Oracle GoldenGateリリース・ノートfor Windows and UNIX
12c (12.2.0.1)
E70113-04(原本部品番号:E64454-05)
2016年7月
このドキュメントでは、WindowsおよびUNIXプラットフォーム用のOracle GoldenGate 12c (12.2.0.1)リリースの新機能、主な変更点および既知の問題について説明します。内容は次のとおりです。
この項は、このリリースで発表された新機能の概要です。このリリースでサポートされているデータベースごとに分けられており、次にすべてのサポート対象のデータベースに適応する新機能が続きます。
この項では、Oracle GoldenGate 12.2.0.1の諸機能を複数のデータベースにまたがって使用できるようにする、コア・インフラストラクチャの変更点について説明します。
メタデータのカプセル化
この機能では、メタデータを格納し、ソースからターゲットへ転送して、証跡ファイルごとにカプセル化することにより、次のような利点をもたらします。
各表の最初のSEQUENCE
または最初のDMLが処理される前に、Extractによってメタデータ・レコードが各証跡ファイルに埋め込まれます。次の2つのメタデータ・レコードが証跡ファイルに追加されます。
データベース定義レコード(DDR) — データベースの文字セット、タイムゾーンおよびオブジェクト名の大文字と小文字の区別に関する情報。
表定義レコード(TDR) — 表および列の定義。
Oracle GoldenGateでは、レプリケーション・プロセスで各表に関連付けられているメタデータにSOURCEDEFS
パラメータとASSUMETARGETDEFS
パラメータを使用する必要がなくなりました。これで、これらのパラメータのいずれも定義せずにレプリケーションを構成できるようになりました。
2つの非Oracleスキーマ間でOracle DDLをレプリケートできるようになりました。たとえば、ターゲットにソースよりも多くの列(タイムスタンプ列など)を追加できます。
SOURCEDEFS
を必要とせずに、異なる列の配列で表をレプリケートできるようになりました。
メタデータのカプセル化機能を使用するのが、Oracle GoldenGateリリース12.2.0.1のデフォルトです。
表のメタデータの解決について、次に示す新旧の方法を簡単に切り替えることができます。
新しいUSE_TRAILDEFS
GLOBALSパラメータを使用して、すべてのポンプとReplicatを制御する方法。
ポンプまたはReplicatパラメータ・ファイルのSOURCEDEFS
パラメータとASSUMETARGETDEFS
パラメータごとにOVERRIDE
オプションを使用する方法。
注意:
ハートビート機能にはメタデータのカプセル化が必要です。メタデータのカプセル化はデフォルトで有効です。明確に無効化した場合、ハートビートは正常に機能しません。エンドツーエンド・レプリケーションの遅延
エンドツーエンド・レプリケーションの遅延を表示する新しいビルトイン機能で、ハートビート表を手動で実装する必要がありません(ドキュメントID 965415.1 データベースとのハートビートを維持するようにGoldenGateを設定する方法の記事を参照)。このレプリケーション構成を簡素化して、次のような追加機能を提供するために、新しいコマンドが追加されました。
ソースからターゲットへの片方向遅延。
すべてのレプリケーション・トポロジのレプリケーション・フローの自動計算。
受信遅延と送信遅延の両方が発生するアクティブ/アクティブ・レプリケーション設定での双方向遅延。
Oracle GoldenGateソフトウェア・コマンド・インタフェース(GGSCI)の新規コマンドADD HEARTBEATTABLE
によって、この機能は有効化されます。レプリケーション・プロセスのパラメータ・ファイルを更新してハートビートを有効にする必要はありません。
新しいGG_LAG
データベース・ビューでは、エンドツーエンド遅延に関する情報を表示できます。
パラメータの簡素化
Oracle GoldenGateパラメータの使用方法が簡素化され、次のことができるようになりました。
INFO PARAM
コマンドを使用して、パラメータに関する詳細なヘルプを取得し、パラメータの説明と使用可能な場所について詳細な情報を確認する。
SEND … GETPARAMINFO
コマンドを使用して、実行中のプロセスに関連付けられているアクティブなパラメータをすべて表示する。
新しいcheckprm
ユーティリティを使用して、パラメータ・ファイルを検証する。checkprm
を使用すると、レプリケーションをデプロイする前にパラメータ・ファイルの有効性を確認し、構文エラーを回避できます。
証跡ファイル拡張の増加
6桁の証跡ファイルから9桁の証跡ファイルに拡張することにより、証跡ファイルの最大数を1000単位で拡張します。この9桁の証跡ファイル・フォーマットがデフォルトになりました。
ポンプによるリモート証跡ファイルの自動リカバリ
Oracle GoldenGateではターゲット・システムを前の時点にリストアするタイミングを自動的に処理することにより、高可用性機能が拡張されています。また、ターゲットの証跡ファイルが誤って削除されたり破損している場合、この機能でそのほとんどのケースを処理します。これは、ソースの証跡データが使用可能な場合は、ターゲットで欠落している証跡データを自動的に再生成することにより、また、変更データの適用時に重複トランザクションをインテリジェントにスキップすることにより実行されます。
