INFOファンクションは、FORECAST、PARSEまたはREGRESS文によって生成される情報、あるいはアナリティック・ワークスペースのモデルに関して生成される情報を取得します。
INFOファンクションの構文は、取得する情報の種類によって異なるので、次のように4つに分けて説明します。
INFO(FORECAST)ファンクションは、FORECAST文によって生成されてOracle OLAPによって内部的に格納される情報を取得します。INFOにキーワードを使用することにより、計算した予測に関する特定の情報を抽出できます。
注意: INFOを使用する前に、FORECAST.REPORTについて理解しておいてください。FORECAST.REPORTは、結果に関する標準的なレポートで、これによって必要な情報がすべて得られます。INFOは、主にカスタマイズされたレポートの作成やさらに詳細な結果の分析の実行に効果的です。 |
予測が計算されていない情報を抽出しようとすると、INFOはエラーを生成します。キーワードAVAILABLEを使用すると、現在取得できる結果があるかどうかを判断できます。
戻り値
後述の表に示すように、戻り値は使用するキーワードによって異なります。範囲外の索引を使用した場合、または直前に使用した予測法に適用されないキーワードを選択した場合、INFOはNA
を返します。たとえば、予測の計算式に2つの係数がある場合に12番目の係数を要求すると、INFOはNA
を返します。
構文
INFO(FORECAST choice [index])
引数
FORECAST文によって生成される情報を取得することを示します。
取得する特定の情報。FORECASTに関して使用可能なキーワードを、表7-12「すべての方法に対するキーワード」、表7-13「TRENDおよびEXPONENTIAL予測に対するキーワード」および表7-14「WINTERS予測に対するキーワード」に示します。索引付けが必須と示されているキーワードには、index引数が必要です。
複数の異なる結果がありうるchoiceに関して、取得する結果を指定するINTEGER式。たとえば、傾向方程式には複数の係数がある可能性があります。indexを使用することによって、情報を取得する係数を指定できます。indexが必須のchoiceで省略すると、エラーが発生します。
表7-12 すべての方法に対するキーワード
キーワード | 型 | 索引付け | 意味 |
---|---|---|---|
AVAILABLE |
BOOL |
なし |
情報を取得できる計算予測があるか |
DEPENDENT |
TEXT |
なし |
予測される変数または式 |
METHOD |
TEXT |
なし |
予測法 |
MAPE |
DEC |
なし |
平均絶対誤差率(適合度の程度) |
LENGTH |
INT |
なし |
計算される予測期間の数 |
TIME |
TEXT |
なし |
予測が実行されるディメンション |
FCNAME |
TEXT |
なし |
適合値および予測値が含まれる変数の名前(予測が保存されていない場合は |
表7-13 TRENDおよびEXPONENTIAL予測に対するキーワード
キーワード | 型 | 索引付け | 意味 |
---|---|---|---|
FORMULA |
TEXT |
なし |
予測方程式のテキスト。 |
NUMCOEFS |
INT |
なし |
係数の数。 |
COEFFICIENT |
DEC |
あり |
予測方程式の指定される係数。取得する係数をindexで指定。 |
表7-14 WINTERS予測に対するキーワード
キーワード | 型 | 索引付け | 意味 |
---|---|---|---|
PERIODICITY |
INT |
なし |
季節サイクルの期間の数。 |
ALPHA |
DEC |
なし |
平滑データ系列の平滑化定数。 |
BETA |
DEC |
なし |
季節指数系列の平滑化定数。 |
GAMMA |
DEC |
なし |
傾向系列の平滑化定数。 |
STSMOOTHED |
DEC |
なし |
平滑データ系列の開始値。 |
STSEASONAL |
DEC |
あり |
季節指数系列の開始値。取得する開始値をindexで指定。 |
STTREND |
DEC |
なし |
傾向系列の開始値。 |
FCSMOOTHED |
TEXT |
なし |
平滑データ系列を保持する変数。 |
FCSEASONAL |
TEXT |
なし |
季節指数系列を保持する変数。 |
FCTREND |
TEXT |
なし |
傾向系列を保持する変数。 |
例
例7-111 予測情報の取得
この例では、売上が予測されているとします。
次の文は、sales
変数のディメンションを制限し、予測の計算式を取得します。
