ヘッダーをスキップ
Oracle Database JDBC開発者ガイドおよびリファレンス
11gリリース1(11.1)
E05720-02
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
次へ
次へ
 

8 データソースおよびURL

この章では、Java Database Connectivity(JDBC)データソースを使用したアプリケーションのデータベースへの接続と、データベースを記述するURLについて説明します。この章では、次の項目について説明します。

データソース

データソースは、使用するデータベースまたはその他のリソースを指定するための標準汎用オブジェクトです。データソースの概念は、JDBC 2.0 Extension Application Program Interface(API)で導入されました。データソースは、便宜性と移植性のために、Java Naming and Directory Interface(JNDI)エントリにバインドできるため、データベースには論理名でアクセスできます。

データソース機能は、以前のJDBC DriverManager機能の完全な代替機能を提供します。いずれの機能も同じアプリケーションで使用できますが、使用しているアプリケーションはデータソースに移行することをお薦めします。

この項には、次の項目が含まれます。

JNDIのOracleデータソース・サポートの概要

JNDI標準は、リモート・サービスおよびリソースを検出してアクセスする方法をアプリケーションに提供します。これらのサービスは、エンタープライズ・サービスにも可能です。ただし、JDBCアプリケーションの場合は、これらのサービスにデータベース接続およびサービスが含まれます。

JNDIを使用すると、アプリケーションはアプリケーション・コードからベンダー固有の構文を削除し、論理名を使用してこれらのサービスにアクセスできます。JNDIには、目的のサービスの特定のソースと論理名を関連付ける機能があります。

すべてのOracle JDBCデータソースでは、JNDIを参照できます。開発者が必ずしもこの機能を使用する必要はありませんが、JNDI論理名を使用してデータベースにアクセスすると、コードの移植性が高まります。


注意:

JNDIの機能を使用するには、ファイルjndi.jarCLASSPATH環境変数にある必要があります。このファイルは、インストールCDのJava製品に入っています。このファイルは個別にCLASSPATH環境変数に追加する必要があります。Sun社のWebサイトから取得することもできますが、オラクル社が提供するバージョンを使用することをお薦めします。このバージョンは、Oracleドライバでのテストを済ませています。

データソースの機能とプロパティ

JNDIを使用するデータソース機能では、ベンダー固有のJDBCドライバ・クラス名を登録する必要はなく、URLとその他のプロパティの論理名を使用できます。このため、データベース接続をオープンするためのコードは、他の環境に移植できます。

DataSourceインタフェースとOracleによる実装

JDBCデータソースは、標準javax.sql.DataSourceインタフェースを実装するクラスのインスタンスです。

public interface DataSource
{
   Connection getConnection() throws SQLException;
   Connection getConnection(String username, String password)
      throws SQLException;
   ...
}

Oracleでは、このインタフェースをoracle.jdbc.poolパッケージのOracleDataSourceクラスに実装しています。オーバーロードされたgetConnectionメソッドは、データベースへの接続を戻します。

他の値を使用するには、適切なsetterメソッドを使用してプロパティを設定します。代替のユーザー名とパスワードを設定するには、入力としてこれらの値を取るgetConnectionメソッドを使用することもできます。この設定は、プロパティ設定よりも優先されます。


注意:

OracleDataSourceクラスとすべてのサブクラスは、java.io.Serializableインタフェースとjavax.naming.Referenceableインタフェースを実装します。

DataSourceのプロパティ

DataSourceインタフェースを実装するすべてのクラスと同様に、OracleDataSourceクラスは、接続するデータベースの指定に使用できる一連のプロパティを提供します。これらのプロパティはJavaBeansのデザインパターンに従います。

表8-1および表8-2に、OracleDataSourceプロパティを示します。表8-1のプロパティは、Sun社の仕様に従った標準プロパティです。表8-2のプロパティはOracle拡張機能です。


注意:

