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Oracle® Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード
12c (12.2.1.2)
E82837-02
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6 以前の12cリリースからのOracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementのアップグレード

以前の12cリリースからアップグレードする場合、次の手順を使用してこのリリースにアップグレードします。

これらの手順を使用して、既存のSOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.1.3、12.2.1または12.2.1.1)ドメインを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。

注意:

以前の12cリリース(12.1.3.0、12.2.1.0または12.2.1.1)からアップグレードする場合、12c (12.2.1.2)にアップグレードするには、これらすべての作業を完了する必要があります。12.2.1.2ディストリビューションを同じOracleホームにインストールすることで既存のドメインをアップデートしようとしないでください。12.2.1.2へのドメインのアップグレードは、パッチ・セット・インストールではありません。

6.1 以前の12cリリースからのアップグレードの理解

以前の12c リリースからのアップグレードには、11gからのアップグレード時に使用される一連の様々なアップグレード手順が含まれますが、まだフル・アップグレードが必要になります。

12.1.2、12.1.3、12.2.1.0または12.2.1.1など、以前の12cリリースからのアップグレード時は、12c (12.2.1.2)に到達するようフル・アップグレードを実行します。

6.2 Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Managementの12c (12.2.1.2)製品ディストリビューションのインストール

アップグレードを開始する前に、Oracle Universal Installerを使用してOracle Fusion Middleware Infrastrucutreディストリビューション、Oracle SOA SuiteおよびBusiness Process Management 12c (12.2.1.2)ディストリビューション、およびその他のSOA Suite製品をターゲット・システムにインストールします。

注意:

アップグレードにInfrastructureが必要な場合は、その他のFusion Middleware製品をインストールする前に、まずOracle Fusion Middleware Infrastructureディストリビューションをインストールする必要があります。
開始する前に、次の点に注意してください。
  • 以前の12cリリース(12.1.3.0、12.2.1.0または12.2.1.1)からアップグレードする場合は、12c (12.2.1.2)ディストリビューションを新しいOracleホームにインストールする必要があります。このアップグレードのために既存のOracleホームを再使用しようとしないでください。12c (12.2.1.2)へのアップグレードは、パッチ・リリースではありません。

  • Oracle SOA Suiteには、Oracle Fusion Middleware Infrastructure (Oracle WebLogic ServerおよびJRF)が必要です。

    Fusion Middlewareインフラストラクチャをインストールすると、Oracleホーム・ディレクトリが作成され、その他のFusion Middleware製品をインストールするためのサポート・ソフトウェアが配置されます。

  • SOAドメインにOracle Service Bus、Managed File TransferまたはOracle B2Bなどのその他のSOA統合コンポーネントがある場合は、それらのディストリビューションを同じ新しいOracleホームにインストールする必要があります。Oracle Business Activity MonitoringおよびBusiness Process Managementは、SOAディストリビューションsoa_generic.jarの一部です。
Oracle SOA Suiteコンポーネント・ディストリビューションをインストールするには、次の手順を実行します。
  1. 12c (12.2.1.2)製品ディストリビューションをインストールするターゲット・システムにサインインします。
  2. Oracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからターゲット・システムに次のディストリビューションをダウンロードします。
    • Fusion Middleware Infrastructureディストリビューション(fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar)
    • Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Managementディストリビューション(fmw_12.2.1.2.0_soa_generic.jar)
    • Managed File Transfer、Oracle Service BusまたはOracle B2Bを実行している場合は、Managed File Transferディストリビューション(fmw_12.2.1.2.0_mft_generic.jar)、Oracle Service Bus (fmw_12.2.1.2_osb_generic.jar)およびOracle B2B (fmw_12.2.1.2_b2b_generic.jar)をダウンロードします。
  3. 12c (12.2.1.2)製品ディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  4. Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール・プログラムを起動します。
    • (UNIX) JDK_HOME/bin/java -jar fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar
    • (Windows) JDK_HOME\bin\java -jar fmw_12.2.1.2.0_infrastructure_generic.jar
  5. UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
    中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に対して中央インベントリの場所への書込み権限が付与されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    「インストール・インベントリの設定」画面は、Windowsオペレーティング・システムでは表示されません。
  6. 「ようこそ」画面で、情報をレビューしてすべての前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。
  7. 「自動更新」画面で「自動更新をスキップ」を選択します。オプションは次のとおりです。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。

    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択して、ローカル・ディレクトリに移動します。

    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。

    「次へ」をクリックします。
  8. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定し、「次へ」をクリックします。
    Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールおよび構成のためのディレクトリの理解に関する項を参照してください。
  9. 「インストール・タイプ」画面で、インストールする製品(1つまたは複数)を選択します。製品の依存関係が自動的に選択されます。「次へ」をクリックします。
  10. 「前提条件チェック」画面では、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。
    確認されたタスクのリストを表示するには、「正常なタスクの表示」を選択します。ログの詳細を表示するには、「ログの表示」を選択します。前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。エラー・メッセージや警告メッセージを無視してインストールを続けるには、「スキップ」をクリックします(非推奨)。
  11. 「インストールの概要」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルには、入力したすべての情報が収集して格納され、後で(コマンドラインから)サイレント・インストールを実行するために使用できます。

    「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

  12. 「インストールの進行状況」画面で、進行状況バーに100%と表示されたら、「終了」をクリックしてインストーラを終了するか、「次へ」をクリックしてサマリーを表示します。
  13. 「インストール完了」画面に、インストールの場所とインストールされた機能セットが表示されます。情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。
  14. Infrastructureをインストールしたら、手順3から13までを繰り返してその他の製品ディストリビューションをインストールします。

6.3 アップグレード前の準備状況チェックの実行

アップグレードに関する潜在的な問題を識別するために、アップグレード・プロセスの開始前に準備状況チェックを実行することをお薦めします。準備状況チェックではアップグレードに関する潜在的なすべての問題を検出できるわけではない可能性があることに注意してください。準備状況チェックで成功とレポートされた場合でも、アップグレードが失敗する可能性があります。

6.3.1 アップグレード前の準備状況チェックの実行について

Upgrade Assistantを-readinessモードで実行することにより、実際のアップグレードを実行する前に問題を検出できます。Upgrade Assistantを使用してGUIモードで、またはレスポンス・ファイルを使用してサイレント・モードで準備状況チェックを実行できます。 