LIMIT product TO 'Sportswear' LIMIT district TO 'Chicago' LIMIT month TO 'Jan95' TO 'Dec96' FORECAST LENGTH 12 METHOD EXPONENTIAL FCNAME fcst time - month sales SHOW INFO(FORECAST FORMULA)
これらの文によって生成される出力は次のとおりです。
87718.0009541865 * (1.005533834579 ** MONTH)
次の文は、予測の平均絶対誤差率を取得します。
SHOW INFO(FORECAST MAPE)
この文によって生成される出力は、次のとおりです。
.17
INFO(MODEL)ファンクションは、アナリティック・ワークスペースのモデルに関してOracle OLAPにより生成されて内部的に格納される情報を取得します。INFOにキーワードを使用することにより、コンパイルされたモデルの構造および現行セッションで実行したモデルのステータスに関する特定の情報を抽出できます。
注意: INFOを使用する前に、MODEL.COMPRPT、MODEL.DEPRTおよびMODEL.XEQRPTによって作成されるレポート(必要とする情報をすべて含む)について理解しておいてください。 |
キーワードAVAILABLEをINFOで指定すると、現在取得できるモデルの結果があるかどうかを判断できます。それ以外の情報を、現行セッションでモデルを検討または定義しないで抽出しようとすると、INFOはエラーを生成します。
戻り値
後述の表に示すように、戻り値は使用するキーワードによって異なります。範囲外の索引を使用した場合、または関係のない情報を要求した場合、INFOはNA
を返します。たとえば、モデルに5つの文が含まれている場合に文6に関する情報を要求すると、INFOはNA
を返します。あるいは、代入ターゲットが実際は変数である場合にキーワードDIMENSION REFERENCEを指定すると、INFOはNA
を返します。
構文
INFO(MODEL choice [index1 [index2 [index3]]])
ここで、indexは、複数の異なる結果がありうるchoiceに関して、取得する結果を指定する引数です。選択するキーワードによって、次の索引引数を1つ以上指定できます。
引数
アナリティック・ワークスペースのモデルに関する情報を取得することを示します。INFOは、最も新しく定義したモデル、または現行セッションで検討したモデルに関する情報を返します(DEFINE MODELおよびCONSIDERコマンドを参照)。
取得する情報を特定するキーワード。モデルに関して使用可能なキーワードを、それぞれの情報カテゴリを表す次の表に示します。
表7-17「ターゲット、ソースおよび依存関係に関する情報を取得するINFO(MODEL)のキーワード」。ここに示すキーワードによって、方程式である文に関する情報が提供されます。この方程式の形式は代入ターゲット = 式です。等号記号の右側の式は1つ以上のデータソースが可能です。代入ターゲットおよびデータソースは変数またはディメンション値にでき、そのディメンション性に影響を与える修飾子を持つことができます。
表7-18「実行ステータスに関する情報を取得するINFO(MODEL)のキーワード」。ここに示すすべてのキーワード(XEQSTATUSを除く)は、連立ブロックとともにモデルを実行した後にのみ関係します。現行モデルがコンパイルされていない場合にAVAILABLEまたはNAMEを除くいずれかのキーワードを使用すると、Oracle OLAPはエラーを返します。
各表は4つの列で構成され、キーワード、戻り値のデータ型、キーワードに関連付けられた索引引数、および意味を示します。
表7-15 モデルに関する一般情報を取得するINFO(MODEL)のキーワード
キーワード | データ型 | 索引引数 | 意味 |
---|---|---|---|
AVAILABLE |
BOOL |
(引数なし) |
情報を取得できるモデルがあるか。 |
NAME |
TEXT |
[MODEL model-num] |
model-numがない場合(またはmodel-numが0の場合)、現行モデルの名前。model-numが0より大きい場合、現行モデル内の指定されたmodel-numであるインクルードされたモデルの名前。 |
COUNT STATEMENTS |
INT |
(引数なし) |
現行モデルの文の数。この数には、コメント、方程式、およびDIMENSIONとINCLUDEのコマンド(ある場合)が含まれるが、インクルードされたモデルの文は含まれない。 |
STATEMENT |
TEXT |
stmnt-num |
文stmnt-numのテキスト。 |
SIMULTANEOUS |
BOOL |
(引数なし) |
現行モデルに連立ブロックが含まれるか。 |
