この付録では、Oracle Multimediaの手動インストール方法およびインストール済のOracle Multimediaの手動アップグレード方法について説明します。また、この付録では、インストール済のOracle Multimediaの検証方法およびダウングレード方法についても説明します。
これらについては次の項で説明します。
注意: 最新の情報については、<ORACLE_HOME> /ord/im/admin にあるOracle MultimediaのREADME.txt ファイルを参照してください。 |
Oracle Multimediaは、Oracle Databaseのインストール時にインストールおよび構成されます。なんらかの理由によってOracle Multimediaを手動でインストールする必要がある場合、この項の次の手順に従ってください。
インストール前の決定事項
インストール前の手順
インストールの手順
警告: Oracleが提供するOracle Multimediaデータ型は、データベース・ユーザーORDSYS、ORDPLUGINSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAの下にインストールされます。これらはデータベースのインストール中に作成されるユーザーで、将来のリリースで変更される可能性があります。 Oracle Multimediaが提供するファンクション、パッケージ、型およびビューは、Oracleによって予約されており、将来のリリースで変更される可能性があります。ORDSYSおよびSI_INFORMTN_SCHEMAユーザーとその内容を変更しないでください。これらのユーザーに接続したり、独自の表、ファンクション、パッケージ、型またはビューをこれらのユーザーに追加しないでください。また、Oracle Multimediaが提供するORDPLUGINSユーザーのパッケージを変更しないでください。これを変更すると、データベース管理システムで内部エラーおよびセキュリティ違反が発生することがあります。 |
インストール手順では、ORDSYS
、ORDPLUGINS
、SI_INFORMTN_SCHEMA
およびMDSYS
ユーザーが作成されます。これらのユーザーIDは、特殊な権限を持った標準Oracleデータベース・アカウントです。
決定事項: Oracle Multimediaユーザー(ORDSYS
、ORDPLUGINS
およびSI_INFORMTN_SCHEMA
)用に使用する表領域、およびSpatial/Oracle Multimediaロケーション・サービス・ユーザー(MDSYS
)用に使用する表領域を決定します。両方のユーザー用にSYSAUX表領域を使用することをお薦めします。
決定事項: ORDSYS
、ORDPLUGINS
、SI_INFORMTN_SCHEMA
およびMDSYS
ユーザー用のパスワードを決定します。インストール手順では、ORDSYS
、ORDPLUGINS
、SI_INFORMTN_SCHEMA
およびMDSYS
のデフォルト・パスワードが使用されます。その後、アカウントがロックされ、パスワードが期限切れになります。これらのアカウントに直接ログインするには、インストールの完了後、これらのパスワードを変更してアカウントのロックを解除する必要があります。
自動インストールでの各ユーザーのデフォルト・パスワードは、ORDSYS
ユーザーの場合はORDSYS
、ORDPLUGINS
ユーザーの場合はORDPLUGINS
、SI_INFORMTN_SCHEMA
ユーザーの場合はSI_INFORMTN_SCHEMA
、MDSYS
ユーザーの場合はMDSYS
です。
インストール処理では、Oracle MultimediaパッケージのEXECUTE権限、およびORDSYS
、ORDPLUGINS
、SI_INFORMTN_SCHEMA
スキーマにインストールされるオブジェクトのEXECUTE権限が、PUBLICユーザー・グループに付与されます。
Oracle Multimediaを手動でインストールおよび構成する前に、次のインストール前のタスクを実行します。手順については、オペレーティング・システム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
Oracle Database(PL/SQL、Oracle JVMおよびOracle XML DBを含む)をインストールします。
データベースを作成します。
データベースを起動します。
Oracle JVMがインストールされており、有効であることを確認します。
Oracle JVMが正しくインストールされていることを確認するには、SQL*Plusを実行してSYSDBAとして接続し、次の問合せを発行します。
SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='JAVAVM';
バージョンが正しく、状態がVALID
であることを確認します。
Oracle Multimediaを手動で構成するには、次の必須のインストール手順を実行します。Database Configuration Assistantを使用する場合は、この手順を実行する必要はありません。
これらの手順では、Oracleホーム・ディレクトリを<ORACLE_HOME>
と表記します。
Oracle Universal Installerを使用して、Oracle Multimediaを構成するファイルをシステムにインストールします。
ユーザーを作成し、適切な権限を付与します。
