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Oracle® Fusion Middlewareパッチ適用ガイド
11g リリース1 (11.1.1.9.0)
B61412-13
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2 Oracle OPatchを使用したOracle Fusion Middlewareへのパッチの適用

この章では、Oracle Fusion Middleware環境におけるパッチの適用方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

2.1 Oracle OPatchを使用したパッチの適用について

パッチとは、既存のインストールにコピーされる小型のファイル・コレクションです。パッチはOracle製品の特定のバージョンに関連付けられています。


ノート:

すべてのお客様にOPatchの最新バージョンへアップグレードすることをお薦めします。次のMy Oracle Supportノートを確認して、必要に応じて最新バージョンにアップグレードする手順に従います。

ノート224346.1: Opatch - Opatchの最新バージョン入手先


2.1.1 OPatchを使用して適用されるパッチ・タイプ


ノート:

Oracle製品の新しいパッチ命名体系が実装されました。参考として、新しいパッチ名と以前のパッチ名を次に示します。

OPatchを使用できるパッチ・タイプは次のとおりです。

表2-1 OPatchで使用可能なパッチ

新しい名前 元の名前 説明

個別パッチ

PSE

MLR

例外リリース

個別

xフィックス

ホットフィックス

セキュリティ個別

パッチには1つ以上の修正が含まれており、次のパッチ・セットまたは新規の製品リリースで不具合が修正される前に修正が必要な場合に利用します。

バンドル・パッチ

メンテナンス・パック

サービス・パック

MLR

累積パッチ

更新リリース

バンドル・パッチ

パッチのセット間に発行された反復累積パッチ。バンドル・パッチには通常、フィックスのみが含まれますが、一部の製品にマイナーな拡張機能が含まれる場合があります。たとえば、DatabaseのWindowsバンドルおよびSOAバンドル・パッチなどがあります。

セキュリティ・パッチ更新(SPU)

重要なパッチ更新

CPU

セキュリティ・フィックスで構成される反復累積パッチ。以前のクリティカル・パッチ・アップデート。

ノート: SPUを提供するプログラム名は、これまで同様、次の定義のようにクリティカル・パッチ・アップデートと呼ばれます。

クリティカル・パッチ・アップデート: 四半期ごとにセキュリティ・フィックスをリリースするOracleのプログラム。このプログラムの一部としてリリースされるパッチは、パッチ・セット更新、セキュリティ・パッチおよびバンドル・パッチになります。パッチはパッチ・タイプに関係なく累積されます。

パッチ・セット更新(PSU)


パッチ・セット更新はOracle WebLogic Serverのパッチ適用にのみ使用されます。パッチ・セット更新は、重要なパッチ更新(CPU)と同じスケジュールに従って四半期ごとにリリースされます。これらは、1月、4月、7月、10月の15日に最も近い火曜日にリリースされます。パッチ・セット更新の内容は、広範なお客様に影響を及ぼす上位50の重大なbugへの対処を目的としています。


2.1.2 OPatchで適用できないパッチのタイプ

OPatchで適用されない唯一のパッチ・タイプはパッチ・セットです。パッチ・セットにはマージされたパッチが大量に組み込まれて、総合的にテストが行われています。これを適用すると製品のバージョンが変更され、場合によっては新機能が導入されます。パッチ・セットは、すべてのバグを修正する累積的なバグ修正であり、最後のベース・リリース以降の大部分のパッチが含まれています。

通常、パッチ・セットおよびパッチ・セット・アシスタントはOUIベースの製品固有インストーラによって適用されます。詳細は、第3章「Oracle Fusion Middlewareの最新パッチ・セットの適用」を参照してください。

2.2 OPatchについて

OPatchは、Javaベースのユーティリティで、サポート対象のすべてのオペレーティング・システムで実行され、使用するにはOracle Universal Installerをインストールする必要があります。このドキュメントでは、Oracle Fusion Middleware環境で最も一般的に使用されるOPatchコマンドに関する情報を説明します。選択に応じて、サポートされるすべてのOPatchコマンドを使用できます。すべてのOPatchコマンドのリストおよびOPatchユーティリティの詳細は、次のURLからOracle Universal InstallerおよびOPatchユーザーズ・ガイドを参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/B28359_01/em.111/b31207/toc.htm

この項は、次のトピックで構成されています。

2.2.1 OPatchの入手

OPatchは、ご使用のFusion Middleware製品のORACLE_HOME/OPatchディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\OPatchディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)にあります。

My Oracle Support(旧称Oracle MetaLink)でOPatchの最新バージョンの有無を常に確認して入手することをお薦めします。

  1. 次の場所のMy Oracle Supportにアクセスして、ログインします。

    http://support.oracle.com/
    
  2. 「ナレッジ・ベースの検索」フィールドに224346.1を入力します。これは最新バージョンのOPatchの入手方法が記載されたドキュメントのIDです。

  3. 検索結果から、ドキュメントID 224346.1に対応するリンクをクリックします。

  4. ドキュメントで、パッチ6880880リンクをクリックすると、リリース・バージョンおよびプラットフォームに応じた最新バージョンのOPatchを入手できる画面が表示されます。

    「リリース」列のOPatchリリース番号が、Oracle Fusion Middleware 11g製品用のOPatchの正しいバージョンである11.1.0.0.0になっていることを確認します。

2.2.2 OPatchで適用可能なパッチの入手

My Oracle Support(旧称MetaLink)でパッチIDを指定すると、最新のパッチを入手できます。

  1. 次の場所のMy Oracle Supportにアクセスして、ログインします。

    http://support.oracle.com/
    
  2. 「パッチと更新版」リンクをクリックします。

  3. 「パッチIDまたは番号」に入力して、「検索」をクリックします。「パッチ検索結果」表が表示されます。

  4. 「リリース」と「プラットフォーム」の列を使用して必要なパッチを探し、関連付けられたパッチIDをクリックします。

  5. 表示されたページで、右側の列の「ダウンロード」ボタンをクリックします。

2.2.3 OPatch環境変数

OPatchでは、表2-2に示された環境変数が使用されます。

表2-2 OPatch環境変数

変数 説明

ORACLE_HOME

Oracleホーム・ディレクトリの場所をポイントします。

MW_HOME

Middlewareホーム・ディレクトリの場所をポイントします。

PATH

多様なコマンドの実行を開始する場所をポイントします。


2.2.4 OPatchのシステム要件

OPatchユーティリティには次の要件があります。

  • ORACLE_HOME環境変数は、有効なOracleホーム・ディレクトリをポイントし、Oracleホーム・ディレクトリのインストール時に使用された値と一致している必要があります。

