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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B66703-08
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6 エンタープライズ・デプロイメント用のサーバーの準備

この章では、エンタープライズ・デプロイメント用のサーバーを準備する方法を説明します。

この章には次の項が含まれます:

6.1 サーバーの準備の概要

Oracle Fusion Middlewareを新しいハードウェアにデプロイする前に、Oracleソフトウェアが最適なパフォーマンスで動作するように、使用するサーバーを設定する必要があります。具体的には、次の構成を確認する必要があります。

  • 必要なソフトウェア・パッチがインストールされている証明されたオペレーティング・システムをサーバーが実行中。

  • UNIXカーネルを正しく構成済。

  • Oracleソフトウェアを所有するユーザーおよびグループを作成済。

この章の設定は単なる見本です。Oracleソフトウェアを使用した後、オペレーティング・システムのユーティリティを使用して構成を調整し、サーバーの能力を最大化していることを確認する必要があります。

表6-0に、サーバーがOracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・トポロジで実行するホストを示します。

表6-1 ホスト・マシン

ホスト名

WCCHOST1

WCCHOST2

WEBHOST1

WEBHOST2

WCCUIHOST1

WCCUIHOST2


6.2 サーバーおよびオペレーティング・システムの検証

使用する計画のサーバーおよびオペレーティング・システムが使用する計画の製品の証明済の組合せであることを確認します。詳細は、Oracleの動作保証マトリクスを参照してください。

6.3 最小ハードウェア要件の達成

Oracleエンタープライズ・デプロイメントでサーバーを使用するには、第1.2項「Linuxシステムにおけるエンタープライズ・デプロイメントのハードウェア要件」に記載されている最小仕様をそのサーバーが満たしていることを確認する必要があります。別のデプロイメント・アーキテクチャ(様々な数のマシンにより多いまたはより少ないコンポーネントをデプロイしたアーキテクチャなど)を使用する計画の場合、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を確認し、これらのサーバーにデプロイする計画の製品をサポートするための最小仕様を備えていることを確認する必要があります。

Oracle Exalogicなどの仮想サーバー環境にデプロイしている場合、仮想サーバーそれぞれが最小要件を満たしていることを確認します。

十分なローカル・ディスク領域があり、共有記憶域が第4章「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」で説明されているように構成されていることを確認します。

十分なスワップ領域および一時領域を確保します。

  • スワップ領域: 最低500MB

  • 一時領域: /tmpに最低500MB

6.4 オペレーティング・システム要件の達成

オペレーティング・システム・プロビジョニングを開始する前に、次のタスクを実行します。

  1. 証明済オペレーティング・システムをインストールします。

  2. 必要なパッチおよびパッケージをすべてインストールします。

次の各トピックでは、UNIXまたはLinuxオペレーティング・システムでOracleソフトウェアの要件を達成する場合の構成タスクについて説明します。

  • カーネル・パラメータの構成

  • オープン・ファイル制限の設定

  • シェル制限の設定

  • ローカルHostsファイルの構成

6.4.1 UNIXまたはLinuxシステムでのカーネル・パラメータの構成

次のカーネル・パラメータおよびシェル制限値をチューニングして本番データベース・システムのパフォーマンスを最適化することをお薦めします。カーネル・パラメータのチューニングの詳細は、ご使用のオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

カーネル・パラメータは、クラスタ内のすべてのノードで次の表に示す最小値以上に設定する必要があります。

次の表の値は、現行のLinuxの推奨値です。詳細は、「Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様」を参照してください。データベースをホストにデプロイしている場合、追加のカーネル・パラメータを変更する必要がある場合があります。

表6-2 UNIXのカーネル・パラメータ

パラメータ

kernel.sem

256 32000 100 142

kernel.shmmax

4294967295


前述のカーネル・パラメータを設定する手順は次のとおりです。

  1. rootとしてログインし、ファイル/etc/sysctl.confのエントリを追加または修正します。

  2. ファイルを保存します。

  3. 次のコマンドを発行して変更をアクティブ化します。

  4. /sbin/sysctl -p
    

6.4.2 UNIXまたはLinuxシステムでのオープン・ファイル制限の設定

すべてのUNIXオペレーティング・システムにおいて、最小オープン・ファイル制限は4096です。


注意:

次の例はLinuxオペレーティング・システム用です。オペレーティング・システムのドキュメントを確認して、システムで使用するコマンドを判別します。

次のコマンドでオープンになっているファイル数を確認できます。

/usr/sbin/lsof | wc -l

オープン・ファイル制限を確認するには、次のコマンドを使用します。

Cシェル:

limit descriptors

Bash:

ulimit -n

6.4.3 UNIXまたはLinuxシステムでのシェル制限の設定

シェル制限を変更するには、rootとしてログインし、/etc/security/limits.confファイルを編集して、次の行を追加します。

* soft  nofile  4096
* hard  nofile  65536
* soft  nproc   2047
* hard  nproc   16384

