付録C


各国語対応

この付録では、Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC で表示される言語の設定、およびエミュレーション環境の各国語対応の設定について説明します。


C.1 ロケール設定

ロケールとは、同一の言語、習慣、あるいは文化的慣習などを共有する、特定の地理的領域や政治的領域、またはコミュニティーを指します。ソフトウェアにおけるロケールは、ソフトウェアを特定の地域に適合させるのに必要となる各種情報を含んだ、ファイル、データ、およびコードの集合体で表されます。

一部のソフトウェアでは、次のようなユーザー向けの情報をカスタマイズするために、ロケールが使用されます。

デフォルトでは、ユーザーインタフェースのすべての文字列は、サポートされているプラットフォームのロケールの言語で表示されます。

たとえば、適切にローカライズされた Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC がダウンロードされてインストールされている場合は、日本語の Microsoft Windows マシンで動作しているツールキットに日本語の文字を表示することができます。

wtk.locale プロパティーを設定して、指定したロケールの言語でユーザーインタフェースを表示できます。3.8, Wireless Toolkit の設定で説明したように、ktools.properties をインストールディレクトリから作業用ディレクトリ (workdir/wtklib/ktools.properties) にコピーし、コピーしたファイルを編集します。たとえば、ロケールプロパティーを en-US に設定し、適切な補助ソフトウェアをダウンロードして Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC 上にインストールすると、Wireless Toolkit を日本語マシンで動作させたままユーザーインタフェースを英語で表示することができます。


C.2 エミュレート中のロケール

デバイスのロケールは、システムプロパティー microedition.locale に格納されます。エミュレータのロケールを変更するには、「編集」->「環境設定」を選択し、「国際化」を選択します。コンボボックスからロケールを選択するか、直接入力します。

microedition.locale の詳細については、MIDP の仕様を参照してください。


C.3 文字エンコーディング

CLDC のシステムプロパティーである microedition.encoding は、MIDP 環境のデフォルトの文字エンコーディングを定義します。Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC のエミュレータでは、使用しているウィンドウシステムに応じてこのプロパティーが設定されます。プロパティーの値には、同じウィンドウシステムで動作している Java SE プラットフォームのデフォルトのエンコーディングが設定されます。たとえば、英語版のウィンドウシステムでは、エンコーディングは次のように設定されます。

microedition.encoding=ISO8859_1

デフォルトの値を変更するには、workdir¥wtklib¥ktools.properties ファイルに microedition.encoding プロパティーを追加します。たとえば、Microsoft Windows でデフォルトの設定として UTF-8 を使用する場合は、workdir¥wtklib¥ktools.properties ファイル内でプロパティーを次のように設定します。

microedition.encoding=UTF-8

文字エンコーディングの詳細については、CLDC の仕様を参照してください。



注 - エミュレートした環境では、すべての Java SE プラットフォームエンコーダを使用できます。特定のデバイスで使用できるエンコーダの一覧を制限する方法については、『Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC 基本カスタマイズガイド』を参照してください。




C.4 Java テクノロジコンパイラのエンコーディング設定

javac.encoding プロパティーは、javac コンパイラでソースファイルをコンパイルする際に使用するエンコーディングを定義します。プロパティーの値には、同じウィンドウシステムで動作している Java SE プラットフォームのデフォルトのエンコーディングが設定されます。

デフォルトの値を変更するには、ktools.properties ファイルに javac.encoding プロパティーを追加します。たとえば、英語のシステムを使用していて、日本語のリソースバンドルをコンパイルする必要がある場合は、次のように日本語の文字セットを指定できます。

javac.encoding=EUCJIS


C.5 デフォルトエミュレータのフォントサポート

エミュレートした環境で使用されるデフォルトフォントは、基になるウィンドウシステムのロケールに応じて設定されます。デフォルト設定では、MIDP 環境のフォントはデフォルトの Java SE プラットフォーム Java テクノロジフォントにマップされます。通常、これらのフォントは、対象のウィンドウのロケールで必要なすべての文字をサポートしています。

これらのフォントを変更して、デフォルトのフォントでサポートしていないほかの文字をサポートすることができます。設定方法については、『Sun Java Wireless Toolkit for CLDC 基本カスタマイズガイド』を参照してください。