  • インストール時に-invPtrLocコマンド・ライン引数が使用されている場合は、OPatchユーティリティの使用時にもこの引数を使用する必要があります。プラットフォームのデフォルトの中央インベントリを使用することをお薦めします。

  • PATH環境変数でリストされたディレクトリのいずれかでjavaarcpおよびmakeコマンドが使用可能である必要があります。これらのコマンドはすべてのプラットフォームで使用可能であるとはかぎりません。

2.2.5 パッチ適用に関するバックアップとリカバリの考慮事項

パッチに関する操作行う際は、事前にORACLE_HOMEをバックアップしておくことを強くお薦めします。ORACLE_HOMEは、任意の方法でバックアップできます。ORACLE_HOMEの圧縮には、zipcp -rtarcpioなどの任意の方法を使用できます。

opatch lsinventory -detailコマンドを実行したときにORACLE_HOMEが表示されない場合は、中央インベントリにORACLE_HOMEが存在しないか、中央インベントリ自体が消失または破損している可能性があります。

opatch lsinventory -detailコマンドを実行したときに、ORACLE_HOMEが表示されORACLE_HOME内の製品およびコンポーネントが表示されない場合は、ORACLE_HOME内のインベントリ(ローカル・インベントリ)が消失しているか破損している可能性があります。

なんらかの原因によってローカル・インベントリが破損または消失している場合、バックアップされていればORACLE_HOME/inventory (UNIXオペレーティング・システム)またはORACLE_HOME\inventory (Windowsオペレーティング・システム)を簡単にリストアできます。バックアップが存在しない場合は、ソフトウェアの再インストールが必要になることもあります。

2.3 Fusion Middleware環境におけるOPatch

この項では、Oracle Fusion Middleware環境に関係するOracle OPatchユーティリティについて説明します。『Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド』(次のURLからアクセスできます)で紹介されているOracle Fusion Middlewareのコンセプトを十分に理解しておく必要があります。

http://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/install.1111/b32474/toc.htm

この項は、次のトピックで構成されています。

2.3.1 一般的なパッチ適用のシナリオ

図2-1に示されているような、Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterの非分散型Fusion Middlewareトポロジを例にして説明します。


ノート:

この例では一部しか紹介していませんが、OPatchは任意のFusion Middleware製品へのパッチの適用に使用できます。ただしOracle WebLogic Serverへのパッチの適用にはOPatchを使用できません。

図2-1 Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterに一般的なFusion Middlewareトポロジ

図2-1の説明が続く
「図2-1 Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterに一般的なFusion Middlewareトポロジ」の説明

SOAドメインに問題があるとします。一般的なパッチ適用プロセスは次のようになります。

ステップ1Oracleサポートへの連絡

Oracleサポートの担当者に連絡するか、My Oracle Support(旧称OracleMetaLink)にアクセスします。

http://support.oracle.com/

ステップ2既存のパッチのチェック

Oracleサポートで問題を解決できない場合、システムにパッチをすでにインストールしているかどうかを尋ねられることがあります。この情報を確認するには、opatch lsinventoryコマンドを実行する必要があります。

Oracleホーム(またはMiddlewareホーム内の一連のOracleホーム)に特定のパッチがインストールされているかどうかを確認するには、opatch checkInstalledOneOffsコマンドを使用します。このコマンドの詳細は、第2.4.7項「OracleホームまたはWebLogicドメインに適用されているパッチのリスト」を参照してください。

ステップ3OPatchおよび必要なパッチの入手

新しいパッチが必要ですが、そのパッチがシステムにまだインストールされていないと確認された場合は、次の手順を実行する必要があります。

  1. 第2.2.1項「OPatchの入手」の説明に従って、最新バージョンのOPatchを入手していることを確認します。

  2. 第2.2.2項「OPatchで適用可能なパッチの入手」の説明に従って、パッチを入手します。

ステップ4Oracleホームの確定

パッチを入手したら、パッチを適用するOracleホーム・ディレクトリを確定します。

Fusion Middleware環境で最も一般的に使用されるパッチでは、特定のOracleホーム・ディレクトリに対してパッチが適用されます。一部のパッチ(JRF関連のパッチなど)は、特定のMiddlewareホーム内の複数のOracleホーム・ディレクトリに適用されることがあります。3つ目のタイプのパッチは、特定のOracleホームのクライアント・コンポーネントと別のOracleホームのサーバー・コンポーネントを対象とします(たとえば、WebCenterのOracleホーム内のOracle WebCenterは、Oracle SOA SuiteのOracleホームのBPELプロセス・マネージャに依存します)。

Oracleホームの名前が不明の場合は、第2.4.6項「パッチの適用が可能なOracleホームのリスト」の説明に従ってopatch lshomesコマンドを実行してドメインに属するOracleホームのリストを取得します。この例の場合、パッチの適用対象のOracleホームは、SOAのOracleホームです。

Oracleホームを確定したら、第2.4.6項「パッチの適用が可能なOracleホームのリスト」の説明に従ってopatch checkApplicableコマンドを実行して、そのパッチが実際に当該のOracleホームに適用できることを確認します。

Middlewareホームは、Fusion Middlewareトポロジ内の最上位のエンティティであるため、Fusion Middleware環境におけるOPatchコマンドの多くでMiddlewareホームの場所が必要とされます。

ステップ5READMEファイルの参照

パッチに付属するREADMEファイルを参照します。このファイルには重要な情報およびパッチの適用前に従う必要がある手順が記載されています。

たとえば、READMEファイルには、-autoオプションを使用してパッチを適用する方法などが説明されています(第2.4.1.2項「-autoオプションの使用」の説明を参照)。一般的に、READMEではopatch stopopatch startなどの一連のOPatchコマンドの使用方法が記載されています(第2.4.8項「ランタイム・インスタンスの開始と停止」を参照してください)。

ステップ6パッチの適用

パッチの適用が必要なOracleホームを確定したら、第2.4.1項「パッチの適用とWebLogic Serversへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」の説明に従ってopatch applyコマンドを使用してパッチを適用します。

パッチの適用後

多くの場合、READMEファイルの説明ではパッチの適用後にopatch startコマンドを実行してサーバーを再起動するように指示されています。

パッチの適用が完了し、サーバーの再起動が完了したら、製品ソフトウェアで問題が解決しているかどうかを検証する必要があります。

なんらかの原因で満足のいく結果が得られなかった場合は、opatch rollbackコマンドを使用してOracleホームからパッチを削除できます。詳細は、第2.4.2項「パッチのロールバックおよびWebLogic Serverへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照して、READMEファイルで個別の指示を確認してください。