表7-16 モデルの構造に関する情報を取得するINFO(MODEL)のキーワード
キーワード | データ型 | 索引引数 | 意味 |
---|---|---|---|
COUNT ELEMENTS |
INT |
[BLOCK block-num] |
block-numがない場合、現行モデルのブロックの数。block-numがある場合、現行モデルのブロックblock-num内の文およびネストされたブロックの合計数。 特定要素に関して詳細情報を要求する場合(たとえば、TYPE ELEMENTキーワードによって)、その要素が属するブロック番号およびブロック内の要素番号を常に指定する。 |
TYPE ELEMENT |
TEXT |
element-num BLOCK block-num |
ブロックblock-numの要素element-numがネストされたブロックであるか文であるかに従って、BLOCKまたはSTATEMENTが返される。 |
NUMBER BLOCK |
INT |
element-num BLOCK block-num |
ブロックblock-numの要素element-numであるネストされたブロックのブロック番号。 |
TYPE BLOCK |
TEXT |
block-num |
ブロックblock-numの実行タイプに従って、SIMPLE、STEP-FORWARD、STEP-BACKWARDまたはSIMULTANEOUSが返される。 |
COUNT DIMS |
INT |
[BLOCK block-num] |
block-numがない場合、現行モデルのモデル・ディメンションの数。block-numがある場合、現行モデル内のブロックblock-numのステップフォワード・ディメンション、ステップバックワード・ディメンションまたは連立ディメンションの数。 |
DIMENSION |
TEXT |
dimension-num [BLOCK block-num] |
block-numがない場合、現行モデルのモデル・ディメンションdimension-numの名前。block-numがある場合、ブロックblock-numの指定されたステップフォワード・ディメンション、ステップバックワード・ディメンションまたは連立ディメンションの名前。 |
NUMBER STATEMENT |
INT |
element-num BLOCK block-num |
ブロックblock-numの要素element-numである文の文番号。 文番号はそのモデル内の文の位置を表す。文に関してさらに情報を要求する(たとえば、HIDDENキーワードによって)には、そのモデルが現在検討しているモデルでなければならない。 |
HIDDEN |
BOOL |
stmnt-num |
文stmnt-numが後続の文によってマスクされているか。 |
NUMBER MODEL |
INT |
element-num BLOCK block-num
|
ブロックblock-numの要素element-numである文がどこから受け取られるかを示すインクルードされたモデルの番号。
|
表7-17 ターゲット、ソースおよび依存関係に関する情報を取得するINFO(MODEL)のキーワード
キーワード | データ型 | 索引引数 | 意味 |
---|---|---|---|
COUNT SOURCES |
INT |
STATEMENT stmnt-num |
現行モデル内の文stmnt-numのデータソースの数。 |
TYPE REFERENCE |
TEXT |
STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
source-numがない場合、文stmnt-numの代入ターゲットのオブジェクト型。source-numがある場合、文stmnt-numのデータソースsource-numのオブジェクト型。参照が変数に対する場合、オブジェクト型はVARIABLE。参照がディメンションの値に対する場合、オブジェクト型はDIMENSION。 |
VARIABLE REFERENCE |
TEXT |
STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
source-numがない場合、文stmnt-numの代入ターゲットである変数の名前。source-numがある場合、文stmnt-numのデータソースsource-numである変数の名前。 |
VALUE REFERENCE |
TEXT |
STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
source-numがない場合、文stmnt-numの代入ターゲットであるディメンション値。source-numがある場合、文stmnt-numのデータソースsource-numであるディメンション値。 |
DIMENSION REFERENCE |