Oracleは標準roleNameプロパティを実装していません。

表8-1 標準データソース・プロパティ

名前 説明

databaseName

String

サーバー上の特定のデータベース名。Oracleの用語ではSIDとも呼ばれます。

dataSourceName

String

基礎となるデータソース・クラスの名前。接続プーリングの場合、これはプーリングされた基礎となる接続データソース・クラスです。分散トランザクションの場合、これは基礎となるXAデータソース・クラスです。

description

String

データソースの説明。

networkProtocol

String

サーバーと通信するためのネットワーク・プロトコル。Oracleの場合、これはJDBC Oracle Call Interface(OCI)ドライバのみに適用され、デフォルトはtcpです。

password

String

接続するユーザーのパスワード。

portNumber

int

サーバーが要求をリスニングするポート番号。

serverName

String

データベース・サーバーの名前。

user

String

ログイン用の名前。


OracleDataSourceクラスは、標準プロパティである次のsetメソッドとgetメソッドを実装します。

  • public synchronized void setDatabaseName(String dbname)

  • public synchronized String getDatabaseName()

  • public synchronized void setDataSourceName(String dsname)

  • public synchronized String getDataSourceName()

  • public synchronized void setDescription(String desc)

  • public synchronized String getDescription()

  • public synchronized void setNetworkProtocol(String np)

  • public synchronized String getNetworkProtocol()

  • public synchronized void setPassword(String pwd)

  • public synchronized void setPortNumber(int pn)

  • public synchronized int getPortNumber()

  • public synchronized void setServerName(String sn)

  • public synchronized String getServerName()

  • public synchronized void setUser(String user)

  • public synchronized String getUser()


注意:

セキュリティ上の理由により、getPassword()メソッドはありません。

表8-2 Oracle拡張データソース・プロパティ

名前 説明

connectionCacheName

String

キャッシュの名前を指定します。キャッシュを作成した後は変更できません。

connection­Cache­Properties

java.util.Properties

暗黙的接続キャッシュのプロパティを指定します。

connectionCachingEnabled

Boolean

暗黙的接続キャッシュが使用中かどうかを指定します。

connectionProperties

java.util.Properties

接続プロパティを指定します。

driverType

String

Oracle JDBCドライバのタイプを指定します。ocithinまたはkprbのいずれかを指定します。

fastConnectionFailoverEnabled

Boolean

高速接続フェイルオーバーが使用中かどうかを指定します。

implicitCachingEnabled

Boolean

暗黙的文接続キャッシュが有効かどうかを指定します。

loginTimeout

int

このデータソースがデータベースへの接続の試行中に待機する最大時間(秒)を指定します。

logWriter

java.io.PrintWriter

このデータソースのログ・ライターを指定します。

maxStatements

int

アプリケーションのキャッシュ内に存在する文の最大数を指定します。

serviceName

String

このデータソースに対するデータベース・サービス名を指定します。

tnsEntry

String

TNSエントリ名を指定します。OCIドライバのみに関係します。TNSエントリ名は、tnsnames.ora構成ファイルに指定されているTNSエントリに対応します。このプロパティはOracleXADatasource専用です。

OCIドライバでネイティブXA機能を使用する場合は、このOracleXADataSourceプロパティを有効に設定して、Oracleリリース8.1.6以降のデータベースにアクセスしてください。ネイティブXA機能を使用するときにtnsEntryプロパティが設定されていないと、エラー・コードORA-17207のSQLExceptionが発生します。

url

String

データベース接続文字列のURLを指定します。以前のバージョンのOracle Databaseから移行する際の便宜を考えて提供されるものです。Oracle tnsEntryおよびdriverTypeプロパティ、標準portNumbernetworkProtocolserverNameおよびdatabaseNameプロパティのかわりに、このプロパティを使用できます。

nativeXA

Boolean

OCIドライバでネイティブXA機能を使用する場合は、OracleXADataSourceを有効に設定して、Oracleリリース8.1.6以降のデータベースにアクセスしてください。nativeXAプロパティを有効にする場合は、必ずtnsEntryプロパティも設定してください。このプロパティはOracleXADatasource専用です。

