DBMS_PREPROCESSORパッケージは、後処理された形式でPL/SQLユニットのソース・テキストの出力または取出しを行うためのインタフェースを提供します。
この章では、次の項目について説明します。
概要
使用上の注意
表タイプ
次の3つのスタイルのサブプログラムがあります。
スキーマ名、ユニット・タイプ名およびユニット名を使用するサブプログラム
任意のPL/SQLコンパイル・ユニットのソース・テキストを含むVARCHAR2
の文字列を使用するサブプログラム
任意のPL/SQLコンパイル・ユニットのセグメント化されたソース・テキストを含むVARCHAR2
の索引付き表を使用するサブプログラム
1つ目のスタイルのサブプログラムは、保存されたPL/SQLユニットの後処理済ソース・テキストの出力または取出しのために使用されます。ユーザーは、このユニットの元のソース・テキストを表示するための権限が必要です。また、ユーザーは、ユニットが定義されているスキーマ、ユニット・タイプおよびユニット名を指定する必要もあります。スキーマがNULLの場合は、現行のユーザー・スキーマが使用されます。保存されたユニットのステータスがVALID
で、ユーザーが必要な権限を持っている場合、後処理済のソース・テキストは、最後にコンパイルされたユニットのソース・テキストと同じであることが保証されます。2つ目または3つ目のスタイルのサブプログラムは、現行のユーザー・スキーマで後処理済のソース・テキストを生成するために使用されます。ソース・テキストは、2つ目のスタイルでは単一のVARCHAR2
の文字列として、3つ目のスタイルではVARCHAR2
の索引付き表として渡されます。ソース・テキストには、任意のPL/SQLコンパイル・ユニットを指定できます。通常は、無名ブロックのソース・テキストを渡して、現行のユーザー・スキーマに後処理済のソース・テキストを生成するために使用されます。3つ目のスタイルは、ソース・テキストがVARCHAR2
の長さの制限を超える場合に有効です。
1つ目のスタイルのサブプログラムの場合、保存されたPL/SQLユニットのステータスはVALID
である必要はありません。また、VARCHAR2
の文字列またはVARCHAR2
の索引付き表として渡されたソース・テキストは、コンパイル時にエラーが発生する可能性があります。後処理済のソース・テキストの生成時にエラーが見つかった場合、後処理済のソース・テキストの最後にエラー・メッセージ・テキストも表示されます。エラーが原因で前処理が中断される場合もあります。この場合、後処理済のソース・テキストが不完全な状態で表示され、関連するエラー・メッセージによって前処理中にエラーが発生したことを確認できます。
2つ目または3つ目のスタイルのサブプログラムの場合、ソース・テキストに任意のPL/SQLコンパイル・ユニットを指定できます。ただし、有効なPL/SQLコンパイル・ユニットのソース・テキストに、CREATE OR REPLACE
などの一般に使用されている接頭辞を含めることはできません。 通常は、ALL_SOURCE
ビューから取得する場合と同様の方法で、入力ソースの構文を準備する必要があります。次のリストに、PL/SQLコンパイル・ユニットに有効な初期構文の例を示します。
anonymous block (BEGIN | DECLARE) ... package PACKAGE <name> ... package body PACKAGE BODY <name> ... procedure PROCEDURE <name> ... function FUNCTION <name> ... type TYPE <name> ... type body TYPE BODY <name> ... trigger (BEGIN | DECLARE) ...
ソース・テキストが有効な名前付きPL/SQLユニットを示す場合、後処理済のソース・テキストの生成後にそのユニットは作成されません。
ラップされたPL/SQLユニットのテキストがALL_SOURCE
ビューから取得された場合、通常、キーワードWRAPPED
はユニット名の直後に指定されます。次に例を示します。
PROCEDURE "some proc" WRAPPED a000000 b2 ...
