FCEXECコマンドは、予測のためにFCSETコマンドによって指定されるパラメータ・オプションに基づいて予測を実行するコマンドです。FCEXECコマンドは、時間ディメンション以外の式のディメンションをすべて暗黙的にループ処理します。
FCEXECコマンドは、「予測プログラム」に示すように他のOLAP DML文と組み合せて使用する必要があります。
構文
FCEXEC handle-expression [choice] time-series-expression
ここで、choiceは、次のいずれか1つ以上です。
引数
FCOPENファンクションを使用して前に開いた予測コンテキストへのハンドルを指定するINTEGER
式。
時間ディメンションの名前。time-series-expressionのディメンションの1つがDAY、WEEK、MONTH、QUARTERまたはYEAR型である場合、このパラメータを指定する必要はありません。
time-series-expressionの時間データ型(DAY、WEEK、MONTHまたはYEAR)の時間単位における営業日数を指定するINTEGER
式。デフォルトでは、この値は時間単位における合計日数です。
予測エンジンが予測データを格納するためのOracle OLAP変数の名前。この変数は、時間ディメンション、およびステータスにある複数の値を持つtime-series-expressionのその他のディメンションによってディメンション化されている必要があります(この変数は追加ディメンションを持つことができます。ただし、この場合Oracle OLAPは予測を実行するときに、それぞれの追加ディメンションをディメンションのステータス・リストの最初の値に制限します)。
重要: INTOを指定せず、time-series-expressionがOracle OLAP変数を指す場合、予測エンジンは入力変数に予測の出力データを移入するので、元のデータが上書きされます。 |
予測エンジンが季節係数を表すデータを移入する変数の名前。予測エンジンは係数を1サイクルのみ生成し、その値をステータスにある最初の期間から始まるこの変数に格納します。この変数は、時間ディメンション、およびステータスにある複数の値を持つtime-series-expressionのその他のディメンションによってディメンション化されている必要があります(この変数は追加ディメンションを持つことができます。ただしこの場合Oracle OLAPは、予測エンジンが予測を実行するときに、それぞれの追加ディメンションをディメンションのステータス・リストの最初の値に制限します)。
予測エンジンが平滑季節係数を表すデータを移入する変数の名前。予測エンジンは係数を1サイクルのみ生成し、その値をステータスにある最初の期間から始まるこの変数に格納します。他のすべての値はNA
に設定されます。この変数は、時間ディメンション、およびステータスにある複数の値を持つtime-series-expressionのその他のディメンションによってディメンション化されている必要があります(この変数は追加ディメンションを持つことができます。ただしこの場合Oracle OLAPは、予測エンジンが予測を実行するときに、それぞれの追加ディメンションをディメンションのステータス・リストの最初の値に制限します)。
BACKCASTキーワードは、予測エンジンが適合履歴データを返すことを指定します。通常、このデータは履歴期間のサブセット(適合ウィンドウともいう)でのみ使用可能です。予測エンジンは、適合ウィンドウ以外の履歴期間に対応するデータの値をNA
に設定します。
重要: BACKCASTの値を指定してINTO変数の値を指定しない場合、予測エンジンはバックキャスト・データをソース変数に移入するので、元のデータは上書きされます。 |
FCEXECが値を計算するデータを指定する式。time-series-expressionは、time-dimensionによってディメンション化される数式である必要があります。time-series-expressionは、他のディメンションによってディメンション化することもできます。その場合、FCEXECは時間ディメンション以外の式のディメンションをすべて暗黙的にループ処理します。time-series-expressionの最大ステータス長は5000です。
注意
単一値の予測
FCEXECコマンドは、時間ディメンション以外の時系列式のすべてのディメンションを暗黙的にループ処理します。多次元の時系列式の値を1つのみ予測する場合、FCEXECコマンドを実行する前に、すべての非時間ディメンションのステータスを単一の値に制限する必要があります。
例
例9-118 予測プログラム
fcin1
という名前の入力変数にあるデータから予測を行うautofcst
という名前のプログラムを定義するとします。fcin1
変数は、timedim
という名前の時間ディメンションによってディメンション化されます。autofcst
プログラムの定義および仕様は、次のとおりです。
DEFINE autofcst PROGRAM PROGRAM " Using the Automatic forecasting method " Suppose you want to create a forecast from the data in " an input variable named fcin1 that is dimensionsed by " a time dimension named timedim. " " Open a forecasting context hndl = FCOPEN('MyForecast') " Initialize the target variables fcout1 = NA fcseas1 = NA fcsmseas1 = NA " Specify that the forecast be of the AUTOMATIC type fcset hndl method 'automatic' " Execute the forecast FCEXEC hndl time timedim INTO fcout1 - seasonal fcseas1 smseasonal fcsmseas1 backcast fcin1 " Create a report showing the input and output of the forecast REPORT DOWN timedim fcin1 fcout1 fcseas1 fcsmseas1 " Run a program named queryall to retrieve the characteristics " of the forecasting trials QUERYALL " Close the forecasting context FCCLOSE hndl END
autofcst
プログラムは、予測コンテキストを開いて、予測のオプションのAUTOMATICへの設定、予測されたデータに関するレポート、およびOracle OLAPが使用する方法を決定するために実行した様々な試行の特性に対する問合せとレポートを行い、予測コンテキストを閉じます。
autofcst
プログラムには、予測への入力および予測からの出力に関するレポートを表示する次のレポート・コマンドがあります。
REPORT DOWN timedim fcin1 fcout1 fcseas1 fcsmseas1
この文によって作成されるサンプル・レポートを次に示します。
TIMEDIM FCIN1 FCOUT1 FCSEAS1 FCSMSEAS1 -------------- ---------- ---------- ---------- ---------- Jan97 NA NA 1.06725482 1.02926773 Feb97 NA NA .978607917 .945762221 Mar97 NA NA 1.12699278 .860505188 Apr97 NA NA .576219022 .905284834 May97 NA NA .920601317 .907019312 Jun97 NA NA 0.91118344 1.0580697 Jul97 NA NA 1.07886483 1.05597234 Aug97 NA NA 1.08101034 1.054612 Sep97 NA NA 1.08077427 1.05361672 Oct97 2,914 NA 1.08351799 1.05380407 Nov97 2,500 NA 1.01126778 1.04504316 Dec97 2,504 NA 1.08370549 1.03104272 Jan98 3,333 NA NA NA Feb98 2,512 NA NA NA Mar98 2,888 NA NA NA ... ... ... ... ... Jan01 NA 3,371.7631 NA NA Feb01 NA 2,736.4811 NA NA Mar01 NA 3,408.3656 NA NA Apr01 NA 714.277175 NA NA May01 NA 2,502.9315 NA NA Jun01 NA 3,195.3626 NA NA Jul01 NA 3,911.6058 NA NA Aug01 NA 4,000.651 NA NA Sep01 NA 4,220.2658 NA NA Oct01 NA 3,416.0208 NA NA Nov01 NA 2,827.3943 NA NA Dec01 NA 2,990.8629 NA NA
queryall
プログラムとその出力から作成されたサンプル・レポートは、例7-87「予測の問合せ」に示してあります。