2.3.2 Fusion Middleware製品へのパッチの適用

Fusion Middlewareアーティファクトの多くはランタイム環境にデプロイされ、そこでアプリケーションによって実行に使用されるバイナリが選択されます。この最も一般的な例としてはJ2EEアーティファクト(.ear.war.rarファイルなど)、またはドメイン内で実行される管理対象サーバーやクラスタにデプロイされるJ2EE共有ライブラリがあります。Fusion Middleware環境でのパッチ適用では、Oracleホーム内のこれらのアーティファクトのアップグレードと置換が行われます。アーティファクトがデプロイされるサーバーは、再起動して変更内容を有効化する必要があります。

アーティファクトのデプロイ後は、WebLogic Serverでのアーティファクトの処理方法に作用する様々なステージング・モードがあり、さらにこのモードによって、アプリケーションへのパッチの適用方法も決定されます。Oracle Fusion Middleware 11gのアーティファクトはすべてNoStageモードでデプロイされるため、デプロイメント用の単一ソース・ディレクトリのアーカイブ・ファイルに管理対象サーバーのそれぞれがアクセスする必要があります。J2EEアプリケーションがクラスタ内の3つの管理対象サーバーにデプロイされる場合、新しいJ2EEアプリケーションをデプロイするには、管理対象サーバーのそれぞれから共有ディレクトリまたはネットワークマウント・ディレクトリの同一のアプリケーション・アーカイブ・ファイルにアクセスできる必要があります。

次の事項に注意してください。

  • 複数のマシン上で複数の管理対象サーバーを使用している場合、すべてのマシンでアプリケーション・ビットへのパスを同じにする必要があります。これはドメイン構成におけるアプリケーションの単一エントリ・ポイントがあるためです。

  • アプリケーション・ビットのソースの場所は固定され、そのORACLE_HOMEの場所を逆にポイントするため、特定のORACLE_HOMEを使用して作成されたドメインはすべて、ORACLE_HOMEにパッチが適用されるとパッチ適用済のビットを取得します。

  • 複数のマシン上で複数の管理対象サーバーを使用し、製品のORACLE_HOMEがターゲットの管理対象サーバー上で共有またはネットワークマウントされていない場合、マシンのそれぞれでローカル・ファイル・システム上のORACLE_HOMEに製品をインストールして、そこから管理対象サーバーがアプリケーション・バイナリにアクセスできるようにする必要があります。このため、各マシンのローカル・ファイル・システム上のそれぞれのORACLE_HOMEで個別にパッチを適用する必要があります。

このシナリオで実行が必要なステップは次のとおりです。

  1. WebLogicドメインでアプリケーションのデプロイ先になるすべての管理対象サーバーを停止します。

  2. opatch applyコマンドを使用して、Oracleホームにビットを適用します。

  3. 同じWebLogicドメインのすべての管理対象サーバーを再起動します。

ステップ1と3は、OPatchのFusion Middleware機能によって実行されます。

2.3.3 分散環境におけるパッチの適用

分散環境でのパッチ適用プロセスは、Middlewareホーム・ディレクトリが共有と非共有のいずれであるかによって異なります。

2.3.3.1 ローカルMiddlewareホームでのパッチの適用

図2-2に示された環境を使用して説明します。これは分散環境です。独立した各マシン上に同じトポロジが設定され、それぞれにローカルのMiddlewareホームがあり、Fusion Middleware製品はそのMiddlewareホーム内にあります。

図2-2 Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterの分散Fusion Middlewareトポロジ

図2-2の説明が続く
「図2-2 Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterの分散Fusion Middlewareトポロジ」の説明

SOAドメインで問題が発生した場合、READMEファイルの説明に従って、各マシン上で個別に、対応するOracleホームにパッチを適用する必要があります。たとえば、「Middleware Host 1」のSOA Oracleホームにパッチを適用してから、「Middleware Host 2」に対しても同じ手順を繰り返す必要があります。

2.3.3.2 共有Middlewareホームでのパッチの適用

図2-3に示された環境を使用して説明します。これも分散環境で、独立した個別のマシン上に同じトポロジが設定されていますが、「Middleware Host 2」上のMiddlewareホームが共有であるかNFSマウントされています。

図2-3 Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterの分散Fusion Middlewareトポロジ

図2-3の説明が続く
「図2-3 Oracle SOA SuiteおよびOracle WebCenterの分散Fusion Middlewareトポロジ」の説明

このトポロジでは、SOAドメインに問題が発生した場合、READMEファイルの説明に従って「Middleware Host 1」か「Middleware Host 2」のSOAのOracleホームにパッチを適用するだけで済みます。OPatchによって、同じMiddlewareホームを共有する対応Oracleホームのすべてにパッチが自動的に適用されます。

2.3.4 Oracleホーム外でデプロイされるパッチ適用アーティファクト

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control、Oracle Web Services Manager Policy Manager (WSM-PM)などの一部のアプリケーションは、製品のOracleホーム(Oracle共通ホームまたはoracle_common)ディレクトリの外部にデプロイされます。OPatchは、oracle_commonディレクトリを参照するファイルにもパッチを適用できます。

2.4 OPatchの実行

OPatchユーティリティは、ORACLE_HOME/OPatchディレクトリ(UNIXオペレーティング・システム)またはORACLE_HOME\OPatchディレクトリ(Windowsオペレーティング・システム)にあります。OPatchユーティリティの構文は次のとおりです。

path_to_opatch/opatch command -options

コマンドの許容値は、表2-3に示されています。

コマンドの有効オプションは、各コマンドを説明する項に記載されています。

表2-3 Fusion Middleware環境におけるOPatchユーティリティのコマンド

コマンド 説明

apply

Oracleホームにパッチを適用し、そのパッチをWebLogicドメインにデプロイします。

詳細は、第2.4.1項「パッチの適用およびWebLogicサーバーへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

rollback

Oracleホームからパッチを削除します。

詳細は、第2.4.2項「パッチのロールバックおよびWebLogic Serverへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

deploy

WebLogicドメインにパッチをデプロイします。

詳細は、第2.4.3項「WebLogic Serverへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

checkApplicable

パッチの適用が可能なすべてのOracleホームをリストします。

詳細は、第2.4.6項「パッチの適用が可能なOracleホームのリスト」を参照してください。

lshomes

WebLogicドメインの作成に使用されたOracleホームをリストします。

詳細は、第2.4.4項「ソースOracleホームのリスト」を参照してください。

lsdomains

Middlewareホームまたは特定のOracleホームから作成されたすべてのWebLogicドメインをリストします。

詳細は、第2.4.5項「MiddlewareホームまたはOracleホームから作成されたドメインのリスト」を参照してください。

checkInstalledOneOffs

特定のパッチがいずれかのOracleホームにインストールされているかどうかをチェックします。

詳細は、第2.4.7項「OracleホームまたはWebLogicドメインに適用されているパッチのリスト」を参照してください。

start | stop

WebLogic Administration Server、管理対象サーバー、またはクラスタを起動または停止します。

詳細は、第2.4.8項「ランタイム・インスタンスの起動および停止」を参照してください。


これらのFusion Middlewareオプションの詳細を表示するには、次のコマンドを使用してください。

path_to_OPatch/opatch -help -fmw

2.4.1 パッチの適用およびWebLogicサーバーへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ

