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Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス
11g リリース1(11.1)
E05686-02
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128 DBMS_STORAGE_MAP

DBMS_STORAGE_MAPパッケージを使用すると、Oracleバックグラウンド・プロセスのFMONと通信して、マッピング・ビューを移入するマッピング操作を起動できます。FMONは、オペレーティング・システムやストレージ・システムのベンダーが供給するマッピング・ライブラリと通信します。

この章では、次の項目について説明します。


DBMS_STORAGE_MAPの使用方法


概要

次に、DBMS_STORAGE_MAP APIを理解する上で役に立つ用語と解説を示します。


使用上の注意

MAP_ELEMENTMAP_FILEおよびMAP_ALLの場合: 構成IDがサポートされている場合は、情報のマッピングがすでに存在するときにこれらのプロシージャを起動すると、マッピングがリフレッシュされます。構成情報IDがサポートされていない場合は、これらのプロシージャの再起動によって、マッピングが再作成されます。


関連項目:

構成ID、変更される要素またはファイルの属性については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


DBMS_STORAGE_MAPサブプログラムの要約

表128-1 DBMS_STORAGE_MAPパッケージのサブプログラム

サブプログラム 説明

DROP_ALLプロシージャ


インスタンスの共有メモリー内にあるマッピング情報をすべて削除します。

DROP_ELEMENTプロシージャ


elemnameによって定義された要素のマッピング情報を削除します。

DROP_FILEプロシージャ


filenameによって定義されたマッピング情報を削除します。

LOCK_MAPプロシージャ


インスタンスの共有メモリー内にあるマッピング情報をロックします。

MAP_ALLプロシージャ


すべてのタイプのOracleファイルに関する完全なマッピング情報を作成します(アーカイブ・ログを除く)。これには、すべての有向非巡回グラフ(DAG)要素が含まれます。

MAP_ELEMENTプロシージャ


elemnameで識別される要素のマッピング情報を作成します。

MAP_FILEプロシージャ


filenameで識別されるファイルのマッピング情報を作成します。

MAP_OBJECTプロシージャ


オブジェクト名、所有者およびタイプで識別されるOracleオブジェクトのマッピング情報を作成します。

RESTOREプロシージャ


データ・ディクショナリからインスタンスの共有メモリーに、完全なマッピング情報をロードします。

SAVEプロシージャ


データ・ディクショナリへの完全なマッピングの再生成に必要な情報を保存します。

UNLOCK_MAPプロシージャ


インスタンスの共有メモリー内にあるマッピング情報のロックを解除します。



DROP_ALLプロシージャ

このプロシージャは、インスタンスの共有メモリー内にあるマッピング情報をすべて削除します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.DROP_ALL(
      dictionary_update IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表128-2 DROP_ALLプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

dictionary_update

TRUEの場合は、データ・ディクショナリのマッピング情報が更新され、変更が反映されます。デフォルト値はTRUEです。dictionary_updateはオーバーロードされた引数です。



DROP_ELEMENTプロシージャ

このプロシージャは、elemnameによって定義された要素のマッピング情報を削除します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.DROP_ELEMENT(
   elemname          IN VARCHAR2,
   cascade           IN BOOLEAN,
   dictionary_update IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表128-3 DROP_ELEMENTプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

elemname

マッピング情報を削除する要素。

cascade

TRUEの場合は、elemnameによって定義されたDAGの全要素に対して、DROP_ELEMENTが必要に応じて再帰的に起動されます。

dictionary_update

TRUEの場合は、データ・ディクショナリのマッピング情報が更新され、変更が反映されます。デフォルト値はTRUEです。dictionary_updateはオーバーロードされた引数です。



DROP_FILEプロシージャ

このプロシージャは、filenameによって定義されたマッピング情報を削除します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.DROP_FILE(
   filename          IN VARCHAR2,
   cascade           IN BOOLEAN,
   dictionary_update IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表128-4 DROP_FILEプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

filename

マッピング情報を削除するファイル。

cascade

TRUEの場合は、ファイルが常駐している要素のマッピングDAGも、必要に応じて削除されます。

dictionary_update

TRUEの場合は、データ・ディクショナリのマッピング情報が更新され、変更が反映されます。デフォルト値はTRUEです。dictionary_updateはオーバーロードされた引数です。



LOCK_MAPプロシージャ

このプロシージャは、インスタンスの共有メモリー内にあるマッピング情報をロックします。 V$MAP表の一貫したスナップショットが必要な場合に便利です。 マッピング情報をロックしないと、V$MAP_ELEMENTV$MAP_SUBELEMENTなどの一貫性が失われる可能性があります。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.LOCK_MAP;

