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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド
13c リリース2
E78878-05
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2 Enterprise Manager Cloud Controlのパッケージ、カーネル・パラメータおよびライブラリ要件

この章では、新しいEnterprise Managerシステム、Oracle Management Service(OMS)およびスタンドアロンOracle Management Agent(管理エージェント)をインストールするために、各プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)で必要なパッケージ、カーネル・パラメータ設定およびライブラリについて説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

注意:

Microsoft Windowsプラットフォームでは、パッケージおよびライブラリは必要ありません。

2.1 Enterprise Manager Cloud Controlのパッケージ要件

この項では、各種プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)にOMSまたは管理エージェントをインストールするために必要なパッケージを示します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

2.1.1 パッケージを確認するためにEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードによって使用されるロジックについて

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは前提条件チェックを実行してパッケージを確認します。パッケージが検出されない、またはパッケージが最低限必要なバージョン未満であることが検出された場合、ウィザードによりインストールまたはアップグレードを続行する前に必須バージョンの必須パッケージをインストールするよう求められます。

パッケージ名は、主にハイフンで区切られた名前とバージョンの2つの部分で構成されています。たとえば、libstdc++43-4.3パッケージの場合、libstdc++43がパッケージの名前で4.3がそのバージョンです。

Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは特定のプラットフォームに必要なパッケージの名前とバージョンを確認します。たとえば、libstdc++43-4.3がSUSE Linux Enterprise 11に必要で、libstdc++46-4.6.1がかわりに検出された場合、ウィザードがこれを欠落パッケージとして報告し、libstdc++43-4.3をインストールするよう求めます。これはlibstdc++46-4.6.1がlibstdc++43-4.3より高いバージョンではないためです。libstdc++46とlibstdc++43は2つの異なるパッケージです(前者は46、後者は43)。

必要なバージョン以上のパッケージはインストールできますが、異なるパッケージおよび必要なバージョン未満のパッケージはインストールできません。たとえば、libstdc++43-4.3がSUSE Linux Enterprise 11に必要で、libstdc++43-6.7がかわりに検出された場合、ウィザードはこれを問題として報告せず、前提条件チェックは正常に終了します。この場合は、libstdc++43-6.7が必要な最小バージョンのlibstdc++43-4.3より上位のバージョンのためです(前者後者とも43)。

このため、前提条件として、使用しているプラットフォームに応じて、この章で記載されている必要なパッケージのすべてをインストールしてください。

2.1.2 インストール済パッケージの識別

パッケージがシステムにインストールされているかどうかを識別するには、次のコマンドを実行します。コマンドを実行しても、Oracle Management Service用のパッケージ要件またはOracle Management Agent用のパッケージ要件に記載のパッケージが一覧表示されない場合は、手動でインストールしてください。

Linuxプラットフォームの場合

rpm -qa --queryformat "%{NAME}-%{VERSION}-%{RELEASE}(%{ARCH})\n" | grep glibc

このコマンドはシステムにインストールされているすべてのパッケージを一覧表示します。32ビットのパッケージには(i386)または(i686)が、64ビットのパッケージには(x86_64)が付記されます。

たとえば、32ビット・システムでコマンドを実行すると、次のような一覧表示になります。

glibc-devel-2.3.4-2.43(i386)
glibc-headers-2.3.4-2.43(i386)
glibc-2.3.4-2.43(i686)
compat-glibc-headers-2.3.2-95.30(i386)
glibc-profile-2.3.4-2.43(i386)
glibc-utils-2.3.4-2.43(i386)
glibc-kernheaders-2.4-9.1.103.EL(i386)
glibc-common-2.3.4-2.43(i386)
compat-glibc-2.3.2-95.30(i386)

たとえば、64ビット・システムでコマンドを実行すると、次のような一覧表示になります。

glibc-common-2.3.4-2.43(x86_64)
glibc-devel-2.3.4-2.43(x86_64)
glibc-profile-2.3.4-2.43(x86_64)
glibc-headers-2.3.4-2.43(x86_64)
glibc-utils-2.3.4-2.43(x86_64)
glibc-2.3.4-2.43(x86_64)

Solarisプラットフォームの場合

pkginfo <package_name>

次に例を示します。

pkginfo SUNWbtool

AIXプラットフォームの場合

lslpp -l <package name>

次に例を示します。

lslpp -l bos.perf.proctools

HPプラットフォームの場合

バンドル、製品またはファイルセットがインストールされているかを判断するには、次のコマンドを入力します(levelはバンドル、製品またはファイルセットのいずれかです)。