Upgrade Assistantの準備状況チェックでは、サポート対象となる開始点にある、Fusion MiddlewareスキーマおよびWebLogicドメイン構成について、読取り専用でアップグレード前の確認が実行されます。確認は読取り専用の操作です。

準備状況チェックでは、フォーマットされ、タイムスタンプの付けられた準備状況レポートが生成され、実際のアップグレードを試みる前に潜在的な問題に対処できます。問題が検出されない場合は、アップグレード・プロセスを開始できます。アップグレードを実行する前に、このレポートを詳細に確認することをお薦めします。

準備状況チェックは、既存のOracle Fusion Middlewareドメインがオンライン(他のユーザーがアクティブに使用している間)またはオフラインである間に実行できます。

実際のアップグレードを実行する前に、何回でも準備状況チェックを実行できます。ただし、アップグレードの実行後は、準備状況チェックを実行しないでください。これは、レポート結果が、アップグレード前の準備状況チェックの結果と異なる可能性があるためです。

注意:

パフォーマンスに影響を及ぼさないよう、オフピーク時に準備状況チェックを実行することをお薦めします。

6.3.2 準備状況モードでのUpgrade Assistantの起動

-readinessパラメータを使用して、準備状況モードでUpgrade Assistantを起動します。

Upgrade Assistantで、アップグレード前の環境で準備状況チェックを実行するには、次の手順を実行します。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua -readiness
    • (Windows) ua.bat -readiness

    注意:

    GUIモードが使用可能になるようDISPLAY環境変数が正しく設定されていない場合は、次のエラーが発生する可能性があります。
    Xlib: connection to ":1.0" refused by server
    Xlib: No protocol specified 

    この問題を解決するには、DISPLAY環境変数をローカル・ワークステーションのシステム名またはIPアドレスに設定して、Upgrade Assistantを再実行します。

    DISPLAYを設定してもこれらのエラーが発生し続ける場合は、vncconfigなど、他のGUIツールの起動を試みてください。同じエラーが表示される場合は、DISPLAY環境変数がまだ正しく設定されていない可能性があります。

    コマンド・ラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。

6.3.2.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンド・ラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-1 Upgrade Assistantコマンド・ライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックは、スタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

GUIモードでのUpgrade Assistantの実行時に入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantがサイレント・モード(Upgrade Assistantの画面の表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel 属性

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

より多くの情報がログ記録されるよう、-logLevel TRACE属性を設定することを検討してください。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir 場所

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIXの場合:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsの場合:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンド・ライン・オプションを表示します。

6.3.3 Upgrade Assistantでの準備状況チェックの実行

Upgrade Assistantで複数の画面をナビゲートし、アップグレード前の準備状況チェックを完了します。

準備状況チェックは、サポート対象となるアップグレード開始点にある、スキーマまたはコンポーネント構成に対してのみ実行されます。
準備状況チェックを完了するには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面で、準備状況チェックに関する情報を確認します。「次へ」をクリックします。
  2. 「準備状況チェック・タイプ」画面で、実行する準備状況チェックを選択します。
    • 「個別に選択されたスキーマ」を使用すると、アップグレード前の確認のために個々のスキーマを選択できます。準備状況チェックにより、スキーマがアップグレードのサポート対象かどうか、またはアップグレードが必要な場所がレポートされます。

      このオプションを選択すると、画面名が「選択したスキーマ」に変わります。

    • 「ドメイン・ベース」を使用すると、Upgrade Assistantで、「ドメイン・ディレクトリ」フィールドで指定したドメイン内の、アップグレードに適格なすべてのスキーマまたはコンポーネント構成を検出および選択できます。

      このオプションを選択すると、画面名が「スキーマおよび構成」に変わります。

      Upgrade Assistantですべてのスキーマおよびコンポーネント構成を同時にチェックする場合はデフォルトの選択内容のままにします。そうでない場合は、次の特定のオプションを選択します。
      • アップグレード可能なスキーマがあるすべてのコンポーネントを検出および確認するには、「すべてのスキーマのチェックを含める」

      • 管理対象WebLogic Serverドメインのコンポーネント構成を確認するには、「すべての構成のチェックを含める」

    「次へ」をクリックします。

  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、準備状況チェックを実行する、アップグレード可能なスキーマがあるコンポーネントを選択します。

    従属コンポーネントがあるコンポーネントを選択した場合、それらの従属コンポーネントは自動的に選択されます。たとえば、Oracle Platform Security Servicesを選択した場合、Oracle Audit Servicesが自動的に選択されます。

    選択したコンポーネントによっては、その他の画面が表示される場合があります。たとえば、次のような作業が必要になることがあります。

    • ドメイン・ディレクトリを指定します。

    • スキーマ資格証明を指定して、選択したスキーマに接続します(「データベース・タイプ」「DBAユーザー名」および「DBAパスワード」)。次に、「接続」をクリックします。

      警告

      Oracleデータベースは、デフォルトのデータベース・タイプです。続行する前に、正しいデータベース・タイプを選択するようにしてください。正しくないデータベース・タイプを選択したことがわかった場合は、正しいタイプに変更するためにこの画面に戻らないでください。かわりに、Upgrade Assistantを閉じ、正しいデータベース・タイプがすべてのスキーマに確実に適用されるよう、正しいデータベース・タイプを選択した状態で準備状況チェックを再度開始します。
    • 「スキーマ・ユーザー名」を選択し、「スキーマ・パスワード」を指定します。

    「次」をクリックして準備状況チェックを開始します。
  4. 「準備状況サマリー」画面で、選択内容に基づいて実行された準備状況チェックのサマリーを確認します。
    選択内容をレスポンス・ファイルに保存して、後で再度レスポンス(またはサイレント)モードでUpgrade Assistantを実行する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を提供します。サイレント・アップグレードでは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能が実行されますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    詳細レポートを表示するには、「ログの表示」をクリックします。
    「次へ」をクリックします。
  5. 「準備状況チェック」画面で、準備状況チェックのステータスを確認します。このプロセスには数分かかる可能性があります。
    複数のコンポーネントをチェックしている場合は、各コンポーネントの進行状況が、固有の進行状況バーに同時に表示されます。
    準備状況チェックが完了したら、「続行」をクリックします。
  6. 「準備状況の終了」画面で、準備状況チェックの結果(「準備状況成功」または「準備状況失敗」)を確認します。
    • 準備状況チェックが正常に終了した場合は、「準備状況レポートの表示」をクリックして完了レポートを確認します。準備状況チェックが正常に終了した場合でも、実際のアップグレードを実行する前に、準備状況レポートを確認することをお薦めします。レポート内の特定の単語または語句を検索するには、「検索」オプションを使用します。また、このレポートには、完成した準備状況チェック・レポート・ファイルが格納されている場所も示されます。