証跡リカバリ・プロセスには、場合によって、破損または欠落した証跡ファイルを自動的に再作成する機能があります。Extractポンプの再起動時に書込み先の証跡が存在しない場合、Extractポンプはターゲット・システム上で欠落した証跡ファイルの再作成を試みます。これは、プロセスのチェックポイント情報と前回の有効な証跡ファイルを使用して自動的に実行されます。Replicatプロセスは、新しい証跡リカバリ機能によって再作成された証跡ファイル内に重複データがあると、そのデータを自動的にスキップします。このリカバリは、この順序番号以降にターゲット証跡が1つ以上あり、Extractポンプの読取り元のソース上に証跡ファイルがまだ存在する場合に発生します。
このプロセスは、ターゲット上で破損または無効な証跡ファイルを再作成する場合にも使用できます。破損した証跡ファイルとそれ以降の証跡ファイルを単純に削除してから、Extractポンプを再起動します。この新しい動作では、PURGEOLDEXTRACTS MINKEEP
ルールを適切に構成して、ターゲット環境の再構築に使用できるソースの証跡ファイルが必ず存在するようにしておくことをお薦めします。この機能では、ソースとターゲットの両方のサーバーでOracle GoldenGateリリース12.1.2.1.8以上が使用されている必要があります。NOFILTERDUPTRANSACTIONS
を指定してReplicatを起動すると、このデフォルト動作が上書きされ、ターゲット・データベースに適用済のトランザクションが再度適用される可能性があるため、それは実行しないでください。
パフォーマンス・ツールキット・モニター
パフォーマンス・ツールキット・モニターが導入され、診断とチューニング用に次のような新しいメトリックが用意されました。
CPU
I/O
インフライト・トランザクション
キャッシュ・メモリーの使用率と統計
キャプチャと適用パフォーマンスの向上
これらのメトリックはRESTful APIに記録され、Oracle GoldenGateサポートおよび開発による問題の診断で使用されます。これらのメトリックを使用してCPU効率を改善することで、ソース・データベースとターゲット・データベースの負荷を削減できます。
次のサイトで、対応する無償のJavaプログラムを入手し、独自のモニタリング・システムを構成できます。
https://java.net/projects/oracledi/downloads/download/GoldenGate/OGGPTK.jar
注意:
パフォーマンス・ツールキット・モニターを使用するには、Oracle GoldenGate Management Packのライセンスが必要です。
コア機能以外にもOracle Database固有の機能が複数あり、この項ではそれらの機能について説明します。
XAG統合
GLOBALS
ファイルのXAGENABLE
パラメータを使用し、Oracle Grid Infrastructure Bundled Agents (XAG)を認識しやすくして、クラスタ構成の高可用性環境を実現するよう、Oracle GoldenGateを構成できます。HP NonStopプラットフォームでは無効です。
インスタンス化SCNのサポート
Oracle Data Pumpとの統合により、オンライン移行を簡素化。各表のSCNを保持し、各表の適用ポイントを管理して、インスタンス化プロセスを改善します。
非表示列のサポート
非表示列のレプリケーションが統合キャプチャ・モードでサポートされるようになりました。証跡フォーマット・リリース12.2が必要です。
Oracle Active Data Guardからのフェッチのサポート
統合ExtractにOracle Active Data Guard (ADG)のスタンバイ・データベースからデータをフェッチする機能が用意され、Extractが安定した状態に達した後でのソース・データベースに対する影響がなくなりました。
SQL Serverのみをサポートしている新機能を次に示します。
列の文字セット・エンコーディングのサポート
表ごとに複数の文字セット・エンコーディングがある場合でも、SQL ServerなどのデータベースとOracle Database間のレプリケーションが可能になります。
Standard Editionでのキャプチャのサポート
SQL Server Standard EditionからのDMLのキャプチャが導入されました。以前のGoldenGate 12.1.0リリースでは、SQL Server Enterprise EditionからのDMLのキャプチャのみがサポートされており、その理由はサプリメンタル・ロギングを有効にする方法にあり、それにはSQL ServerのEnterprise Editionのみで利用可能な機能が使用されていました。Oracle GoldenGateでは、Standard Editionの機能である別のメカニズムを使用して、Standard Editionのインスタンスでサプリメンタル・ロギングを有効化できるようになりました。詳細は、SQL ServerのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成を参照してください。
