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Oracle Multimediaユーザーズ・ガイド
11gリリース1(11.1)
E05684-01
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B Oracle Multimediaインストールの管理

この付録では、Oracle Multimediaの手動インストール方法およびインストール済のOracle Multimediaの手動アップグレード方法について説明します。また、この付録では、インストール済のOracle Multimediaの検証方法およびダウングレード方法についても説明します。

これらについては次の項で説明します。


注意:

最新の情報については、<ORACLE_HOME>/ord/im/adminにあるOracle MultimediaのREADME.txtファイルを参照してください。

B.1 Oracle Multimediaのインストール

Oracle Multimediaは、Oracle Databaseのインストール時にインストールおよび構成されます。なんらかの理由によってOracle Multimediaを手動でインストールする必要がある場合、この項の次の手順に従ってください。


警告:

Oracleが提供するOracle Multimediaデータ型は、データベース・ユーザーORDSYS、ORDPLUGINSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAの下にインストールされます。これらはデータベースのインストール中に作成されるユーザーで、将来のリリースで変更される可能性があります。

Oracle Multimediaが提供するファンクション、パッケージ、型およびビューは、Oracleによって予約されており、将来のリリースで変更される可能性があります。ORDSYSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAユーザーとその内容を変更しないでください。これらのユーザーに接続したり、独自の表、ファンクション、パッケージ、型またはビューをこれらのユーザーに追加しないでください。また、Oracle Multimediaが提供するORDPLUGINSユーザーのパッケージを変更しないでください。これを変更すると、データベース管理システムで内部エラーおよびセキュリティ違反が発生することがあります。


B.1.1 インストール前の決定事項

インストール手順では、ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびMDSYSユーザーが作成されます。これらのユーザーIDは、特殊な権限を持った標準Oracleデータベース・アカウントです。

決定事項: Oracle Multimediaユーザー(ORDSYSORDPLUGINS およびSI_INFORMTN_SCHEMA)用に使用する表領域、およびSpatial/Oracle Multimediaロケーション・サービス・ユーザー(MDSYS)用に使用する表領域を決定します。両方のユーザー用にSYSAUX表領域を使用することをお薦めします。

決定事項: ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびMDSYSユーザー用のパスワードを決定します。インストール手順では、ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびMDSYSのデフォルト・パスワードが使用されます。その後、アカウントがロックされ、パスワードが期限切れになります。これらのアカウントに直接ログインするには、インストールの完了後、これらのパスワードを変更してアカウントのロックを解除する必要があります。

自動インストールでの各ユーザーのデフォルト・パスワードは、ORDSYSユーザーの場合はORDSYSORDPLUGINSユーザーの場合はORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAユーザーの場合はSI_INFORMTN_SCHEMAMDSYSユーザーの場合はMDSYSです。

インストール処理では、Oracle MultimediaパッケージのEXECUTE権限、およびORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAスキーマにインストールされるオブジェクトのEXECUTE権限が、PUBLICユーザー・グループに付与されます。

B.1.2 インストール前のタスク

Oracle Multimediaを手動でインストールおよび構成する前に、次のインストール前のタスクを実行します。手順については、オペレーティング・システム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

  1. Oracle Database(PL/SQL、Oracle JVMおよびOracle XML DBを含む)をインストールします。

  2. データベースを作成します。

  3. データベースを起動します。

  4. Oracle JVMがインストールされており、有効であることを確認します。

    Oracle JVMが正しくインストールされていることを確認するには、SQL*Plusを実行してSYSDBAとして接続し、次の問合せを発行します。

    SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='JAVAVM';
    

    バージョンが正しく、状態がVALIDであることを確認します。

B.1.3 インストールの手順

Oracle Multimediaを手動で構成するには、次の必須のインストール手順を実行します。Database Configuration Assistantを使用する場合は、この手順を実行する必要はありません。

これらの手順では、Oracleホーム・ディレクトリを<ORACLE_HOME>と表記します。

  1. Oracle Universal Installerを使用して、Oracle Multimediaを構成するファイルをシステムにインストールします。

  2. ユーザーを作成し、適切な権限を付与します。

    Start SQL*Plus.
    