ファイルを編集したら、マシンを再起動します。

最新の推奨値は、「Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様」を参照してください。

6.4.4 UNIXまたはLinuxシステムでのローカルHostsファイルの構成

Oracleソフトウェアのインストールを開始する前に、ローカルhostsファイルが次のようにフォーマットされていることを確認します。

IP_Address Fully_Qualified_Name Short_Name

6.5 Unicodeサポートの有効化

オペレーティング・システムの構成がOracle Fusion Middleware製品でサポートされる文字の動作に影響を与えることがあります。

UNIXオペレーティング・システムでは、LANGLC_ALLの各環境変数をUTF-8文字セットを使用したロケールに設定し、Unicodeサポートを有効化することを強くお薦めします。これにより、Unicodeのすべての文字が処理できるようになります。たとえば、Oracle SOA SuiteテクノロジはUnicodeに基づいています。

オペレーティング・システムがUTF-8以外のエンコードを使用するように構成されている場合、Oracle SOA Suiteコンポーネントが予期しない動作をする可能性があります。たとえば、ASCII以外のファイル名の場合は、ファイルにアクセスできず、エラーが発生する可能性があります。オペレーティング・システムの制約によって発生した問題は、オラクル社ではサポートしていません。

6.6 仮想IPアドレスの有効化

エンタープライズ・デプロイメントでは、WebLogic Serverの管理サーバーやOracle SOA Suite管理対象サーバーを実行する特定のホストは仮想IPアドレスを使用する必要があります。各サーバーで適切なIPアドレスを有効化する必要があります。

第3.4項「IPアドレスおよび仮想IPアドレス」でサーバーへのIPアドレスのマッピングを説明しています。

6.6.1 有効化する仮想IPアドレスの決定

他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントを後でインストールするかしないかに関係なく、WebLogic Serverの管理サーバーのフェイルオーバーを行うには仮想IPアドレスが必要です。

管理サーバーおよび各管理対象サーバーを仮想IPアドレスと関連付けます。これにより、プライマリ・ホストで障害が発生している場合に、別のホストで管理サーバーを起動させることができます。

表6-3で示すように、各仮想ホストが有効化されていることを確認します。

表6-3 ドメインの仮想ホスト

仮想IPアドレス 有効化されているホスト

ADMINVHN.example.com

WCCHOST1

WCCHOST1VHN1.example.com

WCCHOST1

WCCHOST2VHN1.example.com

WCCHOST2

WCCHOST1VHN2.example.com

WCCHOST1

WCCHOST2VHN2.example.com

WCCHOST2

WCCHOST1VHN3.example.com

WCCHOST1

WCCHOST2VHN3.example.com

WCCHOST2



注意:

これは、浮動IPアドレスに関連付けられているDNS名です。これは、ロード・バランサ上で構成される仮想ホストのDNS名ではありません。

6.6.2 エンタープライズ・デプロイメント用の仮想IPアドレスの有効化

この手順は、他のOracle Fusion Middlewareコンポーネントを後でインストールするかしないかにかかわらず、WebLogic Server管理サーバーのフェイルオーバーのために必要です。

管理サーバーを仮想IPアドレスと関連付けます。これにより、プライマリ・ホストで障害が発生している場合に、別のホストで管理サーバーを起動させることができます。

Linuxシステムから仮想IPアドレスを有効にするには、次のコマンドをrootとして実行します。

/sbin/ifconfig interface:index IP_Address netmask netmask
/sbin/arping -q -U -c 3 -I interface IP_Address

このコマンドで、interfaceeth0またはeth1index01または2です。

例:

/sbin/ifconfig eth0:1 100.200.140.206 netmask 255.255.255.0

ネットワークを有効化し、仮想IPアドレスの新しい場所を登録します。

/sbin/arping -q -U -c 3 -I eth0 100.200.140.206

別のノードからpingコマンドを発行して、アドレスが使用可能であることを確認します。例:

/bin/ping 100.200.140.206

6.7 ユーザーおよびグループの構成

グループ

各ノードに次のグループを作成する必要があります。

  • oinstall

  • dba

ユーザー

各ノードに次のユーザーを作成する必要があります。

  • oracle: Oracleソフトウェアを所有するグループ。別の名前も使用できます。このアカウントのプライマリ・グループはoinstallにする必要があります。このアカウントは、dbaグループにも属している必要があります。

  • nobody: 権限のないユーザー。


注意:

  • グループoinstallは、Oracleソフトウェアが使用する共有記憶域およびローカル記憶域のすべてのファイル・システムに対する書込み権限を持っている必要があります。

  • 各グループは、ノードごとに同じグループIDを持っている必要があります。

  • 各ユーザーは、ノードごとに同じユーザーIDを持っている必要があります。