    • 準備状況チェックで問題またはエラーが発生した場合は、「ログの表示」をクリックしてログ・ファイルを確認し、問題を特定および修正してから、準備状況チェックを再度開始します。ログ・ファイルは、設定したコマンドライン・オプションによって管理されます。

6.3.4 準備状況レポートの理解

ドメインの準備状況チェックを実行した後、レポートを確認して、アップグレードの正常実行のために処置が必要かどうかを判断します。

準備状況レポート・ファイルのフォーマットは、次のとおりです。

readiness_timestamp.txt

ここでのtimestampは、準備状況チェックが実行された日付と時刻を示します。

準備状況レポートには、次の情報が含まれています。

表6-2 準備状況レポートの要素

レポートの情報 説明 必要な処置
全体的な準備状況ステータス: SUCCESSまたはFAILURE レポートの上部には、アップグレードの準備状況チェックが成功したか、または1つ以上のエラーが発生して完了したかが示されます。 1つ以上のエラーが発生してレポートが完了した場合、アップグレードを試みる前に、FAILを検索し、障害の原因となった問題を修正します。準備状況チェックは、アップグレードする前に必要に応じて何度でも再実行できます。

タイムスタンプ

レポートが生成された日付と時刻です。

処置は必要ありません。

ログ・ファイルの場所

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs

生成されたログ・ファイルのディレクトリの場所です。

処置は必要ありません。

準備状況レポートの場所

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs

生成された準備状況レポートのディレクトリの場所です。

処置は必要ありません。

チェックされたコンポーネントの名前

チェックに含まれるコンポーネントの名前およびバージョンとステータス。

このリリースにアップグレードできないコンポーネント(SOAコア拡張など)がドメインに含まれる場合は、アップグレードを試みないでください。

チェックされたスキーマの名前

チェックに含まれるスキーマの名前および現在のバージョンとステータス。

スキーマのバージョン番号をレビューします。このリリースにアップグレードできないスキーマがドメインに含まれる場合は、アップグレードを試みないでください。

個々のオブジェクトのテスト・ステータス: FAIL

準備状況チェック・テストで、特定のオブジェクト内に問題が検出されました。

失敗した問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。

個々のオブジェクトのテスト・ステータス: PASS

準備状況チェック・テストで、特定のオブジェクトに問題は検出されませんでした。

準備状況チェック・レポートにPASSステータスのみが表示されている場合、環境をアップグレードできます。ただし、準備状況チェックでは、ハードウェアやアップグレード時の接続性などの外部環境に関する問題を検出することはできません。アップグレードの進捗を常に監視する必要があります。

<オブジェクト>の準備状況チェック完了ステータス: FAILURE 準備状況チェックで、スキーマ、索引またはデータタイプなどの特定のオブジェクトに、解決が必要な1つ以上のエラーが検出されました。 FAILED問題がすべて解決されるまではアップグレードしないでください。
<オブジェクト>の準備状況チェック完了ステータス: SUCCESS 準備状況チェック・テストによって問題が検出されませんでした。 処置は必要ありません。
準備状況レポート・ファイルのサンプルを次に示します。使用対象のレポートにはこれらすべてのチェックが含まれる場合や含まれない場合があります。
Upgrade readiness check completed with one or more errors.

This readiness check report was created on Tue May 30 11:15:52 EDT 2016
Log file is located at: ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/ua2016-05-30-11-14-06AM.log
Readiness Check Report File: ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs/readiness2016-05-30-11-15-52AM.txt

Starting readiness check of components.

Oracle Metadata Services
   Starting readiness check of Oracle Metadata Services.
     Schema User Name: DEV11_MDS
     Database Type: Oracle Database
     Database Connect String: machinename@yourcompany.com
     VERSION Schema DEV11_MDS is currently at version 12.1.1.1.0.  Readiness checks will now be performed.
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TABLES  Test that the schema contains all the required tables
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TABLES --> Test that the schema contains all the required tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_PROCEDURES  Test that the schema contains all the required stored procedures
     EXCEPTION     Schema is missing a required procedure: GETREPOSITORYFEATURES
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_PROCEDURES --> Test that the schema contains all the required stored procedures +++ FAIL
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_VIEWS  Test that the schema contains all the required database views
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_VIEWS --> Test that the schema contains all the required database views +++ PASS
   Starting index test for table MDS_ATTRIBUTES:  TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes
   Completed index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ PASS
   Starting index test for table MDS_COMPONENTS:  TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes
   Completed index test for table MDS_TXN_LOCKS: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test that the table contains all the required indexes +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_REQUIRED_TRIGGERS  Test that the schema has all the required triggers
   Completed schema test: TEST_REQUIRED_TRIGGERS --> Test that the schema has all the required triggers +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_MISSING_COLUMNS  Test that tables and views are not missing any required columns
   Completed schema test: TEST_MISSING_COLUMNS --> Test that tables and views are not missing any required columns +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_TABLES  Test that the schema does not contain any unexpected tables
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TABLES --> Test that the schema does not contain any unexpected tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_PROCEDURES  Test that the schema does not contain any unexpected stored procedures
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_PROCEDURES --> Test that the schema does not contain any unexpected stored procedures +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_VIEWS  Test that the schema does not contain any unexpected views
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_VIEWS --> Test that the schema does not contain any unexpected views +++ PASS
   Starting index test for table MDS_ATTRIBUTES:  TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes
   Completed index test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes +++ PASS
   Completed index test for table MDS_LABELS: TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes +++ PASS
   Starting index test for table MDS_LARGE_ATTRIBUTES:  TEST_UNEXPECTED_INDEXES --> Test that the table does not contain any unexpected indexes
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_TRIGGERS  Test that the schema does not contain any unexpected triggers
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_TRIGGERS --> Test that the schema does not contain any unexpected triggers +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_UNEXPECTED_COLUMNS  Test that tables and views do not contain any unexpected columns
   Completed schema test: TEST_UNEXPECTED_COLUMNS --> Test that tables and views do not contain any unexpected columns +++ PASS
   Starting datatype test for table MDS_ATTRIBUTES:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Completed datatype test for table MDS_ATTRIBUTES: TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes +++ PASS
   Starting datatype test for table MDS_COMPONENTS:  TEST_COLUMN_DATATYPES_V2 --> Test that all table columns have the proper datatypes
   Starting permissions test:  TEST_DBA_TABLE_GRANTS  Test that DBA user has privilege to view all user tables
   Completed permissions test: TEST_DBA_TABLE_GRANTS --> Test that DBA user has privilege to view all user tables +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ENOUGH_TABLESPACE  Test that the schema tablespaces automatically extend if full
   Completed schema test: TEST_ENOUGH_TABLESPACE --> Test that the schema tablespaces automatically extend if full +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA  Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade
   Completed schema test: TEST_USER_TABLESPACE_QUOTA --> Test that tablespace quota for this user is sufficient to perform the upgrade +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_ONLINE_TABLESPACE  Test that schema tablespaces are online
   Completed schema test: TEST_ONLINE_TABLESPACE --> Test that schema tablespaces are online +++ PASS
   Starting schema test:  TEST_DATABASE_VERSION  Test that the database server version number is supported for upgrade
     INFO   Database product version: Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.3.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options
   Completed schema test: TEST_DATABASE_VERSION --> Test that the database server version number is supported for upgrade +++ PASS
   Finished readiness check of Oracle Metadata Services with status: FAILURE.

