Oracle Metadata Management (OMM)ソリューション

Oracle Metadata Management for Oracle Business Intelligence (OMM4OBI)
Oracle Enterprise Metadata Management (OEMM)

OMM Metadata Management

およびMeta Integration® Metadata Management (MIMM)

リリース・ノート、インストレーションおよびセットアップのREADME

目次

1. 概要

Oracle Metadata Management (OMM)ソリューションには、次の2つの製品が含まれます。
  • Oracle Metadata Management for Oracle Business Intelligence (OMM4OBI)
  • Oracle Enterprise Metadata Management (OEMM)

Oracle Metadata Management for Oracle Business Intelligenceは、Oracle環境のメタデータ管理のためのソフトウェア・パッケージです。Oracle Metadata Management for Oracle Business Intelligenceには、次のメタデータ管理機能が含まれます。

  • Oracleテクノロジからのメタデータ収集
  • メタデータの構成とスティッチング
  • メタデータの参照、検索およびレポーティング
  • メタデータのコラボレーション(外部URL、タグ付け、コメントおよびレビュー)
  • データ・フロー系統および影響分析
  • メタデータ・エクスプローラ(ビジネス・ユーザーのための簡易メタデータ・ユーザー・インタフェース)

Oracle Enterprise Metadata Managementは、マルチベンダー環境でのメタデータ管理とデータ・ガバナンスのサポートのためのソフトウェア・パッケージです。Oracle Enterprise Metadata Managementには、Oracle Metadata Management for Oracle Business Intelligenceのすべての機能と、その他に、次のメタデータ管理機能が含まれます。

  • マルチベンダー・テクノロジからのメタデータ収集
  • メタデータのバージョンおよび構成管理(変更管理)
  • データ・モデル・ダイアグラム・ビジュアライザおよびナビゲータ
  • データ・ガバナンス用のビジネス用語集
  • セマンティック系統および影響分析
  • セマンティック・マッピング・エディタ
  • データ・フロー・マッピング仕様エディタ

上記のOracle Metadata Managementソリューションは、Meta Integration® Repository (MIR)データベース・サーバーに基づくMeta Integration® Metadata Management (MIMM) Web Application Serverと、Meta Integration® Model Bridge (MIMB)メタデータ収集コンポーネントにより実装されます。

2. コピーライト表示

次のOracle Metadata Management (OMM)製品: は、次のオラクル社の著作権に基づいてライセンスされています。

ここに述べたOracleロゴおよびOracle製品名はオラクルおよびその関連会社の登録商標または商標です。ここに述べたすべての商標、商号、サービス・マークおよびロゴは、それぞれの会社に属します。

Oracle®はオラクルの登録商標です。

これらのOracle Metadata Management製品は、次のMeta Integration製品に基づいています(リブランドOEMです)。

これらは、次のMeta Integrationの著作権に基づいてライセンスされています。

3. リリースの変更

MIMM 9.0.1 (12/15/2015)に基づくOMM 12.2.1.0

MIMM 8.0.3 (05/19/2015)に基づくOMM 12.1.3.0.2

MIMM 8.0.1 (12/02/2014)に基づくOMM 12.1.3.0.1

MIMM 8.0.0 (10/01/2014)に基づくOMM 12.1.3.0.0

4. システム要件

4.1 すべての要件に関する重要な予備的免責事項の告知

次の要件は、提供されているチュートリアル、またはスモール・ビジネスのユース・ケースに基づいて、アプリケーション・サーバーを十分なパフォーマンスで実行するための最小要件のみを規定しています。より大きなモデルと構成に基づく企業規模のユース・ケースの実際の要件では、許容できるパフォーマンスを得るために、それより著しく大量のリソースが必要です。

次の要件が基づく条件を示します。

他のハードウェア/ソフトウェア構成は、提供されているパフォーマンス・ベンチマークと同じ(または、より優れた)結果を示すもののみ許容されます。そのような場合、なんらかの問題が発見されたら(たとえばスケーラビリティやパフォーマンスの問題)、ここに規定されている最小限のパフォーマンス要件に準拠する環境を使用して問題を再現できる必要があります。

潜在的な既知の問題には次のようなものがあります(これに限定されるものではありません)。

4.2 Webクライアントの要件

ユーザーに必要なのは、インターネット・ブラウザのみです。

4.3 アプリケーション・サーバーの要件

ハードウェアの最小要件(仮想環境でなく、物理ハードウェアのパフォーマンスに基づく):

オペレーティング・システムの要件

アプリケーション・サーバーのエンジンの要件:

Java Runtime Environment (JRE):

4.4 データベース・サーバーの要件

ハードウェアの最小要件(仮想環境でなく、物理ハードウェアのパフォーマンスに基づく):

