でのみ動作します。VERSION
パラメータを使用して可能になるのは、エクスポートするオブジェクトのバージョンの識別のみです。
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以上では、VERSION
パラメータをVERSION=12
とし、FULL=Y
と組み合せて指定することで、Oracle Database 12cにインポートできる全体エクスポートのダンプ・ファイルを生成できます。このエクスポートには、登録したデータベース・オプションおよびコンポーネントの情報が含まれます。(このダンプ・ファイル・セットをインポートできるのは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)以降のみです。)VERSION=12
とFULL=Y
の組合せに、TRANSPORTABLE=ALWAYS
も指定すると、Oracle Database 12cにインポートできる全体トランスポータブル・エクスポート・ダンプ・ファイルが生成されます。(「全体モード・エクスポート時のトランスポータブル・オプションの使用」を参照してください。)
構文および説明
VERSION=[COMPATIBLE | LATEST | version_string]
VERSION
パラメータで使用可能な値は、次のとおりです。
COMPATIBLE
- デフォルト値。メタデータのバージョンは、COMPATIBLE
初期化パラメータで指定したデータベース互換性レベルに対応します。 データベースの互換性は、9.2以上に設定する必要があります。
LATEST
- メタデータおよび生成されるSQL DDLのバージョンは、互換性レベルに関係なく、データベース・リリースに対応します。
version_string
: 特定のデータベース・リリース(11.2.0など)。Oracle Database 11gの場合、9.2未満の値は指定できません。
VERSION
で指定したリリースと互換性のないデータベース・オブジェクトまたは属性は、エクスポートされません。たとえば、指定したリリースではサポートされていない新しいデータ型を含む表はエクスポートされません。
制限事項
データ・ポンプ・エクスポートのVERSION
パラメータをTRANSPORT_TABLESPACES
パラメータと一緒に指定した場合、値はOracle Database COMPATIBLE
初期化パラメータ以上である必要があります。
データ・ポンプのVERSION
パラメータを12.1より前の任意の値に指定すると、4000バイトを超える長さのVARCHAR2
またはNVARCHAR2
列と、2000バイトを超える長さのRAW
列を含む表は、データ・ポンプのダンプ・ファイルから除外されます。
データ・ポンプのパラメータVERSION=12
を使用してOracle Database 11gリリースで作成したダンプ・ファイルは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以上でのみインポートできます。
例
次の例は、メタデータのバージョンがデータベースのリリースに対応している場合のエクスポートの例を示します。
> expdp hr TABLES=hr.employees VERSION=LATEST DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=emp.dmp NOLOGFILE=YES