このDataSourceプロパティは、デフォルトでfalseに設定されます。

ONSConfiguration

String

FaN/ONSイベントのリモートでのサブスクライブに使用するONS構成を指定します。



注意:

  • この表では、非推奨となった接続キャッシュをOracleConnectionCacheに基づいてサポートしていたプロパティは省略されています。

  • ネイティブXAは、Java XAよりパフォーマンスが高いため、可能なかぎりネイティブXAを使用してください。


OracleDataSourceクラスは、Oracle拡張プロパティに対して、次のsetXXXメソッドとgetXXXメソッドを実装しています。

  • String getConnectionCacheName()

  • java.util.Properties getConnectionCacheProperties()

  • void setConnectionCacheProperties(java.util.Properties cp)

  • java.util.Properties getConnectionProperties()

  • void setConnectionProperties(java.util.Properties cp)


    注意:

    setConnectionPropertiesメソッドを使用して接続のプロパティを設定し、setConnectionCachePropertiesメソッドを使用して接続キャッシュのプロパティを設定します。

    接続のプロパティの詳細は、「サポートされている接続プロパティ」を参照してください。

    接続キャッシュのプロパティの詳細は、「接続キャッシュ・プロパティ」を参照してください。


  • boolean getConnectionCachingEnabled()

  • void setImplicitCachingEnabled()

  • String getDriverType()

  • void setDriverType(String dt)

  • String getURL()

  • void setURL(String url)

  • String getTNSEntryName()

  • void setTNSEntryName(String tns)

  • boolean getNativeXA()

  • void setNativeXA(boolean nativeXA)

  • String getONSConfiguration()

  • void setONSConfiguration(String onsConfig)

サーバー側内部ドライバを使用している場合、つまりdriverTypeプロパティがkprbに設定されている場合、その他のプロパティ設定は無視されます。

JDBC ThinドライバまたはOCIドライバを使用している場合は、次の点に注意してください。

  • URL設定には、次の例のようにuserpasswordの設定が含まれることがあります。この場合は、この設定が個々のuserおよびpasswordプロパティ設定よりも優先されます。

    jdbc:oracle:thin:scott/tiger@localhost:1521:orcl
    
  • userpasswordは、URL設定を介して直接設定するか、またはgetConnectionコールを介して設定する必要があります。getConnectionコールによるuserpasswordの設定は、他のプロパティ設定よりも優先されます。

  • urlプロパティを設定した場合は、tnsEntrydriverTypeportNumbernetworkProtocolserverNameおよびdatabaseNameプロパティ設定は無視されます。

  • tnsEntryプロパティを設定した場合(urlプロパティは設定されていないものとします)、databaseNameserverNameportNumberおよびnetworkProtocolの各設定は無視されます。

  • OCIドライバを使用しているときに(driverTypeプロパティはociに設定されているものとします)、networkProtocolipcに設定されている場合、他のプロパティ設定は無視されます。

またgetConnectionCacheName()は、データ・ソースのキャッシュが有効になった後でデータ・ソースのConnectionCacheNameプロパティが設定された場合にのみキャッシュの名前を戻します。

データソース・インスタンスの作成と接続

この項では、JNDI機能を使用せずにデータベースに接続する場合の、データソースの最も基本的な使用例を示します。ベンダーによってはベンダー固有のハードコードされたプロパティ設定が必要であることに注意してください。

次の例のようにOracleDataSourceインスタンスを作成し、必要に応じて接続プロパティを初期化して、接続インスタンスを取得します。

OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
ods.setDriverType("oci");
ods.setServerName("dlsun999");
ods.setNetworkProtocol("tcp");
ods.setDatabaseName("816");
ods.setPortNumber(1521);
ods.setUser("scott");
ods.setPassword("tiger");
Connection conn = ods.getConnection();

または、必要に応じて次のようにユーザー名とパスワードをオーバーライドします。

Connection conn = ods.getConnection("bill", "lion");

