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PIM API と FileConnection API の使用法

Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC は、JSR 75 「PDA Optional Packages (PDAP) for the J2ME Platform」に対応しています。JSR 75 には、2 つの独立した API が含まれています。

この章では、FileConnection API と PIM API が Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC でどのように実装されるかについて説明します。


10.1 FileConnection API

実際のデバイスでは、FileConnection API は主に、デバイスのメモリーやメモリーカードに保存されているファイルにアクセスするために使用されます。

Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC のエミュレータでは、MIDlet で FileConnection API を使用して、デスクトップコンピュータのハードディスクに保存されているファイルにアクセスできます。

FileConnection を使ってアクセスできるのは、workdir¥appdb¥skin¥filesystem のサブディレクトリに保存されているファイルです。たとえば、DefaultColorPhone エミュレータスキンには root1 というルートディレクトリがインストールされており、ここには Readme というファイルと photos という空のディレクトリがあります。ファイルのフルパスは次のようになります。


Windows:

workdir¥appdb¥skin¥filesystem¥root1¥photos

Linux:

workdir/appdb/skin/filesystem/root1/photos


  

注 - 同じエミュレータスキンのインスタンスを同時に複数実行する場合、Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC では、インスタンスごとに一意のファイルパスが生成されます。たとえば、1 つ目のディレクトリの名前が DefaultColorPhone となり、2 つ目のインスタンスは DefaultColorPhone1 という名前になります。



filesystem の各サブディレクトリは「ルート」と呼ばれます。Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC には、ルートを管理するためのメカニズムが用意されています。エミュレータの実行中に、エミュレータウィンドウのメニューから「MIDlet」->「外部イベント」を選択します。ルートを追加および削除するためのユーティリティーウィンドウが表示されます。

図 10-1 ファイルシステムのルートの管理


External event generator window with File Connection tab selected

アプリケーションでは、FileConnection API を使用して、マウント済みのルートとその内容にアクセスできます。

新しいルートディレクトリを追加するには、「新規マウント」をクリックし、ディレクトリの名前を入力します。FileConnection API からディレクトリにアクセスできないようにするには、リストでそのディレクトリを選択し、「アンマウント」をクリックします。


10.2 PIM API

Sun JavaTM Wireless Toolkit for CLDC のエミュレータでは、連絡先、カレンダ、および予定表の情報は、デスクトップコンピュータのハードディスクに標準ファイルで保存されます。すべての情報は、workdir¥appdb¥skin¥pim に保存されます。このディレクトリは、実行中のすべてのエミュレータで共有されます。リストは、contactsevents、および todo というディレクトリのサブディレクトリに保存されます。たとえば、Contacts という連絡先リストは、次の場所に保存されます。


Windows:

workdir¥appdb¥skin¥pim¥contacts¥Contacts

Linux:

workdir/appdb/skin/pim/contacts/Contacts


 

リストディレクトリ内のアイテムは、vCard (.vcs) 形式または vCalendar (.vcf) 形式で保存されます (http://www.imc.org/pdi/ を参照)。連絡先は vCard 形式、カレンダと予定表は vCalendar 形式でそれぞれ保存されます。