TEXT |
STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
source-numがない場合、文stmnt-numのターゲット・ディメンション値のモデル・ディメンション。source-numがある場合、文stmnt-numのソース・ディメンション値source-numのモデル・ディメンション。 |
COUNT QUALIFIERS |
INT |
STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
source-numがない場合、文stmnt-numの代入ターゲットの修飾子の数。source-numがある場合、文stmnt-numのデータソースsource-numの修飾子の数。 |
TYPE QUALIFIER |
TEXT |
qualifier-num STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
source-numがない場合、文stmnt-numのターゲットの修飾子qualifier-numの修飾子型。source-numがある場合、文stmnt-numのデータソースsource-numの修飾子qualifier-numの修飾子型。修飾子型はディメンションの依存関係を示す。LAGは前のディメンション値のみ、LEADは後の値のみ、BOTHは前と後の両方の値、VARIABLEはモデルが実行される際の変数の値に従って前または後の値。さらに、QDR(修飾データ参照)の修飾子型もある。 |
DIMENSION QUALIFIER |
TEXT |
qualifier-num STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] |
qualifier-num STATEMENT stmnt-num [SOURCE source-num] source-numがない場合、文stmnt-numの代入ターゲットの修飾子qualifier-numのディメンション。source-numがある場合、文stmnt-numのデータソースsource-numの修飾子qualifier-numのディメンション。 |
表7-18 実行ステータスに関する情報を取得するINFO(MODEL)のキーワード
キーワード | データ型 | 索引引数 | 意味 |
---|---|---|---|
XEQSTATUS |
TEXT |
[BLOCK block-num] |
block-numがない場合、モデル全体の実行ステータス。モデルが実行されていなかったときのステータスはNOT EXECUTED。block-numがある場合、ブロックblock-numの実行ステータス。モデルが実行されていなかったときはエラーが返される。モデルが実行されていたとき、モデル全体またはブロックのステータスはSOLVED、DIVERGEDまたはFAILED TO CONVERGE。外部レベルのブロックのステータスは、その中のネストされたブロックが発散した場合または収束に失敗した場合にEXECUTION INCOMPLETE。 |
COUNT ITERATIONS |
INT |
BLOCK block-num |
ブロックblock-numが解決されるまでに、またはそのブロックが発散するか収束に失敗するまでにそれに対して実行された反復の数。 |
DAMP |
DEC |
(引数なし) |
モデルが実行されたときのMODDAMPオプションの値(解決方法がGAUSSの場合のみ該当)。 |
DIVERGSTMT |
INT |
BLOCK block-num |
ブロックblock-numの計算時に発散した文の要素番号。 |
GAMMA |
INT |
(引数なし) |
モデルが実行されたときのMODGAMMAオプションの値。 |
MAXITERS |
INT |
(引数なし) |
モデルが実行されたときのMODMAXITERSオプションの値。 |
OVERFLOW |
INT |
(引数なし) |
モデルが実行されたときのMODOVERFLOWオプションの値。 |
SIMULTYPE |
TEXT |
(引数なし) |
モデルが実行されたときのMODSIMULTYPEオプションの値(AITKENSまたはGAUSS)。 |
TOLERANCE |
INT |
(引数なし) |
モデルが実行されたときのMODTOLERANCEオプションの値。 |
情報を取得するブロックを指定するINTEGER式。block-numは、MODEL.COMPRPTプログラムによって生成されるレポートで特定されるブロック番号に一致します。
情報を取得するモデル・ディメンションまたはブロック・ディメンションを指定するINTEGER式。モデル全体の場合、そのモデルで最初にリストされるディメンションはdimension-num 1になります。たとえば、MODEL.COMPRPTによってモデル・ディメンションが<line month>