このようなソース・テキストがGET_POST_PROCESSED_SOURCEファンクションまたはPRINT_POST_PROCESSED_SOURCEプロシージャのいずれかを示す場合は、例外DBMS_PREPROCESSOR
.WRAPPED_INPUT
が発生します。
DBMS_PREPROCESSOR
パッケージは、表タイプを定義します。
表タイプ
この表タイプは、後処理済のソース・テキストの行を格納します。処理前および処理後の両方で、PL/SQLソース・テキストを保持するために使用されます。テキストの容量が32Kを超える場合に、特に有効です。
構文
TYPE source_lines_t IS TABLE OF VARCHAR2(32767) INDEX BY BINARY_INTEGER;
表90-1 DBMS_PREPROCESSORパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
---|---|
GET_POST_PROCESSED_SOURCEファンクション |
後処理済のソース・テキストを戻します。 |
PRINT_POST_PROCESSED_SOURCEプロシージャ |
後処理済のソース・テキストを出力します。 |
このオーバーロードされたファンクションは、後処理済のソース・テキストを戻します。複数の機能を構文形式ごとに、定義とともに示します。
構文
保存されたPL/SQLユニットの後処理済のソース・テキストを戻します。
DBMS_PREPROCESSOR.GET_POST_PROCESSED_SOURCE ( object_type VARCHAR2, schema_name VARCHAR2, object_name VARCHAR2); RETURN source_lines_t;
コンパイル・ユニットの後処理済のソース・テキストを戻します。
DBMS_PREPROCESSOR.GET_POST_PROCESSED_SOURCE ( source VARCHAR2); RETURN source_lines_t;
コンパイル・ユニットのソース・テキストを含むINDEX-BY
表の後処理済のソース・テキストを戻します。
DBMS_PREPROCESSOR.GET_POST_PROCESSED_SOURCE ( source source_lines_t); RETURN source_lines_t;
パラメータ
表90-2 GET_POST_PROCESSED_SOURCEファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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スキーマ名。引用された識別子を使用しないかぎり、大/小文字は区別されません。 |
|
オブジェクトの名前。 |
|
コンパイル・ユニットのソース・テキスト。 |
|
コンパイル・ユニットのソース・テキストを含む |
戻り値
このファンクションは、索引1から開始する後処理済のソース・テキストの行を含むINDEX-BY
表を戻します。
使用上の注意
改行文字は削除されません。
後処理済のソース・テキストの各行は、INDEX-BY
表の行にマップされます。
後処理済のソースでは、未選択のテキストはブランク行となります。
例外
表90-3 GET_POST_PROCESSED_SOURCEファンクションの例外
例外 | 説明 |
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権限が不十分であるか、またはオブジェクトが存在しません。 |
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オブジェクト・タイプの値が正しくありません。 |
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ソース・テキストが空です。 |
|
識別子がありません。object_nameを |
|
数値または値のエラーが発生しました。
|
このオーバーロードされたプロシージャは、DBMS_OUTPUT
.PUT_LINE
をコールして後処理済のソース・テキストを表示できます。複数の機能を構文形式ごとに、定義とともに示します。
構文
保存されたPL/SQLユニットの後処理済のソース・テキストを出力します。
DBMS_PREPROCESSOR.PRINT_POST_PROCESSED_SOURCE ( object_type VARCHAR2, schema_name VARCHAR2, object_name VARCHAR2);
コンパイル・ユニットの後処理済のソース・テキストを出力します。
DBMS_PREPROCESSOR.PRINT_POST_PROCESSED_SOURCE ( source VARCHAR2);
コンパイル・ユニットのソース・テキストを含むINDEX-BY
表の後処理済のソース・テキストを出力します。
DBMS_PREPROCESSOR.PRINT_POST_PROCESSED_SOURCE ( source source_lines_t);
パラメータ
表90-4 PRINT_POST_PROCESSED_SOURCEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
|
|
スキーマ名。引用された識別子を使用しないかぎり、大/小文字は区別されません。 |
|
オブジェクトの名前。 |
|
コンパイル・ユニットのソース・テキスト。 |
|
コンパイル・ユニットのソース・テキストを含む |
例外
表90-5 PRINT_POST_PROCESSED_SOURCEプロシージャの例外
例外 | 説明 |
---|---|
|
権限が不十分であるか、またはオブジェクトが存在しません。 |
|
オブジェクト・タイプの値が正しくありません。 |
|
ソース・テキストが空です。 |
|
識別子がありません。object_nameを |
|
数値または値のエラーが発生しました。
|
使用上の注意
索引付き表には、空白が含まれる場合があります。NULL
要素は、連結時に無視されます。