Oracle Fusion Middleware IAUスキーマの12.1.3.0バージョンを実行しており、それらのスキーマが11gリリース(11.1.1.7以降)または12c (12.1.2.0)からアップグレードされていた場合、準備状況チェックは、次のエラーで失敗する可能性があります。

Starting index test for table IAU_COMMON:  TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test 
that the table contains all the required indexes 
     INFO Audit schema index DYN_EVENT_CATEGORY_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_EVENT_TYPE_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_TENANT_INDEX in table IAU_COMMON is missing 
the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known 
issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_USER_INDEX in table IAU_COMMON is missing 
the required columns or index itself is missing. This maybe caused by a known 
issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_COMPONENT_TYPE_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
     INFO Audit schema index DYN_USER_TENANT_INDEX in table IAU_COMMON is 
missing the required columns or index itself is missing. This maybe caused by 
a known issue, anyway, this missing index will be added in 12.2.2 upgrade. 
   Completed index test for table IAU_COMMON: TEST_REQUIRED_INDEXES --> Test 
that the table contains all the required indexes +++ FAIL

注意:

準備状況レポート内の、索引が見つからないというエラーは無視してかまいません。これは既知の問題です。その見つからない索引は、スキーマのアップグレード操作の間に追加されます。このエラーは、アップグレードするスキーマが、12cでRCUを使用して作成されている場合は発生しません。

6.4 サーバーとプロセスの停止

Upgrade Assistantを実行してスキーマおよび構成をアップグレードする前に、管理サーバーや管理対象サーバーを含め、すべてのプロセスとサーバーを停止する必要があります。

Oracle Fusion Middleware環境は、Oracle WebLogic Serverドメイン、管理サーバー、複数の管理対象サーバー、Javaコンポーネント、Identity Managementコンポーネントなどのシステム・コンポーネント、およびメタデータのリポジトリとして使用されるデータベースで構成できます。それらのコンポーネントは相互に依存する場合があるため、正しい順序で停止する必要があります。

注意:

この項内の手順では、WLSTコマンドライン・ユーティリティまたはスクリプトを使用してサーバーおよびプロセスを停止する方法を説明します。Oracle Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用することもできます。Oracle Fusion Middlewareの管理の管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャの起動と停止を参照してください。

Fusion Middleware環境を停止するには、次の手順に従います。

手順1: システム・コンポーネントの停止

Oracle HTTP Serverなどのシステム・コンポーネントを停止するには、stopComponentスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

どの順序でもシステム・コンポーネントを停止できます。

手順2: 管理対象サーバーの停止

WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url

プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。

SOAサーバーおよびプロセスは、次の順番で停止してください。

  1. Business Activity Monitoring (BAM)管理対象サーバー

  2. Oracle Service Bus (OSB)管理対象サーバー

  3. サービス指向アーキテクチャ(SOA)管理対象サーバー

  4. Oracle Web Services Manager (OWSM)管理対象サーバー

手順3: Oracle Identity Managementコンポーネントの停止

環境の一部を形成する、Oracle Internet DirectoryなどのOracle Identity Managementコンポーネントを停止します。
  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopComponent.sh component_name

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopComponent.cmd component_name

手順4: 管理サーバーの停止

管理サーバーを停止するときには、WebLogic Server管理コンソールおよびFusion Middleware Controlなど、管理サーバーで実行されているプロセスも停止します。

管理サーバーを停止するには、stopWebLogicスクリプトを使用します。

  • (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh

  • (Windows) DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd

プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名、パスワードおよびURLを入力します。

手順5: ノード・マネージャの停止

ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。

またはnodemanager.propertiesQuitEnabledの属性をtrueに設定した後(デフォルトはfalseです)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。詳細は、WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンスのstopNodeManagerを参照してください。

6.5 製品スキーマのアップグレード

サーバーおよびプロセスの停止後、Upgrade Assistantを使用して、サポートされている製品スキーマを現在のリリースのOracle Fusion Middlewareにアップグレードします。

アップグレード・アシスタントを使用すると、個別に選択したスキーマまたはドメインに関連付けられているすべてのスキーマをアップグレードできます。選択したオプションによって、表示されるアップグレード・アシスタントの画面は異なります。

6.5.1 Upgrade Assistantの起動

Upgrade Assistantを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。Upgrade AssistantをSYSDBA以外のユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなど、コマンド・ラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。

6.5.1.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンド・ラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-3 Upgrade Assistantコマンド・ライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックは、スタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

GUIモードでのUpgrade Assistantの実行時に入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantがサイレント・モード(Upgrade Assistantの画面の表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel 属性

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

より多くの情報がログ記録されるよう、-logLevel TRACE属性を設定することを検討してください。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir 場所

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIXの場合:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsの場合:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンド・ライン・オプションを表示します。

6.5.2 アップグレード・アシスタントを使用したSOAスキーマのアップグレード

Upgrade Assistantで複数の画面をナビゲートし、製品スキーマをアップグレードします。

注意:

パージ・スクリプトまたはスケジュールされたデータベース・ジョブの実行中は、アップグレード・アシスタントを起動しないでください。

パージまたはアップグレードが完了するまで待ってから、アップグレード・プロセスを開始してください。アップグレード・アシスタントを使用してスキーマをアップグレードするときに、パージ・スクリプトまたはインスタンスのアップグレード・ジョブを実行していると、アップグレードは失敗します。

アップグレード・アシスタントを起動する必要がある場合は、「バックグラウンド制御ジョブの有効化と無効化(オプション6)」で説明しているように、パージを停止してスケジュールされたジョブを無効にしてください。

Upgrade Assistantで製品スキーマをアップグレードするには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面で、Upgrade Assistantの概要、および重要なアップグレード前作業に関する情報を確認します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    Upgrade Assistantの画面の詳細は、その画面上のヘルプをクリックしてください。
  2. 「選択したスキーマ」画面で、実行するスキーマ・アップグレード操作を選択します。
    • アップグレードのために個々のスキーマを選択する必要があり、ドメインで使用されるすべてのスキーマをアップグレードする必要がない場合は、「個別に選択されたスキーマ」

      注意:

      12c (12.2.1.2)コンポーネントをサポートするために使用されるスキーマのみをアップグレードしてください。Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.2)に含まれないコンポーネントをサポートするために現在使用されているスキーマは、アップグレードしないでください。
    • Upgrade Assistantで、「ドメイン・ディレクトリ」フィールドで指定したドメイン内の、アップグレード可能なスキーマがあるすべてのコンポーネントを検出および選択できるようにするには、「ドメインで使用されるすべてのスキーマ」。これは、ドメイン支援スキーマ・アップグレードとも呼ばれます。さらに、Upgrade Assistantはスキーマの入力画面に接続情報を事前に移入します。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「個別に選択されたスキーマ」を選択した場合: 「使用可能なコンポーネント」画面で、スキーマをアップグレードするコンポーネントを選択します。コンポーネントを選択すると、スキーマとすべての依存関係が自動的に選択されます。

    たとえば、Oracle SOAを選択した場合、Oracle SOA (_SOAINFRA)、Audit Services (_IAU)、Metadata Service (_MDS)、Oracle Platform Security Services(_OPSS)およびUser Messaging Services (_UMS)スキーマがアップグレードに含まれます。

    Managed File Transferを選択した場合、監査サービス(_IAU)、Enterprise Scheduler (_ESS)およびPlatform Security Services (OPSS)がアップグレードに含まれます。

  4. 「使用可能なコンポーネント」画面でOracle Platform Security ServicesまたはOracle Audit Servicesが選択されている場合は、「ドメイン・ディレクトリ」画面が表示されます。既存のWebLogicドメイン・ディレクトリの絶対パスを入力するか、「参照」をクリックして、アップグレードするドメイン・ディレクトリに移動して選択します
  5. 「前提条件」画面で、すべてのチェック・ボックスを選択することで、前提条件を満たしていることを認めます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  6. スキーマ資格証明画面で、アップグレードしている各スキーマのデータベース接続詳細を指定します(選択したスキーマに基づいて画面名が変わります)。
    • 「データベース・タイプ」ドロップダウン・メニューからデータベース・タイプを選択します。

    • データベース接続の詳細を入力して、「接続」をクリックします。

    • 「スキーマ・ユーザー名」ドロップダウン・メニューからアップグレードするスキーマを選択し、スキーマのパスワードを入力します。アップグレードするスキーマに対して正しいスキーマ接頭辞を使用してください。

      注意:

      リリース12.1.2.0以降、UCSUMSスキーマについては、コンポーネントIDまたはスキーマ名が変わります。つまり、Upgrade Assistantでは、使用可能なスキーマが自動的に認識されることやドロップダウン・リストに表示されることはありません。テキスト・フィールドに手動で名前を入力する必要があります。名前は、アップグレードの開始点に応じて、prefix_ORASDPMまたはprefix_UMSのどちらかとなります。

      11gから12cへのアップグレードのみ: UCSUMSスキーマは、自動移入されません。ユーザーとしてprefix_ORASDPMを入力します。アップグレード環境ではスキーマ名として_ORASDPMが使用されますが、12c環境ではこれは_UMSと見なされます。

  7. Upgrade Assistantで各スキーマを調査したら、「調査」画面で、Upgrade Assistantのステータスを確認し、スキーマのアップグレード準備が整っていることを確かめます。ステータスが「調査が終了しました。」の場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認し、一般的なアップグレード・エラーの解決の詳細をUpgrade Assistantによるアップグレード のアップグレードのトラブルシューティングで参照してください。

    注意:

    • 調査フェーズの間に、アップグレードを続行せずに検出された問題を解決した場合は、バックアップからリストアすることなしに、アップグレード・アシスタントを再起動できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックして続行した場合は、Upgrade Assistantを再度開始する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消してもスキーマまたは構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  8. 「アップグレード・サマリー」画面で、スキーマ・アップグレードのために選択したオプションについて、概要を確認します。
    アップグレード対象の各スキーマについて、正しいソース・バージョンとターゲット・バージョンがリストされていることを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存して、後で再度レスポンス(またはサイレント)モードでUpgrade Assistantを実行する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を提供します。サイレント・アップグレードでは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能が実行されますが、データを手動で再入力する必要はありません。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  9. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないスキーマがある場合、詳細は、Upgrade Assistantのログ・ファイルを参照してください。

    注意:

    この画面上の進行状況バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  10. アップグレードが正常に終了した場合: 「アップグレード成功」画面で、「閉じる」をクリックしてアップグレードを完了しウィザードを閉じます。

    アップグレードが失敗した場合: 「アップグレード失敗」画面で、「ログの表示」をクリックしてエラーを表示し、トラブルシューティングします。ログはORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logsにあります。

    注意:

    アップグレードに失敗した場合、アップグレード前の環境をバックアップからリストアし、問題を修正して、Upgrade Assistantを再度起動する必要があります。

6.5.3 スキーマのアップグレードの確認

すべてのアップグレード手順が完了したら、schema_version_registry内のスキーマ・バージョンが正しく更新されていることを確認することで、アップグレードの成功を確認します。

Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。

SET LINE 120
COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
COLUMN COMP_ID FORMAT A20
COLUMN VERSION FORMAT A12
COLUMN STATUS FORMAT A9
COLUMN UPGRADED FORMAT A8
SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;

問合せ結果について:

  • VERSION列の数値が、そのスキーマの最新のバージョン番号に一致していることを確認します。たとえば、スキーマ・バージョン番号が12.2.1.2.0であることを確認します。ただし、すべてのスキーマ・バージョンが更新されるわけではないことに注意してください。一部のスキーマは、このリリースにアップグレードする必要がなく、アップグレード前のバージョン番号のままになります。

  • STATUSフィールドは、スキーマのパッチ適用処理中はUPGRADINGまたはUPGRADEDのどちらかになり、その処理が完了するとVALIDになります。

  • ステータスが「INVALID」と表示された場合は、ステータスの更新が失敗しています。ログ・ファイルを調べて、失敗した理由を判定する必要があります。

  • IAU_APPENDおよびIAU_VIEWERに所有されているシノニム・オブジェクトは、INVALIDと表示されますが、失敗を示しているわけではありません。

    それらは、シノニムの作成後にターゲット・オブジェクトが変更されるため無効になります。シノニム・オブジェクトは、アクセスされるときに有効になります。これらのINVALIDオブジェクトは無視してかまいません。

6.6 ドメインの再構成

再構成ウィザードを実行して、ドメイン・コンポーネント構成を12c (12.2.1.2)に再構成します。

WebLogic Serverドメインを再構成すると、ドメイン内のアプリケーションに応じて、次の項目が自動的に更新されます。

  • WebLogic Serverコア・インフラストラクチャ

  • ドメイン・バージョン

注意:

ドメイン再構成を開始する前に、次の制限事項に注意してください。

  • 再構成ウィザードでは、ドメインに含まれる独自のアプリケーションは更新されません。

  • アップグレード・プロセスの間の非動的クラスタ・ドメインから動的クラスタ・ドメインへの変換はサポートされていません。

    動的クラスタ機能は再構成ウィザードの実行時に使用可能ですが、Oracleでは、非動的クラスタのアップグレード後の動的クラスタの追加のみがサポートされています。アップグレード・プロセスの間に動的クラスタを追加することはできません。

具体的には、ドメインを再構成すると、次のようになります。
  • ドメインのconfig.xmlファイルのドメイン・バージョン番号は、管理サーバーのインストール済WebLogic Serverバージョンに更新されます。

  • すべてのインストール済Oracle製品の再構成テンプレートは、自動的に選択されてドメインに適用されます。これらのテンプレートは、WebLogicドメインが現在のWebLogic Serverバージョンと互換性を持つために必要な再構成タスクを定義します。

  • 起動スクリプトが更新されます。

    変更した起動スクリプトを保持する必要がある場合は、再構成ウィザードを開始する前にそれらをバックアップするようにしてください。

注意:

ドメインの再構成プロセスを開始すると、元に戻すことはできません。再構成ウィザードを実行する前に、アップグレード前チェックリストに示されているようにドメインをバックアップしてあることを確認してください。再構成ウィザードの実行中にエラーその他の中断が発生した場合は、バックアップの場所から元のドメイン・ディレクトリにファイルとディレクトリをコピーして、ドメインをリストアする必要があります。これは、ドメインが再構成前の元の状態に戻されたことを確認する唯一の方法です。

再構成ウィザードを使用して既存のドメインを再構成する手順に従います。ドメインがどのように再構成されるかの一般情報は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のWebLogicドメインの再構成に関する項を参照してください。

6.6.1 ドメインのバックアップ

再構成ウィザードを実行する前に、ドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。

ドメイン・ディレクトリのバックアップを作成するには、次の手順を実行します。

  1. コンテンツを保持するには、ソース・ドメインを別の場所にコピーします。
    たとえば、C:\domains\mydomainをC:\domains\mydomain_backupにコピーします。
  2. 各リモート管理対象サーバー上でドメインを更新する前に、各リモート・マシン上のドメイン・ディレクトリのバックアップ・コピーを作成します。
  3. ドメインのバックアップしたバージョンが完全であることを確認します。
ドメインの再構成がなんらかの理由で失敗した場合は、すべてのファイルおよびディレクトリをバックアップ・ディレクトリから元のドメイン・ディレクトリにコピーして、ドメインを再構成前の元の状態に完全に戻す必要があります。

6.6.2 再構成ウィザードの起動

再構成ウィザードをグラフィカル・モードで起動する手順は次のとおりです。

  1. ドメインが存在するシステムにサインインします。
  2. コマンド・シェル(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはコマンド・プロンプト・ウィンドウ(Windowsオペレーティング・システムの場合)を開きます。
  3. エディション・ベースのデータベース・ユーザーのみ: スキーマがEBRデータベースを使用して構成されている場合、再構成ウィザードを実行する前に、手動でデフォルトのエディション名を設定する必要があります。
    次のSQLコマンドを実行して、デフォルト・エディションを設定します。

    ALTER DATABASE DEFAULT EDITION = edition_name;

    ここでのedition_nameは子エディション名です。

  4. oracle_common/common/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\commom\bin
  5. 再構成ウィザードを次のロギング・オプションを指定して起動します。
    • (UNIX) ./reconfig.sh -log=log_file -log_priority=ALL
    • (Windows) reconfig.cmd -log=log_file -log_priority=ALL

    log_fileは、ドメイン再構成セッション用に作成するログ・ファイルの絶対パスです。これは、再構成処理をトラブルシューティングする必要がある場合に役立つことがあります。

    パラメータ-log_priority=ALLを指定すると、ログが詳細モードで記録されます。

    注意:

    このコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: can't create package cache dir
    

    環境変数CONFIG_JVM_ARGSを設定することでキャッシュ・ディレクトリを変更できます。次に例を示します。

    CONFIG_JVM_ARGS=-Dpython.cachedir=valid_directory

6.6.3 再構成ウィザードを使用したSOAドメインの再構成

Upgrade Assistantを実行する前に、再構成ウィザードを使用して、まず既存のドメインを再構成する必要があります。

注意:

ソースがクラスタ環境である場合は、再構成ウィザードをプライマリ・ノードでのみ実行します。圧縮/解凍ユーティリティを使用して、ドメイン内の他のクラスタ・メンバーに変更を適用します。
ドメインを再構成するには、次の手順を実行します。
  1. 「ドメインの選択」画面で、アップグレードするドメインの場所を指定するか、「参照」をクリックしてナビゲートし、ドメインのディレクトリを選択します。「次へ」をクリックします。
  2. 「再構成セットアップの進行状況」画面で、設定プロセスの進行状況を確認します。完了したら、「次へ」をクリックします。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • Fusion Middleware製品を含む、インストール済製品の再構成テンプレートが自動的に適用されます。これにより、config.xmlconfig-groups.xmlsecurity.xmlなどの様々なドメイン構成ファイルが更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    • ドメイン・アップグレードが検証されます。