として指定されるとします。この場合、line
がdimension-num 1
で、month
がdimension-num 2
です。現行モデルの連立ブロックの場合、ブロックの最初のディメンションがdimension-num 1
になり、それに続きます。ステップフォワード・ブロックまたはステップバックワード・ブロックのディメンションは1つなので、ブロックのディメンションは常にdimension-num 1
です。モデル全体のディメンションのリスト、またはモデルの各ブロックのディメンションのリストを参照するには、MODEL.COMPRPTプログラムを実行します。
情報を取得する要素を指定するINTEGER式。要素に関する情報を要求する場合、要素が属するブロック番号を常に指定します。要素は指定したブロックの文であるか、指定したブロック内のネストされたブロックです。要素番号はコンパイルされたモデルの文およびブロックの順序に一致します。MODEL.COMPRPTプログラムを実行すると、コンパイルされたモデルの要素のリストを参照できます。
たとえば、現行モデルのコンパイルされた構造が次のとおりであるとします。
block 1 statement a block 2 statement b statement c END block 2 statement d END block 1
この前のモデルのblock
1
に関する情報を要求する場合、statement
a
がelement-num 1
、block
2
がelement-num 2
、statement
d
がelement-num 3
です。block
2
に関する情報を要求する場合、statement
b
がelement-num 1
、statement
c
がelement-num 2
です。
インクルードされたモデルの階層の場合、情報を取得するモデルを指定するINTEGER式。現在検討しているモデルはmodel-num 0
(ゼロ)、そのモデルがインクルードするモデルはmodel-num 1
などとなります。ルート・モデルが階層で最も大きいモデル番号になります。
情報を取得する修飾子を指定するINTEGER式。修飾子は、変数またはディメンション値の参照のディメンション性を変更します。参照は、LAG、LEAD、TOTALなどのファンクション、または修飾データ参照(QDR)で修飾できます。文の修飾子を参照するには、その文を含むモデルに対してMODEL.DEPRTプログラムを実行します。
モデル内の方程式ごとに、MODEL.DEPRTのレポートは、代入ターゲットとその修飾子を1行で示してその後にデータソースを続けます。各データソースはその修飾子とともに別の行に示されます。さらに、MODEL.DEPRTのレポートは、各修飾子の修飾子型LAG、LEAD、BOTH、VARIABLEまたはQDRも示します(INFOのキーワードを示す3つ目の表のTYPE QUALIFIERを参照)。
ターゲットおよび各ソースに関して、qualifier-numは、MODEL.DEPRTのレポートでリストされる修飾子の順序に一致します。
情報を取得するデータソースを指定するINTEGER式。計算において、変数またはディメンション値に対する各参照が代入ターゲットのデータのソースとして数えられます。定数値はソースとして数えられません。
文のデータソースを参照するには、その文を含むモデルに対してMODEL.DEPRTプログラムを実行します。モデル内の方程式ごとに、MODEL.DEPRTのレポートは、代入ターゲットを1行で示してその後にデータソースを続けます。各データソースは別の行に示されます。
情報を取得する文を指定するINTEGER式。常に、Stmnt-numは現在検討しているモデルの文を指します。インクルードされたモデルから受け取る文を指しません。
現行モデルの文番号を参照するには、MODEL.COMPRPTプログラムを実行します。このレポートによって、各文の左側に、文の取得元のモデルとそのモデル内の文番号がリストされます。
例
例7-112 修飾子情報の取得
次の文は、income.plan
という名前のモデルの文3であるとします。
budget(line revenue) = LAG(actual(line revenue), 1, month) - + plan.factor
MODEL.DEPRPT
プログラムを実行すると、この文のターゲットおよびソースの修飾子を参照できます。
MODEL.DEPRPT income.plan
この文によって生成される出力は、次のとおりです。
MODEL INCOME.PLAN ... 3 BUDGET(QDR <LINE>): ACTUAL(LAG <MONTH>)(QDR <LINE>) PLAN.FACTOR ...
