Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・ガイド 11gリリース1 (11.1.1) B66703-08 |
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この章では、Oracle WebCenter Contentの実装をサポートするOracle Web層の構成方法について説明します。
この章には次の項が含まれます:
Oracle Web層ソフトウェアを構成する前に、第7.2項「Oracle HTTP Serverのインストール」の説明に従ってこのソフトウェアをWEBHOST1とWEBHOST2にインストールする必要があります。第9.2項「構成ウィザードによるOracle HTTP Serverの構成」の説明に従って、インスタンス・ホーム、インスタンス名およびOracle HTTP Serverコンポーネント名を定義します。
その後、インストールが成功したことを確認し、すべてのHTTPリクエストをWEBHOST1およびWEBHOST2にルーティングするようロード・バランサを構成できます。
最後に、構成ファイルのディレクティブを定義して、仮想ホストを構成できます。次の仮想ホスト名は、第3.3項「ロード・バランサ」でロード・バランサを構成したときに作成したものです。
admin.example.com
wcc.example.com
wccinternal.example.com
Oracle Web層の構成手順は、WEBHOST1とWEBHOST2で同じです。
Oracle Web層を構成する手順は次のとおりです。
ディレクトリをWeb層の構成ウィザードの場所に変更します。
cd WT_ORACLE_HOME/bin
参照トポロジで、WT_ORACLE_HOME
は/u02/oracle/products/fmw_home/web_home
ディレクトリです。
構成ウィザードを起動します。
./config.sh
「ようこそ」画面で、「次へ」をクリックします。
「コンポーネントの構成」画面で「Oracle HTTP Server」を選択し、「選択されたコンポーネントとWebLogicドメインの関連付け」が選択されていることを確認します。「Oracle Web Cache」は選択されていないことを確認します。
「次へ」をクリックします。
「WebLogicドメインの指定」画面で、次の値を指定します。
ドメイン・ホスト名: ADMINVHN
ドメインのポート番号: 7001
ユーザー名: weblogic
パスワード: password
「コンポーネントの詳細の指定」画面で、次の値を指定します。
インスタンス・ホームの場所: /u02/oracle/config/webn
インスタンス名: web
n
OHSコンポーネント名: ohs
n
(ここでn
は、インストール上の連番を示します。たとえば、WEBHOST1には1
、WEBHOST2には2
などです。)
注意: WEBHOST1とWEBHOST2で、異なるOracle HTTP Serverインスタンス名を指定する必要があります。 |
「次へ」をクリックします。
「ポートの構成」画面で、「構成ファイルを使用してポートを指定」を選択して、ファイル名を選択し、「表示/編集」をクリックします。
高可用性の実装では、様々なコンポーネントで使用されるポートのすべてを複数のホスト間で同期すると、エンタープライズ・デプロイメントがより簡単になります(必須ではありません)。使用するポートをファイルに指定することで、自動ポート構成をバイパスできます。
ファイルは次のようになります。
[OHS] #Listen port for OHS component OHS Port = 7777 [OPMN] #Process Manager Local port no OPMN Local Port = 1880
サンプルのstaticports.ini
ファイルは、インストール・ディスク1のstage/Response/
ディレクトリにあります。
「次へ」をクリックします。
セキュリティ・アップデートの指定画面で、セキュリティ更新をOracleサポートから受信するかどうかを選択します。受信する場合は、電子メール・アドレスを入力します。
「インストール・サマリー」画面で、選択内容が正しいことを確認します。そうでない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、選択内容を変更します。問題がなければ、「構成」をクリックします。
複数のConfiguration Assistantが連続して起動されるため、時間がかかることがあります。終了したら、「次へ」をクリックします。
「インストール完了」画面で「終了」をクリックして終了します。
インストールが完了したら、Oracle HTTP Serverホーム・ページに、次のURLからアクセスできることを確認します。
http://WEBHOST1.example.com:7777/ http://WEBHOST2.example.com:7777/
Oracle HTTP Server (WEBHOST1、WEBHOST2)を実行するホストへすべてのHTTPリクエストをルーティングするようロード・バランサを構成できます。Oracle HTTP ServerがフロントエンドのOracle WebLogic Serverである場合は、ロード・バランサでスティッキー・セッション(Cookieの挿入)を有効にする必要はありません。このドキュメントで説明するトポロジには該当しませんが、ロード・バランサからOracle WebLogic Serverに直接移動する場合にはスティッキー・セッションが必要です。HTTPの監視も設定する必要があります。
使用するロード・バランサによって、構成手順は異なります。具体的な手順は、ロード・バランサのドキュメントを参照してください。
このガイドの参照トポロジでは、Oracle HTTPサーバーに対する仮想ホスト・セットを定義する必要があります。各仮想ホストについては、後にWebLogicサーバー・ドメイン内の適切な管理サーバーまたは管理対象サーバーに要求をルーティングするための特定のURLセットを定義する必要があります。
この項で説明する項目は、次のとおりです。
すべてのORACLE_INSTANCE
/ohs
n
/moduleconf
ディレクトリにある固有の*_vh.conf