  3. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして、使用するJDKにナビゲートします。12c (12.2.1.2)でサポートされているJDKバージョンは、1.8.0_101以降です。「次へ」をクリックします。

    注意:

    このステージでは、「ドメイン・モード」を変更することはできません。
    特定のプラットフォームでサポートされているJDKのリストは、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成の説明を参照してください。
  4. 「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択してServer Table (_STB)スキーマに接続します。
    RCUサービス表(_STB)スキーマ資格証明を使用してデータベース接続の詳細を入力し、「RCU構成の取得」をクリックします。
    再構成ウィザードは、この接続を使用して、ドメインのコンポーネントに必要なデータソースを自動的に構成します。

    注意: 既存の11gデータ・ソースの場合、再構成では既存の値が保持されます。スキーマがRCUで12c用に作成されている新しいデータ・ソースの場合、デフォルトの接続データは_STBスキーマから取得されます。特定のスキーマの接続データが_STBスキーマにない場合は、デフォルトの接続データが使用されます。

    チェックが成功した場合は、「次へ」をクリックします。チェックが失敗した場合は、接続の正しい詳細を再入力し、再試行します。
  5. 「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面で、各コンポーネント・スキーマのDBMS/サービスおよびホスト名が正しいことを確認し、「次へ」をクリックします。
  6. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、すべてのコンポーネント・スキーマを選択して「選択された接続のテスト」をクリックし、各スキーマの接続をテストします。テストの結果は、「ステータス」列に表示されます。
    チェックが完了したら、「次へ」をクリックします。
  7. 「拡張構成」画面で、拡張構成を実行するすべてのカテゴリを選択できます。選択したカテゴリごとに、詳細構成を行うことができる適切な構成画面が表示されます。

    注意:

    「拡張構成」画面に表示されるオプション・カテゴリは、ドメインのために選択したテンプレートで定義されているリソースによって異なります。一般的な一部のカテゴリを次に示します。
    「拡張構成」>「管理対象サーバー」:

    ドメインの各管理対象サーバーに対し、リスニング・アドレスの実際のホスト名を指定する必要があります。

    デフォルトのlocalhostまたは「すべてのローカル・アドレス」オプションは使用しないでください。

    実際のホスト名を、hostname.company.comのように指定する必要があります。

    「管理対象サーバー」>サーバー・グループのターゲット指定

    注意:

    以前の12cリリース(たとえば12.1.3)で作成されたドメインをアップグレードする場合、アップグレードのドメイン再構成フェーズで、サーバーを正しいサーバー・グループにターゲット指定する必要があります。これらのサーバーのターゲット指定に失敗すると、アップグレードの失敗や不要なダウンタイムの発生につながることがあります。
    1. 「管理対象サーバー」画面で「サーバー・グループ」ドロップダウン・メニューから正しいグループ名を選択して、各サーバーを正しいサーバー・グループにターゲット指定します。
      GUID-E96F27A4-74D8-4A33-83E3-1829BDBD98B4-default.pngの説明が続きます。
      GUID-E96F27A4-74D8-4A33-83E3-1829BDBD98B4-default.pngの説明が続きます。

    2. 各サーバーが正しいサーバー・グループにターゲット指定され、「未指定」と表示されていないことを確認します。
      コンポーネントとサーバー サーバー・グループ
      SOA (soa_server1) SOA-MGD-SVRS-ONLY
      Oracle Service Bus — OSB (osb_server1) OSB-MGD-SVRS-ONLY
      Business Activity Monitoring — BAM (bam_server1) BAM-MGD-SVRS-ONLY
      Managed File Transfer — MFT (mft_server1) MFT-MGD-SVRS-ONLY
    「拡張構成」>「サーバーのマシンへの割当」

    アップグレード・プロセスの一部としてサーバーを作成した場合は、「サーバー」リスト・ボックスでサーバー名を選択して、適切なノード・マネージャ・マシンにターゲット設定します。

    そうでない場合は、ドメインのアップグレード時または再構成時にこの画面で操作は必要ありません。

    「拡張構成」>「サーバーのクラスタへの割当」

    クラスタのアップグレードのみ: クラスタをアップグレードする場合は、この画面を使用して管理対象サーバーをクラスタに割り当てます。

    「サーバー」リスト・ボックスには管理対象サーバーのみが表示されます。管理サーバーは、クラスタに割り当てることができないので、リストに表示されません。

    注意:

    OWSMPMがそれ固有のクラスタ内にあり、SOAまたはOSBクラスタの一部ではない場合:
    • SOA-MGD-SVRS-ONLYユーザー拡張可能サーバー・グループのみをSOAクラスタのターゲットに指定します
    • OSB-MGD-SVRS-ONLYのみをOSBクラスタのターゲットに指定します
    • WSMPM-MAN-SVERサーバー・グループをOWSMのターゲットに指定します
    • 12.1.3.0を12.2.1.2にアップグレードする場合、BAM-MGD-SVRS-ONLYをBAMクラスタのターゲットに指定する必要もあります。
  8. 「構成のサマリー」画面で、ドメインの詳細な構成設定を確認してから続行します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、右側のパネルに表示される項目を制限できます。
    構成を変更するには、「戻る」をクリックして適切な画面に戻ります。ドメインを再構成するには、「再構成」をクリックします。

    注意:

    ドメインを再構成しても、その場所は変更されません。
  9. 「再構成の進行状況」画面には、再構成プロセスの進行状況が表示されます。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • ドメイン情報が抽出、保存および更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    進捗バーが100%になったら、「次へ」をクリックします。
  10. 「構成の終了」画面には、再構成プロセスが正常に完了したか失敗したかが示されます。管理サーバーURL(リスニング・ポートを含む)とともに再構成されたドメインの場所も表示します。再構成が成功した場合は、Oracle Weblogic Serverの再構成に成功しましたと表示されます。
    再構成プロセスが正常に完了しなかった場合は、その理由を示すエラー・メッセージが表示されます。問題を解決するための適切な措置を講じます。問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
    以後の操作のためにドメインの場所と管理サーバーURLをメモします。

