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Oracle Database Advanced Security管理者ガイド
11g リリース1(11.1)
E05729-02
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D Oracle Advanced Security FIPS 140-1の設定

Oracle Advanced Securityリリース8.1.6は、米国連邦情報処理標準(FIPS)140-1 Level 2セキュリティ・レベルで検証されています。この付録では、Oracle Advanced SecurityがFIPS 140-1標準に準拠する上で必要となる正式な構成について説明しています。次のWebサイトで、NIST Cryptographic Modules Validationのリストを参照してください。

http://csrc.nist.gov/cryptval/140-1/1401val.htm

項目は、次のとおりです。

D.1 構成パラメータ

この付録では、クライアントとサーバー間で行われたすべての接続をサーバーの制御下で暗号化するための、sqlnet.oraファイルの必須のOracle Advanced Securityパラメータについて説明します。

構成パラメータは、各クライアントおよびサーバー・プロセスごとにローカルで保持されるsqlnet.oraファイルに格納されています。これらのファイルに対して設定される保護機能は、DBAのレベルと同等である必要があります。

この付録では、次の構成パラメータについて説明しています。

D.1.1 サーバーの暗号化レベルの設定

サーバー側の折衝により、概念上の接続の設定が制御されます。サーバー・ファイル内の次のパラメータは必須です。

SQLNET.ENCRYPTION_SERVER=REQUIRED

サーバー側の接続で暗号化をREQUIREDに設定すると、クライアント側のパラメータ値に関係なく、暗号化が使用されている場合にのみ接続が許可されます。

D.1.2 クライアントの暗号化レベルの設定

ENCRYPTION_CLIENTパラメータは、クライアントの接続動作を指定します。クライアント・ファイル内の次のパラメータ設定のうちのいずれかが必須です。

SQLNET.ENCRYPTION_CLIENT=(ACCEPTED|REQUESTED|REQUIRED)

サーバーへの接続は、接続の暗号化についてクライアントとサーバーとの間で合意がある場合にのみ可能です。サーバー側で値をREQUIREDに設定すると、接続を有効とするにはクライアント側は暗号化を拒否できません。これらの値のいずれかを指定しないと、FIPS 140-1準拠のサーバーに接続するときにエラーが発生します。

D.1.3 サーバーの暗号化選択リスト

ENCRYPTION_TYPES_SERVERパラメータには、サーバーが、サーバーとして動作するときに使用できる暗号化アルゴリズムのリストを、優先的に使用する順序で指定します。指定したアルゴリズムがインストールされているか、あるいは接続が終了している必要があります。FIPS 140-1準拠の場合、DES暗号化のみが許可されているため、次のパラメータ設定が必須となります。

SQLNET.ENCRYPTION_TYPES_SERVER=(DES|DES40)

D.1.4 クライアントの暗号化選択リスト

ENCRYPTION_TYPES_CLIENTパラメータには、サーバーとの接続のためにクライアント側で使用する準備ができている暗号化アルゴリズムのリストを指定します。接続を成功させるには、まず、アルゴリズムがインストールされる必要があり、暗号化タイプがサーバーに対して相互に受入れ可能である必要があります。

FIPS 140-1に構成されるサーバーとの接続を作成するには、次のパラメータ設定が必須となります。

SQLNET.ENCRYPTION_TYPES_CLIENT=(DES|DES40)

D.1.5 暗号シード値

CRYPTO_SEEDパラメータには、ランダム番号ジェネレータのシードを構成する文字が含まれています。FIPS 140-1標準を満たすためにこのパラメータを設定するという明示的な必要性はありません。このパラメータを使用する場合は、いずれかのシードの品質が向上するように、10〜70字のランダムな文字を使用して設定できます。このパラメータにランダムな文字を多数使用する場合、ランダム番号ジェネレータを使用すると出力の品質が向上します。

このパラメータを設定するには、次の構文を使用します。

SQLNET.CRYPTO_SEED=10_to_70_random_characters

D.1.6 FIPSパラメータ

FIPS_140パラメータのデフォルト設定はFALSEです。Oracle Advanced SecurityをFIPS 140-1で定義された標準に確実に準拠させるには、次のようにクライアントとサーバーの両方でこのパラメータをTRUEに設定することが必須です。

SQLNET.FIPS_140=TRUE

注意:


sqlnet.oraファイルにFIPS_140パラメータを設定するには、テキスト・エディタを使用します。このパラメータの設定には、Oracle Net Managerを使用することはできません。

D.2 インストール後のチェック

インストール後に、オペレーティング・システムで次の許可を確認する必要があります。

FIPS 140-1 Level 2要件に準拠するには、セキュリティ・ポリシーの中に、権限のないユーザーがOracle Advanced Securityのプロセスを読み取ったり、変更したりしないようにする手順を組み込む必要があります。

D.3 ステータス情報

Oracle Advanced Securityのステータス情報は、接続が確立すると使用できます。この情報は、RDBMS仮想表v$session_connect_infoに格納されています。

問合せSELECT * from V$SESSION_CONNECT_INFOを実行すると、アクティブな接続のすべての製品バナー情報が表示されます。表D-1は、DES暗号化とMD5データ整合性の両方が定義されている接続構成の例を示しています。

表D-1 v$session_connect_infoからのサンプル出力

SID AUTHENTICATION OSUSER NETWORK_SERVICE_BANNER

7

DATABASE

oracle

Oracle Bequeath operating system adapter for Solaris, v8.1.6.0.0

7

DATABASE

oracle

Oracle Advanced Security: encryption service for Solaris

7

DATABASE

oracle

Oracle Advanced Security: DES encryption service adapter

7

DATABASE

oracle

Oracle Advanced Security: crypto-checksumming service

7

DATABASE

oracle

Oracle Advanced Security: MD5 crypto-checksumming service adapter


D.4 物理的なセキュリティ

FIPS 140-1 Level 2要件に準拠するには、カバーが外されたことを発見できるように、各コンピュータのカバーに不正開封防止シールを貼付する必要があります。