# /usr/sbin/swlist -l level |more

次に例を示します。

/usr/sbin/swlist -l bundle |grep QPK

2.1.3 Oracle Management Service用のパッケージ要件

表2-1は、各種プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)に新しいEnterprise Managerまたは追加のOMSをインストールするために必要なパッケージを示します。

表2-1 Oracle Management Service用のパッケージ要件

プラットフォーム 32ビット・プラットフォーム用の32ビット・パッケージ 64ビット・プラットフォーム用の64ビット・パッケージ

Oracle Linux 7.x

Red Hat Enterprise Linuxの場合 7

ここで、xはOracle Linuxリリースのバージョンです。たとえば、Oracle Linux 7.2では、7はリリース番号で、2はバージョン番号です。

サポート対象外

  • make-3.82-21

  • binutils-2.23

  • gcc-4.8.2-16

  • libaio-0.3.109-12

  • glibc-common-2.17-55

  • libstdc++-4.8.2-16

  • sysstat-10.1.5-4

  • glibc-devel 2.17-55 (i686) (これは32ビット・パッケージです)

  • glibc-devel 2.17-55 (x86_64) (これは64ビット・パッケージです)

  • libXtst-1.2.2-2 (x86_64)

Oracle Linux 6.x

Red Hat Enterprise Linuxの場合 6

ここで、xはOracle Linuxリリースのバージョンです。たとえば、Oracle Linux 6.2では、6はリリース番号で、2はバージョン番号です。

サポート対象外

  • make-3.81

  • binutils-2.20

  • gcc-4.4.4

  • libaio-0.3.107

  • glibc-common-2.12-1

  • libstdc++-4.4.4

  • libXtst-1.0.99 (x86_64)

  • sysstat-9.0.4

  • glibc-devel-2.12-1.7 (i686) (これは32ビット・パッケージです)

  • glibc-devel-2.12-1.7 (x86_64) (これは64ビット・パッケージです)

  • (RH6.2およびUEK 6.2を含むOracle Linux 6.2にのみ適用) glibc-2.12-1.47.0.2

SUSE Linux Enterprise 12

サポート対象外

  • make-4.0-2.107.x86_64 (x86_64)

  • binutils-4.0-2.107 (x86_64)

  • gcc-4.8-6.189 (x86_64)

  • libstdc++48-devel-4.8.3+r212056-6.3 (x86_64)

  • libstdc++48-devel-32bit-4.8.3+r212056-6.3 (x86_64)

  • gcc48-4.8.3+r212056-6.3 (x86_64)

  • gcc48-c++-4.8.3+r212056-6.3 (x86_64)

  • gcc48-32bit-4.8.3+r212056-6.3 (x86_64)

SUSE Linux Enterprise 11

サポート対象外

  • make-3.80

  • binutils-2.16.91.0.5

  • gcc-4.3-62.198 (x86_64)

  • libstdc++43-devel-4.3.3_20081022-11.18 (x86_64)

  • gcc43-4.3.3_20081022-11.18 (x86_64)

  • gcc43-c++-4.3.3_20081022-11.18 (x86_64)

  • gcc43-32bit-4.3.3_20081022-11.18 (x86_64)

  • glibc-devel-2.5-49 (i686) (これは32ビット・パッケージです)

  • glibc-devel-2.5-49 (x86_64) (これは64ビット・パッケージです)

Solaris SPARC 5.11

注意

更新レベル10以上がSolarisプラットフォームでサポートされています。

サポート対象外

  • SUNWbtool

  • SunWheaまたはシステム/ヘッダー

  • SUNWlibm

  • SUNWlibms

  • SUNWsprot

  • SUNWtoo

  • SUNWxwplt (これはxwindowの設定用です)

  • SUNWfont-xorg-core(このパッケージはGUIベースのインタラクティブなインストールの場合にのみ必要です。サイレント・インストールの場合は必要ありません。)

  • SUNWlibC

  • SUNWcsl

Solaris SPARC 5.10

Solarisローカル・コンテナでもサポートされます。

サポート対象外

SUNWbtool

Solaris x86-64 5.11

サポート対象外

  • SUNWbtool

  • SunWheaまたはシステム/ヘッダー

  • SUNWlibm

  • SUNWlibms

  • SUNWsprot

  • SUNWtoo

  • SUNWxwplt (これはxwindowの設定用です)