    % sqlplus
    
    Connect as SYSDBA.
    
    SQL> CONNECT / as sysdba
    
    Invoke ordinst.sql with two parameters for Oracle Multimedia tablespace and
    Location Services tablespace.
    
    SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/admin/ordinst.sql SYSAUX SYSAUX (on Linux and UNIX)
         @<ORACLE_HOME>\ord\admin\ordinst.sql SYSAUX SYSAUX (on Windows)
    
  3. Oracle Multimediaのオブジェクト型およびパッケージをインストールします。

    SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/catim.sql (on Linux and UNIX)
         @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\catim.sql (on Windows)
    
  4. リスナーを起動します。

    外部プロシージャのコールを使用するようにリスナーを構成する必要があります。tnsnames.oraファイルのextproc_connection_dataというエントリを確認します。次に、listener.oraファイルのextprocというエントリを確認します。

    詳細は、ネットワークのドキュメントを参照してください。この手順を正しく実行しないと、サポートされているすべてのフォーマットに対して、Oracle Multimediaが機能しません。

これらの必須のインストール手順が完了すると、Oracle Multimediaを使用できるようになります。

B.2 インストール済のOracle Multimediaのアップグレード

以前のリリースのOracle Databaseをアップグレードすると、ソース・データベースで検出されたOracle Multimediaは自動的にアップグレードされます。手順の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

B.3 インストール済のOracle Multimediaの検証

Oracle Multimediaのインストールまたはアップグレード後に、Oracle Multimediaの検証プロシージャを起動して、インストール済のOracle Multimediaを検証できます。

Oracle Multimediaの検証プロシージャを実行するには、次の手順に従って、SYSDBAとして接続し、validate_ordimを起動します。

  1. SQL*Plusを起動します。

    % sqlplus
    
  2. SYSDBAとして接続します。

    SQL> CONNECT / as sysdba
    
  3. validate_ordimを実行します。

    SQL> execute validate_ordim;
    
    On Windows
    SQL> @<ORACLE_HOME>\ord\im/admin\imchk.sql
    

Oracle Multimediaが有効であると、検証プロシージャによって、Oracle Multimediaレジストリ・エントリにVALIDが暗黙的に設定されます。無効なオブジェクトが検出されると、検証プロシージャでは、最初のいくつかの無効オブジェクトが表示され、レジストリ・エントリにINVALIDが設定されます。

Oracle Multimediaのレジストリ・エントリの問合せを行うには、SQL*Plusを実行して、再びSYSDBAとして接続します(検証プロシージャの手順1および2を実行)。その後、次の問合せを実行します。

SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='ORDIM';

バージョンが正しく、状態がVALIDであることを確認します。

B.4 インストール済のOracle Multimediaのダウングレード

Oracle Multimedia機能がインストールされたデータベースをダウングレードすると、Oracle Multimediaは自動的にダウングレードされます。 手順の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

B.5 Oracle Multimediaの削除

Oracle Multimediaには、インストール削除スクリプト(imremov.sql)が付属しています。このスクリプトを使用すると、Oracle Multimediaを手動で削除できます。最初に、削除スクリプトは削除確認スクリプト(imremchk.sql)を起動して、Oracle Multimediaオブジェクト型の列、またはOracle Multimedia XMLスキーマにバインドされている列を含む表があるかどうかを確認します。次に、削除確認スクリプトがOracle Multimediaが使用中であるかどうかを示すメッセージを表示します。


注意:

imremchk.sqlスクリプトでは、Oracle Spatialなどの依存する製品がインストールされているかどうかの確認は行われません。

次に、インストール削除スクリプト(imremov.sql)は、Oracle Multimediaの削除を確認するプロンプトを表示します。応答の最初の文字がYまたはyであると、Oracle Multimediaはこれが使用中であるかどうかにかかわらず強制的に削除されます。

Oracle Multimediaを手動で削除するには、次の手順を実行します。

  1. SQL*Plusを実行して、SYSDBAとして接続します(B.3項の手順1および2を参照)。

  2. imremov.sqlスクリプトをコールします。

    SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/imremov.sql (on Linux and UNIX)
         @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\imremov.sql (on Windows)