データソース・インスタンスの作成、JNDIへの登録および接続

この項では、データソースを使用してデータベースに接続する場合のJNDI機能を示します。ベンダー固有のハードコードされたプロパティ設定は、データソース・インスタンスをJNDI論理名にバインドするコードの部分でのみ必要になります。これ以降は、接続インスタンスを取得するデータソースを作成するために、論理名を使用して、移植可能なコードを作成できます。


注意:

データソースの作成と登録は、一般にJDBCアプリケーションではなく、JNDI管理者によって処理されます。

データソース・プロパティの初期化

次の例に示すように、OracleDataSourceインスタンスを作成し、必要に応じてそのプロパティを初期化します。

OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
ods.setDriverType("oci");
ods.setServerName("dlsun999");
ods.setNetworkProtocol("tcp");
ods.setDatabaseName("816");
ods.setPortNumber(1521);
ods.setUser("scott");
ods.setPassword("tiger");

データソースの登録

前述の例で示したように、OracleDataSourceインスタンスodsの接続プロパティを初期化した後は、次の例に示すように、このデータソース・インスタンスをJNDIに登録できます。

Context ctx = new InitialContext();
ctx.bind("jdbc/sampledb", ods);

JNDI InitialContext()コンストラクタをコールすると、初期JNDIネーミング・コンテキストを参照するJavaオブジェクトが作成されます。表示されていないシステム・プロパティによって、使用するサービス・プロバイダがJNDIに指示されます。

ctx.bindコールは、OracleDataSourceインスタンスを論理JNDI名にバインドします。つまり、ctx.bindをコールした後、いつでも論理名jdbc/sampledbを使用して、OracleDataSourceインスタンスodsのプロパティによって記述されるデータベースへの接続をオープンできます。論理名jdbc/sampledbは、このデータベースに論理的にバインドされます。

JNDIネームスペースの階層構造は、ファイル・システムの階層構造と似ています。この例で、JNDI名はルート・ネーミング・コンテキストでサブコンテキストjdbcを指定し、jdbcサブコンテキスト内で論理名sampledbを指定します。

ContextインスタンスとInitialContextクラスは、標準javax.namingパッケージ内にあります。


注意:

JDBC 2.0仕様では、すべてのJDBCデータソースを、JNDIネームスペースのjdbcネーミング・サブコンテキスト、またはjdbcサブコンテキストの子サブコンテキストに登録する必要があります。

接続のオープン

lookupを実行して、JNDI名に論理的にバインドされたデータベースへの接続をオープンするには、論理JNDI名を使用します。これを実行するには、lookupの結果(Java Objectも可)をOracleDataSourceにキャストし、そのgetConnectionメソッドを使用して接続をオープンします。

次に例を示します。

OracleDataSource odsconn = (OracleDataSource)ctx.lookup("jdbc/sampledb");
Connection conn = odsconn.getConnection();

サポートされている接続プロパティ

Oracle JDBCドライバがサポートする接続プロパティの詳細は、Javadocを参照してください。

SYSログインのためのロールの使用方法

SYSでログオンするためのロールを指定するには、internal_logon接続プロパティを使用します。SYSでログオンするには、internal_logon接続プロパティを、SYSDBAまたはSYSOPERに設定します。


注意:

ロールを指定する機能は、sysユーザー名にのみサポートされます。

Bequeathed接続の場合、internal_logonプロパティを設定することにより、SYSとして接続を取得できます。リモート接続の場合、追加でパスワード・ファイルの設定手順を実行する必要があります。

データベース・リモート・ログインの構成

JDBC ThinドライバがデータベースにSYSDBAとして接続するためには、ユーザーを構成する必要があります。これは、Oracle Databaseのセキュリティ・システムでは、リモート接続用に管理者としてのパスワード・ファイルが必要なためです。次の手順を実行します。

  1. orapwdパスワード・ユーティリティを使用してサーバー側またはリモート・データベースでパスワード・ファイルを設定します。ユーザーsysのパスワード・ファイルを追加するには、次のようにします。