  • SUNWfont-xorg-core(このパッケージはGUIベースのインタラクティブなインストールの場合にのみ必要です。サイレント・インストールの場合は必要ありません。)

  • SUNWlibC

  • SUNWcsl

Solaris x86-64 5.10

サポート対象外

  • SUNWbtool

  • SUNWarc

  • SUNWhea

  • SUNWlibm

  • SUNWlibms

  • SUNWsprot

  • SUNWtoo

  • SUNWi1of

  • SUNWi1cs

  • SUNWi15cs

  • SUNWxwfnt

IBM AIX 7.1

注意: すべてのメンテナンス・レベルがサポートされます。

次のコマンドを使用して、メンテナンス・レベルを確認します。

oslevel -r

サポート対象外

  • bos.adt.base(0.0)

  • bos.adt.lib(0.0)

  • bos.adt.libm(0.0)

  • bos.perf.libperfstat(0.0)

  • bos.perf.perfstat(0.0)

  • bos.perf.proctools(0.0)

  • rsct.basic.rte(0.0)

  • rsct.compat.clients.rte(0.0)

  • xlC.aix61.rte.(10.1.0.0)

  • xlC.rte.(10.1.0.0)

IBM AIX 6.1

注意: すべてのメンテナンス・レベルがサポートされます。

次のコマンドを使用して、メンテナンス・レベルを確認します。

oslevel -r

サポート対象外

  • bos.adt.base(0.0)

  • bos.adt.lib(0.0)

  • bos.adt.libm(0.0)

  • bos.perf.libperfstat(0.0)

  • bos.perf.perfstat(0.0)

  • bos.perf.proctools(0.0)

  • rsct.basic.rte(0.0)

  • rsct.compat.clients.rte(0.0)

  • xlC.aix61.rte.(9.0.0.0)

  • xlC.rte.(9.0.0.0)

HP-UX Itanium 11.31

サポート対象外

  • OS-Core(B.11.31)

  • 最低限のコンパイラ・バージョンaCC: HP C/aC++ B9007AA (C.11.31.07)

  • パッチ(PHSS_31850、PHSS_31851、PHSS_31854、PHSS_31855、PHSS_33275、PHSS_33276、PHSS_33278、PHSS_33279、PHSS_33277、PHSS_33279、PHSS_32213、PHCO_32426、PHCO_31553、PHKL_33552、PHKL_32645、PHKL_32646、PHKL_32632、PHKL_33552、PHKL_32645、PHKL_32646、PHKL_32632、PHKL_32646、PHKL_33552、PHKL_32645、PHKL_32632、PHKL_31500)

2.1.4 Oracle Management Agent用のパッケージ要件

表2-2に、各種プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)で管理エージェントをインストールするために必要なパッケージを示します。

警告:

この項で説明しているパッケージはインストール中およびインストールしてからも必要ですので、インストール後に削除しないでください。これらのパッケージは、インストール中にはバイナリの再リンクに必要で、インストール後はホストの検出およびLinuxホストでモジュールのリアルタイム・モニタリングの収集に必要です。インストール後にパッケージを削除しないでください。