このレポートによって、代入ターゲットbudget
には2つのデータソースactual
およびplan.factor
があることがわかります。
例7-113 修飾子情報のチェック
次の文は、INCOME.PLANを現行モデルにして、文3の代入ターゲットの修飾子の数と型をチェックします。
CONSIDER income.plan SHOW INFO(MODEL COUNT QUALIFIERS STATEMENT 3)
これらの文によって生成される出力は次のとおりです。
1
次のOLAP DML文を発行します。
SHOW INFO(MODEL TYPE QUALIFIER 1 STATEMENT 3)
生成される出力は次のとおりです。
QDR
例7-114 異なるデータソースのチェック
次に示す各文は、文3の2つのデータソースの修飾子の数および型をチェックします。
次のOLAP DML文を発行します。
SHOW INFO(MODEL COUNT QUALIFIERS STATEMENT 3 SOURCE 1)
生成される出力は次のとおりです。
2
次のOLAP DML文を発行します。
SHOW INFO(MODEL TYPE QUALIFIER 1 STATEMENT 3 SOURCE 1)
生成される出力は次のとおりです。
LAG
次のOLAP DML文を発行します。
SHOW INFO(MODEL TYPE QUALIFIER 2 STATEMENT 3 SOURCE 1)
生成される出力は次のとおりです。
QDR
次のOLAP DML文を発行します。
SHOW INFO(MODEL COUNT QUALIFIERS STATEMENT 3 SOURCE 2)
生成される出力は次のとおりです。
0
INFO(PARSE)ファンクションは、PARSE文によって生成されてOracle OLAPによって内部的に格納される情報を取得します。INFOにキーワードを使用することにより、解析した式に関する特定の情報を抽出できます。
戻り値
戻り値は、表7-19に示すように、使用するキーワードによって異なります。取得できない情報を抽出しようとした場合、または範囲外の索引を使用した場合、INFOはNA
を返します。たとえば、4つの式を含む句を解析してから12番目のFORMULAを要求すると、INFOはNA
を返します。
構文
INFO(PARSE choice [index])
引数
PARSE文によって生成される情報を取得することを示します。
取得する特定の情報。PARSEに対して選択可能なキーワードを、表7-19「INFO PARSEのキーワード」に示します。索引付けが可能と示されているキーワードは、オプションのindex引数を取ることができます。
複数の異なる結果がありうるchoiceに関して、取得する結果を指定するINTEGER式。たとえば、3つの式を含むテキストを解析した場合、各式にはそれぞれの計算式およびデータ型があります。indexを使用することによって、対象とする式を指定できます。
indexを省略した場合、INFOはすべての情報を複数行の値で返します。
表7-19 INFO PARSEのキーワード
キーワード | 型 | 索引付け | 意味 |
---|---|---|---|
PARSEABLE |
BOOL |
なし |
Oracle OLAPがテキストを解析できたか。 |
ERRORTEXT |
TEXT |
なし |
式が解析されなかった場合のエラー・メッセージのテキスト。 |
NUMFORMULAS |
INT |
なし |
解析された式(計算式)の数。 |
NUMDIMS |
INT |
なし |
解析されたすべての式の結合にあるディメンションの数。 |
FORMULA |
TEXT |
あり |
指定された式のテキスト(計算式)。取得するテキストをindexで指定。 |
DATA |
TEXT |
あり |
指定された式のデータ型。 |
TYPE |
TEXT |
あり |
指定された式のオブジェクトの型。式がオブジェクトの名前である場合はその型が返され、式が修飾データ参照である場合はQDR、式がそれ以外である場合はEXPが返される。 |
DIMENSION |
TEXT |
あり |
式のすべてのディメンションの結合にある指定されたディメンションの名前。 |
例
例7-115 修飾子情報の取得
単純なレポート・プログラムにおいて、レポートの対象とするデータをプログラムに対する引数としてユーザーが指定できるようにします。ユーザーが指定できるのは、データ変数の名前および式です。ARGS文では式の引数を処理できないので、PARSEおよびINFOを使用して、プログラムの引数を解析してレポートを生成します。
次の文は、単純なレポート・プログラムを作成します。
DEFINE report1 PROGRAM PROGRAM PUSH month product district DECIMALS DECIMALS = 0 LIMIT month TO FIRST 2 LIMIT product TO ALL LIMIT district TO 'Chicago' PARSE ARGS REPORT ACROSS month: WIDTH 8 <&INFO(PARSE FORMULA 1) - WIDTH 13 &INFO(PARSE FORMULA 2)> POP month product district DECIMALS END