    • UNIXの場合

      orapwd file=$ORACLE_HOME/dbs/orapw entries=200
      Enter password: password
      
    • Microsoft Windowsの場合

      orapwd file=%ORACLE_HOME%\database\PWDsid_name.ora entries=200
      Enter password: password
      

    fileは、パスワード・ファイルの名前と同じである必要があります。passwordは、ユーザーSYSのパスワードです。これは、SQL PlusでALTER USER文を使用することにより変更可能です。entriesは、見積りのエントリ数よりも高い値に設定してください。

    パスワード・ファイル名の構文は、Microsoft WindowsとUNIXでは異なります。


    関連項目:

    『Oracle Database管理者ガイド』

  2. sysdbaとしてリモート・ログインを有効にします。この手順では、SYSDBAおよびSYSOPERシステム権限を個別のユーザーに付与し、それらのユーザーがそのままのユーザーとして接続できるようにします。

    データベースを停止し、次の行を、UNIXの場合はinitservice_name.oraに、Microsoft Windowsの場合はinit.oraに追加します。

    remote_login_passwordfile=exclusive
    

    initservice_name.oraファイルは、ORACLE_HOME/dbs/およびORACLE_HOME/admin/db_name/pfile/に存在します。これらの2つのファイルは同期化してください。

    init.oraファイルは、%ORACLE_BASE%\ADMIN\db_name\pfile\に存在します。

  3. SYSユーザーのパスワードを変更します。これは、オプションの手順です。

    PASSWORD sys
           Changing password for sys
    New password: password
    Retype new password: password
    
  4. SYSSYSDBA権限を持っていることを確認します。

    SQL> select * from v$pwfile_users;
    USERNAME                         SYSDB        SYSOP
    ----------------------           ---------    ---------
    SYS                              TRUE         TRUE
    
  5. リモート・データベースを再起動します。

例8-1 リモート接続でのSYSログインの使用

//This example works regardless of language settings of the database.
 /** case of remote connection using sys **/
import java.sql.*;
import oracle.jdbc.*;
import oracle.jdbc.pool.*;
// create an OracleDataSource
OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
// set connection properties
java.util.Properties prop = new java.util.Properties();
prop.put("user", "sys");
prop.put("password", "sys");
prop.put("internal_logon", "sysoper");
ods.setConnectionProperties(prop);
// set the url
// the url can use oci driver as well as:
// url = "jdbc:oracle:oci8:@inst1"; the inst1 is a remote database
String url = "jdbc:oracle:thin:@//myHost:1521/service_name";
ods.setURL(url);
// get the connection
Connection conn = ods.getConnection();
...

Bequeathed接続とSYSログオン

次の例は、SYSログインを指定するための、internal_logonおよびSYSDBA引数の使用方法を示しています。この例は、データベースの各国語設定に関係なく動作します。

/** Example of bequeath connection **/
import java.sql.*;
import oracle.jdbc.*;
import oracle.jdbc.pool.*;

// create an OracleDataSource instance
OracleDataSource ods = new OracleDataSource();

// set neccessary properties
java.util.Properties prop = new java.util.Properties();
prop.put("user", "sys");
prop.put("password", "sys");
prop.put("internal_logon", "sysdba");
ods.setConnectionProperties(prop);

// the url for bequeath connection
String url = "jdbc:oracle:oci8:@";
ods.setURL(url);

// retrieve the connection
Connection conn = ods.getConnection();
...

Oracleパフォーマンス拡張要素のプロパティ

接続プロパティの一部は、Oracleパフォーマンス拡張要素で使用します。これらのプロパティの設定は、次のようにOracleConnectionオブジェクトで対応するメソッドを使用することと等価です。

  • defaultRowPrefetchプロパティの設定は、setDefaultRowPrefetchのコールと等価です。

  • remarksReportingプロパティの設定は、setRemarksReportingのコールと等価です。

  • defaultBatchValueプロパティの設定は、setDefaultExecuteBatchコールと等価です。

次の例は、java.util.Propertiesクラスのputメソッドの使用方法を示します。この例では、Oracleパフォーマンス拡張要素のパラメータを設定する方法を示します。