ファイルでそれぞれの仮想ホストを定義する必要があります。こうすることで、定義する個々の仮想ホストのURLの管理が容易になります。
次の新しいファイルで<VirtualHost>
ディレクティブを定義します。
admin_vh.conf
wccinternal_vh.conf
wcc_vh.conf
wccui_vh.conf
参照トポロジで、次の各ディレクトリでこれらのファイルを作成します。
/u02/oracle/config/web1/config/OHS/ohs1/moduleconf /u02/oracle/config/web2/config/OHS/ohs2/moduleconf
個々の仮想ホストをホスト自身の*_vh.conf
ファイルに定義する手順は次のとおりです。
ORACLE_INSTANCE
/ohs
n
/moduleconf
ディレクトリでadmin_vh.conf
ファイルを作成し、次のディレクティブを追加します。
NameVirtualHost *:7777 <VirtualHost *:7777> ServerName admin.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit RewriteRule ^/console/jsp/common/logout.jsp "/oamsso/logout.html?end_url=/console" [R] </VirtualHost>
第18章「Oracle Identity Managementとの統合」の手順が完了していない場合は、統合が完了するまで、RewriteRule
の行をコメント・アウトします。
ORACLE_INSTANCE
/ohs
n
/moduleconf
ディレクトリでwccinternal_vh.conf
ファイルを作成し、次のディレクティブを追加します。
NameVirtualHost *:7777 <VirtualHost *:7777> ServerName wccinternal.example.com:80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
ORACLE_INSTANCE
/ohs
n
/moduleconf
ディレクトリでwcc_vh.conf
ファイルを作成し、次のディレクティブを追加します。
NameVirtualHost *:7777 <VirtualHost *:7777> ServerName https://wcc.example.com:443 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
ORACLE_INSTANCE
/ohs
n
/moduleconf
ディレクトリでwccui_vh.conf
ファイルを作成し、次のディレクティブを追加します。
NameVirtualHost *:7777 <VirtualHost *:7777> ServerName https://wcc.example.com:443 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost>
Oracle HTTPサーバーを両方とも再起動します。
cd /u02/oracle/config/webN/bin
opmnctl stopall
opmnctl startall
注意: wcc.example.com:443 、ServerAdmin you@your.address 、admin.example.com:80 などの値は、例を示すための値です。実際の環境に基づく値を入力してください。 |
次のURLにアクセスして、ロード・バランサとOracle HTTP Serverが正しく構成されていることを確認します。
http://admin.example.com/index.html
https://wcc.example.com/index.html
http://wccinternal.example.com/index.html
これらのURLにアクセスできない場合は、第3.3項「ロード・バランサ」の手順を正しく実行していることを確認してください。
この項では、WebLogic ServerドメインにおけるOracle HTTP Serverの構成タスクおよびその構成の検証タスクについて説明します。
この項の内容は次のとおりです。
Oracle HTTP Serverから管理サーバーへのルーティングを有効にするには、HTTPサーバーの構成に対応するマウント・ポイントを設定する必要があります。
管理サーバーでOracle HTTP Serverを構成する手順は次のとおりです。
WEBHOST1およびWEBHOST2上の各Webサーバーで、ORACLE_INSTANCE
/config/OHS/ohs1/moduleconf/admin_vh.conf
ファイルおよびORACLE_INSTANCE
/config/OHS/ohs2/moduleconf/admin_vh.conf
ファイルに次の行を追加します。
# Admin Server and EM <Location /console> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WebLogicPort 7001 WLProxySSL OFF WLProxySSLPassThrough OFF </Location> <Location /consolehelp> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WebLogicPort 7001 WLProxySSL OFF WLProxySSLPassThrough OFF </Location> <Location /em> SetHandler weblogic-handler WebLogicHost ADMINVHN WebLogicPort 7001 WLProxySSL OFF WLProxySSLPassThrough OFF </Location>
WEBHOST1とWEBHOST2の両方でOracle HTTP Serverを起動します。
/u02/oracle/config/webN/bin/opmnctl restartproc ias-component=ohsX
ias-component
に対して、WEBHOST1ではohs1
