オーケストレーション・スクリプト

BDDではオーケストレーション・スクリプトと呼ばれる1つのスクリプトを使用して1つのノードに、またはクラスタに一度にコンポーネントをインストールおよびデプロイします。スクリプトが完了すると、BDDは完全にデプロイされ、クラスタ全体が稼働します。

オーケストレーション・スクリプトはインストール・モジュールの1つに含まれます。このモジュールは管理サーバーの1つのディレクトリにダウンロードします。スクリプトを実行する準備ができたら、このディレクトリ内から次のコマンドを実行してスクリプトを起動します。
./setup.sh [bdd.conf]
注意: インストールおよびデプロイメント・プロセス全体を管理サーバーから実行する必要があります。

オプションで、オーケストレーション・スクリプトに構成ファイルの名前(bdd.conf)を渡すことがきますが、このファイルは実行時にデフォルトで読み取られるため、これは必須ではありません。

bdd.confでは、デプロイメント全体の構成を定義し、各ノードにインストールするBDDコンポーネントやBDD関連のファイルおよびディレクトリの場所などの実行時に必要なパラメータをオーケストレーション・スクリプトに渡します。オーケストレーション・スクリプトを実行する前に、構成およびシステムに固有の情報でこのファイルを更新する必要があります。

オーケストレーション・スクリプトの動作

次の図に、オーケストレーション・スクリプトの動作を示します。

注意: この図は、オーケストレーション・スクリプトがBDDインストール・モジュールの様々な部分をデプロイメント内の各ノードに配布する様子を示しています。この図は、デプロイメントに含めることのできるノードの数を示すものではありません。BDDの様々な部分の同一ノードでの併置のオプションを含む、各種デプロイメント・シナリオについては、「デプロイメント構成とその図」を参照してください。

この図は、Big Data Discoveryの各部分がデプロイメント・スクリプトによってインストールおよびデプロイされる様子を示しています。

スクリプトを実行すると、次の処理が行われます。
  1. bdd.confを読み取り、検証します。
  2. Cloudera Managerのユーザー名とパスワードを要求します。
  3. WebLogic Server管理者のユーザー名とパスワードを要求します。これは、スクリプトによってインストール時に自動的に設定されます。
  4. MySQLまたはOracleデータベースを使用する場合、JDBCのユーザー名とパスワードを要求します。
  5. 特定のCDHノードのホスト名とポート番号など、CDH関連の情報についてCloudera Managerに問い合せます。
  6. 管理対象ノードとDgraphノードが、bdd.confに定義されたCPUおよびRAMの最小要件を満たすことを確認します。
  7. bdd.confに定義されたCOORDINATOR_INDEXが存在しないことを確認します。
  8. bdd.confに定義されたHiveデータベースが存在することを確認します。
  9. bdd.confに定義された構成に従って、クラスタ内の各ノードにインストール・パッケージを配布します。
  10. 各ノードがその他のすべての要件(オペレーティング・システム、JDKなど)を満たすことを確認します。
  11. bdd.confFORCEプロパティがTRUEに設定されている場合、各ノードからORACLE_HOMEディレクトリを削除します。
  12. コンポーネントをインストールします。
    1. 管理サーバー・ノードとすべての管理対象ノードにWebLogic Server (StudioおよびDgraph Gatewayを含む)をインストールします。
    2. DgraphインスタンスをホストするすべてのノードにDgraphおよびHDFSエージェントをインストールします。
    3. HDFSノードおよびすべてのSparkサーバーにデータ処理をインストールします。
    4. すべての管理対象サーバー・ノードにデータ処理CLIをインストールします。
    5. すべての管理対象サーバー・ノード、Dgraphノード、Sparkワーカー・ノードおよびYARNノード・マネージャ・サーバー(図に示していません)にBDD Managerユーティリティをインストールします。
  13. データ処理をデプロイします。
    1. HDFSノードおよびすべてのSparkノードにデータ処理をデプロイします。
    2. すべての管理対象サーバー・ノードにCLIをデプロイします。
    3. Hive表ディテクタをデプロイするように構成されている場合、指定されたノードにデプロイし、起動します。
  14. WebLogic Serverをデプロイします。
    1. WebLogicドメインと管理対象サーバーを作成します。
    2. WebLogicドメイン内にDgraph GatewayとStudioをアプリケーションとしてデプロイします。
    3. すべての管理対象サーバーにWebLogicをサービスとしてデプロイします。
    4. すべての管理対象サーバーを起動します。
  15. DgraphおよびHDFSエージェントをデプロイします。
    1. すべてのDgraphノードに両コンポーネントをサービスとしてデプロイします。
    2. Dgraph索引ファイルを作成するように構成されている場合、空のDgraph索引ファイルをNFSに作成します。
    3. DgraphおよびHDFSエージェントを起動します。
  16. BDDデプロイメント・クラスタ全体が稼働していることを確認します。