データベースのインストール/削除には、データベース管理者権限が必要です。

OMMデータベース・サーバーは、既存のOracleを再利用できます。

一般には、指定のデータベース・バージョンの最新のサービス・パックを必ずインストールしてから、OMMデータベースを作成する必要があります。たとえば、Oracle 11.2の場合、11.2.0.3にアップグレードするパッチ、またはその他の、その時点で最新のパッチ・レベルを適用する必要があります。また、Oracle 11.2.0.4は、パッチ17501296を適用しておく必要があります。

仮想メモリー: Windowsベースのデータベース・サーバーの場合、必ず、次のいずれかを実行してください。

このように、ページ・ファイルが存在するように規定されているドライブ上に、十分な量の空きディスク領域(RAM容量の3倍以上)がある必要があります。

5. Metadata Management (OMM)データベース・サーバーのセットアップ

OMMアプリケーション・サーバーは、メタデータ・ストレージ(メタデータ・リポジトリ)の既存のデータベース・サーバーに接続する必要があります

データベース・セットアップ・スクリプトおよび命令は、デフォルトで次のとおりであると仮定します。
   Database Name: MM
   Database User: MM
   Database Password: = MM123!
データベース名およびユーザー名は変更でき、パスワードは当然異なる必要があります。

製品が完全にインストールされ、Web接続が作成された後、Webベースのユーザー・インタフェースで「Tools」→「Administration」→「Database」の順に選択して、別のデータベースに接続できます。

5.1 Oracle上のデータベース

次の権限を持つユーザーMMとデータベースMMを作成します。
sqlplus.exe SYS@<DB-NAME> as SYSDBA
 
   -- 必要に応じて以前のユーザーとデータベースを削除します
   -- DROP USER MM CASCADE;
 
   CREATE USER MM IDENTIFIED BY MM123!;
 
   GRANT CONNECT TO MM;
   GRANT CTXAPP TO MM;
 
   GRANT CREATE TABLE TO MM;
   GRANT CREATE VIEW TO MM;
   GRANT CREATE SEQUENCE TO MM;
   GRANT CREATE TRIGGER TO MM;
   GRANT CREATE PROCEDURE TO MM;
   GRANT CREATE TYPE TO MM;
 
   GRANT EXECUTE ON CTXSYS.CTX_DDL TO MM;
   GRANT EXECUTE ON SYS.DBMS_LOCK TO MM;
 
   -- エラー「データベース例外が発生しました: ORA-01950: 表領域'USERS'に対する権限がありません」が表示された場合
   -- ALTER USER MM QUOTA UNLIMITED ON USERS;

6. Metadata Management (OMM)アプリケーション・サーバーのセットアップ

6.1 アプリケーション・サーバーのインストールおよび構成

OMMアプリケーション・サーバーは、次のようにインストールします。

既存のデータベースを使用していて、アプリケーション・サーバー(メモリー割当て、 Windowsサービスなど)をカスタマイズしない場合、この手順をスキップして、「アプリケーション・サーバーの実行および初期化」の項に直接進むことができます

それ以外の場合、ソフトウェア・ホーム・ディレクトリに移動し、Setupユーティリティ(Windowsの場合は.bat、Linuxの場合は.sh)を管理者として実行します。このセットアップ・ユーティリティを使用すると、ユーザー・フレンドリなアプリケーションによって定義された構成パラメータを設定できます。次に示すパネル(タブ)で変更を行った後、構成の変更を実行するには、必ず「Configure」ボタンを押してください。成功または失敗(およびエラー・メッセージ)を確認するダイアログ・ボックスが表示されます。または、このセットアップ・ユーティリティは、Windowsコマンド行またはLinuxシェルで-helpオプションを使用して動作します。

6.2 アプリケーション・サーバーのアップグレード

6.2.1 データの場所の理解
大部分のアプリケーション・データはデータベース・サーバーに明確に配置され、ユーザーはこのようなデータベースの定期バックアップを行います。ただし、次に示すような、ソフトウェアのインストール・ディレクトリ(このドキュメントでは%OMM_HOME%と呼ばれる)にも、バックアップまたはアップグレード・プロセスで考慮する必要がある、いくつかの重要なアプリケーション・データおよびアプリケーション・セットアップのカスタマイズが含まれていることも理解することが重要です。
6.2.2 アップグレード・プロセス
次のようなアップグレード・プロセスをお薦めします。

6.3 アプリケーション・サーバーの実行および初期化

OMMアプリケーション・サーバーを起動する最も簡単な方法は、ソフトウェア・ホーム・ディレクトリに移動し、RestartApplicationServerユーティリティ(Windowsの場合は.bat、Linuxの場合は.sh)を使用することです。

