パススルーSQL機能を使用すると、アプリケーション開発者は、Oracleサーバーによる解釈がなくてもOracle以外のシステムに文を直接送信できます。この機能は、Oracle以外のシステムで使用できる文と同等の文がOracleにない場合に役立ちます。
PL/SQLパッケージDBMS_HS_PASSTHROUGH
を使用すると、これらの文をOracle以外のシステムで直接実行できます。このパッケージで実行される文は、標準の透過的なSQL文と同じトランザクションで実行されます。
この章では、次の項目について説明します。
関連項目: 『Oracle Database Heterogeneous Connectivityユーザーズ・ガイド』 |
表62-1 DBMS_HS_PASSTHROUGHパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
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データ型 |
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データ型 |
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位置を基準にして |
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SQL文がOracle以外のシステムで実行された後は、カーソルをクローズして、関連メモリーを解放します。 |
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バインド変数を使用せずに、( |
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( |
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問合せから行をフェッチします。 |
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データ型 |
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Oracle以外のシステムでパススルーSQL文を実行するためのカーソルをオープンします。 |
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Oracle以外のシステムでSQL文を解析します。 |
このプロシージャは、IN
OUT
バインド変数をバインドします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.BIND_INOUT_VARIABLE ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v IN OUT <dty>, n IN VARCHAR2);
<dty>
はDATE
、NUMBER
またはVARCHAR2
のいずれかです。
表62-2 BIND_INOUT_VARIABLEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
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SQL文におけるバインド変数の位置。1から始まります。 |
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この値は次の2つの目的で使用されます。 - SQL文が実行される前にINの値を設定します。 - OUT値のサイズを判別します。 |
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(オプション)バインド変数名。 たとえば、 |
表62-3 BIND_INOUT_VARIABLEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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Purity level defined : WNDS, RNDS
このプロシージャは、データ型RAW
のIN
OUT
バインド変数をバインドします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.BIND_INOUT_VARIABLE_RAW ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v IN OUT RAW, n IN VARCHAR2);
表62-4 BIND_INOUT_VARIABLE_RAWプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
|
SQL文におけるバインド変数の位置。1から始まります。 |
|
この値は次の2つの目的で使用されます。 - SQL文が実行される前にINの値を設定します。 - OUT値のサイズを判別します。 |
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(オプション)バインド変数名。 たとえば、 |
表62-5 BIND_INOUT_VARIABLE_RAWプロシージャの例外
例外 | 説明 |
---|---|
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
|
バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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|
Purity level defined : WNDS, RNDS
このプロシージャは、OUT
変数をPL/SQLプログラム変数にバインドします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.BIND_OUT_VARIABLE ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NULL, v OUT <dty>, n IN VARCHAR2);
<dty>
はDATE
、NUMBER
またはVARCHAR2
のいずれかです。
表62-6 BIND_OUT_VARIABLEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
|
SQL文におけるバインド変数の位置。1から始まります。 |
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(オプション)バインド変数名。 たとえば、 |
表62-7 BIND_OUT_VARIABLEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
|
バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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Purity level defined : WNDS, RNDS
このプロシージャは、データ型RAW
のOUT
変数をPL/SQLプログラム変数にバインドします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.BIND_OUT_VARIABLE_RAW ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v OUT RAW, n IN VARCHAR2);
表62-8 BIND_OUT_VARIABLE_RAWプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
|
SQL文におけるバインド変数の位置。1から始まります。 |
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(オプション)バインド変数名。 たとえば、 |
表62-9 BIND_OUT_VARIABLE_RAWプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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Purity level defined : WNDS, RNDS
このプロシージャは、位置を基準にしてIN
変数をPL/SQLプログラム変数にバインドします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.BIND_VARIABLE ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v IN <dty>, n IN VARCHAR2);
<dty>
はDATE
、NUMBER
またはVARCHAR2
のいずれかです。
表62-10 BIND_VARIABLEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
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SQL文におけるバインド変数の位置。1から始まります。 |
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バインド変数名に渡す必要がある値。 |
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(オプション)バインド変数名。 たとえば、 |
表62-11 BIND_VARIABLEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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Purity level defined: WNDS, RNDS
このプロシージャは、RAW
型のIN
変数をバインドします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.BIND_VARIABLE_RAW ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v IN RAW, n IN VARCHAR2);
表62-12 BIND_VARIABLE_RAWプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
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SQL文におけるバインド変数の位置。1から始まります。 |
|
バインド変数に渡す必要がある値。 |
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(オプション)バインド変数名。 たとえば、 |