Fusion Middleware環境では、applyコマンドによってローカル・マシン上のOracleホームにパッチが適用されます。


ノート:

Middlewareホーム(そのMiddlewareホーム内のすべてのOracleホームを含む)にパッチを適用するオプションは提供が開始されていません。

2.4.1.1 OPatchプロパティ・ファイルの使用

管理サーバーの資格証明などの機密情報、および管理サーバーのURL、ドメインの場所、アプリケーション・ディレクトリの場所などのその他の重要情報は、プロンプトによってコンソールから取得されます。状況によってはデフォルト値がOPatchによって検出され、指定されます。このような場合は[Enter]を押して、それらのデフォルト値を使用します。

Grid Controlなどの自動アプリケーションでは-silentオプションを指定してOPatchを起動できます。このオプションを使用するとコンソールから入力を求められることはありません。管理サーバーの資格情報やその他の必要な情報を指定するには、レスポンス・ファイルを作成し、-property_fileオプションの引数としてこのファイルを渡すことができます。

Fusion Middlewareコンポーネントの場合、プロパティ・ファイル内で対応するファイル名のキーとしてuserConfigFileuserKeyFileを指定できます。userConfigFileファイルには、暗号化されたユーザー名とパスワードが格納され、userKeyFileにはユーザー名とパスワードの暗号化と復号化に使用される秘密キーが格納されます。同様にして、AdminServerURL(管理サーバーのURL)、DomainHome (domainsディレクトリへのフルパス)およびApplicationsDir (applicationsディレクトリへのフルパス)もプロパティ・ファイルで指定できます。

2.4.1.2 -autoオプションの使用

一部のパッチは、-autoオプションを指定して使用できることがオラクル製品サポートによって確認されています。このオプションを使用するとパッチ適用手順の一定の部分を自動化できます。-autoオプションでは、Oracleホームへのパッチの適用、パッチが実際に適用されているかの検証が実行され、その後、指定されたWebLogic Domainに対して必要な再デプロイ操作が実行されます。これにはパッチの影響が及ぶすべてのサーバーの停止と起動も含まれます。-autoオプションの使用が認定されているパッチは、パッチのREADMEファイルにその情報が記載されます。

2.4.1.2.1 ノード・マネージャの構成

OPatchのリリース11.1.0.8.2以降では、-autoオプションには、ノード・マネージャのユーザー名およびパスワードが必要です。OPatchを正常に使用するには:

  • 管理サーバーが稼働している必要があります。

  • 管理対象サーバーが稼働中の場合には、サーバーはOPatchによって停止し、パッチが適用されてから再起動します。

    管理対象サーバーが稼働中でない場合には、OPatchによってパッチが適用されますが、パッチの効果を確認するにはサーバーを手動で起動する必要があります。

ノード・マネージャを構成するには、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの構成全般に関する項を参照してください。

2.4.1.2.2 -domainオプションを指定した-autoオプションの使用

-autoオプションは-domainオプションとともに使用する必要がありますが、唯一の例外はOracleホームから構成されたWebLogicドメインが1つのみの場合です。この場合、OPatchはそのドメインをデフォルト・ドメインとして使用します。作成されたドメインが複数存在し、-domainオプションが使用されない場合は、ユーザーの責任としてopatch deployを実行し、パッチ適用済アーティファクトをそれぞれのドメインに再デプロイし、また、各ドメイン内の影響が及ぶサーバーの停止と起動も実行することになります。

2.4.1.3 applyコマンドの使用

applyコマンド(-autoオプションを指定)の実行内容は次のとおりです。

  1. 影響が及ぶすべてのターゲット・サーバーを停止します。

    これには、次のような他のノード上のサーバー・インスタンスの停止が含まれる場合もあります。

    1. ステージング・モードのアプリケーション。

    2. Oracleホームを共有するNoStageモードのアプリケーション

  2. ローカル・マシン上のOracleホームにパッチを適用します。

  3. パッチ適用済アーティファクトに必要なデプロイ操作を実行します。

  4. 影響が及ぶすべてのサーバーを再起動します。

applyコマンドの構文は次のとおりです。

opatch apply
   [-auto [-domain domain_name]]
   [-mw_home MW_HOME]
   [-oh ORACLE_HOME]
   [-property_file path_to_property_file]
   [-report]]

applyコマンドのオプションのサマリーは表2-4に示されています。

表2-4 OPatchのapplyコマンドのオプション

オプション 説明

-auto [-domain domain_name]

オプション。指定するとOPatchはOracle Fusion Middlewareエンティティへのパッチのロールアウトを自動化します。-autoを使用する場合は、-domainも指定してロールアウトが行われるドメインを指示する必要があります。Oracleホームに構成されたドメインが1つのみの場合は例外で、-domainフラグの使用はオプションです。

詳細は、第2.4.1.2項「-autoオプションの使用」を参照してください。

-mw_home MW_HOME

オプション。パッチが適用されるMiddlewareホームです。ここで指定したMiddlewareホームはMW_HOME環境変数より優先されます。いずれも指定されていない場合は、コマンドの実行が開始されたMiddlewareホームが使用されます。

-oh ORACLE_HOME

オプション。パッチ適用先のOracleホームの指定に使用されるオプションです。この値はORACLE_HOME環境変数より優先されます。いずれも指定されていない場合は、OPatchが起動されたOracleホームにアップグレードが適用されます。