表2-2 Oracle Management Agent用のパッケージ要件

プラットフォーム 32ビット・プラットフォーム用の32ビット・パッケージ 64ビット・プラットフォーム用の64ビット・パッケージ

Oracle Linux 7.x

Red Hat Enterprise Linuxの場合 7

ここで、xはOracle Linuxリリースのバージョンです。たとえば、Oracle Linux 7.2では、7はリリース番号で、2はバージョン番号です。

デフォルト・パッケージで十分です

  • make-3.82-21

  • binutils-2.23

  • gcc-4.8.2-16

  • libaio-0.3.109-12

  • glibc-common-2.17-55

  • libstdc++-4.8.2-16

  • sysstat-10.1.5-4

Oracle Linux 6.x

ここで、xはOracle Linuxリリースのバージョンです。たとえば、Oracle Linux 6.2では、6はリリース番号で、2はバージョン番号です。

  • make-3.81

  • binutils-2.20

  • gcc-4.4.4

  • libaio-0.3.107

  • glibc-common-2.12-1.7

  • libstdc++-4.4.4

  • sysstat-9.0.4

  • make-3.81

  • binutils-2.20

  • gcc-4.4.4

  • libaio-0.3.107

  • glibc-common-2.12-1.7

  • libstdc++-4.4.4

  • sysstat-9.0.4

Red Hat Enterprise Linuxの場合 6

  • make-3.81

  • binutils-2.20

  • gcc-4.1.1

  • libaio-0.3.106

  • glibc-common-2.3.4

  • libstdc++-4.1.1

  • sysstat-5.0.5

  • make-3.81

  • binutils-2.20

  • gcc-4.1.1

  • libaio-0.3.106

  • glibc-common-2.3.4

  • libstdc++-4.1.1

  • sysstat-5.0.5

SUSE Linux Enterprise 12

サポート対象外

  • make-4.0

  • binutils-2.24

  • gcc48-c++-4.8.3

  • gcc48-4.8.3

  • gcc48-32bit-4.8.3

  • gcc-4.8

  • libstdc++48-devel-4.8.3

  • libstdc++48-devel-32bit

SUSE Linux Enterprise 11

  • make-3.80

  • binutils-2.19

  • gcc-4.3

  • make-3.80

  • binutils-2.16.91.0.5

  • gcc -4.1.0

Solaris SPARC 5.11

注意

更新レベル10以上がSolarisプラットフォームでサポートされています。

サポート対象外

  • SUNWbtool

  • SUNWlibm

  • SUNWlibms

  • SUNWsprot

  • SUNWtoo

  • SUNWlibC

  • SUNWcsl

Solaris SPARC 5.10

Solarisローカル・コンテナでもサポートされます。

サポート対象外

SUNWbtool

Solaris x86-64 5.11

サポート対象外

  • SUNWbtool

  • SUNWlibm

  • SUNWlibms

  • SUNWsprot

  • SUNWtoo

  • SUNWfont-xorg-core

  • SUNWlibC

  • SUNWcsl

Solaris x86-64 5.10

サポート対象外

  • SUNWbtool

  • SUNWarc

  • SUNWhea

  • SUNWlibm

  • SUNWlibms

  • SUNWsprot

  • SUNWtoo

  • SUNWi1of

  • SUNWi1cs

  • SUNWi15cs

  • SUNWxwfnt

IBM AIX 7.1

注意: すべてのメンテナンス・レベルがサポートされます。

次のコマンドを使用して、メンテナンス・レベルを確認します。

oslevel -r

サポート対象外

  • bos.adt.base(0.0)

  • bos.adt.lib(0.0)

  • bos.adt.libm(0.0)

  • bos.perf.libperfstat(0.0)

  • bos.perf.perfstat(0.0)

  • bos.perf.proctools(0.0)

  • rsct.basic.rte(0.0)

  • rsct.compat.clients.rte(0.0)

  • xlC.aix61.rte.(10.1.0.0)

  • xlC.rte.(10.1.0.0)

IBM AIX 6.1

注意: すべてのメンテナンス・レベルがサポートされます。

次のコマンドを使用して、メンテナンス・レベルを確認します。

oslevel -r

サポート対象外

  • bos.adt.base(0.0)

  • bos.adt.lib(0.0)

  • bos.adt.libm(0.0)

  • bos.perf.libperfstat(0.0)

  • bos.perf.perfstat(0.0)

  • bos.perf.proctools(0.0)

  • rsct.basic.rte(0.0)

  • rsct.compat.clients.rte(0.0)

  • xlC.aix61.rte.(9.0.0.0)

  • xlC.rte.(9.0.0.0)

HP-UX Itanium 11.31

サポート対象外

OS-Core(B.11.31)

2.2 Enterprise Manager Cloud Controlのカーネル・パラメータ要件

この項では、各種プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)にOMSまたは管理エージェントをインストールするために必要なカーネル・パラメータを示します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

2.2.1 Oracle Management Service用のカーネル・パラメータ要件

この項の内容は次のとおりです。

2.2.1.1 UDPおよびTCPカーネル・パラメータの確認

サーバーの予測負荷に対応できる十分なエフェメラル・ポートを提供するために、TCP/IPエフェメラル・ポート範囲のパラメータを設定します。下限を11,000以上に設定し、Well KnownポートとOracleおよびその他のサーバー・ポートで一般的に使用される登録済ポート範囲のポートを避けます。

使用するアプリケーションに予約済のポートを避けるようにポート範囲を高く設定します。範囲の下限が11,000を超え、予想されるワークロードに対して範囲が十分大きい場合は、エフェメラル・ポート範囲に関するOUI警告は無視できます。

たとえば、IPv4の場合は、次のコマンドを使用してエフェメラル・ポートの現在の範囲を確認します。

$ cat /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range
32768 61000

上の例では、最低ポート(32768)および最高ポート(61000)はデフォルト範囲に設定されています。

必要に応じて、UDPとTCPのエフェメラル・ポート範囲を予想されるシステム・ワークロードに十分対応できるように高い範囲に更新し、エフェメラル・ポート範囲が11,000以上になるようにします。