アーカイブ・ログのみモード
SQL Serverトランザクション・ログ・バックアップからのみDMLをキャプチャする方法が導入されました。Oracle GoldenGateは、データベース・サーバー上でアーカイブ・ログのみ(ALO)モード構成(リモートALOモードを含む)で実行できます。この機能の主な利点は、オプションでOracle GoldenGateを中間層のWindowsサーバーにインストールして実行できることです。詳細は、SQL ServerのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成を参照してください
圧縮ログ・バックアップ
SQL Server 2014の圧縮ログ・バックアップのサポートが追加されました。
この項では、この製品リリースの新機能または機能変更の結果として新たに作成および更新されたOracle GoldenGateコマンドに関する情報を示します。
GoldenGateインストール環境のdirdat
ディレクトリまたはdirdat
サブディレクトリに、リモート・サイトから着信する証跡を受信するターゲット・ディレクトリが存在しない場合には、新しい要件があります。このような場合にターゲット・ディレクトリを指定するには、GLOBALS
ファイルでALLOWOUTPUTDIR
パラメータを使用する必要があります。
新しいハートビート表の自動生成に伴って、次が追加されました。
[ENABLE | DISABLE]_HEARTBEAT_TABLE
— Oracle GoldenGateプロセスでGG_HEARTBEAT
表のレコードを処理するかどうかを指定します。GLOBALS
として指定されている場合、特定のプロセスによって上書きされないかぎり、インストール全体でtrueです。
HEARTBEATTABLE
heartbeat_table_name
— ハートビート表の完全修飾名を指定します。ハートビート表を示す名前を使用して、他の2つの表(それぞれheartbeat_table_name_SEED
およびheartbeat_table_name_HISTORY
)が作成されます。1つの名前を指定すると、ハートビート・インフラストラクチャで使用されるすべての名前が予約されます。
指定されていない場合、スキーマ名にはGGSCHEMA
の値が、ハートビート表の名前にはGG_HEARTBEAT
の値が使用されます。
ADD HEARTBEATTABLE {, FREQUENCY
frequency
, RETENTION_TIME
retention_time_interval
, PURGE_FREQUENCY
purge_frequency
}
— このコマンドは次を実行します。
GG_HEARTBEAT_SEED
表、GG_HEARTBEAT
表およびGG_HEARTBEAT_HISTORY
表をGGSCHEMA
に作成し、GG_HEARTBEAT
表とGG_HEARTBEAT_SEED
表のサプリメンタル・ロギングを追加します。
LOCAL_DATABASE
列のみにデータがあり、REMOTE_DATABASE
がNULLの行をGG_HEARTBEAT_SEED
に挿入します。
GG_HEARTBEAT
表とGG_HEARTBEAT_SEED
の各行のHEARTBEAT_TIMESTAMP
を定期的に更新するジョブGG_UPDATE_HEARTBEATS
を作成します。
間隔が指定されていない場合、デフォルトの60秒が繰返し間隔として使用されます。
GG_PURGE_HEARTBEATS
スケジューラ・ジョブと、指定された保存時間に基づいて表内の最も古い行を定期的にパージするプロシージャを作成します。これは、SQL/MXではサポートされていません。
スケジューラ・ジョブを開始します。
Oracleの場合、ハートビートを生成するすべてのPDBで、ADD HEARTBEATTABLE
をCDBモードで実行する必要があります。
間隔は秒単位です。
保存時間は日単位です。
パージ間隔は日単位です。
DELETE HEARTBEATTABLE
— GG_UPDATE_HEARTBEATS
ジョブ、GG_PURGE_HEARTBEATS
ジョブ、およびハートビート表(存在する場合)を削除します。
ALTER HEARTBEATTABLE FREQUENCY
frequency
— GG_UPDATE_HEARTBEATS
の繰返し間隔を変更します。
変更間隔がゼロに設定されている場合、ハートビートの一時停止と同じです。ハートビート・レコードを再開するには、間隔をゼロより大きい値に変更します。
ALTER HEARTBEATTABLE RETENTION_TIME
retention_time_interval
— 指定されたハートビートの保存時間(日単位)を変更します。
ALTER HEARTBEATTABLE PURGE_FREQUENCY
purge_frequency_interval
— GG_PURGE_HEARTBEATS
の繰返し間隔(日単位)を変更します。
DELETE HEARTBEATENTRY
process-name
— アクティブではなくなったプロセスのハートビート表のエントリを削除します。
INFO HEARTBEATTABLE
— データベースに構成されたハートビート表に関する情報を表示します。
LAG
— LAG