-property_file name

オプション。プロパティ・ファイルの絶対パスと名前です。

詳細は、第2.4.1.1項「OPatchプロパティ・ファイルの使用」を参照してください。

-report

オプション。コマンドの実行によって行われるアクションを出力しますが、実際にコマンドが実行されるわけではありません。


2.4.1.4 applyコマンドのサンプル出力

UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch applyコマンドのサンプル出力を次に示します。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch apply
-auto /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/FMWPatches/9991008/
-oh /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/
-domain MySOAWebCenterDist
Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common//oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_09-44-02AM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Please enter the WebLogic Admin Server username:> weblogic
Please enter the WebLogic Admin Server password:>           
Please enter the WebLogic Admin Server URL(t3://stadn41:7011):> 
Please enter the WebLogic domain directory location(/OracleFMW/MyDomains/domains/MySOAWebCenterDist):> 
Please enter the WebLogic applications directory location(/OracleFMW/MyDomains/applications/MySOAWebCenterDist):> 
[FMW] Running apply '-auto' prerequisite checks...
   [FMW] ProductDriver::preReq_Product() succeeded
   [FMW] ProductDriver::preReq_Deploy() succeeded
 
All the applications affected by this patch are deployed in 'No Stage' mode.
Redeploy operation will not be performed for the affected applications.
Please refer to the log file for more details.
 
   [FMW] ProductDriver::preReq_LifeCycle() succeeded
[FMW] Apply '-auto' prerequisite checks succeeded...
 
ApplySession applying interim patch '9991008' to OH '/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common'
 
Running prerequisite checks...
 
You selected -local option, hence OPatch will patch the local system only.
 
 
Please shutdown Oracle instances running out of this ORACLE_HOME on the local system.
(Oracle Home = '/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common')
 
 
Is the local system ready for patching? [y|n]
y
User Responded with: Y
Backing up files and inventory (not for auto-rollback) for the Oracle Home
Backing up files affected by the patch '9991008' for restore. This might take a while...
Backing up files affected by the patch '9991008' for rollback. This might take a while...
 
Patching component oracle.jrf.j2ee, 11.1.1.2.0...
Copying file to "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/modules/oracle.jrf_11.1.1/jrf-api.jar"
 
Patching component oracle.jrf.dms, 11.1.1.2.0...
Copying file to "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/modules/oracle.dms_11.1.1/dms.war"
ApplySession adding interim patch '9991008' to inventory
 
Verifying the update...
Inventory check OK: Patch ID 9991008 is registered in Oracle Home inventory with proper meta-data.
Files check OK: Files from Patch ID 9991008 are present in Oracle Home.
 
The local system has been patched and can be restarted.
 
[FMW] Ignoring Deploy operations as all patched artifacts are deployed in 'No Stage' mode
[FMW] Performing Auto Post-Deploy Actions 
[FMW] Performing Auto Post-Bounce Actions 
--------------------------------------------------------------------------------
The following warnings have occurred during OPatch execution:
1) OUI-67851:
All the applications affected by this patch are deployed in 'No Stage' mode.
Redeploy operation will not be performed for the affected applications.
Please refer to the log file for more details.
 
--------------------------------------------------------------------------------
OPatch Session completed with warnings.
 
OPatch completed with warnings.

2.4.2 パッチのロールバックおよびWebLogic Serverへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ

rollbackコマンドでは、一意のパッチIDを指定することによって既存の個別パッチを削除できます。

rollbackコマンド(-autoオプションを指定)の実行内容は次のとおりです。

  1. 影響が及ぶすべてのターゲット・サーバーを停止します。

    これには、次のような他のノード上のサーバー・インスタンスの停止が含まれる場合もあります。

    1. ステージング・モードのアプリケーション。

    2. Oracleホームを共有するNoStageモードのアプリケーション

  2. ローカル・マシン上のOracleホームのパッチをロールバックします。

  3. パッチ適用済アーティファクトに必要なデプロイ操作を実行します。

  4. 影響が及ぶすべてのサーバーを再起動します。

rollbackオプションの構文は次のとおりです。

opatch rollback -id patch_id
   [-auto [-domain domain_name]]
   [-mw_home MW_HOME]
   [-oh ORACLE_HOME]
   [-property_file path_to_property_file
   [-report]]

rollbackコマンドのオプションのサマリーは表2-5に示されています。

表2-5 OPatchのrollbackコマンドのオプション

オプション 説明

-id patch_id

-lsinventoryオプションを使用すると適用済のすべてのパッチIDが表示されます。個別パッチのそれぞれはIDによって一意に識別できます。以前のパッチ・バージョンをロールバックするには、そのバージョンのIDを指定する必要があります。

-auto [-domain domain_name]

オプション。指定するとOPatchはOracle Fusion Middlewareエンティティへのパッチのロールアウトを自動化します。-autoを使用する場合は、-domainも指定してロールアウトが行われるドメインを指示する必要があります。Oracleホームに構成されたドメインが1つのみの場合は例外で、-domainフラグの使用はオプションです。

詳細は、第2.4.1項「パッチの適用およびWebLogicサーバーへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

-mw_home MW_HOME

オプション。パッチが適用されるMiddlewareホームです。ここで指定したMiddlewareホームはMW_HOME環境変数より優先されます。いずれも指定されていない場合は、コマンドの実行が開始されたMiddlewareホームが使用されます。

-oh ORACLE_HOME

オプション。パッチ適用先のOracleホームの指定に使用されるオプションです。この値はORACLE_HOME環境変数より優先されます。いずれも指定されていない場合は、OPatchが起動されたOracleホームにアップグレードが適用されます。

-property_file name

オプション。プロパティ・ファイルの絶対パスと名前です。

詳細は、第2.4.1項「パッチの適用およびWebLogicサーバーへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

-report

オプション。コマンドの実行によって行われるアクションを出力しますが、実際にコマンドが実行されるわけではありません。


2.4.3 WebLogic Serverへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ

この操作によって変更後のアーティファクトがFusion Middleware ORACLE_HOMEからFusion Middlewareドメインにデプロイされます。

パッチのバイナリの場所は、-phオプションを使用して指定する必要があります。パッチが現在のOracleホーム(このコマンドの実行を開始するOracleホーム)にインストールされている場合は、-phオプションが必要ではなくなります。

パッチがすでにOracleホームに適用されている場合は、-idオプションによってデプロイに使用するパッチを指定できます。

deployコマンドの構文は次のとおりです。

opatch deploy -id patch_id -ph patch_location
   [-auto [-domain domain_name]]
   [-mw_home MW_HOME]
   [-oh ORACLE_HOME]
   [-property_file path_to_property_file
   [-report]]

deployコマンドのオプションのサマリーは表2-6に示されています。

表2-6 OPatchのdeployコマンドのオプション

オプション 説明

-id patch_id

Oracleホームにインストールされたパッチの一意のIDです。

-ph patch_location

パッチの場所への絶対パスです。指定しない場合は現在ディレクトリが使用されます。

-auto [-domain domain_name]