Start SQL*Plus. % sqlplus Connect as SYSDBA. SQL> CONNECT / as sysdba Invoke ordinst.sql with two parameters for Oracle Multimedia tablespace and Location Services tablespace. SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/admin/ordinst.sql SYSAUX SYSAUX (on Linux and UNIX) @<ORACLE_HOME>\ord\admin\ordinst.sql SYSAUX SYSAUX (on Windows)
Oracle Multimediaのオブジェクト型およびパッケージをインストールします。
SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/catim.sql (on Linux and UNIX) @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\catim.sql (on Windows)
リスナーを起動します。
外部プロシージャのコールを使用するようにリスナーを構成する必要があります。tnsnames.ora
ファイルのextproc_connection_data
というエントリを確認します。次に、listener.ora
ファイルのextproc
というエントリを確認します。
詳細は、ネットワークのドキュメントを参照してください。この手順を正しく実行しないと、サポートされているすべてのフォーマットに対して、Oracle Multimediaが機能しません。
これらの必須のインストール手順が完了すると、Oracle Multimediaを使用できるようになります。
以前のリリースのOracle Databaseをアップグレードすると、ソース・データベースで検出されたOracle Multimediaは自動的にアップグレードされます。手順の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。
Oracle Multimediaのインストールまたはアップグレード後に、Oracle Multimediaの検証プロシージャを起動して、インストール済のOracle Multimediaを検証できます。
Oracle Multimediaの検証プロシージャを実行するには、次の手順に従って、SYSDBAとして接続し、validate_ordim
を起動します。
SQL*Plusを起動します。
% sqlplus
SYSDBAとして接続します。
SQL> CONNECT / as sysdba
validate_ordim
を実行します。
SQL> execute validate_ordim;
On Windows
SQL> @<ORACLE_HOME>
\ord\im/admin\imchk.sql
Oracle Multimediaが有効であると、検証プロシージャによって、Oracle Multimediaレジストリ・エントリにVALID
が暗黙的に設定されます。無効なオブジェクトが検出されると、検証プロシージャでは、最初のいくつかの無効オブジェクトが表示され、レジストリ・エントリにINVALID
が設定されます。
Oracle Multimediaのレジストリ・エントリの問合せを行うには、SQL*Plusを実行して、再びSYSDBAとして接続します(検証プロシージャの手順1および2を実行)。その後、次の問合せを実行します。
SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='ORDIM';
バージョンが正しく、状態がVALID
であることを確認します。
Oracle Multimedia機能がインストールされたデータベースをダウングレードすると、Oracle Multimediaは自動的にダウングレードされます。 手順の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。
Oracle Multimediaには、インストール削除スクリプト(imremov.sql
)が付属しています。このスクリプトを使用すると、Oracle Multimediaを手動で削除できます。最初に、削除スクリプトは削除確認スクリプト(imremchk.sql
)を起動して、Oracle Multimediaオブジェクト型の列、またはOracle Multimedia XMLスキーマにバインドされている列を含む表があるかどうかを確認します。次に、削除確認スクリプトがOracle Multimediaが使用中であるかどうかを示すメッセージを表示します。
注意: imremchk.sql スクリプトでは、Oracle Spatialなどの依存する製品がインストールされているかどうかの確認は行われません。 |
次に、インストール削除スクリプト(imremov.sql
)は、Oracle Multimediaの削除を確認するプロンプトを表示します。応答の最初の文字がY
またはy
であると、Oracle Multimediaはこれが使用中であるかどうかにかかわらず強制的に削除されます。
Oracle Multimediaを手動で削除するには、次の手順を実行します。
SQL*Plusを実行して、SYSDBAとして接続します(B.3項の手順1および2を参照)。
imremov.sql
スクリプトをコールします。
SQL> @<ORACLE_HOME>/ord/im/admin/imremov.sql (on Linux and UNIX) @<ORACLE_HOME>\ord\im\admin\imremov.sql (on Windows)