コマンドは、GG_LAGS
ビューに遅延を表示する新しいGLOBAL
オプションを含むように拡張されました。
自動ハートビート機能はMySQLバージョン5.5ではサポートされていません。
この項では、メタデータのExtract証跡の機能拡張に伴う、Oracle GoldenGateコマンドに関する情報を示します。
EXTFILE / EXTTRAIL / RMTFILE / RMTTRAIL
— 証跡内にオブジェクト定義を含めるかどうかを制御するOBJECTDEFS | NO_OBJECTDEFS
オプションがEXTFILE
、EXTTRAIL
、RMTFILE
およびRMTTRAIL
の各コマンドに追加されました。
オープン・システム・データベースからOracle GoldenGate for HP NonStop (Guardian)にレプリケートする場合、HP NonStopでは証跡からのオブジェクト定義の処理がサポートされていないため、12.2より前のフォーマット・バージョンを指定して、オブジェクト定義を証跡に含めないようにします。
SOURCEDEFS
— アプリケーションに対して、メタデータではなく定義ファイルの定義を使用するように要求する新しいキーワードOVERRIDE
がSOURCEDEFS
に追加されました。デフォルトでは、メタデータ・レコードの表定義によってSOURCEDEFS
ファイルの定義が上書きされます。
ASSUMETARGETDEFS
— Replicatに対して、ターゲット・データベースの定義を証跡レコードの定義として使用するように要求する新しいキーワードOVERRIDE
がASSUMETARGETDEFS
に追加されました。デフォルトでは、メタデータ・レコードの表定義によってASSUMETARGETDEFS
が上書きされます。
SCANFORMETADATA
— この新しいLogdumpコマンドは、特定のメタデータ・レコードをスキャンするために追加されました。
この項では、パラメータ解析の機能拡張に伴う、Oracle GoldenGateコマンドに関する情報を示します。
INFO PARAM
param_name
— パラメータの定義情報を表示します。param_name
には、パラメータ、オプション、またはピリオド(.)を区切り文字として使用して複数の名前の一部を連結した完全名を指定できます。有効な値は次のとおりです。
STREAMING
RMTHOST.STREAMING
RMTHOST
RMTHOSTOPTIONS.STREAMING
TRANLOGOPTIONS.INTEGRATEDPARAM.EAGER_SIZE
GETPARAMINFO
— 実行中のインスタンス(Extract、Replicat、Managerなど)のランタイム・パラメータ値を問い合せます。
構文: SEND MGR|
group_name
GETPARAMINFO [
param_name
] [-f
output_file
]
デフォルトでは、(アプリケーションによりすでに問合せされた)使用中のすべてのパラメータとその現在値が表示されます。特定のparam_name
が指定されている場合、その名前で出力がフィルタされます。必要に応じて、-f
オプションで指定されたファイルに出力をリダイレクトできます。
新しいインスタンス化SCNのサポート機能に対応して、PREPARESCN
オプションを含むようにADD TRANDATA
コマンドとADD SCHEMATRANDATA
コマンドが拡張されました。
手動でインストールを設定および戻すためのSET_INSTANTIATION_CSN
コマンドとCLEAR_INSTANTIATION_CSN
コマンドが追加されました。
この項では、この製品リリースの新機能または機能変更の結果として新たに作成および更新されたOracle GoldenGateパラメータに関する情報を示します。
この項では、このリリースのOracle GoldenGateでサポートされているすべてのデータベースに適用されるパラメータへの変更に関する情報を示します。
証跡ファイルに完全な表定義が含まれている場合に、データ・ポンプ・プロセスとReplicatプロセスの表定義の取得元を制御する新しいGLOBALS
パラメータUSE_TRAILDEFS | NO_USE_TRAILDEF
が追加されました。証跡ファイルに完全な表定義が含まれていない場合、これらのプロセスは新しいパラメータを無視します。
USE_TRAILDEFS
を指定すると、これらのプロセスは証跡の表定義を使用します(ただし、OVERRIDE
キーワードがSOURCEDEFS
またはASSUMETARGETDEFS
で指定されていない場合)。
NO_USE_TRAILDEFS
を指定すると、これらのプロセスは古い動作に従って表定義を解決するので、証跡ファイルのすべての表定義は無視されます。
ソースのUDT属性レベルの文字セットを上書きする新しいTABLE
オプションATTRCHARSET
が追加されました。
長いVeridataレポートの保持方法を制御する新しいManagerパラメータVERIDATAREPORTAGE
が追加されました。
指定秒数の間プロセスが反応しないように設定する新しいManagerパラメータMONITORING_HEARTBEAT_TIMEOUT
が追加されました。
Managerのセキュリティ・アクセス・ルールを設定する新しいManagerパラメータACCESSRULE