オプション。指定するとOPatchはOracle Fusion Middlewareエンティティへのパッチのロールアウトを自動化します。-autoを使用する場合は、-domainも指定してロールアウトが行われるドメインを指示する必要があります。Oracleホームに構成されたドメインが1つのみの場合は例外で、-domainフラグの使用はオプションです。

詳細は、第2.4.1項「パッチの適用およびWebLogicサーバーへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

-mw_home MW_HOME

オプション。パッチが適用されるMiddlewareホームです。ここで指定したMiddlewareホームはMW_HOME環境変数より優先されます。いずれも指定されていない場合は、コマンドの実行が開始されたMiddlewareホームが使用されます。

-oh ORACLE_HOME

オプション。パッチ適用先のOracleホームの指定に使用されるオプションです。この値はORACLE_HOME環境変数より優先されます。いずれも指定されていない場合は、OPatchが起動されたOracleホームにアップグレードが適用されます。

-property_file name

オプション。プロパティ・ファイルの絶対パスと名前です。

詳細は、第2.4.1項「パッチの適用およびWebLogicサーバーへのパッチ適用済アーティファクトのデプロイ」を参照してください。

-report

オプション。コマンドの実行によって行われるアクションを出力しますが、実際にコマンドが実行されるわけではありません。


2.4.4 ソースOracleホームのリスト

lshomesコマンドは、ホストやドメインなどの論理エンティティに属するすべてのOracleホームをリストします。ホストについては、マシンの中央インベントリからOracleホームのリストが取得されます。WebLogicドメインについては、最上位レベルのMiddlewareホームにインストールされた製品Oracleホームのみがホームのリストに記載されます。

-domainまたは-domaindirオプションを使用すると、このコマンドでWebLogicドメインの作成または拡張に使用されたOracleホームがリストに記載されます。使用しない場合は、マシンの中央インベントリまたは-invPtrLocを使用して指定されたインベントリの場所に登録されたすべてのホームがリストに記載されます。

Middlewareホームは-mw_homeオプションを使用するか、MW_HOME環境変数を設定することによって指定できます。Middlewareホームの指定があり、-domainまたは-domaindirオプションの指定がない場合、マシンの中央インベントリまたは指定されたインベントリの場所に登録されたMiddlewareホーム内のすべてのOracleホームがこのコマンドによってリストに記載されます。

lshomesオプションの構文は次のとおりです。

opatch lshomes
   [-domain domain_name | -domain_dir domain_location]
   [-mw_home MW_HOME ]
   [-invPtrLoc path_to_oraInst.loc]

lshomesコマンドのオプションのサマリーは表2-7に示されています。

表2-7 OPatchのlshomesコマンドのオプション

オプション 説明

-domain domain_name

オプション。このWebLogicドメインの作成または拡張に使用されたOracleホームをリストします。

-domain_dir domain_location

オプション。この場所のWebLogicドメインの作成または拡張に使用されたOracleホームをリストします。

WebLogicドメインへの絶対パスを指定する必要があります。

-mw_home MW_HOME

オプション。このMiddlewareホームに配置されたマシンの中央インベントリに登録されたOracleホームのみをリストに記載します。

Middlewareホーム・ディレクトリへの絶対パスを指定する必要があります。この値はMW_HOME環境変数より優先されます。いずれも使用できない場合は、コマンドの実行が開始されたMiddlewareホームが使用されます。

-invPtrLoc path_to_oraInst.loc

オプション。oraInst.locファイルの場所への絶対パスです。-invPtrLocオプションを使用してインストールが実行された場合はこのオプションが必要です。


UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch lshomesコマンドのサンプルを次に示します。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch lshomes
-domain MySOAWebCenterDist
Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
UTIL session
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_10-57-49AM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Invoking utility "lshomes"
Home path = "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common"
Home path = "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1"
Home path = "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_WC1"
OPatch command 'lshomes' done.
 
OPatch succeeded.

2.4.5 MiddlewareホームまたはOracleホームから作成されたドメインのリスト

lsdomainsコマンドは、特定のOracleホームから作成されたすべてのWebLogicドメインをリストします。

  • Oracleホームが指定されている場合は、指定されたOracleホームから作成されたドメインのみがリストに記載されます。Oracleホームの指定がない場合は、ORACLE_HOME環境変数で定義されたOracleホームから作成されたドメインがOPatchによってリストに記載されます。いずれも使用できない場合はコマンドの実行が開始されたOracleホーム・ディレクトリがOPatchで使用されます。

  • Middlewareホームが指定されている場合、指定されたMiddlewareホーム内のすべてのOracleホームから作成されたドメインがすべてリストに記載されます。

  • いずれも指定がなく、さらにMW_HOMEORACLE_HOMEのいずれの環境変数も定義されていない場合、OPatchはコマンドの実行が開始されたMiddlewareホームに対してコマンドを実行します。

lsdomainsコマンドの構文は次のとおりです。

opatch lsdomains
   [-oh ORACLE_HOME]
   [-mw_home MW_HOME]
   [-invPtrLoc path_to_oraInst.loc]

lsdomainsコマンドのオプションのサマリーは表2-8に示されています。

表2-8 OPatchのlsdomainsコマンドのオプション

オプション 説明

-oh ORACLE_HOME

オプション。Oracleホーム・ディレクトリへの絶対パスです。

-mw_home MW_HOME

オプション。Middlewareホーム・ディレクトリへの絶対パスです。

-invPtrLoc path_to_oraInst.loc

オプション。oraInst.locファイルの場所への絶対パスです。-invPtrLocオプションを使用してインストールが実行された場合はこのオプションが必要です。


UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch lsdomainsコマンドのサンプルを次に示します。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch lsdomains
-oh /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common
Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
UTIL session
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_11-04-41AM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Invoking utility "lsdomains"
Domain Name = "MySOAWebCenterDist" Path = "/OracleFMW/MyDomains/domains/MySOAWebCenterDist"
Domain Name = "MyWebCenterOnly" Path = "/OracleFMW/MyDomains/domains/MyWebCenterOnly"
OPatch command 'lsdomains' done.
 
OPatch succeeded.