6.7 ドメイン・コンポーネント構成のアップグレード

ドメインを再構成した後、Upgrade Assistantを使用して、更新したドメイン構成と一致するようドメイン内のドメイン・コンポーネント構成をアップグレードします。

6.7.1 Upgrade Assistantの起動

Upgrade Assistantを実行して、製品スキーマ、ドメイン・コンポーネント構成またはスタンドアロン・システム・コンポーネントを12c (12.2.1.2)にアップグレードします。Upgrade AssistantをSYSDBA以外のユーザーとして実行し、一度に1つのドメインのアップグレードを完了することをお薦めします。

Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. oracle_common/upgrade/binディレクトリに移動します。
    • (UNIX) ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin
    • (Windows) ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\bin
  2. Upgrade Assistantを起動します。
    • (UNIX) ./ua
    • (Windows) ua.bat

ロギング・パラメータなど、コマンド・ラインで指定できるその他のパラメータの詳細は、次を参照してください。

6.7.1.1 アップグレード・アシスタントのパラメータ

アップグレード・アシスタントをコマンド・ラインから起動する際に、追加パラメータを指定できます。

表6-4 Upgrade Assistantコマンド・ライン・パラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

注意: 準備状況チェックは、スタンドアロン・インストール(WebLogic Serverによって管理されないインストール)では実行できません。

実際のアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

-examineパラメータを指定した場合は、このパラメータを使用しないでください。

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4です。

-response

サイレント・アップグレードまたはサイレント準備状況チェックに必要

GUIモードでのUpgrade Assistantの実行時に入力されたデータから生成されたレスポンス・ファイルに保存されている入力を使用して、Upgrade Assistantを実行します。このパラメータを使用すると、Upgrade Assistantがサイレント・モード(Upgrade Assistantの画面の表示なし)で実行されます。

-examine

オプション

調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは実行しません。

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel 属性

オプション

次のいずれかの属性を指定して、ロギング・レベルを設定します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

より多くの情報がログ記録されるよう、-logLevel TRACE属性を設定することを検討してください。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir 場所

オプション

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を設定します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

デフォルトの場所は次のとおりです。

UNIXの場合:

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsの場合:

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション

すべてのコマンド・ライン・オプションを表示します。

6.7.2 Upgrade Assistantの使用によるドメイン・コンポーネントのアップグレード

Upgrade Assistantで複数の画面をナビゲートし、WebLogicドメイン内のコンポーネント構成をアップグレードします。

再構成ウィザードを実行してWebLogicドメインを12c (12.2.1.2)に再構成した後、Upgrade Assistantを実行して、更新したドメイン構成と一致するようドメイン・コンポーネント構成をアップグレードします。

Upgrade Assistantでドメイン・コンポーネント構成をアップグレードするには、次の手順を実行します。
  1. 「ようこそ」画面で、Upgrade Assistantの概要、および重要なアップグレード前作業に関する情報を確認します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    Upgrade Assistantの画面の詳細は、その画面上のヘルプをクリックしてください。
  2. 次の画面で、次のことを実行します。
    • 「ドメインによって使用されるすべての構成」を選択します。画面名が「WebLogicコンポーネント」に変わります。

    • 「ドメイン・ディレクトリ」フィールドで、WebLogicドメイン・ディレクトリのパスを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  3. アップグレード前の環境に複数のWebLogicドメインがあるが、Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシー・マネージャが1つのドメインのみにあり、OWSMエージェントが他のドメインにある場合: OWSMポリシー・マネージャ画面で、Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシー・マネージャがデプロイされているWebLogic管理サーバー・ドメインの資格証明を提供します。
  4. 「コンポーネント・リスト」画面で、構成をアップグレードするすべてのコンポーネントを含んだリストを確認し、「次」をクリックします。
    アップグレード対象のコンポーネントが表示されていない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、別のドメインを指定します。
  5. 「前提条件」画面で、すべてのチェック・ボックスを選択することで、前提条件を満たしていることを認めます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントでは前提条件が満たされているかどうかを確認できません。
  6. ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)構成ファイルをホストするリモート管理対象サーバーがある場合: UMS構成画面で、Upgrade Assistantが構成ファイルにアクセスできるよう、これらのサーバーへの資格証明を提供します。

    注意:

    Upgrade AssistantでUMS構成ファイルが見つからない場合は、それらのファイルを手動でコピーする必要があります。ユーザー・メッセージング・サービス(UMS)構成ファイルのコピー中のエラーを参照してください。
  7. Upgrade Assistantで各コンポーネントを調査したら、「調査」画面で、Upgrade Assistantのステータスを確認し、コンポーネント構成のアップグレード準備が整っていることを確かめます。ステータスが「調査が終了しました。」の場合は、「次」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認し、一般的なアップグレード・エラーの解決の詳細をUpgrade Assistantによるアップグレード のアップグレードのトラブルシューティングで参照してください。

    注意:

    • 調査フェーズの間に、アップグレードを続行せずに検出された問題を解決した場合は、バックアップからリストアすることなしに、アップグレード・アシスタントを再起動できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックして続行した場合は、Upgrade Assistantを再度開始する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消しても構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  8. 「アップグレード・サマリー」画面で、コンポーネント構成のアップグレードのために選択したオプションについて、概要を確認します。
    レスポンス・ファイルにより、入力したすべての情報を収集および保存し、後でサイレント・アップグレードを実行できます。サイレント・アップグレードでは、Upgrade Assistantとまったく同じ機能が実行されますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を指定します。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  9. 「アップグレードの進行状況」画面で、アップグレードのステータスを監視します。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。

    注意:

    この画面上の進行状況バーには、現在のアップグレード手順の進行状況が表示されます。アップグレードの残り時間を示すものではありません。

    「次へ」をクリックします。

  10. アップグレードが正常に終了した場合: 「アップグレード成功」画面で、「閉じる」をクリックしてアップグレードを完了しウィザードを閉じます。新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のある作業が、アップグレード後のアクションウィンドウに表示されます。このウィンドウは、コンポーネントにアップグレード後の手順がある場合のみ表示されます。
    アップグレードが失敗した場合: 「アップグレード失敗」画面で、「ログの表示」をクリックしてエラーを表示し、トラブルシューティングします。ログはORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logsにあります。

    注意:

    アップグレードに失敗した場合、アップグレード前の環境をバックアップからリストアし、問題を修正して、Upgrade Assistantを再度起動する必要があります。