次に例を示します。

# echo 11000 65000 > /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range

これらの設定は永続的にすることをお薦めします。たとえば、rootとして、テキスト・エディタを使用して/etc/sysctl.confを開き、net.ipv4.ip_local_port_range = 11000 65500を追加またはこれに変更した後、ネットワークを再起動します(# /etc/rc.d/init.d/network restart)。システムの再起動時にこのエフェメラル・ポート範囲の変更を自動化する方法の詳細は、ご使用のLinux分散システムの管理ドキュメントを参照してください。

2.2.1.2 kernel.shmmaxカーネル・パラメータの設定

OMSおよび管理リポジトリが別のホストにある場合

OMSまたは管理リポジトリ(データベース)を、Linuxオペレーティング・システム(32ビットまたは64ビット)が稼働している異なるホストにインストールし、さらにOMSホストにインストールする場合、kernel.shmmaxパラメータを4GBより1バイト小さい値または4294967295に設定します。

あらゆる状況で他のアプリケーションがメモリー不足にならずにコア・ファイルを正常に生成できるようにするには、この値をお薦めします。

  • kernel.shmmaxパラメータに割り当てられた値を確認するには、次のコマンドを実行します。

    cat /proc/sys/kernel/shmmax

  • kernel.shmmaxパラメータに値を設定するには、次のようにします。

    1. rootとしてログインします。

    2. /etc/sysctl.confファイルを開きます。

    3. kernel.shmmaxパラメータに4294967295を設定します。

      /etc/sysctl.confファイルに値を設定すると、その値はシステムを再起動しても維持されます。SUSE Linux Enterprise Serverシステムでは、システムの再起動時に/etc/sysctl.confファイルが読み取られるように、次のコマンドを実行してください。

      # /sbin/chkconfig boot.sysctl on

    4. カーネル・パラメータの現行値を変更するには、次のコマンドを実行します。出力を確認し、値が正しいことを確認します。値が正しくない場合は、/etc/sysctl.confファイルを編集し、このコマンドを再び実行します。

      # /sbin/sysctl -p

    5. コマンド/sbin/sysctl -aを入力して、値が正しく設定されていることを確認します。

    6. /etc/sysctl.confファイル内のカーネル・パラメータの値を更新した後、ホストを再起動するか、コマンドsysctl -pを実行して、/etc/sysctl.confファイルに対して行った変更がアクティブなカーネル・メモリーで有効になるようにします。

OMSおよび管理リポジトリが同じホストにある場合

Linuxオペレーティング・システム(32ビットまたは64ビット)で稼働している同じホストにOMSまたは管理リポジトリ(データベース)をインストールする場合、kernel.shmmaxパラメータを(目的のデータベース・リリースおよびプラットフォーム用に公開されている)『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』で説明されている値に設定します。

2.2.2 Oracle Management Agent用のカーネル・パラメータ要件

管理エージェントに必要なカーネル・パラメータはありません。

2.3 Enterprise Manager Cloud Controlのライブラリ要件

この項では、各種プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)にOMSまたは管理エージェントをインストールするために必要なライブラリを示します。この項の具体的な内容は次のとおりです。

2.3.1 Oracle Management Service用のライブラリ要件

表2-3は、各種プラットフォーム(32ビットおよび64ビット)に新しいEnterprise Managerシステムまたは追加のOMSをインストールするために必要なライブラリを示します。

表2-3 Oracle Management Service用のライブラリ要件

プラットフォーム 32ビット・プラットフォーム用の32ビット・ライブラリ 64ビット・プラットフォーム用の64ビット・ライブラリ

Oracle Linux 7.x

Red Hat Enterprise Linux 7.x

ここで、xはOracle Linuxリリースのバージョンです。たとえば、Oracle Linux 7.2では、7はリリース番号で、2はバージョン番号です。

サポート対象外

glibc-2.17

Oracle Linux 6.x

Red Hat Enterprise Linux 6.x

ここで、xはOracle Linuxリリースのバージョンです。たとえば、Oracle Linux 6.2では、6はリリース番号で、2はバージョン番号です。

サポート対象外

glibc-2.12

SUSE Linux Enterprise 11

サポート対象外

glibc-2.11

2.3.2 Oracle Management Agent用のライブラリ要件

管理エージェントのライブラリ要件はありません。