が追加されました。
モニタリングの収集頻度間隔を設定する新しいExtract、ReplicatおよびManagerパラメータPTKMONITORFREQUENCY
が追加されました。
パフォーマンス・ツールキット・モニターのプロセスとスレッド統計のキャプチャを有効化する新しいExtract、ReplicatおよびManagerパラメータPTKCAPTUREPROCSTATS
が追加されました。
Oracle GoldenGate変換でサポートされている文字セットを変更せずにパス・スルーできるようにする新しいDB2 for i用ExtractパラメータTRAILCHARSETUNICODE
が追加されました。
Oracle GoldenGate内でOracle Grid Infrastructure Bundled Agent (XAG)のモニタリングを有効化する新しいManagerパラメータXAGENABLE
が追加されました。
この項では、製品動作の変更点を示します。
Oracle GoldenGate 12cは、デフォルトで、1つの統合更新レコードでの更新操作に対して変更前および変更後の値の両方をキャプチャします。前のリリースでは、デフォルトは変更後の値のみをキャプチャするものでした。このリリースからは、カスタムSQL文(SQLEXEC
)が、新しいデフォルトの更新形式を使用して、各更新操作で1回のみ実行します。このリリース以前は、カスタムSQL文は、変更前の値が見つかったときの1回と、変更後の値が見つかったときの1回の、2回実行していました。Oracle GoldenGate 12c (12.1.xまたは12.2.x)を新しい統合更新形式で使用した場合、@BEFORE
、@AFTER
および@BEFOREAFTER
ファンクションを使用して、前または後の値をカスタムSQL文に明示的に渡すことができます。Oracle GoldenGate 12.2.x
はデフォルトでこの新しい更新形式を使用しようとしますが、以前に2つの別々の変更前および変更後のレコードを生成していた競合するパラメータがある場合には、古い形式を保持することもできます。この場合、レポート・ファイルに情報メッセージが記録されます。
EXTTRAIL
およびRMTTRAIL
のデフォルト・ファイル・サイズが100MBから500MBに変更されました。
Oracleデータベースに対してExtractを実行する際、すべての証跡ファイル・フォーマットがOracle GoldenGate 12.2.0.1以上の場合、デフォルトで次のパラメータが有効化されます。
LOGALLSUPCOLS UPDATERECORDFORMAT COMPACT
証跡にメタデータ・レコードが含まれている場合、データ・ポンプではSOURCEDEFS
ファイルやソース・データベース接続を必要とせずに、データ変換およびトランスフォーメーションを実行できます。
メタデータ・レコードが証跡ファイルに埋め込まれている場合、ASSUMETARGETDEFS
とUPDATEMETADATA
のどちらも必要ありません。また、Oracle GoldenGate for Oracleでは、2つ以上のシステム間のアクティブ/アクティブDDLレプリケーションがサポートされます。
デフォルトで、CSNベースの重複抑制がReplicat側で有効化されるようになりました。
Extractでは、リリース9.0、9.5および10.0のフォーマットによる証跡への書込みをサポートしていません。
ポンプおよびReplicatでは、すべての証跡バージョンの読取りをサポートしています。フォーマット・リリース・バージョン9.0、9.5および10.0の受信証跡の場合、ポンプは同じフォーマット・リリース・バージョンで書込みを行います。
TARGET
オプションを指定してExtractのTABLE
句パラメータを実行した場合、TARGET
表定義が見つからなくても異常終了しなくなりました。 Extractでは、ターゲット表の構造が、すべての列名を含めてソースと正確に同じだとみなされ、ソースからターゲット表への表名の変更のように機能します。
TRANSLOGOPTIONS
パラメータのUSENATIVEOBJSUPPORT
オプションがデフォルトで有効になりました(サポートされている場合)。
OUTPUTFILEUMASK
パラメータでは、すべてのファイルの作成時に使用するOracle GoldenGateプロセスの8進数umaskを指定します。以前は証跡ファイルと破棄ファイルのみが対象でした。
CHARMAP
パラメータをパラメータ・ファイルの最初の行に配置する必要がなくなりました。
DB2 for i用の新しいExtractパラメータTRAILCHARSETUNICODE
では、Extractのテキスト・データ変換の動作を変更します。詳細は、『Oracle GoldenGateリファレンスfor Windows and UNIX』を参照してください。
ADD TRANDATA
コマンドが変更され、EXCLUDELONG | INCLUDELONG
オプションでは(以前のリリースで使用されていた)スペースではなくカンマを使用する必要があります。次に例を示します。
ADD TRANDATA <schema.table name>, EXCLUDELONG
Extractでデータをフェッチする必要がある場合に、どのADGスタンバイ・データベースを使用すべきかを指定するFETCHUSERID