セットアップの最後の初期化手順は、Webブラウザ上で次のように実行されます。

  1. 接続
    ホーム・ディレクトリで「Metadata Management」リンクを開くと、Windows上のサーバーへの接続を実現できます。いずれの場合にも、インターネット・ブラウザを使用してサーバーに接続して、デフォルトでhttp://localhost:11580/MMを開くことができます。このURLのデフォルト・ポート番号は、「Server Configuration」セクションのSetupユーティリティによって変更された可能性があることに注意してください。
  2. データベース
    データベース・タイプ、ユーザー、パスワードおよびURL (JDBC接続)を指定して、以前に(前述の手順で)作成されたデータベースへの接続を定義します。「Test Connection」ボタンを押して、適切なデータベース接続を検証します。最後に、「Save」ボタンを押すと、OMMアプリケーション・サーバーでは、データベースに必要なすべての表が作成されます。
  3. ログイン
    パスワード「Administrator」を使用して、「Administrator」としてログインします。アプリケーションで「Tools」→「Administration」→「Users」の順に移動して、後でそのパスワードを変更できます。

6.4 認証環境とのカスタム統合

OMMは、次の3つの認証方式をサポートできます。
  1. ネイティブ認証。パスワードはソフトウェアによって管理され、データベース内に格納されます。
  2. LDAP認証。ソフトウェアは、LDAPパスワードを一切管理したり格納したりしません。かわりに、認証するために単にLDAPに渡します。
  3. シングル・サインオン(SSO)などの外部認証。ソフトウェアはいかなる認証も実行せず、顧客が管理するローカルのシングル・サインオン・サービスにその責任を委ねます。

「Tools」→「Administration」→「Users」で、次のいずれかを指定します。

  1. ネイティブ認証とLDAP認証の混合。ユーザーを、ネイティブ・ユーザーとLDAPユーザーのいずれかとして認証できます。
  2. 外部認証。システムはいかなる認証も実行せず、ローカルのシングル・サインオン環境に認証を任せます。

6.4.1 ネイティブ認証の構成上の問題
ネイティブ認証に、特定の構成手順はありません。
6.4.2 LDAP認証の構成上の問題
LDAP認証では、サーバー構成に関する特別の問題はありません。LDAP接続の構成は、オンライン・ヘルプで説明されています。
6.4.3 Windows認証上の問題
OMMとTomcatを有効化して、ブラウザ(クライアント)を介してWindows認証からユーザーの認証を取得することも可能です。この方法では、Windowsセッションから実行する場合、ユーザーは自動的に認証されます。
これを行うには、Waffle (Windows Authentication Functional Framework)という名前のサード・パーティ製品をアドオンとしてインストールする必要があります(こちらを参照)。
  1. 「Tools」→「Administration」→「Users」→「LDAP」に移動して、すべてのLDAP設定がクリアされていることを確認します
  2. Waffleのzipファイルを解凍します。
  3. すべてのjarファイルを、そこから%OMM_HOME%\tomcat\libにコピーします
  4. %OMM_HOME%\tomcat\conf\web.xmlを開きます。「Windows authentication support」を検索します。それに続くブロックをコメント解除します。
  5. OMMを再起動します。
  6. これでWindows認証が有効になったはずです。ライセンスで許可されている限り、有効なWindowsユーザーなら誰でも、デフォルトでguestとしてログインできます。管理者インタフェースを表示する必要がある場合は、次にアクセスします: http://host:port/Admin
  7. 先ほど作成したデータベースの接続情報を入力します。

注意: 自動Windows認証では、IE 8.xをクライアント・ブラウザとして使用する場合、ブラウザのリフレッシュ(F5)を使用できません。IE 8.xブラウザでは、リフレッシュすると再認証を要求されますが、自動認証されません。この場合、ユーザーはブラウザのすべてのインスタンスを閉じて再び開始する必要があります。

この問題を回避するには、IE 9.x以降、または承認されている別のブラウザを使用する必要があります(システム要件を参照)。

さらに、Internet ExplorerとFirefoxでは、自動Windows認証をサポートするように各クライアントでブラウザを構成する必要があります。WaffleのWebサイトを参照してください(こちら)。

6.5 Secure Socket Layer (SSL)通信の場合のカスタム統合

6.5.1 HTTPSを介してメタデータ収集用の別のOMMサーバーにセキュアに接続するためのOMMの構成

次の手順は、メタデータ管理のためのメインのOMMアプリケーション・サーバー上、およびメタデータ収集のみのエージェントとして構成された任意のOMMアプリケーション・サーバー上で実行する必要があります