表62-13 BIND_VARIABLE_RAWプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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Purity level defined : WNDS, RNDS
このファンクションは、SQL文がOracle以外のシステムで実行された後に、カーソルをクローズし、関連メモリーを解放します。カーソルがオープンされていない場合、操作は何も行われません。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.CLOSE_CURSOR ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL);
Purity level defined : WNDS, RNDS
このファンクションは、SQL文を即時実行します。有効なSQLコマンド(SELECT
を除く)をすぐに実行できます。文にバインド変数を含めることはできません。文は引数でVARCHAR2
として渡されます。 SQL文は、内部的には、OPEN_CURSOR
、PARSE
、EXECUTE_NON_QUERY
およびCLOSE_CURSOR
のPASSTHROUGH
SQLプロトコル・シーケンスを使用して実行されます。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.EXECUTE_IMMEDIATE ( s IN VARCHAR2 NOT NULL) RETURN BINARY_INTEGER;
SQL文の実行によって影響を受ける行数。
表62-17 EXECUTE_IMMEDIATEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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SQL文が正しくありません。 |
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オープンしているカーソルが最大数に達しました。 |
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このファンクションはSQL文を実行します。SQL文にSELECT
文は使用できません。SQL文を実行する前に、カーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.EXECUTE_NON_QUERY ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL) RETURN BINARY_INTEGER;
表62-18 EXECUTE_NON_QUERYファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
Oracle以外のシステムでSQL文によって影響を受ける行数。
表62-19 EXECUTE_NON_QUERYファンクションの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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このファンクションは、結果セットから行をフェッチします。結果セットは、SQL SELECT
文で定義されます。 それ以上フェッチする行がなくなると、例外NO_DATA_FOUND
が発生します。行をフェッチする前に、カーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.FETCH_ROW ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, f IN BOOLEAN) RETURN BINARY_INTEGER;
表62-20 FETCH_ROWファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
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(オプション)
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フェッチされた行数が戻されます。最終行がすでにフェッチされている場合は、0(ゼロ)が戻されます。
表62-21 FETCH_ROWファンクションの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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Purity level defined : WNDS
このプロシージャには2つの目的があります。
行がフェッチされた後に、SELECT
文の選択リスト項目を取り出します。
SQL文が実行された後に、OUT
バインド値を取り出します。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.GET_VALUE ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v OUT <dty>);
<dty>
はDATE
、NUMBER
またはVARCHAR2
のいずれかです。
表62-22 GET_VALUEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
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SQL文におけるバインド変数または選択リスト項目の位置。1から始まります。 |
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表62-23 GET_VALUEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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最終行がフェッチされた後に、 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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|
Purity level defined : WNDS
このプロシージャは、データ型RAW
が対象である以外はGET_VALUE
と同じです。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.GET_VALUE_RAW ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, p IN BINARY_INTEGER NOT NULL, v OUT RAW);
表62-24 GET_VALUE_RAWプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。カーソルは、ルーチン |
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SQL文におけるバインド変数または選択リスト項目の位置。1から始まります。 |
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表62-25 GET_VALUE_RAWプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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最終行がフェッチされた後に、 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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プロシージャが正しい順序で実行されません(最初にカーソルをオープンし、SQL文を解析する必要があります)。 |
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バインド変数の位置が有効範囲外です。 |
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Purity level defined : WNDS
このファンクションは、Oracle以外のシステムでパススルーSQL文を実行するためのカーソルをオープンします。このファンクションは、すべてのタイプのSQL文に対してコールする必要があります。
後続のコールで使用する必要があるカーソルが戻されます。このコールによってメモリーが割り当てられます。 関連付けられたメモリーの割当てを解除するには、プロシージャCLOSE_CURSOR
をコールします。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.OPEN_CURSOR RETURN BINARY_INTEGER;
後続のプロシージャおよびファンクション・コールで使用されるカーソル。
表62-26 OPEN_CURSORファンクションの例外
例外 | 説明 |
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カーソルの最大オープン数を超えました。 異機種間サービスの |
Purity level defined : WNDS, RNDS
このプロシージャは、Oracle以外のシステムでSQL文を解析します。
DBMS_HS_PASSTHROUGH.PARSE ( c IN BINARY_INTEGER NOT NULL, stmt IN VARCHAR2 NOT NULL);
表62-27 PARSEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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パススルーSQL文に関連付けられたカーソル。 ファンクション |
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解析する文。 |
表62-28 PARSEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
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渡されたカーソルが無効です。 |
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SQL文が正しくありません。 |
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|
Purity level defined : WNDS, RNDS