ユーザーがこのプログラムを実行する場合、変数の名前(sales
)または式(sales-expense
)、あるいはその両方を引数として指定できます。
次の文を発行します。
REPORT1 sales sales-expense
生成される出力は次のとおりです。
DISTRICT: CHICAGO --------------------MONTH-------------------- --------Jan95--------- --------Feb95--------- PRODUCT SALES SALES-EXPENSE SALES SALES-EXPENSE ------------ -------- ------------- -------- ------------- Tents 29,099 1,595 29,010 1,505 Canoes 45,278 292 50,596 477 Racquets 54,270 1,400 58,158 1,863 Sportswear 72,123 7,719 80,072 9,333 Footwear 90,288 8,117 96,539 13,847
INFO(REGRESS)ファンクションは、REGRESS文によって生成されてOracle OLAPによって内部的に格納される情報を取得します。INFOにキーワードを使用することにより、計算した回帰に関する特定の情報を抽出できます。
注意: INFOを使用する前に、REGRESS.REPORTについて理解しておいてください。REGRESS.REPORTは、結果に関する標準的なレポートを生成するもので、これによって必要な情報がすべて得られます。INFOは、主にカスタマイズのレポートの作成やさらに詳細な結果の分析の実行に効果的です。 |
戻り値
戻り値は、表7-20「INFO REGRESSのキーワード」に示すように、使用するキーワードによって異なります。
構文
INFO(REGRESS choice [index])
引数
REGRESS文によって生成される情報を取得することを示します。
取得する特定の情報。REGRESSに対して選択可能なキーワードを、表7-20「INFO REGRESSのキーワード」に示します。索引付けが必須と示されているキーワードには、index引数が必要です。
複数の異なる結果がありうるchoiceに関して、取得する結果を指定するINTEGER式。たとえば、回帰において複数の独立変数がある場合があります。indexを使用することによって、情報を取得する独立変数を指定できます。indexが必須のchoiceで省略すると、エラーが発生します。
表7-20 INFO REGRESSのキーワード
キーワード | 型 | 索引付け | 意味 |
---|---|---|---|
AVAILABLE |
BOOL |
なし |
情報を抽出できる計算された回帰があるか。 |
DEPENDENT |
TEXT |
なし |
回帰の従属変数の名前。 |
NOINTERCEPT |
BOOL |
なし |
切片によって計算される回帰が抑止されたか。 |
WEIGHTED |
BOOL |
なし |
直前の回帰は加重されたか。 |
WEIGHTED |
TEXT |
なし |
直前の回帰を加重するために使用された式。 |
NUMCOEFS |
INT |
なし |
係数の数。 |
INDEPENDENT |
TEXT |
あり |
独立変数。取得する独立変数をindexで指定(切片が抑止されなかった場合、切片が最初となる)。 |
COEFFICIENT |
DEC |
あり |
予測係数。取得する係数をindexで指定。 |
STDERROR |
DEC |
あり |
予測係数の標準エラー。取得する標準エラーをindexで指定。 |
TRATIO |
DEC |
あり |
予測係数のT-比率。取得するT-比率をindexで指定。 |
NUMOBS |
INT |
なし |
使用された測定値の数。 |
FRATIO |
DEC |
なし |
回帰のF-比率。 |
RBSQ |
DEC |
なし |
回帰の修正R-2乗。 |
FORMULA |
TEXT |
なし |
回帰計算式。 |
STDERROREST |
DEC |
なし |
回帰に対する予測の標準エラー。 |
RESET |
BOOL |
|
AVAILABLEの元の状態をリセットして |
注意
回帰結果を取得可能かどうかの判断
回帰が実行されていない情報を抽出しようとすると、INFOはエラーを生成します。キーワードAVAILABLEを使用すると、現在取得できる結果があるかどうかを判断できます。回帰が一度正常に実行されると、その後で1回以上回帰が失敗しても前の成功した回帰の結果が取得可能なので、AVAILABLEはTRUEのままです。AVAILABLEの状態を変更するためにRESETを使用して元の値のNO
に戻すまで、AVAILABLEはTRUEのままです。
索引が原因のNAの結果
範囲外の索引を使用した場合、INFOはNA
を返します。たとえば、回帰に5つの独立変数がある場合に12番目の独立変数の係数を要求すると、INFOはNA
を返します。
例