パラメータとFETCHUSERIDALIAS
パラメータが追加されました。
Oracle Active Data Guardのフェッチ操作を制御する新しいオプションFETCHCHECKFREQ
、FETCHRETRYCOUNT
およびFETCHTIMEOUT
がEXTRACT DBOPTIONS
オプションに追加されました。ADGAPPLYCHECKFREQ
オプションとADGCRETRYCOUNT
オプションがTRANLOGOPTIONS
に追加されました。
Replicatがデフォルトの列マッピングでOracleターゲット表に非表示の列を含めるかどうかを制御するMAPINVISIBLECOLUMNS
パラメータとNOMAPINVISIBLECOLUMNS
パラメータが追加されました。
レプリケーション・プロセスで各表に関連付けられているメタデータにSOURCEDEFS
パラメータとASSUMETARGETDEFS
パラメータを使用する必要がなくなりました。これで、これらのパラメータのいずれも定義せずにレプリケーションを構成できるようになりました(メタデータのExtract証跡を参照)。
デフォルトの証跡ファイルの順序番号は9桁です。
EAGER_SIZE
オプションのデフォルト・サイズが15100に変更されました。Oracle統合Replicatのみに有効で、これはDBOPTIONS INTEGRATEDPARAMS
構文の一部です。また、Oracleダウンストリーム統合ExtractのNOUSERID
機能を使用できるので、実行時にソース・データベースへ接続する必要がありません。
ADGでのクラシックExtractは、ADGがExtractに遅れている場合、フェッチを待機するときは統合Extractと一致するように変更されました。これは、MRPや進捗がない場合、デフォルトで30秒待機してから異常終了することを意味します。クラシックExtractは、ADGのキャッチ・アップを待機している時間を報告しません。
TeradataではExtractとDDLがサポートされなくなりました。
この項では、このリリースでのOracle Databaseを備えたOracle GoldenGateのアップグレードに関する情報を示します。
Oracle GoldenGate 12.2.0.1.1 for Oracle Databaseはメジャー・リリースであり、Oracle Universal Installer (OUI)を使用してインストールする必要があります。Oracle GoldenGate for Oracle Databaseリリース12.2.0.1.0からリリース12.2.0.1.1へのopatchアップグレード・パスはありません。すでにリリース12.2.0.1.0をインストールしている場合は、次のバンドル・パッチまでお待ちいただくことをお薦めします。
Oracle GoldenGate リリース12.1.2.1.0から12.2.0.1.0へのアップグレードで、監視を有効にし、データ・ストアが作成されている場合(GGSCIの場合CREATE DATASTORE
)、データを削除(GGSCIではDELETE DATASTORE
)してからアップグレードを実行することがベスト・プラクティスです。アップグレードの後に、データ・ストアを再作成します(GGSCIではCREATE DATASTORE
)。
データ・ストアの削除と再作成の前に、Managerプロセスを起動していなければ、先にデータ・ストアを削除しなくてもアップグレードできます。それ以外の場合、アップグレード後にManagerの起動が失敗します。
この項では、この新規リリースでは使用されなくなったパラメータおよびコマンドに関する情報を示します。
SQL Server: DBOPTIONS
パラメータのTRUSTEDCONNECTION
オプションは非推奨です。
DOWNCRITICAL
パラメータは非推奨です。
NOHEADERS
パラメータは非推奨です。
WILDCARDRESOLVE
およびDYNAMICRESOLUTION
| NODYNAMICRESOLUTION
パラメータは非推奨です。証跡にメタデータが用意されたことで、一部の構成では即時解決の意味がなくなり(証跡に到達するのが後になるので、起動時にメタデータを使用できない場合があるため)、これらのパラメータは非推奨になりました。
SOURCEISTABLE
Extractは引き続き常にIMMEDIATE
解決を排他的に使用します。他の構成はすべてDYNAMIC
解決にデフォルト設定されます。
ASSUMETARGETDEFS
またはSOURCEDEFS
にOVERRIDE
オプションが指定されている場合、このような状況では証跡メタデータが使用されないので起動時にすべてのソース・メタデータを使用できる必要があり、即時解決が可能なため、ポンプおよびReplicatでは引き続きIMMEDIATE
解決を使用して構成できます。
これ以外の方法でWILDCARDRESOLVE
またはDYNAMICRESOLUTION
を指定(SOURCEISTABLE
ExtractにDYNAMIC
を指定するか、ポンプまたはReplicatにASSUMETARGETDEFS
、OVERRIDE
またはSOURCEDEFS OVERRIDE
なしでIMMEDIATE
を指定)すると、プロセスによって警告が出力され指定が無視されます。かわりにデフォルト(SOURCEISTABLE