2.4.6 パッチの適用が可能なOracleホームのリスト

このcheckApplicableコマンドは、パッチの適用が可能なOracleホームのリストを生成します。Fusion Middlewareの場合、このコマンドの範囲は最上位のMiddlewareホームに限定されます。

  • Middlewareホームのみが指定されている場合、指定されたMiddlewareホーム内のすべてのOracleホームに当該のパッチを適用できるかどうかが、OPatchによってチェックされます。

  • Middlewareホームだけではなく、特定のOracleホームも指定されている場合、指定されたMiddlewareホームの指定されたOracleホームにこのパッチを適用できるかどうかが、OPatchによってチェックされます。

  • いずれも指定がなく、さらにMW_HOMEORACLE_HOMEのいずれの環境変数も定義されていない場合、OPatchはコマンドの実行が開始されたMiddlewareホームに対してコマンドを実行します。

checkApplicableコマンドの構文は次のとおりです。

opatch checkApplicable
   [-ph patch_location]
   [-mw_home MW_HOME]
   [-oh ORACLE_HOME]
   [-invPtrLoc path_to_oraInst.loc]

checkApplicableコマンドのオプションのサマリーは表2-9に示されています。

表2-9 OPatchのcheckApplicableコマンドのオプション

オプション 説明

-ph patch_location

オプション。checkApplicableコマンドの実行対象のパッチの場所です。指定がない場合は現在のディレクトリのパッチが使用されます。

-mw_home MW_HOME

オプション。Middlewareホーム・ディレクトリへの絶対パスです。

-oh ORACLE_HOME

オプション。Oracleホーム・ディレクトリへの絶対パスです。

-invPtrLoc path_to_oraInst.loc

オプション。oraInst.locファイルの場所への絶対パスです。-invPtrLocオプションを使用してインストールが実行された場合はこのオプションが必要です。


UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch checkApplicableコマンドのサンプルを次に示します。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch checkapplicable
-ph /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/FMWPatches/9991008/
Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
UTIL session
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_10-59-57AM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Invoking utility "checkapplicable"
 
"checkApplicable" passed for Patch "9991008" and Oracle Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common".
"checkApplicable" failed for Patch "9991008" and Oracle Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1".
The details are:
Patch 9991008: Required component(s) missing : [ oracle.jrf.j2ee, 11.1.1.2.0 ] , [ oracle.jrf.dms, 11.1.1.2.0 ] 
"checkApplicable" failed for Patch "9991008" and Oracle Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_WC1".
The details are:
Patch 9991008: Required component(s) missing : [ oracle.jrf.j2ee, 11.1.1.2.0 ] , [ oracle.jrf.dms, 11.1.1.2.0 ] 
Some of the Oracle Homes under the Middleware Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2" have failed this check.
 
OPatch command 'checkApplicable' done.
--------------------------------------------------------------------------------
The following warnings have occurred during OPatch execution:
1) OUI-67124:Some of the Oracle Homes under the Middleware Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2" have failed this check.
--------------------------------------------------------------------------------
OPatch Session completed with warnings.
 
OPatch completed with warnings.

2.4.7 OracleホームまたはWebLogicドメインに適用されているパッチのリスト

checkInstalledOneOffsコマンドは、指定されたパッチ(複数も可)が特定のOracleホームまたはWebLogicドメインに適用されているかどうかをチェックします。

  • Middlewareホームが指定されている場合、指定されたMiddlewareホーム内で、マシンの中央インベントリに登録されているすべてのOracleホームがOPatchによってチェックされます。指定がない場合は、MW_HOME環境変数が使用されます。

  • 特定のOracleホームが指定されている場合は、指定されたOracleホームについてのみ、OPatchによるパッチのチェックが実行されます。

  • いずれも指定がなく、さらにMW_HOMEORACLE_HOMEのいずれの環境変数も定義されていない場合、OPatchはコマンドの実行が開始されたMiddlewareホームに対してコマンドを実行します。

  • WebLogicドメインが指定されている場合、指定されたWebLogicドメイン内のすべてのOracleホームがOPatchによってチェックされます。

checkInstalledOneOffsコマンドの構文は次のとおりです。

opatch checkInstalledOneOffs -id patch_IDs
   [-mw_home MW_HOME]
   [-oh ORACLE_HOME]
   [-domain domain_name]
   [-invPtrLoc path_to_oraInst.loc]

checkInstalledOneOffsコマンドのオプションのサマリーは表2-10に示されています。

表2-10 OPatchのcheckInstalledOneOffsコマンドのオプション

オプション 説明

-id patch_IDs

チェック対象のパッチのIDです。複数の場合は、パッチIDをカンマ(,)で区切ります。

-mw_home MW_HOME

オプション。Middlewareホーム・ディレクトリへの絶対パスです。

-oh ORACLE_HOME

オプション。Oracleホームへの絶対パスです。

-domain domain_name

オプション。WebLogicドメインの名前です。

-invPtrLoc path_to_oraInst.loc

オプション。oraInst.locファイルの場所への絶対パスです。-invPtrLocオプションを使用してインストールが実行された場合はこのオプションが必要です。


UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch checkInstalledOneOffsコマンドのサンプルを次に示します。このサンプルでは、SOA Oracleホームにパッチ8965224がインストールされ、Oracle共通ホームにパッチ9991008がインストールされています。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch checkinstalledoneoffs
-id 8965224,9991008
Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
UTIL session
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_09-40-41AM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Invoking utility "checkinstalledoneoffs"
 
"checkInstalledOneOffs" failed for Oracle Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/oracle_common".
Not Installed Patch IDs: [8965224]
 
"checkInstalledOneOffs" failed for Oracle Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1".
Not Installed Patch IDs: [9991008]
 
"checkInstalledOneOffs" failed for Oracle Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_WC1".
Not Installed Patch IDs: [8965224, 9991008]
 
Some of the Oracle Homes under the Middleware Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2" have failed this check.
OPatch command 'checkInstalledOneOffs' done.
--------------------------------------------------------------------------------
The following warnings have occurred during OPatch execution:
1) OUI-67124:Some of the Oracle Homes under the Middleware Home "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2" have failed this check.
--------------------------------------------------------------------------------
OPatch Session completed with warnings.
 
OPatch completed with warnings.