OMMには次の場所にあるデフォルトのキーストア・ファイルが付属しています。
   %OMM_HOME%\data\tomcat\conf\keystore

このキーストアは、OMMに同梱されるJRE証明書にもインポートされます。別の証明書を使用する場合は、次のようにする必要があります。

  1. (server.xmlで)参照されているコネクタ・エントリ・パラメータ(keystoreFileとkeystorePass)を変更して、正しいキーストア・ファイルとパスワードを参照するようにします。
  2. その証明書を、このtomcatが使用するJREにインポートします。デフォルトのJREは次の場所にあります。
       %OMM_HOME%/jre
  3. 次のコマンドを使用します。
       cd %OMM_HOME%/jre/lib/security
       move jssecacers jssecacers.old
       %OMM_HOME%/jre/bin/keytool -importkeystore -srckeystore {your_keystore} -keystore jssecacerts
       %OMM_HOME%/RestartApplicationServices.bat

構成の後、OMMにアクセスするには、デフォルトで、次のURLのいずれかを使用します。

または、server.xmlファイルで指定されているポートを使用します。例:
   <Connector port="19980" redirectPort="8443" />
   <Connector port="8443" maxThreads="200"
              scheme="https" secure="true" SSLEnabled="true"
              keystoreFile="conf\keystore" keystorePass="changeit"
              clientAuth="false" sslProtocol="TLS" />

6.5.2 LDAPSを介してエンタープライズ・ディレクトリにセキュアに接続するためのOMMの構成
LDAP認証では、ユーザー・パスワードはソフトウェアによって管理されず、そのまま単にLDAPシステムに渡されます。

注意: このパスワードは、クライアントとサーバーの間で通信した場合、暗号化されません。このように、確実に暗号化するには、前述のようにしてHTTPSプロトコル通信を指定することをお薦めします。

注意: このパスワードは、サーバーとLDAPの間で通信した場合も、暗号化されません。このように、確実に暗号化するには、LDAPSプロトコル通信を指定し、SSLを使用して暗号化することをお薦めします。

LDAPSをサポートする場合、OMM Tomcatサービスそれ自体では、パスワードを暗号化するために、LDAPSと協調するように構成される必要がありません。ただし、OMMとLDAPサーバーの間でセキュアなSSL通信を有効化するには、OMMアプリケーション・サーバーが使用するJREに対してLDAPサーバーが使用する、信頼できる証明書を、管理者がインポートする必要があります。そのプロセスは、次のページに示されています。 http://docs.oracle.com/javase/tutorial/security/toolsign/rstep2.html

コマンドは次のようになります。
cd %OMM_HOME%\jre\lib\security
..\..\bin\keytool.exe -import -alias susan -file YourOwnCertificate.cer -keystore jssecacerts

これは、HTTPSプロトコルによって使用されるものと、まったく異なる証明書です。

6.5.3 SSLセキュリティの脆弱性

Poodleは、主としてサーバー側で修正が必要な中間者攻撃(MITM)の脆弱性です。攻撃者はサーバーを欺いて、通信に使用される暗号化プロトコルをダウングレードさせることができます。TLSフォールバックを拒否するか、またはSSLv3を有効なプロトコルとして使用できないようにするように、サーバーを構成する必要があります。

TomcatがSSLサポートで構成されている場合、顧客は%OMM_HOME%\tomcat\conf\server.xmlのコネクタ説明に次を追加する必要があります。
   sslEnabledProtocols="TLSv1.2,TLSv1.1,TLSv1"

7. Model Bridge (MIMB)のメタデータ収集のセットアップ

サードパーティのデータベース、データ・モデリング、データ統合またはビジネス・インテリジェンス・ツールからのメタデータ統合またはメタデータ収集は、統合されたMeta Integration® Model Bridge (MIMB)ソフトウェアによって実行されます。デフォルトでは、インストーラ・ソフトウェアは、OMMアプリケーション・サーバーがMIMB Webサービスにローカルにアクセスする同一Windowsマシン上に、OMMとMIMBをデプロイして構成します。MIMBは、リモートMIMBエージェントとして別のマシン(たとえば、MIMBブリッジがSAP BuinessObjectsユニバースのようなWindows専用サードパーティ・ソフトウェアを必要とするWindowsマシン)にインストールして構成することもできます。

MIMBアプリケーション・サーバーの必須のカスタマイズ(ディレクトリ、メモリーなど)は次の構成ファイルで実行できます。
   %OMM_HOME%\conf\conf.properties
推奨されるカスタマイズは次のとおりです。

8. ユーザー・インタフェースのルック・アンド・フィールのカスタマイズ

8.1 ログインおよびヘッダー

埋込み命令(コメント内)を使用して、次のファイルおよびディレクトリをカスタマイズします。
   %OMM_HOME%\conf\ressources\MM.properties
   %OMM_HOME%\conf\ressources\web\

8.2 ビジネス・ユーザー向けのメタデータ・エクスプローラ

埋込み命令(コメント内)を使用して、次のファイルをカスタマイズします。
   %OMM_HOME%\conf\ressources\MetadataExplorer.xml