ExtractにはIMMEDIATE
が、その他すべてにはDYNAMIC
)が使用されます。
RECOVERYOPTIONS
パラメータの2つのオプション(APPENDMODE
およびOVERWRITEMODE
)は非推奨で、サポートされなくなりました。
TRANLOGOPTIONS
パラメータのLEGACYLOBREADING
オプションは非推奨です。
TRANLOGOPTIONS ALTARCHIVELOGDEST
パラメータのFILESPEC
引数(SQL Server用)は非推奨です。
RMTHOST
パラメータのMAXFILES
は、非推奨となりました。
特定のバグ番号やチケット番号に関する不明点は、Oracleカスタマ・サポートにお問い合せください。SRはOracleサポートSR番号、BugDBはバグID番号です。この項の内容は次のとおりです。
Bug 22352402 - Oracle: ポンプExtractが、OGG-02765証跡フォーマット・バージョンは12.2以上の必要があります、で異常終了する
11gリリース証跡フォーマットで抽出しているOracle GoldenGateリリース12.2以上がポンプ中に異常終了する問題が修正されました。
Bug 22455149 - Oracle: 調整Replicatが、バグ21885590のフィックスがあってもORA-1403で異常終了する
THREADRANGE
列が指定されていない調整Replicatで、各受信レコードが異なってマッピングされるため、レコードを調整できず、挿入および更新が適切にならない問題が修正されました。
Bug 21481506 - SQL Server: ExtractがReplicatのトランザクションをキャプチャしているようである。
Replicatにも書込みを行わせているデータベース上にキャプチャ・プロセスがあり、CP_BEFORE
イベント・アクションがReplicatで実行されているときに、キャプチャ・プロセスがレプリケートされたトランザクションを誤ってキャプチャする問題が修正されました。
Bug 21562399 - Informix: Replicatが_ggInvalidMemoryAccess_abort: バッファ・オーバーフロー・エラーで異常終了する
Informix間隔タイプと一致するOracle DatabaseのLOBネイティブ・データ型で、Replicatが間隔タイプで失敗し、後にメモリー違反で異常終了する問題が修正されました。
Bug 20778054 - Informix: ExtractがGGSPKUPDATE
をFieldcomp
としてキャプチャする
Informix ExtractがGGSPKUPDATE
をFieldcomp
としてキャプチャする問題が修正されました。
Bug 19764186 - SQL/MX: 破棄ファイルでReplicatが正しい値を書き込まない
map_column()
に対する戻り値テストが正しくないために、誤った列の破棄値に前の列の値が含まれる問題が修正されました。
特定のバグ番号やチケット番号に関する不明点は、Oracleカスタマ・サポートにお問い合せください。SR
はOracleサポートSR番号、BugDB
はバグID番号です。この項の情報は、次のリリースに分かれています。
SDO_GEOMETRYのある表のサポート
証跡ファイルのフォーマットが12.2の場合、初期ロードでSDO_GEOMETRYデータ型を含む表がサポートされません。回避策として、Extractのパラメータ・ファイルでFORMAT RELEASE 12.1
オプションを設定して、12.1フォーマットを使用してください。
統合Replicatによる初期ロードのサポート
統合Replicatは、Oracle GoldenGate証跡ファイルを使用する初期ロードをサポートしません。
主キーを持たないInformix Replicatの表
主キーを持たないReplicat表を使用すると、No data found
エラーによってReplicatが異常終了する可能性があります。この問題は、次のいずれかの回避策を使用して解決できます。
Replicat表では主キーを使用してください。
ターゲットのパラメータ・ファイルではREPERROR
パラメータを使用してください。
ドキュメントの制約事項/データ損失の可能性があるパーティション・メンテナンスDDLの適用
ソース/ターゲット表が同じパーティション化方法/定義を共有しないPMOP DDLを適用すると、DDLが失敗し、データ損失の可能性があります。PMOP DDLを発行する前にまず、ソースおよびターゲット上のパーティション化スキーム(方法)が同一であると確認することによって、この問題を回避できます。それらが同一でない場合は、PMOP DDLを発行しないようにするか、それらをレプリケートしないようにする必要があります。
UTF-16でのCHARMAPはリリース12.1.2.1.12より前は機能しない
UTF-16でのCHARMAPは、リリース12.1.2.1.12より前のOracle GoldenGateでは、正常に機能しません。
統合Extractに対するLAG EXTRACT
統合Extractに対して発行されるLAG EXTRACT
コマンドはゼロ(0)秒の遅延を報告しません。システム内に保留中のトランザクションがないことを確認するには、GGSCIでINFO ALL