MAP_ALLプロシージャ

このプロシージャは、すべてのタイプのOracleファイルに関する完全なマッピング情報を作成します(アーカイブ・ログを除く)。これには、すべての有向非巡回グラフ(DAG)要素が含まれます。このプロシージャは、すべてのマッピング・ライブラリを明示的に同期化するため、最新のマッピング情報を取得します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.MAP_ALL(
   max_num_fileext   IN NUMBER DEFAULT 100,
   dictionary_update IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表128-5 MAP_ALLプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

max_num_fileext

マップするファイル・エクステントの最大数を定義します。この指定によって、ファイル・エクステントのマッピング時に使用するメモリー量が制限されます。デフォルト値は100です。max_num_fileextentはオーバーロードされた引数です。

dictionary_update

TRUEの場合は、データ・ディクショナリのマッピング情報が更新され、変更が反映されます。デフォルト値はTRUEです。dictionary_updateはオーバーロードされた引数です。


使用上の注意

MAP_ALLは、コールド・スタートの際に明示的にコールする必要があります。


MAP_ELEMENTプロシージャ

このプロシージャは、elemnameで識別される要素のマッピング情報を作成します。明示的な同期化を必要とするライブラリが、マップする要素またはそのI/Oスタック内のいずれか1つの要素を所有している場合(cascadeTRUEの場合)は、最新のマッピング情報を取得できない可能性があります。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.MAP_ELEMENT(
   elemname          IN VARCHAR2,
   cascade           IN BOOLEAN,
   dictionary_update IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表128-6 MAP_ELEMENTプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

elemname

マッピング情報を作成する要素。

cascade

TRUEの場合は、elemnameのI/OスタックDAG内の全要素がマップされます。

dictionary_update

TRUEの場合は、データ・ディクショナリのマッピング情報が更新され、変更が反映されます。デフォルト値はTRUEです。dictionary_updateはオーバーロードされた引数です。



MAP_FILEプロシージャ

このプロシージャは、filenameで識別されるファイルのマッピング情報を作成します。このプロシージャは、ある特定のファイルのマッピングが変更された場合に使用します。Oracle Databaseサーバーでは完全なマッピングを再作成する必要はありません。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.MAP_FILE(
   filename           IN VARCHAR2,
   filetype           IN VARCHAR2,
   cascade            IN BOOLEAN,
   max_num_fileextent IN NUMBER DEFAULT 100,
   dictionary_update  IN BOOLEAN DEFAULT TRUE);

パラメータ

表128-7 MAP_FILEプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

filename

マッピング情報を作成するファイル。

filetype

マップするファイルのタイプ。"DATAFILE""SPFILE""TEMPFILE""CONTROLFILE""LOGFILE"または"ARCHIVEFILE"を指定できます。

cascade

記憶域の再構成が発生する場合にのみ、TRUEを指定してください。ファイル・サイズの変更(ALTER SYSTEMコマンドまたは拡張ファイルのDML操作のいずれかを使用した)など、他のすべてのインスタンスの場合は、マッピング変更がファイル・エクステントのみに制限されるため、cascadeFALSEに設定できます。

TRUEの場合は、ファイルが常駐している要素に対してもマッピングDAGが作成されます。

max_num_fileextent

マップするファイル・エクステントの最大数を定義します。この指定によって、ファイル・エクステントのマッピング時に使用するメモリー量が制限されます。デフォルト値は100です。max_num_fileextentはオーバーロードされた引数です。

dictionary_update

TRUEの場合は、データ・ディクショナリのマッピング情報が更新され、変更が反映されます。デフォルト値はTRUEです。dictionary_updateはオーバーロードされた引数です。


使用上の注意

このプロシージャは、明示的な同期化を必要とするライブラリが、マップするファイルまたはそのI/Oスタック内のいずれか1つの要素を所有している場合(cascadeTRUEの場合)は、最新のマッピング情報を取得できない可能性があります。


MAP_OBJECTプロシージャ

このプロシージャは、オブジェクト名、所有者およびタイプで識別されるOracleオブジェクトのマッピング情報を作成します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.MAP_OBJECT(
   objname  IN  VARCHAR2,
   owner    IN  VARCHAR2,
   objtype  IN  VARCHAR2);

パラメータ

表128-8 MAP_OBJECTプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

objname

オブジェクトの名前。

owner

オブジェクトの所有者。

objtype

オブジェクトのタイプ。



RESTOREプロシージャ

このプロシージャは、データ・ディクショナリからインスタンスの共有メモリーに、完全なマッピング情報をロードします。RESTOREを起動できるのは、SAVE操作を実行した後のみです。RESTOREは、ウォーム・スタートの際に明示的にコールする必要があります。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.RESTORE;

SAVEプロシージャ

このプロシージャは、データ・ディクショナリへの完全なマッピングの再生成に必要な情報を保存します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.SAVE;

UNLOCK_MAPプロシージャ

このプロシージャは、インスタンスの共有メモリー内にあるマッピング情報のロックを解除します。

構文

DBMS_STORAGE_MAP.UNLOCK_MAP;