2.4.8 ランタイム・インスタンスの起動および停止

startコマンドおよびstopコマンドを使用すると、それぞれでFusion Middlewareランタイム・エンティティを起動または停止できます。同じタイプのエンティティのみの起動と停止を実行できます。複数のタイプのエンティティの起動と停止が必要な場合は、エンティティ・タイプごとにこのコマンドを実行する必要があります。

このコマンドの実行の前提条件は次のとおりです。

  • ノード・マネージャが構成され、ターゲットのサーバー・マシンで実行されている必要があります。

  • WebLogic_Home/common/nodemanager/nodemanager.domains (UNIXオペレーティング・システム)またはWebLogic_Home\common\nodemanager\nodemanager.domains (Windowsオペレーティング・システム)が入力されている必要があります。

  • 稼働中の管理サーバーへの接続が可能である必要があります。

startおよびstopコマンドの構文は次のとおりです。

opatch start|stop
   -domain domain_name
   -targets product_entity_name
   -target_type product_entity_type
   [-oh ORACLE_HOME]

startコマンドおよびstopコマンドのサマリーは表2-11に示されています。

表2-11 OPatchのstartおよびstopコマンドのオプション

オプション 説明

-domain domain_name

指定されたターゲットが起動または停止されるドメインの名前です。

-targets product_entity_name

起動または停止するWebLogicまたはFusion Middlewareのエンティティです。同タイプのエンティティのみを指定できます。エンティティが複数の場合は、カンマで区切る必要があります。

-target_type target_type

起動するWebLogicまたはFusion Middlewareのエンティティの名前です。有効な値は次のとおりです。

  • fmwApplication

  • fmwServer

  • fmwCluster

  • fmwContainer

fmwContainerオプションは、アプリケーションをホストしているコンテナ(WebLogic Serverなど)を起動または停止します。

fmwServerオプションは実行中の実際のJavaプロセスを開始または停止します(管理対象サーバーなど)。

-oh ORACLE_HOME

オプション。Oracleホーム・ディレクトリへの絶対パスです。この指定がない場合はORACLE_HOME環境変数の値が使用されます。いずれも使用できない場合は、コマンドの実行が開始されたOracleホームが使用されます。


UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch startコマンドのサンプルを次に示します。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch start
-targets soa_server1
-target_type fmwserver
-domain MySOAWebCenterDist

Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
UTIL session
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_12-30-31PM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Invoking utility "start"
Please enter the WebLogic Admin Server username:> weblogic
Please enter the WebLogic Admin Server password:>           
Please enter the WebLogic Admin Server URL(t3://stadn41:7011):> 
[FMW] Performing Start Actions
[FMW] Finished Start Actions 
OPatch command 'start' done.
 
OPatch succeeded.

UNIXオペレーティング・システムにおけるopatch stopコマンドのサンプルを次に示します。

[aime@stadn41 Oracle_SOA1]$ ./OPatch/opatch stop -targets soa_server1 -target_type fmwserver -domain MySOAWebCenterDist
Invoking OPatch 11.1.0.6.9
 
Oracle Interim Patch Installer version 11.1.0.6.9
Copyright (c) 2009, Oracle Corporation.  All rights reserved.
 
UTIL session
 
Oracle Home       : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1
Central Inventory : /ade/aime_dte6989/oracle/work/EM_SH_1/oraInventory
   from           : /etc/oraInst.loc
OPatch version    : 11.1.0.6.9
OUI version       : 11.1.0.7.0
OUI location      : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/oui
Log file location : /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch2009-12-06_11-13-59AM.log
 
Patch history file: /OracleFMW/Middleware_PS1_RC2/Oracle_SOA1/cfgtoollogs/opatch/opatch_history.txt
 
 
OPatch detects the Middleware Home as "/OracleFMW/Middleware_PS1_RC2"
 
Invoking utility "stop"
Please enter the WebLogic Admin Server username:> weblogic
Please enter the WebLogic Admin Server password:>           
Please enter the WebLogic Admin Server URL(t3://stadn41:7011):> 
[FMW] Performing Stop Actions 
[FMW] Finished Stop Actions 
OPatch command 'stop' done.
 
OPatch succeeded.

2.5 Fusion Middleware環境におけるOPatchのトラブルシューティング

この項では、Fusion Middleware環境でOPatchユーティリティを実行する際に発生する可能性がある一般的な問題について説明します。

2.5.1 MDSリポジトリへのパッチの適用についてのノート

MDSリポジトリへのパッチの適用に関する特殊な情報は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のMDSリポジトリの理解に関する項を参照してください。

2.5.2 マシン名とリスニング・アドレスの設定

管理サーバーおよび管理対象サーバーのマシン名は有効な値に設定する必要があります。空白やNoneには設定できません。

管理サーバーおよび管理対象サーバーのリスニング・アドレスは、現実の物理ホストのアドレス(ホスト名、FQDNまたはIPアドレス)に設定する必要があります。空白やlocalhostに設定することはできません。

これらの値は正しく1回のみ設定する必要があります。ソフトウェアに対するパッチの適用が必要になっても、これらのリセットは必要ありません。

管理対象サーバーのマシン名およびリスト・アドレスを設定するには:

  1. 管理コンソールを開きます。

  2. 「ドメイン構造」で、domain_nameから「環境」→「マシン」にナビゲートします。

  3. WebLogic Server が本番モードで稼働している場合は、左側の「ロックして編集」ボタンをクリックします。WebLogic Serverが開発モードで稼働している場合はこのステップが不要です。

  4. 「新規」ボタンをクリックして新しいマシンを作成します。名前を指定し、オペレーティング・システムを選択します。

  5. 作成したマシンを選択し、「構成」→「ノード・マネージャ」に移動して、ノード・マネージャがリスニングしているホストにリスニング・アドレスを変更してから「保存」ボタンをクリックします。

  6. 「ドメイン構造」で、domain_nameから「環境」→「サーバー」にナビゲートします。

  7. 管理対象サーバーのそれぞれに対して、作成したマシンを割り当てます。「リスニング・アドレス」フィールドで、ノード・マネージャがリスニングしているホストの名前を指定します。終了したら、「保存」をクリックします。

  8. WebLogic Serverが本番モードで稼働している場合は、左側の「変更のアクティブ化」ボタンをクリックします。WebLogic Serverが開発モードで稼働している場合はこのステップが不要です。

管理サーバーのマシン名およびリスト・アドレスを設定するには:

  1. 管理サーバーとすべての管理対象サーバーを停止します。

  2. ドメインのconfig.xmlファイルをバックアップします。

    このファイルのデフォルトの場所は、ドメイン・ホーム内のconfigディレクトリです。

  3. 既存のconfig.xmlファイルを次のように変更します。

    1. 次の行を探します。

      <name>AdminServer</name>
      
    2. 次の行を追加します。

      <machine>host_name</machine>
      <listen-address>host_name</listen-address>
      
    3. ファイルを保存します。

  4. 管理サーバーとすべての管理対象サーバーを再起動します。

    問題が発生した場合は、保存されたバージョンのconfig.xmlファイルに戻してOracleサポートに連絡してください。