を使用し、WEBHOST2ではohs2
を使用します。
セキュリティのため、またロード・バランサがSSLリクエストを終了するため(Oracle HTTP ServerはリクエストをWebLogic Serverに非SSLとしてルーティングします)、ロード・バランサにSSLを構成した場合、そのドメインに対しWebLogic Serverプラグイン有効化フラグをオンにする必要があります。
WebLogic Serverプラグイン有効化フラグを有効にする手順は次のとおりです。
管理コンソールにログインします。
左側のナビゲーション・ツリーでドメイン名をクリックします。
「Webアプリケーション」タブを開きます。
「ロックして編集」をクリックします。
「WebLogicプラグインの有効化」チェック・ボックスを選択します。
変更を保存してアクティブ化します。
管理サーバーを再起動します(管理コンソールが特に要求しない場合でも再起動してください)。
Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。
cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
./wlst.sh
WLSTシェル内で、nmConnect
コマンドとノード・マネージャの資格証明を使用してノード・マネージャに接続し(ノード・マネージャが稼動していることを確認しておきます)、nmStart
を使用してノード・マネージャを起動します。
wls:/offline>nmConnect("node_admin_user","node_admin_password", "WCCHOST1","5556", "domain_name","ASERVER_HOME") wls:/nm/domain_name> nmStart("AdminServer")
値node_admin_user
およびnode_admin_password
は、ノード・マネージャの資格証明です。資格証明の詳細は、第8.4.3項「WCCHOST1での管理サーバーの起動」を参照してください。
参照トポロジで、ASERVER_HOME
は/u01/oracle/config/domains/WCCDomain
ディレクトリです。
管理コンソールまたは次のようにWLST nmKill
コマンドを使用して管理サーバーを停止します。
wls:/nm/domain_name>nmKill("AdminServer")
wls:/offline>nmConnect("node_admin_user","node_admin_password", "WCCHOST1","5556", "domain_name","ASERVER_HOME") wls:/nm/domain_name> nmStart("AdminServer")
ロード・バランサを使用してWebLogic Server管理コンソールにアクセスする際には、管理サーバーのフロントエンドURLを変更し、適切なロード・バランサ・アドレスにユーザーのWebブラウザをリダイレクトする必要があります。
WebLogic Server管理コンソール・アプリケーションでは、コンソールを使用して、ポート、チャネル、セキュリティに対する変更を追跡します。コンソールを使用して行われた変更をアクティブ化するとき、コンソールは現在のリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルを検証します。このリスニング・アドレス、ポートおよびプロトコルがまだ有効の場合、コンソールはHTTPリクエストをリダイレクトし、ホストとポートの情報を管理サーバーのリスニング・アドレスとポートに置き換えます。
管理サーバーのフロントエンドURLを変更する手順は次のとおりです。
WebLogic Server管理コンソールにログインします。
「ロックして編集」をクリックします。
左側の「ドメイン構造」ツリーの「環境」ノードを開きます。
「サーバー」をクリックします。
「サーバーのサマリー」ページで、表の「名前」列にある「管理サーバー」をクリックします。
AdminServer
の設定ページで、「プロトコル」タブをクリックします。
「HTTP」タブをクリックします。
「フロントエンド・ホスト」フィールドをadmin.example.com
に設定し、「フロントエンドHTTPポート」フィールドを80
に設定します(admin
URLにHTTPSを使用する場合は適宜変更します)。
変更を保存してアクティブ化します。
管理サーバーを再起動して、フロントエンド・ホスト・ディレクティブに対する変更を有効にします。
注意: フロントエンド・ホストやポートの設定を変更した後、構成の変更をアクティブ化できない場合は、第19.13.10項「Oracle Access Managerに対する変更をアクティブ化した後でユーザーが管理コンソールのホーム・ページにリダイレクトされる」を参照してください。 |
管理コンソールでサーバーの状態がRunning
として報告されていることを確認します。サーバーのステータスが「起動しています」
または「再開中です」
である場合は、「起動済み」
になるまで待ちます。「管理」
や「失敗」
などの別のステータスが表示される場合は、サーバーの出力ログ・ファイルを調べ、エラーがないか確認します。考えられる原因は、第19.13項「Oracle WebCenter Contentエンタープライズ・デプロイメント・トポロジのトラブルシューティング」を参照してください。
次のURLを使用して、ロード・バランサを介した管理コンソールとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlへのアクセスを検証します。
http://admin.example.com/console
http://admin.example.com/em
ロード・バランサを使用してシステム・アクセスを構成する方法の詳細については、第3.3項「ロード・バランサ」を参照してください。
Oracle HTTP ServerはFusion Middleware Controlで管理可能なターゲットとして表示されます。これを確認するには、Fusion Middleware Controlにログインします。ナビゲーション・ツリーにある「WebTier」項目に、該当のOracle HTTP Serverが登録されていることが示されます。