//import packages and register the driver
import java.sql.*;
import java.math.*;
import oracle.jdbc.*;
import oracle.jdbc.pool.OracleDataSource;

//specify the properties object
java.util.Properties info = new java.util.Properties();
info.put ("user", "scott");
info.put ("password", "tiger");
info.put ("defaultRowPrefetch","20");
info.put ("defaultBatchValue", "5");

//specify the datasource object
OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
ods.setURL("jdbc:oracle:thin:@//myhost:1521/orcl");
ods.setUser("scott");
ods.setPassword("tiger");
ods.setConnectionProperties(info);
...

データベースURLとデータベース指定子

データベースURLは文字列です。完全なURL構文は、次のとおりです。

jdbc:oracle:driver_type:[username/password]@database_specifier

注意:

  • 大カッコは、username/passwordペアがオプションであることを示します。

  • 内部サーバー側ドライバkprbは、暗黙的な接続を使用します。サーバー側ドライバのデータベースURLはdriver_typeで終わります。


URLの最初の部分では、使用するJDBCドライバを指定します。サポートされているdriver_type値は、thinociおよびkprbです。

URLの残りの部分には、オプションでユーザー名とパスワードをスラッシュ、@およびデータベース指定子で区切って指定します。このデータベース指定子は、アプリケーションが接続するデータベースを一意に識別します。一部のデータベース指定子は、JDBC Thinドライバ専用またはJDBC OCIドライバ専用です。両方に使用できる指定子もあります。

データベース指定子

表8-3に、データベース指定子と各指定子がサポートするJDBCドライバを示します。


注意:

  • Oracle Database 10gでは、Oracle Service IDはサポートされません。

  • Oracle Database 10g以降、ネーミング・メソッドとしてのOracle Namesはサポートされなくなりました。


表8-3 サポートされるデータベース指定子

指定子 サポートするドライバ

Oracle Net接続記述子

Thin、OCI

Thinの場合。アドレス・リストを使用します。

url="jdbc:oracle:thin:@(DESCRIPTION=
  (LOAD_BALANCE=on)
(ADDRESS_LIST=
  (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=host1) (PORT=1521))
 (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=host2)(PORT=1521)))
 (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=service_name)))"

OCIの場合。クラスタを使用します。

"jdbc:oracle:oci:@(DESCRIPTION=
  (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=cluster_alias)
    (PORT=1521))
    (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=service_name)))"

Thin形式のサービス名

Thin

詳細は、「Thin形式のサービス名の構文」を参照してください。

"jdbc:oracle:thin:scott/tiger@//myhost:1521/myservicename"

LDAP構文

Thin

詳細は、LDAP構文を参照してください。

Bequeathed接続

OCI

空。つまり、@の後には何も記述しません。

"jdbc:oracle:oci:scott/tiger/@"

TNSNames別名

Thin、OCI

詳細は、「TNSNames別名の構文」を参照してください。


Thin形式のサービス名の構文

Thin形式のサービス名は、JDBC Thinドライバでのみサポートされます。構文は、次のとおりです。

@//host_name:port_number/service_name

たとえば、次のようになります。

jdbc:oracle:thin:scott/tiger@//myhost:1521/myservicename

注意:

JDBC Thinドライバは、TCP/IPプロトコルのみをサポートします。

TNSNames別名の構文

接続元のクライアント・コンピュータ上のtnsnames.oraファイルにリストされた、利用可能なTNSNAMESエントリを検索できます。Windowsの場合、このファイルはORACLE_HOME\NETWORK\ADMINディレクトリにあります。UNIXシステムの場合は、ORACLE_HOMEディレクトリ、またはTNS_ADMIN環境変数に示されているディレクトリに格納されています。

たとえば、ホストmyhost上のデータベースに、ユーザーscott、パスワードtigerMyHostStringTNSNAMESエントリを持つ)で接続する場合は、次のように記述します。

OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
ods.setTNSEntryName("MyTNSAlias");
ods.setUser("scott");
ods.setPassword("tiger");
ods.setDriverType("oci");
Connection conn = ods.getConnection();