を使用してゼロ遅延を表示します。
checkpoint
_lox
チェックポイント表の表
checkpoint
_lox
表はチェックポイント表のオーバーフロー表であり、多数のトランザクションが同じCSNを共有している場合にのみ移入されます。ほとんどの場合、checkpoint
_lox
表は空です。
BATCHSQL
を使用するTeradata Replicat
Teradata ODBCドライバでは、1MBを超えるSQLExecuteのシングル・リクエストは許可されません。この制限によって、バッチが一時停止され、最終的にReplicatの速度(スループット)が低下する場合があります。この問題は、次のいずれかの回避策を使用して解決できます。
バッチごとの操作数を削減する。たとえば、OPSPERBATCH
オプションを使用します。
列数の多い表に対しては、OPSPERBATCH
を小さな値に設定して複数のReplicatプロセスを個別に実行します。列数の少ない表の場合は、OPSPERBATCH
を大きな値に設定して表のスループットを向上させることができます。
MySQL Serverのクラッシュ
MySQLサーバーがクラッシュする場合、バイナリ・ログに一貫性がない可能性があります。MySQLサーバーがクラッシュする場合の2つの可能性を次に示します。
次のバイナリ・ログ・ファイルが作成されている場合。現在のバイナリ・ログ・ファイルの終端に達すると、Extractは次のログ・ファイルにジャンプしてからログの処理を開始します。
次のバイナリ・ログ・ファイルが作成されていない場合。現在のバイナリ・ログ・ファイルの終端に達すると、Extractでは警告を伴ってエラーが発生します。証跡ファイルに記載されていないレコードがメモリー内に存在する可能性があるため、Extractはメモリー内の一部のレコードの処理を終了できず、異常終了することもありません。
BatchSQLモードのSybase Replicatプロセス
BatchSQLモードをサポートしているSybaseデータベースでは、バッチ内に競合している単一の削除文があると、その文は成功の戻りステータスで処理されます。サーバーはエラーを戻さないため、Replicatは標準モードに切り替わらず、CDR統計は更新されません。このSybaseに関する問題は、BatchSQLをサポートしていないSybaseのバージョンには該当しません。
My Oracle Supportを使用して、顧客、パートナー、オラクル社の社員が報告したナレッジ・ソリューション、回避策、その他の情報を見つけることができます。My Oracle Supportで、サービス・リクエストをオープンすることもできます。サービス・リクエストを解決するためにパッチが必要な場合、My Oracle Supportからパッチをダウンロードする方法が指示されます。
注意:
Oracle GoldenGateを販売代理店から購入し、サポートを受ける場合は、My Oracle Supportからサービス・リクエストを作成せず、その代理店に問い合せてください。
Oracle GoldenGateのナレッジ・ベースを表示するには、次の手順に従います。
http://support.oracle.com
)を参照します。「Help」をクリックすると、このタブの使用方法の追加情報が取得されます。
質問または問題に対する回答をナレッジ・ベースで見つけられない場合は、次の手順に従ってOracle Supportによるサポート・リクエスト・チケットオープンできます。
http://support.oracle.com
)を参照します。Oracle GoldenGate製品のドキュメント・ライブラリは、次の場所にあります。
Oracle GoldenGate Application Adapters
Oracle GoldenGate for Big Data
Oracle GoldenGate Plug-in for EMCC
Oracle GoldenGate for HP NonStop (Guardian)
Oracle GoldenGateのベスト・プラクティス、記事およびソリューションを含む追加情報は、次の場所にあります。
Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWeb サイトhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc
を参照してください。
Oracleサポートへのアクセス
サポートをご契約のお客様には、My Oracle Supportを通して電子支援サービスを提供しています。詳細情報はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info
か、聴覚に障害のあるお客様はhttp://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs
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Oracle® Fusion Middleware Oracle GoldenGateリリース・ノートfor Windows and UNIX, 12c (12.2.0.1)
E70113-04
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