JDBC Thinドライバがtnsnames.oraファイルの位置を確認できるように、oracle.net.tns_adminシステム・プロパティをtnsnames.oraファイルの位置に設定する必要があります。たとえば、次のようになります。

System.setProperty("oracle.net.tns_admin", "c:\\Temp");
String url = "jdbc:oracle:thin:@tns_entry";

注意:

TNSNamesをJDBC Thinドライバとともに使用する場合は、oracle.net.tns_adminプロパティをtnsnames.oraファイルのあるディレクトリに設定する必要があります。
java -Doracle.net.tns_admin=$ORACLE_HOME/network/admin

LDAP構文

Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)構文を使用するデータベース指定子の例を次に示します。

"jdbc:oracle:thin:@ldap://ldap.acme.com:7777/sales,cn=OracleContext,dc=com"

SSLを使用する場合は、これを次のように変更します。

"jdbc:oracle:thin:@ldaps://ldap.acme.com:7777/sales,cn=OracleContext,dc=com"

注意:

JDBC Thinドライバの場合、データベース指定子のldap:ldaps:に置き換えると、LDAPを使用し、SSLを介してOracle Internet Directoryと通信できます。LDAPサーバーは、SSLを使用するように構成されている必要があります。構成されていない場合は、接続に失敗します。

JDBC Thinドライバは、サービス名の解決時にLDAPサーバー・リストのフェイルオーバーをサポートします。ハードウェア・ロード・バランサは必要ありません。また、LDAPサーバーへの接続についてはクライアント側ロード・バランシングもサポートされます。フェイルオーバーおよびロード・バランシングをサポートするため、空白で区切られたLDAP URL構文のリストが使用されます。

LDAP URLのリストを指定すると、フェイルオーバーとロード・バランシングの両方がデフォルトで有効になります。oracle.net.ldap_loadbalance接続プロパティを使用するとロード・バランシングを無効にでき、oracle.net.ldap_failover接続プロパティを使用するとフェイルオーバーを無効にできます。

フェイルオーバーを使用するが、クライアント側ロード・バランシングを無効にする例を次に示します。

Properties prop = new Properties();
String url = "jdbc:oracle:thin:@ldap://ldap1.acme.com:3500/cn=salesdept,cn=OracleContext,dc=com/salesdb " +
"ldap://ldap2.acme.com:3500/cn=salesdept,cn=OracleContext,dc=com/salesdb " +
"ldap://ldap3.acme.com:3500/cn=salesdept,cn=OracleContext,dc=com/salesdb";

prop.put("oracle.net.ldap_loadbalance", "OFF" );
OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
ods.setURL(url);
ods.setConnectionProperties(prop);

JDBC ThinドライバはLDAP非匿名バインドをサポートします。データソースに対して、認証情報を含む一連のJNDI環境プロパティを指定できます。LDAPサーバーが匿名バインドを許可しないよう設定されている場合は、LDAPサーバーに接続するために認証情報を提供する必要があります。次の例は、簡単なクリアテキストのパスワード認証を示しています。

String url = "jdbc:oracle:thin:@ldap://ldap.acme.com:7777/sales,cn=salesdept,cn=OracleContext,dc=com";

Properties prop = new Properties();
prop.put("java.naming.security.authentication", "simple");
prop.put("java.naming.security.principal","cn=salesdept,cn=OracleContext,dc=com");
prop.put("java.naming.security.credentials", "mysecret");

OracleDataSource ods = new OracleDataSource();
ods.setURL(url);
ods.setConnectionProperties(prop);

JDBCは3つのプロパティをJNDIに渡すため、クライアントによって選択される認証メカニズムは、JNDIでのそれらのプロパティの解釈方法に対応しています。たとえば、クライアントがjava.naming.security.authenticationプロパティを明示的に指定せずに認証情報を指定した場合、デフォルト認証メカニズムは単純となります。詳細は、関連するJDNIドキュメントを参照してください。